殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

魔性転生?

2008年12月17日 15時03分01秒 | 不倫…戦いの記録
夫の病状は、かなり深刻でしたが

1ヶ月の入院でケロリと全快しました。

原因がお酒ではないので

食事制限と投薬で劇的な成果があったようです。

というか、奇跡に近いのだそうです。

病院もあの手この手で入院患者を増やそうとする時代になったので

どこまで本当かわかりませんが。


退院して会社に復帰し

何事も無かったかのように元気そうな夫を見て、苦々しく思いました。


そう言えば、まだ子供が小さい頃にも

似たようなことがありました。

胸が苦しいと訴えて病院へ駆け込んだところ

心不全と診断されました。

検査をしたら、時々心臓が止まるらしいのです。


早速入院しましたが

翌日からは、いくら検査をしても異常が無く

本人もピンピンしているので

結局原因不明のまま、退院しました。


その時、医師から言われました。

「確かに来られた時には心不全の症状でした。

 誤診や検査機械の故障も疑ってみましたが、異常はありませんでした。

 珍しいケースです。

 しかし油断はできませんから、常に様子を見て

 何かあったらすぐ来てください」


おそらく長生きはできまい…そんな気配でした。

だからこそ、多少の無茶は我慢できたのかもしれません。

「どうせ早死にする…」

と思えば、許せるような気がしました。


当分の間、両親も私も

お別れの日が来るのを心配して

心臓に良いと言われる漢方薬をあれこれ飲ませたり

暑い寒いにまで気を使い、甘やかし続けました。

それに増長したまま、今日があります。


今でもふと思うのですが

夫は心臓が止まった時、本当は死んでいて

何か変なものが入れ替わったのではないか…

な~んて考えたら、けっこう楽しいのです。


またしても今回…その生命力の強さに驚きです。

よっぽど死にたくないのでしょう。


それから3ヶ月が経った頃

夫が私の勤務先に電話をしてきました。

「14万、すぐに何とかならないか…」

     「無い。会社に電話して来ないで。しかも金のことで」

「集金した金を落としたんだ。

 あれが無いと倒産する…」


    「たかが14万で倒産するような会社なんか

     さっさとつぶれりゃええんぢゃ!」

「頼むよ…」


         「落とすのが悪い」



夫は、気ままが言える身内の中で生きてきたので

勤め人の気持ちはわかりません。

私は経理を預かる者として

いつも間違いのないように細心の注意を払い

疑わしく見えるような行動をとらないよう

気をつけているつもりでした。


勤務先の上司も部下も、本当にいい人たちばかりで

のびのびと働かせてくれ

少々のことで私を疑ったり不信感を持つ者はいませんが

だからこそきちんとしていたいと考えていました。


日頃、こういうことだけはしないでくれと言っているのに

小遣い欲しさに会社にいる私の所まで来ることもありました。

会社へ来てねだれば

帰って欲しさに私からすんなり小遣いをもらえるからです。

まるで取り立て屋の嫌がらせです。


自分の給料はどうなっているんだろう…とは思いますが

本当のことを言わないのはわかっているので

もう何年も聞かないままでした。



「ケチ!もう頼まん!」

電話を切ってくれたのでホッとしましたが

14万という中途半端な金額が疑問です。

手形でなく現金での集金もたまにはありましたが

あの疑り深い義姉が、10万以上の金額をルーズな弟に任せるはずがない…。

落としたというのも、どうせまた嘘です。


              「14万ねぇ…」

いつも無心する数万からいきなり跳ね上がったので

ついつぶやきました。


「14万って、なんですか~?」

事務の女の子が言いました。

「どこかで聞いたような…

 あ、そうそう…この間、友達が中絶した時の金額だった~」

        「まぁ、大きな声で

         …今、それが相場なの?」


「はい。そうらしいですよ」

     「あんたも気をつけなさいよ~ん」
     

「キャ~!そんな人いません~」



           これ、有りかもな…

女の勘というのは、当たって欲しくない件に限って当たるものです。

全部当たっていないにしても

結局は面白くない出来事が起きるという意味では

まったくのあてはずれではありません。

これまでの経験から、それは立証済みでした。

コメント (8)
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