殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

疲労宴

2019年07月28日 09時42分07秒 | みりこんぐらし

先日、同級生の友人けいちゃんは

 

大好きな広島カープの試合を見に行った。

 

途中でトイレに行くと満員だったので、個室のドアの前で待つ。

 

すると中から出てきたのは、なっちゃん。

 

少し前の記事、『また留守番』に登場した

 

悪い子ではないけど何かと厄介な同級生である。

 


「きゃ~!誰かと思った!」

 

 あまりの偶然に、けいちゃんはつい叫んだ。

 

そしてなっちゃんに厳しく注意される。

 

「声が大きい!」

 

 

遠くで知り合いにバッタリ会った驚きと

 

冷たく叱られた悲しみを胸に

 

けいちゃんはトイレをすませて外に出た。

 

と、出口になっちゃんと

 

教師をしているご主人が立っているではないか。

 

 

夫婦は、けいちゃんがトイレから出てくるのを待っていたのだ。

 

そしてけいちゃんは、面識の無いご主人からも

 

厳しい注意を受けたのであった。

 

「声が大きいです!外まで聞こえた!」

 

 

すごく怖くて、なさけなかった…

 

けいちゃんは恐怖の体験を、我々同級生5人組に打ち明けた。

 

ガッチリ組んだ夫婦から攻撃されることは

 

一人暮らしのけいちゃんにとって脅威

 

家に帰って、家族に聞いてもらうことができないのだ。

 

親身になって気持ちを共有してくれる相手がいないのは

 

亭主持ちの我々が想像するより、ずっときついことだと察する。

 

誰かに話さなければ、立ち直れないだろう。

 

 

「ひえ~!こわ!」

 

「災難だったねえ」

 

「旦那さんまで出てこなくても」

 

聞いた我々は、モンちゃんを除いて口々にそう言うのだった。

 

農協で保険担当のモンちゃんは

 

なっちゃんが顧客なので滅多なことは言えない。

 

はなから戦力外だ。

 


メンバーのユリちゃんと私は

 

けいちゃんの心細さや恐怖を理解しつつも

 

なっちゃん夫婦がそんな行動に出た理由も理解していた。

 

ユリちゃんは教師の娘で、なっちゃんの旦那は父親の後輩。


私は、なっちゃんの旦那が息子の先生だった。


どちらも、彼のコンセプトをある程度知っているため


この不幸な出来事の原因がわかるからだ。



みんなが使うトイレは、教育関係者にとって要注意スペース。


トイレは陰口やいじめ、暴力などの問題が発生しやすい。

 

人間が隠したがる、しかし行かずにはいられないトイレは

 

恥と本能が共鳴し合う厄介な空間なのだ。

 


よって、みだりにトイレで「きゃ~!」と叫ぶ行為は


本人に何もなくても、周囲の人心に影響する可能性をはらむ。


保育士の彼女と教師の旦那は公衆の心理上、そしてセキュリティ上


けいちゃんの「きゃ~!」を見過ごせず

 

二人で正しく導こうとしたのだと推測される。

 

 

そしてけいちゃんの地声が並外れて大きく

 

キンキンと高音なのも事実だ。

 

私は彼女と一緒に働いていたからわかるが

 

病院の厨房というのは、ゴォ~という換気扇の騒音が

 

一日中鳴り響いているため、長く勤めたらたいてい耳をやられる。

 

つまりけいちゃんは元々声が大きい上に、耳が遠くなっている。

 

ちょっとしたことでも殺人事件のような反応になってしまうので

 

けいちゃんの大音響に慣れてないなっちゃんには

 

絶叫に聞こえたと思う。

 

どちらの気持ちもわかる、複雑な心境というやつよ。

 

 

メンバーの一人マミちゃんは、けいちゃんの不幸に深く同情した。

 

おとなしいマミちゃんは、いつもなっちゃんにやられっぱなし。

 

去る2月の還暦旅行でも、解散した後で

 

なっちゃんにきついことを言われ、泣きながら帰ったそうだ。

 

それを根に持つマミちゃんは

 

この時、ある過去の出来事を告白した。

 

 

なっちゃんとマミちゃんは、結婚が遅めだった。

 

若い頃は町内に残っている数少ない独身仲間として

 

また、無類の酒好き同士ということで

 

二人は親しく交流していたそうだ。

 

 

やがて結婚が決まると、お互いを結婚披露宴に招待し合った。

 

なっちゃんの方が先だったので、マミちゃんは友人代表のスピーチをし


翌年、マミちゃんが結婚する時は


なっちゃんがスピーチをすることになった。

 

 

披露宴で、なっちゃんは一冊の絵本を携え、マイクの前に立った。

 

普通のスピーチをしてくれると思い込んでいた花嫁のマミちゃんは

 

悪い予感がしたという。

 

 

「泣いた赤鬼…むかしむかし…」

 

なっちゃんは、おもむろに絵本を読み始めた。

 

保育士として幼児教育に燃えるなっちゃんにとって

 

得意の読み聞かせは最高の自己表現であるらしかった。

 

けれども『泣いた赤鬼』の読み聞かせは、招待客にとって異様だったらしく

 

会場は大いにざわつく。

 

 

しかしなっちゃんは一同の当惑を気にもせず

 

平然と絵本を読み続ける。

 

赤鬼のところは低い声で怖く

 

村人や子供はそれぞれ声色を変えて、渾身のパフォーマンス。

 

 

読み聞かせは、なかなか終わらない。

 

思い余ったマミちゃんのお母さんが、ひな壇へ走って来て耳打ちした。

 

「ちょっと!頭がおかしいって言われてるわよ!

