殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

現場はいま…冬の陣・4

2021年11月29日 14時30分16秒 | シリーズ・現場はいま…
松木氏が古巣の生コン工場に転属願いを出した時点で

本社は新たな人材を募集するようにと言ってきた。

10月に退職したスガッちと同じく、夫に代わって重機を操縦できる人である。


スガッちが大企業のOBと聞いて飛びついた本社だったが

あまりにも使えなかったので、重機オペレーターの募集は諦めたはずだった。

だから夫がやっていた簡単な事務処理や電話番を代行させるために

旗野さんを雇った。

しかし松木氏がいなくなると、夫に負担がかかる…

やっぱり重機ができる人も入れよう…

本社はコロッと考えを変えたのだった。


松木氏がいなくなるのは、夫にとって歓迎すべきことだった。

つまらぬことに尾ひれをつけて本社にチクり、あと先を寝て過ごす松木氏は

夫にとって鬱陶しい存在以外のなにものでもない。

しかし本社は、そう思ってない。

松木氏が自身の経験を生かして常に夫を支え、時に指導もして社内の尊敬を集める

会社にとって無くてはならない存在と信じている。

彼は裏表二つの顔を駆使して、それほどうまく立ち回っていたと言えよう。


本社もまた、彼の自己申告の真偽を確認するつもりは無い。

直接雇用の彼と、合併した馬の骨である我々は

本社から見れば娘と嫁みたいなものだ。

嫁が主張する真実よりも、娘の嘘を簡単に信じるのが親の本能だということを

私は身に染みて知っている。

この原則を知らなければ、「なぜ?どうして?」の疑問に苦しみ続け

膨らんだ疑問がやがて爆発するのは必然なので

この10年を無事には過ごせなかっただろう。


ともあれ我々にとって重機オペレーターの募集は、いささかの僥倖であった。

合併を繰り返して大きくなった本社は、合併先の会社に必ず本社直轄の営業所を開設する。

そして中途入社の変なオジさんを見繕い

営業所長という名のスパイに仕立てて送り込むのが常套手段だ。

営業所は本社直轄なので、その人事に口を出すことはできず

合併後の我々は、これに苦しんできたと言っても過言ではない。

松木氏の代わりだと言って、また変なのを投入されたり

万が一、藤村がカムバックなんてことになったら

一家で辞める覚悟をしていたが、それは免れたからである。


とはいえ、藤村カムバックの可能性は低かった。

運転手のヒロミに事務員の旗野さん、うちには2人の女性がいるからだ。

ヒロミが猿のようであろうと、旗野さんが力士のようであろうと、女は女じゃ。

ヘンタイ藤村の毒牙から、複数の女性を守らなければならない…

夫はその建て前を武器に、藤村の配属をブロックするつもりだった。

そもそも夫が旗野さんの採用に反対しなかったのは

藤村ブロック作戦に使う女性が、モンキー・ヒロミだけでは心もとないからだ。

が、松木氏の後任を選出する話にはならなかったので、藤村のカムバックも杞憂に終わった。



さて、こうして夫の交代要員を務める重機オペレーターを募集することになった。

とはいえ本社の方は募集をする、すると言いながら、来るわけないと思っている様子。

募集はあくまでも、建て前だからである。

なぜなら64才の夫が倒れでもしたら、年寄りをこき使ったということになり

労災認定は必至。

それを回避するためにハローワークに募集を出して

一応の努力はしたという証拠固めの意味合いが大きかった。


夫もまた、即戦力のオペレーターが希少なことを知っているので

何の期待もしていなかった。

良いオペレーターは、良いキャッチャーと同じだ。

会社の利益が出るように動く知識と技術に加え、温厚かつ冷静な性格が求められる。

そのような人材は、勤務先が手放さないからだ。


一方、ブラブラしている経験者や転職したがるオペレーターは

