殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

やまゆり園

2016年07月29日 22時10分00秒 | みりこんぐらし
美しい名の施設で、凄惨な事件が起きた。

19人刺殺、26人負傷。

戦後最悪の大量殺人だという。

ちなみに戦前は、岡山県の山村で起きた

犯人の自殺を含む30人。

映画「八つ墓村」のモデルと言われる事件だ。


このような事件が起きるたびに

なぜ?の疑問を「心の闇」と呼び

いろんな人達が出てきて論じるが

結局のところ結論は出ず

次に何か別の事件が起きたら静かになる。

もう20年くらい前になるだろうか

酒鬼薔薇聖斗と名乗る中学生が起こした

神戸小学生殺傷事件以来の定番

「心の闇探し」である。


この「心の闇探し」、私は無駄だと思っている。

本人が常日頃抱いている不平不満と

身勝手な選民意識による支配欲

この組み合わせが闇の正体であることは

すでに皆、知っている。


もういいんじゃないの?

「DNAの段階からして、あぶねーヤツが

たくさんいるから気をつけましょう」

って、はっきり言ってもさ。


「障がい者は生きていても仕方がない」

犯人はしゃあしゃあと言ったそうだが

犯人だって、先で寝たきりになるかもしれない。

明日、身体が不自由になるかもしれない。

もしもそうなった時、薄ら笑いを浮かべながら

同じ言葉を吐いて自らの命を絶つだろうか。

それとも、選民の自分は別なのだろうか。


被害者は、どんなに痛かったろう。

どんなに怖かったろう。

どんなに生きたかったろう。

冥福を祈るばかりである。

そんな中、動ける入居者が

縛られた職員の結束バンドを

ハサミで切って助けたという逸話は救いであった。


今後、求人の採用には慎重が求められる。

人付き合いにも注意が必要だ。

大人も子供も、人を見る目を

鍛えなければならない。

人生経験を積んだりなんかして

自然と身につくのを待つ余裕はない。


テレビで犯人の顔を見て

「まあ、怖い!」で終わらずに

その人相から漂う雰囲気をつかむのは

人を見る目の養成に効果的だ。

残忍な事件を起こした人間の持つ雰囲気には

共通するものがある。


今回の犯人の顔つきは参考になりやすい。

目つきが異様なのは誰でも気がつくだろう。

薬物の影響もあろうが

別の存在による憑依も、ああいう目つきになる。


そのたたずまいから

美しさ、清らかさ、温かさを感じるだろうか。

般若(はんにゃ)のお面を見たのと同じように

心がザワザワしないだろうか。


ごく単純な検証でも、積み重ねていると

危ない雰囲気というのがどんなものか

だんだんわかってくる。

その雰囲気を感じる相手が皆

殺人事件の犯人になるわけではないが

「あっ!」と思った相手が

幸せを運んできてくれることなんて

まず無いのは確かである。
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愛唱歌

2016年07月25日 09時53分51秒 | みりこんぐらし
昨日は、実家の母のコーラスを聞きに出かけた。

父が生きていた頃は、彼が駆り出されていたが

11年前に他界して以降、私が交代した。


身内の欲目かもしれないが

おばあちゃんやおばちゃん達が手なぐさみ

いや、口なぐさみにやる類いではない。

女ダークダックスは言い過ぎだけど

かなり本格的なもの。

高校でコーラス部に所属し

声楽科出身の先生に鍛えられた私だが

もしもこのチームに入ったら

荷物持ちしかさせてもらえないような気がする。


コンサートのたびに

東京へ発注するというシックなドレスと

銀のハイヒールがまだ似合う

母サーコ、82才の夏である。




コーラス部だったくらいなので、私も歌は好きだ。

入部の理由が、友達に誘われたからであっても

当時、ブラスバンド部と掛け持ちし

さらに活動していないソフトボール部の

幽霊部長だったとしても、歌はヘタだが好きだった。


実家にいた頃、なさぬ仲の母とは

衝突の連続だったものの

歌好きだけは共通していた。

流行歌や童謡を

彼女と妹達が誰からともなく歌えば

私がピアノで伴奏を付けたり

低音を受け持ってハモッたりしていた。

犬猿の間柄も、その時ばかりは

サウンド・オブ・ミュージック。


もちろん今でも好きだ。

歌が好き、音楽が好きと言うと

皆さんなぜかカラオケ好きと決めつける。

しかし申し訳ない、わたしゃカラオケは苦手だ。

家事の合間、そっと口ずさむ専門。


歌うと元気が出る。

いつもたいてい元気だが、さらに元気になる。

歌は私のリポビタンD、アリナミンEX。

そこで私の愛唱歌をご紹介しようと思う。


「太陽に吠えろ」のテーマ曲のフシで

♩タラちゃ〜ん

イクラ〜

サザエ〜

そしてマスオさ〜ん♩


長男が小学生の頃、子供の間で流行った

この替え歌は、掃除機をかけている時など

かったるい場面で歌うことにしている。

イントロ付きで歌うと、人はどうだか知らないが

私はやる気が起きる。
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宇宙人の秘密

2016年07月20日 21時18分09秒 | みりこんぐらし
病院の厨房で働いていた頃の同僚と

たまに食事をする。

メンバーは幼稚園から中学まで同級生だった

ケイちゃんと、一回り年上のエミさん。

エミさんと私は退職して何年も経つが

同い年のケイちゃんは、まだ働いている。


同僚だった頃は、取り立てて仲良しこよし