 

やめさせてよ!」

 

しかし今後の関係を考えると、マミちゃんにはどうすることもできず

 

ひたすら耐えたるしかなかったと言う。

 

 

スポットライトに浮かび上がったなっちゃんは

 

赤鬼どころじゃなく怖かった…

 

悲しくて、すごく疲れて、終わるとクタクタになった…

 

その後も、変な友達がいるお嫁さんということで

 

旦那の親族からバカにされた…

 

今まで誰にも言えなかった…

 

マミちゃんは当時を回想するのだった。

 

 

この話を聞いた我々の反応は、四者それぞれ。

 

ユリちゃんは怒りで顔が変わり、押し黙る。

 

けいちゃんは「披露宴が台無しじゃん…」とつぶやく。

 

 

モンちゃんは例のごとく

 

「でも、なっちゃんも一生懸命だったんだし…」

 

と言葉を濁す。

 

今度はマミちゃんもなっちゃんも顧客だからだ。

 

なっちゃんのほうが大口なので、どちらかといえばなっちゃん寄り。

 

「モンちゃんてば、同級生の悪口を言わない立派な子だわ…」

 

長い年月、そう思って感心していたが

 

何のことはない、同級生の大半が彼女の顧客であった。

 

 

私は大笑い。

 

「疲労宴」

 

この三文字が頭に浮かんでしまって

 

マミちゃんに悪いと思いつつも笑いが止まらない。

 

申し訳なかった。 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近時事・2題

2019年07月21日 14時19分10秒 | みりこんばばの時事

『老後資金2千万円』

 

老後にもらう年金で生活したら、毎月5万円ほど足りず

 

平均年齢まで生きるとしたら2千万円の赤字になる…

 

金融庁がそんな試算を発表したもんで、ゴタゴタしたらしいわね。

 

 

都会で生活する高給取りだったら、そうなるかもしれない。

 

家かマンションを買っていれば

 

高い固定資産税や維持管理費に追われるだろうし

 

ええとこにお勤めであれば、お付き合いも広くて派手だろうから

 

「年金暮らしになったので、さよなら」とは言えないわね。

 

 

年を取れば医療費もかかるようになるし

 

バカンス癖がついていれば、旅行にも行きたかろう。

 

そりゃ年金じゃ足りねえわ。

 

なまじ長生きなんかしたら、不足が2千万でおさまるかどうか。

 

これって、国家公務員である官僚的考えじゃないのかしら。

 

 

知っとるけ?

 

国家公務員が共済病院に行くと、支払いは一割なんよ。

 

共済病院は、国家公務員のための病院だからよ。

 

国内旅行は国家公務員のための宿泊施設、KKRホテル。

 

全国の主要都市にある立派なホテルで

 

たいてい便利の良い一等地にあるんだけど

 

国家公務員は何割だか、すごく安いんよ。

 

 

退職したら、こういう特典が無くなるわけ。

 

毎月の医療費が1万円かかるとしたら、退職後は3万円になるのよ。

 

旅行だって、KKRホテルが定価になるのよ。

 

住宅手当は無くなるし、官舎住まいだったら出なきゃならない。

 

夏冬のボーナスも、春に支給される手当も無くなる。

 

赤字になるのは当然よ。

 

 

2千万円という、はっきりした金額を提示したのは

 

危機感を漂わせて投資を促す目的があったのかもしれない。

 

守りより攻め…

 

退職金を預金で眠らせておくより、吐き出させて回すためにね。

 

 

でも私たち国民には、こう聞こえた。

 

「計算してみたら2千万円の赤字になりました~!

 

僕らは退職金や天下りがあるから大丈夫ですけど

 

皆さんは頑張ってくださいね~!」

 

どこか他人事な、公務員の裏の声が滲み出てるように感じるから

 

国民は反発するのかもね。

 

参院選前だったし、政府も慌てたみたいね。

 

 

私はじきに還暦、夫は62才。

 

ド庶民夫婦の年金生活は目前に迫ってるわ。

 

夫の年から、60才で基礎年金をもらえなくなったのよ。

 

夫より一つ年上の人たちは、もらってるわ。


うちは自営なので、夫はまだ収入があるけど

 

いつまで元気で働けるかわからない。

 

 

でも、最低2千万円の預貯金が必要と言われても

 

それほど心配してないのよ。

 

もちろん備えあれば憂いなしではあるけど

 

万全の備えをしてる人が、お金で解決できない悩みで苦しむ図

 

たくさん見ちゃったからねえ。

 

 

健康なら働けるし、インターネットの時代なんだから

 

得意分野で収入の道を得るのも面白いんじゃないかしら。

 

アイデア次第だと思うのよ。

 

 

私の知ってる人、けっこうお年なんだけど

 

自作の奇抜な洋服をネットに面白半分で載せてたのよ。

 

昔の女の人って花嫁修業に洋裁を習っていたから

 

たいていの人はできるんだわ。

 

センスに差があるだけでね。

 

 

するとある日突然、芸能人から舞台衣装を注文したいとオファーが。

 

有名じゃないけど、マニアに人気のグループらしいわ。

 

その人、一夜にして衣装デザイナー。

 

そういうこともあるわけよ。

 

 

私にはそんなアイデアも腕も無いから

 

万策尽きて食べていけなくなったら、断食してミイラになるつもり。

 

いや、本気。

 

だって、うちの息子たちが助けてくれるとは思えないし

 

頼るつもりもないわ。

 

老後の計画に失敗した年寄りに振り回されるのは

 

私の代だけでたくさんよ。

 

 

 

『#kutoo』

 

もう静かになってきたけど、職場でハイヒールを強要されて

 

苦しむ女性たちの声じゃげな。

 

靴と苦痛を掛け合わせて「く~つ~」ですって。


セクハラ分野の「#metoo」にも引っかけてるそうよ。



確かにハイヒールはく~つ~!よ。


たまの一張羅で履くなら我慢もできるけど


一日履いて仕事までしろって言われたら、つらいかもね。


靴ずれや外反母趾、捻挫の危険性も付いて回るしね。

 

 

♩電車通り よろめいたら 靴のかかとが 折れた♩

 

♩あなたと 喧嘩して 一人帰る道♩

 

その昔、ちあきなおみも歌ってたわよ。

 

ハイヒールでデートしたら、かかとが電車のレールに挟まった歌。

 

 

おしゃれしたのに、心が離れかけてる彼氏は

 

振り返って気遣うでもなく、電車道をどんどん歩いていく。

 