難有りの人物である可能性が高い。

口が過ぎて職場の和を乱したり、現場管理の立場を利用して

裏で私腹を肥やす癖が付いていたりする。

そのような人に引っ搔き回されたり、再びスガッちのような

口だけ達者で実技はサッパリみたいなのに消耗させられるのは、夫にとって恐怖だ。

そもそも夫は仕事がしんどいだの

たまには誰かに代わってもらいたいだのと考えたことが無い。

変なのが来て滅茶苦茶にされるより、自分が動く方がよっぽど楽なので

今のままでいいと思っていた。


が、就職希望者は早くも出現した。

以前、取引先でオペレーターをしていたシゲちゃん、56才の独身。

10月に辞めたスガッちとは以前、同じ会社で働いていた。


その会社のことは、一度、記事にしたことがある。

30年余り前、義父アツシが土地を購入して、東京から誘致した大手企業の工場だ。

しばらくは良かったが、やがてアツシの会社は

町内にある某組の企業舎弟になったライバル会社に仕事を奪われてしまった。


そして10年前、すっかり組に牛耳られた工場は閉鎖が決まる。

現地雇用のシゲちゃんは、その時に解雇されて転職し

本社雇用のスガッちは、市外にある支社へ移動になった経緯がある。


シゲちゃんには軽い吃音があり、人と話すのが苦手なので

職場ではいじめられていた。

ライバル社の社長父子もシゲちゃんをバカにして

おもちゃのエアガンで狙い、彼を撃って遊ぶのが日課だった。

この父子を恐れて誰も注意しないので、見かけた時は義父や夫が止めていたものだ。


工場を解雇になったシゲちゃんは、畑違いの宅配の仕事に就いて頑張っていたが

数年後にそこは閉鎖された。

再び解雇の身となった彼が夫の所へ相談に来たので、親戚の土木建築会社を紹介し

重機オペレーターとして就職したのは4年前のことである。


が、シゲちゃんは数日で辞めてしまった。

彼からは何の報告も無いままで、親戚からも文句を言われた夫は

「恥をかかされた」と言って腹を立てていたものだ。

けれどもシゲちゃんの事情もわかる。

土木の仕事って、言葉や合図で頻繁にコミュニケーションを取りながら進めるのが常識。

そうしないと危ないからだ。

コミュニケーションが苦手なシゲちゃんに、土木は無理だったと思う。


そのシゲちゃんが先日、次男に電話をかけてきた。

スガッちが辞めたのと、オペレーターの募集をどこかで聞いたらしい。

次男はシゲちゃんがエアガンの的になっていた頃

なぜか毎年、二人で山口県までフグを食べに行く仲だったので

他の者よりも話しやすかったようだ。


無口なシゲちゃんのことだから、数年ぶりの電話で積極的な売り込みはできない。

夫への不義理も気にしているようで、かなり控えめだったらしい。

「はっきりせんのじゃけど、言ってることを総合したら

何だかこっちへ転職したいみたい」

次男は夫にそう伝えた。

《続く》
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現場はいま…冬の陣・3

2021年11月25日 14時49分11秒 | シリーズ・現場はいま…
コロナ感染で在宅ワーク中のダイちゃんが

頻繁に電話をかけてくる日々は半月余り続いた。

夫が言うには、「どう?ちゃんとやってる?」から始まり

だんだんテンションが上がってキーキー言い出すのだそう。

キーキーの中には、ダイちゃんの無知から来る内容も多分に含まれていて

夫はいつも説明に苦慮するのだった。

何十年も前からやってきて感覚の一つになっている事柄を

マニュアルとして説明しろと言われても、口下手な夫の手に余る。

夫の説明で理解できないとなると、ヒステリックに責めるのが彼の常套手段だ。


この展開は、合併当初からあった。

ほんの一例だが、ある日の彼が投げかけた疑問はこれ。

「雨が降ると、何で休んだり早仕舞いするの?

僕たち事務方は、雨でも出勤してるよ?