というわけではなかった。

が、同じ釜の飯を食った仲だけでなく

同じ釜の飯を炊いていた我々は

今では大切な友達だ。


この3人での会合が、私には一番の楽しみ。

集まる連絡は、いつも数日前だが

今回は当日と急である。

珍しいと思っていたら

ケイちゃんの健康に問題が発生していた。

「私、甲状腺癌で引っかかったんよ」

顔を見るなり、彼女は言った。


エミさんも去年、甲状腺癌の疑いで手術を受けた。

切ってみなければわからない癌もあるそうで

エミさんはそれだったが

摘出した腫瘍は、やはり悪性だった。

今はすっかり元気になっている。


ケイちゃんはすでにエミさんから情報収集しており

手術はそれほど心配してない。

15年ほど前に離婚して独り身ではあるが

お姉さんが付き添ってくれるという。


「問題は、あの2人の態度よ!

これを聞いて欲しかったのよ!」

ケイちゃんは憤慨する。


「あの2人」とは、厨房の管理栄養士と

その子分の栄養士のことだ。

この40女達の仕事ぶりと

人を人とも思わぬ言動は

私が働いていた頃からひどいものだった。


休みの日に精密検査を受けたケイちゃんは

医師と相談して手術を9月と決めた。

早い方がいいと言われたが

あまり急だと職場が困るからだ。


2人の性格を知り抜いているケイちゃんは

「勝手に決めて申し訳なかったけど

そういうわけで9月に10日ほど休ませてください」

そう頼んだ。


すると2人は言った。

「ほんと、勝手よね」


そして言った。

「本当に必要な手術?」


さらに言った。

「休んでる間、シフトはどうするつもり?

私達がカバーするのは嫌よ」


もっと言った。

「あと3年で定年じゃない。

手術はそれからゆっくりしたら?」

さすが、あの2人である。


「どうせ何か言われるとは思ってた。

でも、あの言い方は無いと思わない?

5年前の検診で異常なかったのが

今はウズラの卵大よ?3年も待ったら‥」

ケイちゃんは涙声で絶句した。


甲状腺癌には色々なケースがあるそうだが

ストレスも影響すると聞く。

5年前、上司の定年退職により

厨房の責任者になったケイちゃんは

あの2人との接触が増えた。

ストレスは大変なものだっただろう。


思い返せばエミさんも、大腸癌が発覚して退職した。

その時の2人の態度も冷たかった。

慰めの言葉は無く、心配するのは求人の手間だった。

我々同僚は腹を立てたものだ。


そういえばもう1人、会って食事に行く仲間がいた。

そうよ、我々は最初4人組だったはず。


その人は、エミさんと私が辞めた後も働いていたが

子宮癌になって退職し、今も闘病中である。

まだ誰にも会いたくないということなので

それきりになっている。


ケイちゃんの話によると

その人が癌を報告した時、2人の反応は

「もう働けないなら、早めに結論出してね」

だったそうだ。


あいつらと一緒に仕事をしたら、癌になるらしい。

恐ろしい2人だ。

こんなやつに限って、バチが当たる気配は無く

人生そこそこ楽しんでいるものだ。

ケイちゃんは、この不公平を悔しがるのだった。


そこで私は、最近考えついたことを

声をひそめ、神妙に話す。

「あいつらは宇宙人なんじゃ‥」。


人の痛みがわからない、道徳心が無い、常識が無い‥

そういう人は、いるものだ。

これは性格の問題ではなく、遺伝子の違いなのだ。

宇宙人だから、人間の心や身体の痛みは感じない。

宇宙人に道徳心や常識を求めても無理。

彼らにバチは当たらない。

バチは地球の文化なので

宇宙人には適用されないのだ。


この宇宙人、昔は100人に1人ぐらいだったのが

だんだん増殖してきて

10人から20人に1人の割合で存在する。

多くの人は、それを知らない。

相手を地球人と思い込んでいるから

「どうしてあの人は‥」と嘆く。


しかし、悩み苦しむだけ損。

地球人の苦しみや悲しみ、憎しみは

彼らの栄養になるからだ。


宇宙人だって栄養は必要である。

彼らは地球人の嫌がることを自然体で行い

効率よく栄養補給ができるよう

遺伝子に組み込まれている。


栄養を吸い取られた地球人は、病気になる。

吸われ損だ。

一番の解決策は、とにかく近寄らないこと。

すでに近づいてしまって

おいそれと離れられない場合は

苦しみ、悲しみ、憎しみの栄養を与えないこと。

理解して仲良くしようなんて

夢にも考えてはいけない。

栄養士に栄養を与えてはならないのだ‥。


「ワハハ!」

「ま〜た、みりこんちゃんたら!」

私の熱弁を真剣に聞いていた

エミさんもケイちゃんも笑った。

半分はマジだったんだけど、ま、よしとしよう。
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野望

2016年07月02日 09時46分09秒 | みりこんぐらし
『ピーやん・推定2才』


ワシ、ブラジル行っちゃるけん。

オリンピック、出ちゃるけん。

種目ぅ?

重量挙げに決まっとろうが。

これ見いや。

とまり木、持ち上げようるんで。

ぶちすごかろうが。

どうじゃ。

たまげたか。

ふふん、トレーニングじゃ。

毎日やりょうるんじゃ。

ワシは力持ちじゃけんのう。

リオでイワしたろうてぇ。

見とれよ。

金メダルとっちゃる。

ワシより強いモンはおりゃあせんで。

ワシの実力、見せたるわい。

ワシじゃのうて、インコじゃがの。
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