冷たい男の背中をハイヒールで一生懸命追いかけて

 

かかとが折れたのよ。

 

捻挫や骨折もせず、電車も来なくてよかったわね。

 

 

ヒールが高ければ高いほど、折れたら大変よ。

 

裸足になるか、片足だけ履いてピョコピョコ歩くしかない。


不便だし、恥ずかしいし、なさけないし


そりゃ喧嘩にもなるでしょうよ。

 

マンホールや側溝のフタ、非常階段なんかも

 

ハイヒールだと危ないわね。

 

 

だけど「く~つ~」と聞いて私が思ったのは

 

「今の若い女性って靴の知識が無い?」

 

「ハイヒールとピンヒールを混同してない?」

 

なのよね。

 

 

事情はわかるつもり。

 

昔は靴を買うといったらデパートと専門店しか無かったけど

 

今はしまむらとか、スーパーとか

 

外国製の安い靴を売る場所がたくさんできたじゃない。

 

日本人の足に合った良い靴を知らないまま

 

大人になった子も多いと思う。

 

足に靴を合わせるんじゃなくて

 

靴の値段やデザインに足を合わせるのが

 

常識になってるんじゃないかしら。

 

 

田舎主婦の私は、たいした靴を履いてきたわけじゃないから

 

えらそうなことは言えないけど

 

結婚した家はたまたま大変な着道楽に靴道楽。

 

家には、出入りの靴屋が入り浸っていたわ。

 

ライトバンに靴やバッグを積んで来て

 

運転手の女の子と一緒にごはん食べて、昼寝までして帰ってたわよ。

 

 

靴屋のおばさんは、義父母と義姉にはおべんちゃら三昧で

 

私にはあからさまに意地悪だった。

 

みんなに親切にするより、お金持ってる親とその娘に媚びる方が

 

売り上げになるからよ。

 

 

でも、たまには私も買うことがあった。


何でそんな意地悪女から物を買うんだって?

 

それが私じゃないの。

 

 

おばさんは粗悪品だったけど、おばさんの扱う商品は

 

靴もバッグも一流だったのよ。

 

バッグはオーストリッチやクロコダイル

 

トカゲに蛇と動物園状態で、何十万、何百万の世界だから

 

なかなか手が出なかったけど

 

靴は2~3万前後なので私にも買えたもの。

 

 

ランバン、ギ・ラロッシュ、カルバン・クラインなど

 

ブランドライセンスを取って日本で製造されたものや

 

マドラス、銀座ヨシノヤなどの国産品…

 

色々履いてきたけど、一番良かったのは銀座ヨシノヤ。

 

牛丼じゃないわよ、靴のメーカー。

 

デザインが中高年向きなので

 

若かった私には妥協でしかなかったけど

 

たまたま買った葬式用の靴に惚れこんじゃった。

 

 

靴と足が馴染んで、とにかく楽ったらありゃしない。

 

皮が柔らかくて上質なのもあるけど

 

形が甲高幅広の足に合ってるのよね。

 

女性は年を取ると、足の甲が若干の肉で盛り上がる。

 

若い人でも、疲れたら盛り上がる。

 

それを計算して、あらかじめ履き込み口を盛り上げて作ってあるのよ。

 

 

で、靴のつま先は丸くて、やっぱり盛り上がってるから

 

足の指の解放感が抜群。

 

つま先に空間がたっぷりあって、甲の部分が盛り上がった作りだと

 

むくみは靴の中に収まるから表に出てこないわよ。

 

誰とは言わないけど、甲のむくみで長年悩んでおられるご様子の

 

どこかのやんごとないお宅の女主人も

 

これをお履きになればよろしいのに…と思っちゃう。

 

 

つま先が丸っこいとなれば、バランス的にヒールは低めで太め。

 

だからデザインがシャープでセクシーとは言えなくて

 

はっきりいえば地味なオバ靴なんだけど

 

かかとが高いのを何時間履いても平気なのよ。

 

日本人の足の形に合ってるから、皮に無理が来ない。

 

だから大切にすれば長持ちして、元が取れるという利点も大きいわよ。



靴屋のおばさんが亡くなってからは


デパートで買うようになったわ。

 

近頃はサンダルタイプや、おしゃれなデザインも増えているから

 

こういう履き心地を若い人に知ってもらいたいなあ…と思うわけ。

 

  

「だったらそれだけの給料出せよ」

 

「この給料じゃ、安物しか買えないんだよ」

 

そう言われそうだけど、つまりはそれが言いたいんじゃない?

 

く~つ~!と叫ぶ人たちのみんながみんな、そうじゃないだろうけど

 

安い、硬い、重いの三拍子が揃った靴を履いてたら

 

誰でも「く~つ~!」と叫びたくなるわよ。

 

靴ずれが怖いのか、ブカブカのハイヒール履いてる子をよく見るけど

 

不格好でかわいそうになるわ。

 

  

「服は何でもいいから、姿勢と健康のために靴だけは良いのを履け」

 

我々年寄りは、そう言われて育ったものよ。

 

子供の足を靴で育てるのが、常識だったの。

 

知識一つ、お金の使い方一つで

 

不幸や苦しみから解放されることって、あるのよ。

 

叫ぶ前に、ヨシノヤの靴を履いてみてもらいたいわ。

 

 

あ~あ、今日も長々と余計なこと、言っちゃった。

 

ごめんなさいね~!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放火事件

2019年07月20日 15時09分58秒 | みりこんばばの時事

『株式会社京都アニメーション、放火で死者34名』

 

どんなに熱かっただろう。

 

どんなに苦しかっただろう。

 

胸が痛む。

 

 

私はアニメを見ないので、会社名を聞いてもピンとこなかったが

 

アニオタと呼ばれる人々が、アニメの舞台になった土地を訪問する

 

聖地巡礼は見かけることがある。

 

商人だけでなく、役場や商工会の人たちも嬉しそうで

 

アニメは観光や地域の活性化、国際親善の新たな手段として

 

重要な役割を担っていると実感している。

 

 

このご時世、無から有を生み出し

 