事務も現場も1ヶ月分の給料なのに、天気で出欠が変わるなんてズルいよね」


バカタレが…そりゃ言いたい。

部屋の中でパソコンをつついていて、後ろから車に轢かれたりはしないし

何かミスをしても、それが即座に人命に関わるなんてことはまず無いだろう。

けれども現場は、常に危険と隣り合わせ。

特に雨天はハイリスクだ。

交通事故の可能性が高まるし、スリップや地盤の緩みなどの不可抗力も起きやすく

視界の悪化によって起きるアクシデントも増加する。

だから雨の日は、動かない方が身のためだ。


そしてそもそも、このようなリスクを避けるために顧客が休む。

搬入が止まるのだから、こっちも休むことになる。

雨は、現場で働く労働者の神経を休ませる日でもあるのだ。


とはいえカエルじゃあるまいし、雨が降ったからと喜んで休んでいては工期が遅れる。

建設の仕事は、まず工期ありき。

この日に着工、この日に竣工という前提で予算を立てるので

竣工予定日をオーバーすると赤字になるばかりか、工期を守れない会社は信用を失う。


そこで雨天の休業をカバーするため、祝祭日を使う。

建設業界は、祝祭日にあんまり重きを置かない。

盆正月やゴールデンウィークには、まとまった連休を取るが

それ以外の単発の祝祭日は、貴重な予備日という扱い。

予備日を使うことになるか否かは、お天道様と運任せだ。


雨で休んだ分は予備日の出勤で相殺され、わずかだが休日出勤手当が付く会社もある。

するとダイちゃんは、減らず口で言うのだ。

「休日手当の分だけ、得だよね。

僕らは休日出勤が無いから、もらうことは無いよ」

バカか…

晴れ間が出たら、いつでもスタンバイできるように待機するのが雨天休業じゃ。

再開の指令が出れば、夫は重機のエンジンを暖め、社員は駆けつけてダンプに乗り込む。

休みに酒飲んで寝るお前とは違うんじゃ。


現場は事務仕事と違い、電卓で割り切れるものではない。

何か造る時には地鎮祭をすることでわかるように、時には神様にもお出ましいただく。

安全を全うするためには、天の力までお借りする世界だ。

雨の日に休むのがズルいなんて、ホザく範疇のものではないのである。


素朴と言うにはあまりに残酷な疑問をいきなり投げかけられて

夫はいつも、その無知と傲慢に驚愕する。

重たい口でこれらのことをうまく説明できようはずもなく

精一杯説明したところで、口の減らない男ダイちゃんは

はなから納得するつもりなど無い。

「じゃあ、もしも1ヶ月間、雨が降り続いたら、君らは丸儲けってことだよね?」

万一そうなったら、給料の何割かを削られて最低保障金額になるだけだが

言いがかりはネチネチと続く。


とまあ、ずっとこんな感じよ。

10年前の合併で、金銭的な救済と安定を得た一方

このように現場を知らないド素人の介入で消耗することも増えた。

未知の世界のことに、自分の知る世界を無理やり当てはめて勘違いを重ねる姿は

見苦しくあさましいものだ。

その見苦しくあさましい言動によってストレスをかけ

現場の安全をジワジワと脅かしていることなど、彼らは生涯知りはしないだろう。

この繰り返しが10年続いているのだから、夫の苦労もわかるというものだ。


「窓際のあいつから、ちゃんとやってるかどうか聞かれるいわれは無い」

夫は最初のうちこそプリプリと腹を立てていたが

あれは家族向けの演技だと教えてからは、あまり気にならなくなったという。

相手が隠したい本意がわかれば、怒るのがバカバカしくなり、むしろあわれに思えるものだ。


10月の末が近づいた頃、ダイちゃんの電話攻撃はぷっつりと止んだ。

自宅待機が終わって、出勤を始めたらしい。

本社はこういった都合の悪いことを一切、こちらに知らせないが

ダイちゃんもまた、自分がコロナに感染したことを言わないまま騒ぎは終了した。



さて、松木氏は復帰して以降、非常におとなしい。

もはや嘘をつく元気も野心を燃やす気力も失せたようで

抗癌剤投与のために休んだり、出勤してソファーで寝るのを繰り返していた。

が、11月に入って、彼は転属願いを提出。

希望したのは、こちらへ配属されるまで居た県東部の生コン工場だ。

そちらの方が通院する病院に近いという理由だが、真相は旗野さんだと思う。


なぜなら彼女は、スマホのゲームをライフワークにしている。

そしてゲーム中は、いつもくわえタバコだ。

勤務中にくわえタバコでゲームをする事務員なんか

辞めてもらった方がいいのはともかく、肺癌の手術をした松木氏にとって

チェーンスモーカーの副流煙は拷問に等しい。

注意しても聞いているんだか、いないんだかわからないのもあるが

あんまり厳しく言って、辞める辞めないの話に発展した場合

自身の勤務態度が露見する恐れがあるので、松木氏はそれを公にできない。

旗野さんのタバコが煙たいのは、彼が一日中、事務所で寝ているからで

それを本社に知られると自分の身が危ないではないか。

そのため究極の選択により、こちらを去ることにしたと思われる。


松木氏の転属願いは受理され、彼は先週から来なくなった。

ずっと寝ている人間がひとまず消えて、夫や社員は清々しい様子。

こうなると、我々は冗談交じりにささやき合う。

「旗野さんには隠れた才能があるのかもしれない…」

たまたまとはいえ、ダイちゃんをコロナ感染で、松木氏をタバコで撃退したからだ。

彼女の隠れた才能とは、魔除けである。

《続く》