国と多くの国民に貢献できる確実なものといったら

 

アニメぐらいしか思い浮かばない。

 

日本人の優秀な技術とノウハウが結集された会社で起きた悲劇は

 

国宝の損失と言っても過言ではないだろう。

 

それをターゲットにされた悔しさ、悲しさは

 

アニメに興味の無い私にもわかるつもりだ。

 

 

テレビで立ち昇る黒煙を見た瞬間、テロだと思った。

 

真相はまだ不明だが、事実が明らかになっていくにつれ

 

ますますそう思った。

 

 

免許証を押収して年齢だけ公表されながら

 

なかなか発表されなかった犯人の実名

 

(通名に差し替えるまで報道規制か)

 

犯人の腹に入れ墨

 

(日本人は神経の集中する腹に入れ墨を施すのを好まない)

 

たまたま、売国局として悪名高いNHKが取材に来る当日で

 

セキュリティを解除していた

 

(すごい偶然)

 

前科者、あるいは偏狂者の逆恨みによる衝動を装いつつ

 

実は用意周到で残酷な手口は

 

過去に起きた多くの事件と同じ匂いがする。



そして最後は大半が、これで片付けられるのだ。

 

「色々調べたけど、やっぱり逆恨みでした…

 

背後には何も無い、単独犯でした…」。

 

最近の例を挙げれば

 

秋篠宮悠仁様の机に置かれた包丁事件も、結局はそれで終わった。

 

 

何でもかんでも陰謀説を持ち出すつもりは無いが

 

「変な人が増えているから気を付けましょう」

 

では済まされない何かが、潜んでいると思えてならない。

 

その変な人の心の闇なんか、どうでもいいから

 

変な人が増えない日本にしたいものだ。

 

 

犠牲者の皆様のご冥福をお祈りすると共に

 

負傷者の一日も早いご快癒をお祈りします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近知ったこと

2019年07月17日 07時57分26秒 | みりこんばばの時事

テレビの人気番組、『なんでも鑑定団』。

 

2011年、暴力団との付き合いが問題になって

 

司会の島田紳助が降板し、そのまま芸能界から去った時は

 

大きな話題になったものだ。

 

 

その後も番組は続行し、相変らずの人気を維持していた。

 

けれども約3年前、島田紳助の時代からダブルで司会をしていた

 

石坂浩二が降板。

 

 

石坂氏は降板の理由を明らかにしなかったが

 

2年以上に渡り、彼の出演シーンをカットされ続けたのが

 

原因の一つだとささやかれた。

 

「物知り過ぎて、煙たがられたのかもね」

 

だから私も、その程度にしか思わなかった。

 

 

ところがつい最近、なんでも鑑定団のスペシャル番組をたまたま見た。

 

このゴールデンウィークに放映されたものの再放送だ。

 

 

「心に残る逸品」のコーナーで、石坂浩二が久しぶりに登場した。

 

彼にとっての思い出深い品は、14年前にアメリカ人から出品された

 

戦艦長門(ながと)の日章旗だそう。

 

 

戦艦長門は第二次世界大戦中

 

名将、山本五十六(やまもといそろく)が乗艦していたことで知られている。

 

無傷で終戦を迎え、米軍に接収されたが

 

その後、アメリカの原爆実験に使用された。

 

海に浮かべた長門の付近で原爆をさく裂させ、その結果を見るのだ。

 

 

長門は一度目の実験では持ちこたえたが

 

二度目に行われた実験で、静かに海底へと沈んだそうだ。

 

実験と処分を同時に行うなんて、いかにもアメリカらしい合理主義。

 

広島と長崎に、それぞれ違う種類の原爆を落としてみて

 

結果を熱心に調査したのと似ている。

 

 

 

ともあれ戦争が終わると、戦艦長門は米軍の物となり

 

フリン大佐という人が接収の責任者を務めた。

 

この時、フリン大佐は長門にあった三種の大きな日章旗を

 

戦利品として持ち帰った。

 

以後、日章旗はフリン大佐の私物になり、亡くなると娘が受け継いだ。

 

その娘の身内が病気になり、臓器移植をすることになった。

 

臓器移植には莫大なお金がかかる。

 

「長門の日章旗を売り、移植費用の足しにしたい」

 

ということで2007年、長門の日章旗を携えて来日し

 

なんでも鑑定団に出演した。

 

 

鑑定の結果、長門の日章旗に付いた値段は1千万円。

 

この時、島田紳助と二人で司会をしていた石坂氏は

 

日章旗がネットオークションに上がっていることを

 

以前から知っていた。

 

日本に戻したい気持ちがあったが、その価格はひどく高額だった。

 

 

しかし番組での評価額が1千万円と、ずいぶん下がった。

 

収録後、出品者に打診したところ

 

この価格でいいということだったので、自費で日章旗を買い取る。

 

そして広島県呉市にある、大和ミュージアムに寄贈したのだった。

 

 

石坂浩二の博識と度胸、愛国心に驚いたのは言うまでもないが

 

この行いが降板の決定的な理由と考えたら、何もかも腑に落ちてしまう。

 

隣国の人は日章旗を侵略のシンボルと設定して、ことのほか嫌うが

 

特に軍艦で使用される、日の丸から放射状に赤いラインを配した

 

旭日旗を嫌がるのは、つとに有名である。

 

少し前になるが、サッカーの国際試合でも

 

観客がこの旗を振ったのが気に入らないということで、ひと悶着あった。

 

 

石坂浩二と反目していたと言われる番組プロデューサーも

 

この類ではなかったのか。

 

島田紳助がいた時は、ダブル司会の仲が良かったので手を出せなかったが

 

いなくなった途端に嫌がらせが始まり

 

やがて石坂浩二が自ら降板するまで続いたのではないのか。

 

だとすれば、テレビ業界の汚染ぶりはすさまじい。

 

 

時系列で見ると…

 

2007年・長門の日章旗が出品され、石坂浩二が自腹で買い取る

 

2008年・石坂浩二から、日章旗が大和ミュージアムへ寄贈される

 

2011年・島田紳助、番組を降板

 