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現場はいま…冬の陣・2

2021年11月22日 13時49分53秒 | シリーズ・現場はいま…
10月から採用の旗野さんは、今のところ順調に出勤しておられる。

初日から2日間は、本社からダイちゃんが通って来て仕事を教えた。

宗教の勧誘が原因で取締役昇進がふいになり

折悪しく60才を迎えたこともあって、嘱託パートに追われた彼だが

以前、こちらの事務仕事に携わった経験を主張して

自分が新人教育をすると言い出したのだった。

外に出れば息抜きができるし

彼の大好きな背脂ギトギトラーメンも食べられる。

窓際の席を温めるより楽しいに違いない。


本社の方も反対する理由は無く、ダイちゃんの希望は認められた。

簡単な仕事なので、夫でも私でも教えることはできるが

本家のプライドと言おうか、意地でも継子に任せたくないと言おうか

指導や教育となると、本社は妙に神経質になるからだ。

だったら運転手の新人教育や技術指導もやればいいと思うが

神経を尖らせるのは事務系のみで、現場のことはよく知らないため

全く手を出さないのだった。


さて、張り切ってやって来たダイちゃんだが、旗野さんには拍子抜けした模様。

全く口をきかず、返事もしないからである。

当初、彼は3日間、こちらへ通うことになっていたが

2日目は午前中で帰り、3日目は来なかった。


もしも旗野さんがオーソドックスな女性であれば

ダイちゃんはあれこれと理由をつけ、頻繁に通い続けるのは間違いない。

が、のれんに腕押しの旗野さんには歯が立たず

月の中旬になったら様子を見に来ると言って、新人教育はひとまず終了。

口うるさいダイちゃんが来なくなったので、夫は喜んだ。


後日、旗野さんの付き添い人が採用の礼を言いに訪れた。

彼の話によると、旗野さんは数年前の出産後

精神が不安定になって離婚し、子供と一緒に実家へ帰って来たという。

親から就職の世話を頼まれ、何ヶ所か探して勤めさせたが続かず

もしやここなら大丈夫ではないかと思ったそうだ。

なぜ大丈夫かというと、本人が事務職にこだわっていることと

うちの夫が声を荒げて怒鳴る人間ではないのを知っているからだという。


加えて物理的な条件もあった。

付き添い人は、時給が安くて出勤が週4日の6時間なら

仕事は責任が無くてユルいと踏んだという。

家でメシの支度も子守りもせずにゴロゴロするより

リハビリを兼ねて小遣い稼ぎをした方が、親にも本人にも良かろうとも言った。


はなはだ身勝手な言い分だが、夫は意に介さなかった。

今さらそんなことを知らされたって、もう入社しているんだから

撤回するわけにいかないじゃないか。

それに夫は、野心メラメラで口だけ立つ人間にウンザリしていた。

いっそ口をきかないボンヤリさんの方が、彼にとっては気楽なのだ。


で、旗野さんの仕事ぶりだが、そもそも仕事があんまり無い。

簡単な仕事なのですぐ終わり、あとは電話番だ。

重機の中に滞在することの多い夫は、これが一番助かっている。


しかし事務所の固定電話が鳴ると、彼女は低音で「ハイ…」と出たきり、沈黙。

それが彼女にとっての電話番である。

これには夫も渋い顔をしていたが

「今どき固定電話にかかってくるのはセールスくらいのもんだから

きちんとした応対は必要ない」

私はそう言って夫を慰めるのだった。

注意しても直らないんだから、仕方がないじゃないか。


それに、うちの業種は接客業や小売り業ではないため

電話番の不手際で商機を逃すなんて事態は絶対に起きない。

たまに大仕事をうたい、怪しげな人物がもったいぶった電話をかけてくるが

すべからくガセ。

名刺などで公開している夫の携帯番号すら調べられない者がもたらす情報に

良い話なんぞ、ありはしないのだ。

一応は会社の格好を取り繕うため、固定電話を設置してはいるものの

そろそろ見限るご時世かもしれない…我々はそう思うことにした。


そんな旗野さんが電話番をしながらやっているのは、スマホのゲーム。

身体を動かすのが嫌いなようで、掃除などの雑用は相変わらず夫がしている。

夫、それは苦にならない。

女だから、事務員だからといって

当然のように事務所やトイレの掃除をさせるのは嫌なのだそう。

夫は家の掃除を一切しないが、職場となると違うようで

何十年も前からずっと一人で掃除を続けてきた。

私はこの習慣を良いことだと思っているので、何ら不満は無い。

彼が元気で働けるのも、危ないところで救われるのも

もしやこの習慣のお陰ではないかと思っている。


ともあれ旗野さんは、よそでは勤まらないかもしれないが

うちでは今のところ大丈夫なのである。

付き添い人の睨んだ通りだったと言えよう。


やがてダイちゃんが再びやって来る、月の中旬が近づいた。

その頃、彼と同じ部屋で働く若い男性が、夫に密告の電話をしてきた。

内容は、ダイちゃんがコロナに感染したという嘘のような本当の話だった。

「こっちは今、パニックですよ。

大学生の息子から感染したと言ってますけど

宗教の集まりで感染したんだろうって、みんな言ってます。

僕も怖いですよ」


症状はごく軽く、しばらくは自宅待機だという。

ちょうど三回目の退院をして、出社を始めたばかりの松木氏は震え上がったが

夫はダイちゃんが来ないことに安堵するのだった。

しかし、その考えは甘かった。