2016年・石坂浩二、番組を降板

 

 

出演シーンをカットする嫌がらせは2年余りということだが

 

島田紳助がいなくなったことで、問題のプロデューサーに権限が移行し

 

徐々に嫌がらせが増して、石坂氏が降板を決意するに至るまで

 

約5年の歳月を要するのは自然の流れだと思う。

 

 

出演しているのに放映ではカットされて

 

そこに存在しない者として扱われるなんて

 

有名人にとっては大変な屈辱だと察する。

 

2年間も黙って耐えた石坂浩二、すごい。

 

 

彼が降板した当時、その理由は謎のままだったので

 

マスコミの取材は元妻の浅丘ルリ子さんにまで及んでいた。

 

「彼は、自分のわがままで番組を降りるような人じゃないです」

 

さらりと言うルリ子さんの大きな瞳には

 

静かな怒りが宿っているように見えた。

 

元の旦那をかばっているというより

 

言うに言えない何かがあるような気がしたものだ。

 

その時はそのままスルーしていたが

 

日章旗のことが真相だったとしたら、うなづける。

 

 

石坂浩二さんは昔からテレビに出ていて、やたらとモテる役をしていた。

 

どこがいいんだろう、と子供心に考えたが、わからなかった。

 

やがて浅丘ルリ子さんと結婚したことや

 

重厚な役者として認識するようになって現在に至ったが

 

今回、見上げた国士としての認識も新たに加わった。

 

 

画像を探すため、ネットをさまよってみると

 

同じことを思った人は多かったようで

 

石坂氏の行いに喝采する意見が多く見受けられた。

 

画像は八尋日報様より拝借しました。

 

ありがとうございました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手抜き料理・ナス

2019年07月14日 10時31分24秒 | 手抜き料理

今、私の周りではナスを持て余す人が続出している。

 

野菜はいっときに実るので

 

シーズンになるとたくさんもらうからだ。

 

 

うちもそれ。

 

でもナスは用途が広いので、たくさんいただいても困らない。

 

焼きナスや漬物を始め

 

ニンニクやトマト、玉ねぎ、ズッキーニと一緒に

 

オリーブオイルで炒めてスープで煮込んで

 

『ラタトゥイユ』を気取ったり

 

炒めてミートソースに加え、スパゲティにかけたり

 

マーボーナス、焼きナス…ナンボでもできる。

 

 

が、それでは追い付かないのが、お馴染みのユリちゃん。

 

嫁ぎ先がお寺という環境から、ナスが押し寄せる。

 

今年は特にすごいそうだ。

 

 

ユリちゃんの悲鳴を聞いた親切!な私は

 

料理の苦手な彼女の実力を考慮し、アイデアをいくつか伝える。

 

『ナスのグラタン』

 

①たくさんのナスを薄くスライスしてオリーブオイルで炒め

 

グラタン皿に敷き詰める

 

②その上からレトルト、または缶詰のスパゲティ・ミートソースを

 

軽くかける。

 

③さらに上から溶けるチーズをガバッとかけ

 

オーブントースターで焼く。

 

以上。

 

 

『揚げナス』

 

①小鉢一杯分の大根おろしを作っておく

 

②大きめのドンブリに、めんつゆをたっぷり入れる

 

②ナスを縦半分に切り、皮目に細く切り込みを入れる

 

③ナスを油で素揚にし、熱いうちにめんつゆに沈める

 

④作っておいた大根おろしを上からかぶせ、ネギを散らして冷やす

 

以上。

 

 

2倍希釈タイプのめんつゆの場合

 

大根おろしの水分で薄まるため、濃さは心配しなくていいが

 

薄味がお好みなら、水か湯を足して調整する。

 

ストレートタイプのめんつゆの場合

 

大根おろしの水分を軽く絞ってから使う。

 

 

『焼きナス・マヨネーズ』

 

①ボールにマヨネーズと少量の醤油を入れ

 

マヨネーズドレッシングを作っておく。

 

②焼きナスを作り、食べやすい大きさに切る

 

③マヨネーズドレッシングのボールに

 

焼きナス、削り節、ネギを投入して和える

 

以上。

 

 

醤油やポン酢で食べる、ポピュラーな焼きナスもいいけど

 

時には目先を変えると食欲が出るし

 

和え物にするとナスの消費量が増える。

 

ドレッシングにすりゴマをたくさん入れて

 

ゴマ味にしてもおいしい。

 

しかしその場合、既製品のゴマドレッシングと変わらないため

 

最初から市販のものを焼きナスにかけた方が簡単である。

 

 

と、このような料理を紹介したものの

 

ユリちゃんはお気に召さないご様子。

 

彼女の料理嫌いは筋金入りなのだ。

 

フライパンにオーブントースターという複数の調理器具で

 

早くも拒絶反応。

 

油で揚げるなんて、もってのほかだし

 

熱いうちに皮をむく焼きナスには、最初から近寄りたくないらしい。

 

 

私は考えた。

 

そして義母ヨシコのレシピを思い出す。

 

得意料理を焼肉!と言ってはばからないヨシコだが

 

ナスを使ったこの料理は時々作っていた。

 

 

何がいいって、ナスの大量消費にはもってこいの

 

コロンブスの卵みたいな料理。

 

ナスの皮を嫌う、ヨシコならではの一品である。

 

 

『ナスの炒め物』

 

①ナスの皮を全部むいて丸裸にする

 

②全裸のナスを縦半分に切り、細く切り込みを入れて

 

3センチの長さにカットしたら水にさらす

 

③水きりしたナスを油で柔らかくなるまで炒める

 

④砂糖、顆粒ダシ、醤油、七味唐辛子で味付け

 

以上。

 

 

ナスは皮をむいて裸にしたら、一回り小さくなる。

 

柔らかくなるまで炒めると、皮を失った無防備のナスは

 

気の毒なほど小さくなる。

 

そこへ調味用を加えると水分が出て、あわれなほど小さくなる。

 

この縮小三段階方式で、ナスの大量消費が見込めるのだ。

 

 

紫の皮に含まれるポリフェノールがどうのこうの

 

言ってる場合じゃない。

 

目的は1本でも多くナスを使うことに絞られている。

 

それに皮を除いた薄緑色のナスは、調理すると少し緑化が増す。

 

爽やかな淡いグリーンが目新しくて、食欲をそそる効果もあるのだ。

 

 

ユリちゃん、これには反応して、さっそく作ると言う。

 

フライパン一つで仕上がるところが、気に入ったようだ。

 

 

作る前に、彼女から念を押される。

 

「本当にナスだけよね?」

 

料理嫌いが気にするところは、味付けや工程ではなく

 

そこらしい。

 

 

そして10分後、写真が送られてきた。

 

白ゴマまで振りかけて、素晴らしい出来栄え。

 

真っ白な皿に盛られた翡翠色のそれは

 

私が作ったのより、よっぽどおいしそうだ。

 

なにげにくやしい。

 

 

最後に、手抜きとは言えないが、誰に出しても絶賛される

 

とっておきのナス料理をご紹介させていただこう。

 

これで料理上手の名声は欲しいままだ。

 

ただしこの料理、普通のナスでは型崩れするため

 

長ナスと呼ばれる30センチくらいの長いナスを使う。

 

長ナスは皮がしっかりしているので、崩れにくいからだ。

 

 

『ナス・バンジャン』

 

①醤油大さじ6、みりん大さじ6、砂糖大さじ3

 

酢大さじ4、豆板醬小さじ2

 

ニンニクひとかけ、ショウガ3センチ角

 

長ネギの白い部分1本分をそれぞれみじん切りにして

 

全部を混ぜておく

 

②長ナス6~8本を皮ごと、3センチの長さの輪切りにし

 

素揚げする。

 

③軽く油をきって、最初に混ぜた調味料たちの中に投入。

 

以上。

 

 

これはユリちゃんの兄嫁さんから教わったレシピ。

 

恒例のお祭りでは、必ずこれが出品される。

 

我々同級生も、祭のごはん作りに参加はするものの

 

手伝う老若男女のお目当ては、実はこれなのだ。

 

 

特に若い男性は好きなようで、毎年口々に言う。

 

「今年もありますかね?あのピリ辛のナス」

 

「ナス、食べに来ました!」

 

食べる前から、「おかわり、ありますか?」

 

と真剣にたずねる若者もいる。

 

皆、これを食べるために来たような、すごい料理なのだ。

 

 

兄嫁さんの実力は、ナスだけではない。

 

他の料理もプロ顔負けで、何でも作る。

 

ティラミスやシフォンケーキまで、そのまま販売できるような上級者。

 

こんなに料理上手な兄嫁さんがいるから

 

ユリちゃんの料理が上達しないのかもしれない。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名古屋場所

2019年07月10日 11時28分21秒 | みりこんばばの時事
大相撲の名古屋場所が開催されている。

この数年、急に大相撲ファンになった私は

年に6回ある場所の中で名古屋場所が一番楽しみ。

土地柄なのか、おしゃれな女性がたくさん観戦していて

観客席が華やかだから。


私は相撲も好きだけど、テレビに映る観客席を見るのはもっと好き。

中でも一番の楽しみは

『白鷺(しらさぎ)の姉御(あねご)』と呼ばれている年配のご婦人。

時折、カメラの向きによって、西の花道の前から三番目に座る姿が

15日間、毎日見られる。




この女性を最初に発見してから、もう何年も経つ。

磨き抜かれた色白肌で着こなす、凛とした和服姿がかっこいい。

毎年7月にテレビの画面でお目にかかれるのを

私のみならず、家族も楽しみにするようになった。


夏場に着物を着るって、そりゃ大変よ。

何が大変って、お金と手間。

夏の着物は贅沢品なので、高い。

汗をかくので、こまめなメンテナンスも欠かせないけど

それでもすぐダメになってしまうから長持ちしない。

よって本当に裕福で、本当に着物が好きな人しか着られない。

ましてや15日間、毎日違う着物を着るなんて

ただ者じゃない証明みたいなものよ。


となると誰でも考えるのは、その職業。

漂う粋な雰囲気から、最初は呉服屋の奥さんかクラブの名物ママ

あるいは大旅館の大女将

それとも年齢をものともしない豊富な髪の毛から

美容室チェーンのオーナーか…

などと、家族で話し合っていた。


でもある日、2時や3時に行われる幕下の取組にも

早くから来て、やっぱり凛として座っているのを発見。

自ら商売に参加していたら、そんな暇は無いはず。

いったい何者だろう…

我々は首をかしげるのだった。



ともあれ、フラッシュでキラリと輝く

特大のダイヤモンドも素晴らしいけど

取組をとても真剣に見る態度が素晴らしい。

そして、一番一番に手をたたいて喜ぶ様子が可愛らしい。

あの無邪気な笑顔と、澄みきった余裕から

大商人の妻以外になかろう、ということで落ち着く。


念のために滅多とやらない検索をしてみたら

「大相撲名古屋場所 名物女性」で、すぐにヒット。

老舗の鳥肉卸販売業、鳥孫商店4代目社長の奥さん

磯部安江さんという人だった。


鶏肉だけでなく、鳥全般を扱う店らしい…

すごく繁盛しているらしい…
 
年齢は、多分78歳ぐらいらしい…

自宅は立派な庭のある日本家屋らしい…

愛車のベンツを自ら運転して、場所に通っているらしい…

白鷺の姉御というニックネームの由来は

姿勢のが良くて凛としているからとも

休憩の時にストローでコーラを飲む姿が

白鷺に似ているからとも言われているが

本当のところは不明らしい…


で、孫もすごいらしい…

箱根駅伝で山の神と呼ばれ、現在はコニカミノルタ所属の

神野大地さんらしい…

などが判明。

インターネットって、すごいわね。


ということで、名古屋場所は私にとって特別に楽しい場所。

目を皿のようにして、白鷺の姉御がもたらす年齢を超えた美や

貫録のたたずまいを観戦するのだ。

どうかいつまでもお元気で

素敵な着物姿を全国に披露していただきたいと願わずにはいられない。


だから名古屋場所が終わると、ちょっと寂しい。

仕方がないから他の季節は、うちの姉御でも見るしかない。

うちにもニックネームだけ、似たようなのが一人いるんじゃよ。

「老後は娘が面倒見てくれるから、絶対に嫁の世話にはならない」

日々、そう断言しておきながら

いざ老後のフタが開いたら、嫁の私に頼りきる

『サギの姉御』が。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みりこん流・新聞の読み方

2019年07月08日 13時35分48秒 | みりこん流

近年、我が家が購読する新聞は某地方紙。

 