自宅待機でリモートワーク中のダイちゃん

夫や、病み上がりの松木氏にしょっちゅう電話をしてきて

重箱の隅をつつくような言いがかりをつけてはネチネチと小言を言う。

この病的な悪癖は、合併当初から本社で有名だった。

我々に対しては入信を断った時点から始まり、年々ひどくなっていた。


「家におるけん、暇なんじゃろう」

夫はため息混じりに言うが、私は別のことを考えていた。

共に自宅待機をしている妻子に、いい所を見せたいのだ。

家族の前で電話で誰かを叱って見せ、上司ぶりたいのだ。

彼にはそういう所がある。


彼の信仰する宗教では、奥さんの方が身分がかなり上。

その身分は、勧誘して入信させた人数で段階が決まる。

夫婦だと女の方が暇なので活動時間が豊富だし

誘われて入信してしまうアホの知り合いも女の方が多い。

だから奥さんの方が成績がいいのは当たり前なのだが

とにかくダイちゃんは、家では奥さんのシモベという位置。

それが彼のコンプレックスになっているのは

会社で無理な勧誘を行なっていたことを鑑みても明らかである。

いずれにしても、いい迷惑だ。

《続く》
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現場はいま…冬の陣・1

2021年11月20日 14時12分42秒 | シリーズ・現場はいま…
先月の15日、スガッちが退職した。

この春、夫のサポート役として入社したものの

重機の操縦をマスターしないまま終わった、私と同い年のパート社員である。

9月末で辞めるという話だったが、次の職場の初給料日が遠いため

うちの給料の締め日である15日まで来たいと言い出して、半月ほど日延べになった。


しかしワガママを聞いて、日延べに応じたのは間違いだった。

スガッちは辞める直前、彼が唯一乗れる3トンダンプのフロントガラスを割った。

近くへ配達に行った帰り道、道路を走行中に突然亀裂が入って

割れたというのが彼の主張だ。

けれども、ダンプのフロントガラスは頑丈にできている。

ただ走っているだけで割れたなら、リコール問題に発展するか

あるいはオカルトだ。


社内では車載カメラで確認するべきという意見も出たが、夫は不問にした。

その措置に、うちの息子たちは「甘い」とボヤく。

しかし私は「あんたらこそ甘い」と反論した。

「学校で窓ガラスを割ったお友だちが、廊下に立たされるのとは違うんよ」


事実を明らかにしようとしまいと、割れたフロントガラスは交換しなければならない。

もしもスガッちに非があったとして、数日後に退職する者を責めて何になる。

夫にとって重要なのは、スガッちが円満退社してくれることと

彼や周りの人に怪我が無かったことの二つだけである。

その安堵に比べれば、ガラスの一枚や二枚が何であろう。

責任者とは、そういうものだ。



さて、スガッちが退職の意思を表明した9月

彼の代わりになる人を募集することになった。

とはいえ今回は重機オペレーターでなく、名目は事務員。

本社は、夫に代わって重機を操縦する人材を

パートで安く雇おうとしたのは間違いだったと、ようやく気がついたのだ。

そこで夫の負担を減らすため、出勤簿や整備点検簿の書類管理など

彼が重機に乗るかたわらで行う、軽くて面倒な作業を代行する人を

やっぱりパートで安く雇うことになった。


本社は、藤村が引き起こしたセクハラの一件があるため

女性でなく年金生活の男性を望んでいた。

事務職は人気があるので応募者に不自由しないと思っていたが

時給が最低水準、出勤が週4日、1日6時間という稼げない条件だからか

出足好調とはいかなかった。


10月に入り、ハローワークからの紹介だと言って二人連れが来る。

夫はそのうちの一人、年配の男性と知り合いだった。

てっきりその人が入社希望だと思ったが、その男性は付き添いで

入社を希望しているのは黙って後ろに立っているもう一人の方だと判明。

付き添いの説明によれば、親戚の子だそう。


この時、一緒に面接をするはずの松木氏は肺の手術で入院中。

よって夫は本社の誰かを呼び、後日改めて面接を行うことにした。

相手がすぐに辞めたり問題を起こすと、いつも夫のせいにされるので

責任回避のためである。

夫も少しは学習したようだ。


数日後、本社から永井営業部長が訪れて面接の運びとなった。

今回も、前回と同じ付き添いが同行。

一人で来られない時点で、もはや尋常ではないとわかりそうなものだ。

しかしセクハラ対象外という第一条件を満たしていれば

もう誰でもいいという点において、永井部長と夫の意見は一致したため

入社はすんなりと決まった。



こうして10月から入社した新人、旗野さんは33才。

身長170センチ、体重110キロと、スガッちに似た体型だ。

顔もどことなく似ている。

というより、ひどく太ったら顔の部品が肉に埋まって

同じような顔立ちになると思われる。

何だかデジャヴのよう。


ただし、スガッちと大きく違う所が一つ。

旗野さんは女性である。

夫も永井部長も、履歴書に記載された性別を確認するまで

目の前にいるのは太った若い男性と思い込んでいたというから笑える。


特に夫は二回も会っていながら、それでも女とは気づかなかったそうだ。

フィーリング先行の彼にとっては男女の区別よりも

体型のインパクトの方が強烈だったらしい。

ともあれ、これでは夫に巣食う恋の虫が騒ぎそうにないじゃないか。

なにげに残念だ。



余談になるが、この時の松木氏は最初の入院で内視鏡手術をしたものの

病巣が取りきれなかったということで、切開手術を受けるために再入院していた。

旗野さんの入社後に退院して、何日か出社したが

抗癌剤治療のために三たび入院。

彼がひた隠していた病名は、やはり癌だった。


松木氏は今月の始めに退院し、自宅療養を経て

最近また出社するようになった。

ゲッソリと痩せ細って、元々色黒だったのがますます黒くなり

座っているだけでもしんどそうだ。

もはや嘘をつく気力も、野心を燃やす元気も無さそう。


松木氏の場合…

誤解があるといけないので、そう特定してからお話しするが

彼は10年前の入社以来、実に多くの嘘をついてきた。

仕事でもそうだが、ことに嫌な所へ行かなければならない時には

必ず身内の危篤や葬式を持ち出す。

いったいどれだけ親戚がいるのかと、不思議に思うほどだ。

一方で各種の協会が催す野球観戦、ゴルフコンペなど楽しいことがある時

彼の身内は絶対に死なない。


危篤や葬式ばかりでは不自然なので、時には仮病も使う。

深刻な顔つきで具合が悪いだの、ちょうど検査日とブッキングするだの

何回聞いたかわからない。

嘘ばかり言っていると、身体に悪そうだ。

はなはだ低レベルの比較ではあるが、あの藤村と比べれば

松木氏は口のきき方だけでも紳士的なので、長生きしてもらいたいと思っている。

《続く》
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そう甘くなかった

2021年11月16日 11時41分39秒 | みりこんぐらし
すっかりご無沙汰してしまった。

というのも、去年の11月に東京へ引っ越した同級生のけいちゃんが

一時的に帰っていたのだ。


“去る者、日々に疎し”という。

けいちゃんと1年ぶりに会って、どんな心境になるのだろうと思っていたが

全くそんな心配はいらなかった。

同級生5人で結成した通称5人会は、1年ぶりにメンバーが揃って大興奮。

連日に渡って遊び呆けたあげく、私は少々体調を崩した。


うちは家族の人数が多いので、出かけるとなると留守中や帰ってからの用事を

前倒しする必要がある。

姑に男3人の生活をカバーするには、睡眠時間を削って走り回るしかない。

それが面倒くさくて日頃はあんまり出かけないもんだから

毎日続けて遊ぶなんて珍しいことをして、年取った身体がびっくりしたのだと思う。

留守中の食事を弁当形式にしたり、夫に頼んでテイクアウトも取り入れ

自分ではうまく回したつもりだが、連続となると無理がきたようだ。


数日間、さんざん遊び回ったあげくに具合が悪くなったとは口が裂けても言えない。

なに食わぬ顔で日常に戻るが、家事のスピードが落ちて自由な時間が減った。

ということで、ブログの更新が遅くなってしまった。

もうすっかり元気なので、ご心配なく。



けいちゃんは帰省中、こちらにホテルを取るつもりだった。

実家は関西在住のお兄さんが相続しているので、寝泊まりができないからである。

そこでメンバーのマミちゃんが、自分の実家を提供。

マミちゃんの両親亡き後は空き家になっているため

風通しも兼ね、二人で連泊していた。


今回、けいちゃんが帰省した目的は両親の墓参りと引っ越しの報告。

来月始めには東京のアパートを引き払い、横浜に転居することになったため

その合間に一度帰っておくことにしたのだ。


何で横浜かというと、7才年上の大好きなお姉さんがいるから。

彼女のお姉さん夫婦は長年、広島市内に暮らしていたが

たまたま娘二人が横浜で結婚生活を送っているため

いっそ老後は娘の近くで過ごそうと決めた。

ご主人の退職を待って広島の家を売り、横浜にマンションを購入したのが一昨年。

お姉さんが大好きなけいちゃんは、追いかけるようにして東京へ行ってしまった。

横浜でなく東京にしたのは、義兄や姪に対する一応の礼儀だ。


とはいえ、けいちゃんの転居先は限りなく神奈川寄りの東京で

お姉さんのマンションは限りなく東京寄りの神奈川。

姉妹の住居は、背中合わせの近い位置ということになる。


東京で暮らす娘と同居するつもりだったけいちゃんだが

いざ引っ越してみたら娘は来なかった。

話し合いを重ねても、のらりくらり。

娘の煮え切らない態度に、けいちゃんは苦しみ続けた。


気持ちの問題だけではない。

日が経つにつれ、経済的な問題も出てくる。

我々の年代の女性が現在もらっているのは、厚生年金のみだ。

けいちゃんは娘と暮らすつもりで、少し広めのアパートを借りていた。

家賃、共益費、駐車場代で毎月10万円の住居費は

彼女の厚生年金では到底まかないきれないので、貯金を切り崩すしかない。

一緒に暮らして娘が家賃を、自分が食費と光熱費を支払えば

生活して行けると目算していたが

肝心の娘が同居しないとなると、貯金は目減りするばかりだ。


先行きが心配になったけいちゃんはこの春、お姉さんに相談した。

するとお金持ちで優しいお姉さんは、自宅の近所に中古のマンションを探して買うから

そこへ引っ越してくるようにと言った。

金持ちは行動力があって、やることが早い。

ちょうど良いマンションはすぐに見つかり

けいちゃんは月6万円の家賃で、そこへ入居することになった。


「姉が私のために中古マンションを買ってくれたので、7月にまた引っ越しです!

姉が大家さんになります!」

彼女はラインで得意げに報告し、新しい住所を知らせた。

我々は、そんなうまい話があるのか?と訝しみつつも

「すごい!良かったね!持つべきものは金持ちの姉」

などと返信したものだ。


けれども夏が終わり、秋が来ても引っ越しの発表は無かった。

そして今回の帰省で、いよいよ来月に引っ越すとけいちゃんから発表が。

皆は口を揃え、お姉さんの偉業とけいちゃんの幸運を喜んだ。

けいちゃんも、お姉さんの素晴らしさを讃えられて嬉しそう。

我々は、本当に心配だったのだ。

このまま、来ない娘を待ちながら

“出し食い(だしぐい…貯金を切り崩して生活すること)”を続けたら

老後の貧困生活は確定じゃないか。

だからお姉さんのマンションへ行くことが本決まりになって、ホッとした。


が、数日に渡り、けいちゃんから詳しい話を聞くにつれて

これは手放しで喜べる状況ではないと思い始める。

けいちゃんもそれを認識している様子で

「私ら母娘にとっては、あんまりいい話じゃなかった」

と言う。

引っ越すのが遅くなったのは、お姉さんが出したシビアな条件がネックだったようだ。


その条件とは、けいちゃんが未来永劫、娘と同居しない約束をするというもの。

つまりお姉さんは、娘と暮らすならマンションは貸さないと言ったのである。


なぜならお姉さん自身の死後、マンションはお姉さんの娘のものになる。

やがてけいちゃんも他界した時

けいちゃんの娘が住み続けたまま出て行かない…

あるいは家賃を払わない…または自死や孤独死…

このようなトラブルが起こった場合、お姉さんの娘が困るので

お互いの子世代には持ち越したくないという正当な理由。


この条件は「娘の短期宿泊は黙認するが、長期滞在はダメ」

という内容まで含まれる厳格なものだった。

お姉さんは、けいちゃんの娘が精神的に不安定なことを誰よりも

そう、母親であるけいちゃんよりも知っているのだ。


娘を諦めるか、それともこのまま娘を待ち続けるか…

決断を迫られたけいちゃんは、なかなか決められずに日を過ごした。

秋になって車を手放し、駐車場代と車の維持費の節約を試みもした。

それでも背に腹はかえられず、このほど前者の結論へと至ったのである。

お姉さんが用意してくれた新居で、今度こそ娘と暮らせると思っていたけいちゃんは

自分の甘さを思い知ったという。


条件は、もう二つある。

一つは2DKのマンションの一部屋に、お姉さんの娘の荷物を置くというもの。

娘の一人はアメリカで、何やらヨガっぽいトレーニングの講師の資格を取得していて

子育てが終わったら教室を開きたいそうだ。

そのため、アメリカから取り寄せた機材を置いておくという。

これは、けいちゃんの娘が住みつかないための牽制だと思う。

一部屋を荷物で潰しておけば、娘の部屋は無くなるからだ。


もう一つは、その娘がもしもマンションで教室を開くことになったら

けいちゃんには出て行ってもらうというもの。

これも、やはり牽制だろう。

古いマンションに人が集まって、ドタバタと身体を動かす講習ができるはずはない。

しかし、終の住処ではないという前提があれば

横着な娘がわざわざ引っ越して来ることは無さそう。

お姉さんは、けいちゃんの娘をかなり警戒しているらしい。

けいちゃんは残念に思いながらも

以上の三つの条件を呑むと決めて誓約書を書いたそうだ。


金持ちは合理的なので、情だけでは動かない。

マンションは、お姉さんの投資の一つに過ぎなかった。

妹に貸し、家賃の名目で購入資金を回収しながら

売りどき、あるいは有効利用できる時期を待つのだ。

さすがじゃ…我々はお姉さんの賢さに感心しきりであった。


横浜へ移ったら、仕事を探すというけいちゃん。

娘と暮らせないことがはっきりした今

家賃が減ったとはいえ、お金を稼がなければ生活できないのは同じだ。

そこで我々は言う。

「行き詰まったら必ず帰ってきんさい!協力するけん!」

特にお寺の嫁で、料理と掃除が苦手なユリちゃんは大乗り気。

「うちへ来て!

ごはんと掃除をしてくれたら、お給料は出せないけど

家賃も光熱費もいらないわ」

横浜より、こっちの方が怖いかもしれない。
コメント (8)
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近時事・衆院選

2021年11月02日 09時58分52秒 | みりこんばばの時事
衆院選、終わったわね。

今回は誰が当選するかよりも、誰が落選するかに興味を持って見ていたわ。

天災、ミサイル、コロナ…たて続けの危機にさらされて

何期もやってるとか、名が知れて有名とか

そんなフィーリングで投票してる場合じゃなくなったのが

やっと浸透し始めた気がするからかも。

国にとって必要な人か否か…これで決める時期に入ったわよ。


それでも大阪の辻元清美さんの落選には、さすがにびっくりしちゃった。

地元の皆さんは、目が覚めなすったのかしら。

大阪といえば別の選挙区では、あの森友学園の籠池理事長の奥さんも

無所属で立候補してたわね。

もちろん落選したけど、有権者も舐められたものね。


私の住む広島県も、そこそこの盛り上がりだったわよ。

河井夫妻の金銭授受問題で大変だった選挙区では

小選挙区に自民党からの候補者を立てずに公明党候補に絞ってたけど

うまい作戦なんだか、あざといんだか。


同じ選挙区では、NHKと裁判してるとか何とか、長ったらしい名前の党から

頭頂部を剃って両脇の髪はロングの落武者みたいな髪型をした

29才の男性が立候補してたわ。

ミュージシャンだとさ。

広島の有権者も舐められとるわ。


耳はもちろん、眉間や鼻もピアスだらけで不気味な外見。

小さい子には怖いと思う。

一応は党の公認候補だから、宣伝用の顔写真を新聞によく載せてたけど

その写真、頭やピアスは同じなんだけど、少し前の写真らしくて

今より痩せてて、笑顔がわりと可愛らしいのよね。

身なりをちゃんとすれば、もう少し印象がいいのにさ。

もちろん落選したけど、あの党の選挙資金はどこから出てるのかしらん。


その隣の選挙区では、何年か前に女性問題で辞任した二世議員が

ほとぼりは冷めたと踏んだのか、無所属で立候補してたけど最下位で落選。

不倫相手とハワイで結婚式の真似事をした写真が出回って、話題になった人よ。

同じ立場だったら絶対同じことやる人が、うちにも一人いるから

なんだか他人とは思えなくて、つい注目しちゃうってもんよ。


引退したお父さんの地盤を引き継いでるから

また必ずどこかの選挙に出ると思ってたけど、同じ衆院選に出たわね。

無所属だから、落選後の比例復活は無し。

無職になっちゃった。

選挙民の目は厳しかったわ。

でもまた、どこかの選挙に出る気がする。

一回やったらやめられないってのは、本当ね。




え?あの茶番会見?

思ったのは、『劇団ふたり』のお子様劇場。

聞いてるこっちが恥ずかしくなって、うつむいちゃったわよ。

あれで民衆をケムに巻けると、マジで思ってたのね。

この子らの頭ん中はその程度で、付き合わされる人々はいい迷惑よ。


外出の様子を拝見したけど、もう差し回しの車じゃなくてハイヤーなのね。

車のナンバープレートが白じゃなくて緑色だったし

後部座席に禁煙のシールが貼ってあったもの。

ハイヤーの料金は誰が払うのか知らないけど

自ら望んだとはいえ、絶対的な保護下から出てしまった現実を見たようで

何だかせつなかったわ。

もう美容師がつかないから、髪はザンバラかひっつめなのにも

ちょっと胸がしめつけられたわ。

こんなのが余計なお世話なんでしょうけど。


で、試験、落ちたって?

だから結果発表前に入籍したんざんしょ。

でもどうにかなるわよ。

レットイットビーなんだから。



あ〜あ、また勝手なこと言っちゃったわ。

ごめんなさいね〜!
コメント (12)
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