長年愛読してきたのは某全国紙だったが

 

それは夫がそこの記者や販売所のご主人と懇意だったからで

 

どちらも加齢でリタイヤした現在、一紙だけになっている。

 

 

毎朝、目を通すのは『首相の動静』。

 

タイトルこそ違えど、これはたいていの新聞に載っているもの。

 

昨日、我が国の首相が何をしたかを分刻みで書いてある。

 

 

首相が誰であろうと、この記事は昔から楽しみだった。

 

何が楽しみって、東京に居る時の夕食。

 

官邸や公邸、富ヶ谷の自宅の時も多いが、時々外食があって

 

誰と、どこの何という店で食事をしたかがちゃんと書いてある。

 

今の安倍さんだとホテルのレストランやフレンチの名店

 

高級鉄板焼きや高級居酒屋が多く、料亭は少なめ。

 

私の数少ない上京経験を思い返し、行ったことのある店だと

 

雰囲気や味を思い出してひどく嬉しい。

 

 

たまに昭恵夫人が経営する自然食の居酒屋

 

『UZU』の時もある。

 

やっぱり夫婦だなあと思う。

 

そしてUZUよりは頻繁に、俳優の中井貴一と外食する。

 

仲良しなんだなあと思う。

 

 

もちろん、政界の人たちと食事をする時もある。

 

仲良し会なのか、仕事上、仕方なくなのかを推測する。

 

楽しい。

 

 

が、一昨年。

 

私はこの小さな記事で、あることに気づいてしまった。

 

一昨年といえば、北朝鮮からミサイルが飛んできていた頃。

 

今、飛んだというニュースが報じられた日の前夜は

 

必ずと言っていいほど首相は官邸泊まり。

 

 

偶然と呼ぶには多すぎる。

 

ミサイルが翌日発射されることを把握し

 

不測の事態に備えて官邸に待機しているとしたら

 

首相周辺の情報とはすごいものだ。

 

 

…と、わずか5~6センチ四方の小さな記事に

 

食から国防まで、さまざまな事柄がひしめいているわけよ。

 

そしてもう一つ、この欄はれっきとした記録であり

 

書き手の主観が入らない。

 

スケジュールという事実だけが淡々と伝えられているため

 

安心して読める部分なのだ。

 

 

というのも、うちが購読している某地方紙だけど

 

この数年、妙な方向へ向かう気配が強まる一方。

 

新聞って、どちらかといえば左寄りで

 

本線に反発する意識が強い物体ではあるが、特に近年は目に余る。

 

 

一例を上げれば数年前、臨床社会学者のおばあちゃんによる

 

週一のコラムが開始された。

 

彼女は当時70代後半で、少し前にご主人を亡くしたそうだ。

 

 

コラムの内容は、婿養子だったご主人のこと…

 

平たく言えば、仲が良くなかったご主人の悪口をベースに

 

年を取ることの喜怒哀楽を語ったもの。


学者を名乗るからには学識があり


それなりに活躍してきた人であろうに

 

毒舌っぽい内輪話は下世話で面白かった。

 

この真面目くさった某地方紙にしては珍しい人選だと思い

 

10何回目だかで終了するまで、毎週熱心に読んだ。

 

 

しかし最終回…

 

「主人とは最後まで、打ち解けることができなかった。

 

婿養子のため、彼の姓を変えざるを得なかったので

 

こちらの姓に馴染めないままだったのが

 

根本的な原因だったように思う。

 

夫婦別性の制度があれば

 

もっと違った夫婦関係が築けたかもしれない」

 

うろ覚えだが、ラストはこんな文章で締めくくられていた。

 

 

「やりやがったな!ババア!」

 

私の正直な感想である。

 

軽妙な語り口で「私も大変だったのよ」とアピールすることで

 

女性や老人の共感を得、弱者の味方を装ってから

 

夫婦別性をさりげなく奨励するという最後っ屁。

 

 

「私はどっちでもいいけど、困っている人がいるなら

 

そっちでいいです…」

 

日本人に多く見られる、この気質につけ込んで

 

夫婦別性への賛同を促しているのだ。

 

あざといではないか。


てめえんちの夫婦仲なんか、知るか。


まんまと術中にはまり、楽しみにしていた自分がなさけない。

 

 

 

長くなるので夫婦別性についての細かい説明は省くが

 

これは単に隣国の真似であり、日本の家族制度を破壊するものだと

 

私は思っている。

 

しかし賛成や反対以前に、どこの誰から何の目的で出現した構想か

 

夫婦別性にした場合、どんな弊害があるか

 

精査して公表することは報道の義務である。

 

それには口をつぐんでおきながら

 

コラムと言えども県民の多くが目にする新聞で

 

いかにももっともらしい実例を挙げ

 

さりげなく誘導するのは卑怯だ。

 

 

マスメディアに、このような手口が散見されるようになって久しいが

 

地方紙にまで魔の手が伸びていることを実感した一件であった。

 

その視線で新聞を眺めると、ゴロゴロ出てくる。

 

記事もそうだけど、読者が意見を投稿するコーナーなんて

 

現政権の批判や外国人参政権賛成、女系天皇賛成を書けば

 

優先的に載せてもらえそうな勢い。

 

しかも内容と合っているのかどうか微妙なタイトルを付けて

 

上の目立つ部分に配置してもらえる。

 

 

逆の意見は見当たらない。

 

選考の段階でボツにされるんだと思う。

 

 

新聞に載ったという思い出だけが欲しいなら

 

これらに賛成だと書けばいい。

 

きっと掲載してもらえる。

 

 

ちょっと前から、また臨床社会学者のおばさんのコラムが再開された。

 

今のところ、前回の続きのような感じで

 

高齢者の身の振り方について

 

当たり障りのない話を載せているが

 

今度は何を言うか、毎週見張っている。

 

目に余るようだったら、電話してやる。

 

 

某地方紙にはけっこう世話になっているが

 

こっちも少しは世話したつもりだ。


20年ほど前になろうか


本社に招かれて講演の真似事をさせてもらったことがある。

 

私の流したネタで、記者と新聞社が賞をもらったこともある。

 

あの頃の生き生きした新聞マンたちは、もういない。

 

正義の名のもと、ペンで闇に切り込んで行く男たちはもういない。

 

どいつもこいつも

 

スポンサーの意向にひれ伏す提灯持ちばかりだとしたら

 

悲しいことである。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダウントンアビー

2019年07月03日 14時55分39秒 | みりドラ

 


『伯爵家の長女メアリー』



私はイギリス製のドラマが好き。

さすがはシェイクスピアの国らしく

筋書きが巧妙で役者がうまいのに加え

お金と手間暇をかけて、非常に丁寧に作られているからだ。

その上、重厚な建造物や調度品に

美しいイングリッシュガーデンまで見物できるという

おまけもついてくる。


中でも『ダウントンアビー』は別格。

豪華絢爛、きゅうくつな制約、複雑な人間関係とくりゃ

私の大好物だ。

この物語は日本で言えば大正時代くらいの伯爵一家と

その使用人たちを描いたストーリー。


「世界中がひれ伏した」

「エリザベス女王も絶賛」

そう聞けば、見てみたいじゃないか。

で、見た。

ドラマどころか、始まる前の映像とテーマ音楽で早くもひれ伏す。


ほの暗い画面、物悲しくも何かが起こりそうなBGМ…

物差しを使い、晩餐のカトラリーの配置を計測する下僕の手元…

メイドがランプのほこりを払う羽ばたき…

お呼びがかかって鳴らされるベル…

窮屈で重苦しい空気の中から浮かび上がる、威厳と華麗…

そりゃ、女王様も絶賛するはずだ。


ドラマの舞台、ダウントン屋敷は伯爵の家柄。

貴族の爵位は、上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順なので

3番目の身分ということになる。

かの有名なドラキュラ伯爵と同じ階級だ。

吸血鬼ドラキュラはルーマニアの話らしいけど

重々しい正装と洗練された身のこなしは英国貴族と似通っている。


彼は高貴な身分を利用して美女をたぶらかし

自分の城へ誘って血を吸う。

城を持っているのも貴族の証である。

ドラキュラがボロをまとった安アパートの住人であれば

次々にええとこのお嬢様と出会うチャンスは無いため

通り魔で終わる。

爵位を持つ由緒正しき紳士が、持ち家ならぬ持ち城へ誘うからこそ

美しくも恐ろしい魅力的な物語になるのである。


話がそれたついでに、シンデレラのことも話しておきたい。

継母にいじめられる、かわいそうなシンデレラが

舞踏会で王子様に見初められて結婚するストーリーは

誰でも知っている。


けれどもこのお話、公的な身分制度が無くなった現代の日本では

「貧しくても前向きに頑張ってりゃ、幸せになれる」

という教訓話に成り下がってしまっている。

だから、だから…

どこの誰とは言わないが、変な男の子がお姫様を引っかけて

シンデレラ・ボーイと呼ばれても、国民は平気でいられるのだ。


違~う!

シンデレラは元々貴族の娘だ。

貴族だから、王族と婚姻を結べる立場にある。

最初から身分の釣り合いが取れていて

その身分にふさわしい教育を受けているので誰も反対しない。

この肝心な点を無視して、シンデレラは語れないのだ。

野心家のゲスが運や手練手管で貴人と結婚しても

シンデレラとは形容できないのである。


これを踏まえてダウントンアビーを見ると

人はどうだか知らないが、私は面白い。

貴族の世界と使用人の世界において

厳格に存在する各々の身分差を理解していれば

伯爵の家族と大勢の使用人たちで織りなされる

エピソードの一つ一つがより感慨深いものになる。


複雑な人間関係を丹念に描いたドラマなので

一口でストーリーを説明するのは無理だが

まず、伯爵夫妻に娘が3人という家族構成を聞いただけで

後継者にまつわるゴタゴタが避けられないことはすぐにわかる。

当時の貴族は、男子しか爵位と資産を相続できなかったからだ。

それらを次世代へと繫ぐためには、まず娘を親戚の男子と結婚させ

さらにその若夫婦が男の子を作る必要がある。

そして成人した男の子に、改めて継承させるのが唯一の方法。


貴族よ、伯爵様よ…とあがめられながらも

一家の命運を未来の娘婿にゆだねるしかない苦悩は

庶民が想像するよりもはるかに強いと思われる。

とはいえ爵位の継承は、単に自分たちのためだけではない。

貴族所有の農地を耕す小作人を始め

領地に暮らす多くの領民を安心させることに繋がる。

どんな組織でもそうだが、トップが変わると下の者は不安を感じる。

むやみに不安を与えることを避けるのも、人の上に立つ者の務めであろう。


貴族は確かに数々の特権を持つが、特権に相当する厳格な義務もついて回る。

尊敬と引き換えに、民の規範であることも求められるが

優遇と引き換えに、継承を安定させることは最も重要な義務だ。

特権とセットになっている義務を粛々と受け入れる…

それがノブレスオブリージュ。

うちは女の子だけだから、特権を使って法律を変えるように持って行って

女子でも継承できるようにしたい…なんて発想は無い。

真の高貴は特権だけをむさぼらず、義務をはたす努力を惜しまない。

真の高貴は、義務を回避するために画策しないのだ。


あれ?どこかのおうちの悪口みたいになりそうだから

まだお話ししたいけど、今日はこのへんで。

おほほ、ごきげんよう。

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする