殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

検索ワード

2016年06月29日 20時23分52秒 | 検索キーワードシリーズ
検索ワードには、いつも楽しませてもらっています。

この方はどんな状況で、何が知りたかったのかを

想像するのは楽しいです。

悪口ばっかりの私のブログでは

お役に立てそうもないので申し訳ない気持ち。

本当にすみません。


『旦那が趣味の車にお金かけてる。

その上持ち家欲しがる。困る。』

ほんと、困りますね。

こういう癖は、なかなか治らないんですよ。

ご同情申し上げます。


私の場合は

“旦那が趣味の女にお金かけてる。

その上新しい奥さん欲しがる。困る。”

でしたが、車の方が大変でしょうね。

女と違って、車は毎日目に触れます。

見えるってのは腹が立つもんですよ。


奥さんが困る、その程度の収入しか得られないのに

お金のかかる趣味を続けながら

家まで手に入れたら、家計は破綻します。

実例を挙げるまでもなく、離婚に至るお決まりのコース。

この種の人達は、無茶をしたから家庭が壊れたのではなく

家庭を壊すために無茶をしているように見えます。

だから壊した後もケロッとしています。


破滅に向けてひた走る性質は

本人の生育環境を思い起こせば一目瞭然です。

親の性格や経済事情などにより

表向きはどうあれ、本人が尊重される安心感を

感じることなく育っている場合が多いです。

親の代わりに尊重して、気長に育て直すか

早めに切る方が賢明と言えましょう。



『候補街頭演説呼びかけうぐいすセリフ』

いよいよ参院選ですね〜。

私はもう不在者投票して来ました。


田舎の市議選あたりでは、街頭演説の時に

ウグイスが前座を務める時間はあまり無いんです。

周りにライバルがいないとみるや

ゲリラ的に行うため、悠長にしていられないからです。


しかし交通事情や雰囲気によっては

やることもあります。

パターンは色々ありますが、その中の一つ。

「ご通行中の皆様、お騒がせいたしております。

△△市議会議員立候補者の○○でございます。

これよりしばしお時間をいただいて

○○が街頭演説をさせていただきます。

このままではいけない!

元気な町を取り戻す!

強い信念で立ち上がった○○の思いのたけを

お耳にとどめていただけましたら幸いでございます」


私は演説の前より後

去り際のクロージングに重点を置く主義。

「○○の思いをお聞きくださり

ありがとうございました。

○○の情熱、皆様のお心に届きましたでしょうか。

○○は、地場産業の活性化と雇用促進を

単なる夢や希望には終わらせません。

経済に強い○○には、明確な戦略がございます。

投票日には○○に、大切なご一票を投じていただき

ぜひとも○○に仕事をさせてください」


地場産業、雇用促進などの熟語は

演説の中で聞きかじったフレーズを使用。

聴衆はいざ知らず、少なくとも候補は元気が出て

次の演説も張り切るようです。


『時代劇韓国服の白い襟は』

韓国の時代劇、いろんな意味で好きでしたね〜。

過去形なのは、その歴史や民族性を見て

我が国の素晴らしさを再認識するには

良いサンプルであり、それはもうよくわかったから。


身分によって着る物はもちろん、刺繍の形や配置

付けていいアクセサリーや髪飾りまで決まっていて

日々それを見せつけられてちゃ

羨望が嫉妬になってゴタゴタするのは

当然といえば当然。

多分、あの白い襟だけが国民共通なのね。


現代劇の方も見ませんが

義母と義姉が見ているのを

通りすがりに眺めることはあります。

若手俳優の目頭と目尻切開

すっかり定着したようですね。

男も女も、うるんだ大きなおメメになってるけど

白目の充血もセットなので、なんだか痛そうです。

いや〜、韓国ドラマって、本当に面白いですね。

それでは、さいなら、さいなら、さいなら。
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老後破産

2016年06月22日 09時13分16秒 | みりこんぐらし
テレビをつけたら、老後破産というのをやっていた。

現役時代、何不自由ない暮らしをしていた人でも

年金生活になるとお金が回らなくなり

困窮するケースが増えている‥

それを老後破産と呼ぶそうだ。


医療費や、香典などの交際費も年金をおびやかすが

老後破産の大きな原因は、持ち家の維持費だそう。

修繕費に固定資産税、一軒家だと光熱費も多い。


わかるわ‥身につまされるわ。

その上、庭なんかあってごらんなさい。

水やりの水道代は万単位。

定期的な剪定や消毒は、すでに美観のためではなく

近所迷惑にならないための

義務的出費になり下っている。

若い頃にはご自慢だったヤカタが

先で老夫婦の首を絞めることになったわけよ。


4年前、我々夫婦は確か

両親の病気が発端で同居するようになった。

しかし実際に行なったことといえば

病人の面倒を見るより

生活費を始めとする各方面への支払いを

肩代わりする方が頻繁だった。


何かおかしい‥どこか間違っている‥

時折、そう思わないでもなかったが

病人達のホッとした顔を見ると

それが何よりの看病のような気がした。

慣れて落ち着いた今は、だまされたような気分だ。


このような状況はうちだけかと思っていたら

そうでもないらしい。

隣の一人暮らしのおばさんは、時折こぼす。

「一人分の年金で、家に庭に

浄化槽のおもりまでするのは厳しいわ。

早く息子夫婦に帰ってもらって交代したい」

寂しくて同居を望んでいるのかと思ったら

厳しくて同居を望んでいる口ぶりだ。


反対側の隣に住む未亡人のおばさんや

定年後に帰って来た息子夫婦とは

お金について話すほど親しくはないが

年に2回行っていた庭木の剪定と消毒を

1回に減らすと言っていた。

いずこも‥とまでは言わないが

少なくとも、うちと両隣は似たようなものらしい。


ただし、1回飛ばしたら

次の回で2倍の費用がかかることを

彼らはまだ知らない。

1回飛ばすと、枝は数倍に増える。

切った枝の廃棄料は高い。

庭師に廃棄場まで何往復もさせたら

日当よりずっと高くつくことを

我々はすでに経験済みであった。


この3軒のお爺さん達は

高度成長期の恩恵で、ひとまず男の夢を叶え

ワンマンの限りをつくしたあげく

広い庭と住みにくい屋敷を遺して

先に死んでしまった。

「あると便利な物は買わない。

無いと困る物だけを買いましょう」

テレビの人は、老後破産回避の心得を唱えるが

老後破産が増えているのは

もしかしたら、こういうお爺さんが

たくさんいたからじゃないのか。

そう思うと、何だか腹立たしい。


ともあれこの数年

我々夫婦が日々いそしんでいたのは

介護やお世話なんかじゃなく

老後破産の始末だったことは、よくわかった。

老後誤算で老後悲惨、それが老後破産。

ああ、納得。
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ターシャからの贈り物・2

2016年06月16日 09時59分09秒 | みりドラ
《ターシャの庭とは程遠い、我が家の庭》


検索ワードにターシャ・テューダー関係、多し。

中でも多いのが、すでに故人となった

彼女の遺産に関するもの。

「ターシャ・テューダー 遺産裁判」

「ターシャ・テューダー 長男訴訟」など。


2008年にターシャが亡くなった後

名家である実家から受け継いだ美術品を含む

総額200万ドルの遺産と、30万坪の土地は

長年ターシャの世話をしてきた

長男のセスさん親子が相続したらしい。


これを不服としたセスさん以外のきょうだい3人が

遺産分配を要求する訴訟を起こしたそうだ。

きょうだいの中には弁護士もいるらしいので

勝てると踏んだのだろう。

皆さん、結果が知りたいんだろうけど

私も知らない。

まだ終わってないんじゃないかしら。


特にあの庭に関しては、もつれると思う。

放映権、著作権はもとより、儲けようと思えば

庭に咲く花の一輪、葉っぱ一枚

種一粒までゼニに変わる。

アタマに「ターシャの庭」と付ければ

ドライフラワーだって、落ち葉のシオリだって

売れまくる。

あの庭の種や球根を手に入れ

自分の庭に植えたい人だって世界中にいる。


あの庭に実る果実をジャムに‥

あの庭に咲く花で香水を‥

一般公開して入場料‥

庭の写真を商品のラベルに‥

もしもその気になれば、利益は無限大。


すでに一流ブランドとして完成しているため

初期投資がいらず、仕入れの必要が無く

長期継続の見通しが始めから立っている。

顧客は世界中に多数。

必ず儲かる商売の見本みたいなものだ。


「兄さん、独り占めはずるいわ」

「ワシ、何も知らんもん」

「知らんわけないが。

あんだけテレビ出といて」

「好きで出たんじゃないけん」

「よう言うわ。

あれで既成事実作ったんと違うん」

「おかんが決めたことじゃけ、ようわからんもん。

だってワシ、素朴キャラじゃし」

そんな会話があったかどうかは知らないが

現物、並びに現物の持つ膨大な可能性が

全部長男一家の物になるとなれば

他のきょうだいは黙っちゃおられんだろう。


しかし所有者が複数になれば

どうしても意見の相違が出てきて

気高い庭に世俗が介入してしまい

ブランド性は失われる。

人々が、あの庭を愛する理由は

目に沁みるような自然の美しさだけではない。

神々しいまでの無欲と、悠久の不変に

夢や憧れを感じるからだ。

夢や憧れ‥これこそが一流の証であり

ブランドの真価である。


生前のターシャが、遺産問題に

きっちりケリをつけておくような人だったら

あの花園は、多分作れない。

「さあ、さあ、見てくださいな。

どうです?いいでしょう?」

とでも言いたげな、よくある庭となり

無欲と不変の透明感は備わらなかっただろう。

そして母親の面倒を見ていることを盾に

他のきょうだいをうまく押さえるような

如才ない長男だったら

黙々と花園を守ることはできなかっただろう。


だからターシャの死後、遺産でもめるのは

必然だったと思う。

私が言ってもしょうがないが

「現行の、一子相伝でお願いします」

とお願いしたいところ。



さてタイトルの、ターシャからの贈り物。

以前、私はターシャから

睡眠の贈り物をもらったと記した。

(2012年1月27日・ターシャからの贈り物)

今回、テューダー家の裁判を考えるにあたり

もう一つ、贈り物をもらっていたことに気づいた。

それは安堵である。


ターシャの番組を見て驚いたのは

小さき者達を喜ばせるために

心をくだき続ける母としてのサービス。

子供達の待つ川下へ流す

桃ならぬ、花で飾ったケーキ

手作りの人形で演じる人形劇

中でも目を見張ったのは、カタログショップだ。

子供達が人形の服を新調する際

お手製の生地見本を見て選び、ターシャに注文する。


私が子供の頃は、洋服をあつらえる習慣が残っており

私達子供もよそ行きの服は洋装店で仕立てていた。

生地見本を見て服地を選び、デザインを決めるが

ターシャの作るカタログは、そのミニ版。

そりゃもう可愛くて、手が込んでいる。


アヒルなんかのキャラクターに

クリスマスカードを出すシステムもあり

好みのカードのカタログも用意されている。

料金はボタンで支払う。

子供達は、どんなに楽しかったことだろう。


が、あんなに手間ひまかけて子育てをしても

付いて来たのは長男だけ。

あれだけやっても、4分の1の確率。

ここまでしてもらっても、子供達は遺産で争うのだ。


遺産の額が尋常でないのもあるが

お金が関わると、みんな同じ。

つまり、普通の家庭であった。


舅、姑仕えと仕事に追われ

夫の浮気に苦しんだ、私の子育て期。

忙しい、忙しいと言っているうちに

子供達は大人になってしまった、この手遅れ感。

もっと喜ばせてやれたのではないか‥

もっと楽しませてやれたのではないか‥

もっと手をかけてやればよかった‥

もっと私がしっかりしていれば‥

必死や懸命だけでは抜けない小さなトゲは

母親なら誰でも持っている。


しかし、手間ひまかけても、かけなくても

仕上がりは普通。

この現実は、私に安堵をもたらす。

ただし、うちに争う遺産は無い。
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社外交流

2016年06月10日 11時23分11秒 | みりこんぐらし
近頃の夫は、社内交流に多忙である。

本社や支社の男性社員達が

日替わりで会社にやって来るからだ。


合併当時、夫は彼らから遠巻きにされていた。

危ないところを本社に拾われた

ラッキーな二代目ボンボンという

サラリーマンの敵みたいなプロフィールと

いかつい外見とのミスマッチを怪しまれていたからだ。


あれから、もうじき5年。

仕事を通して夫と親しくなるにつれ

彼らの警戒心は解けていった。

並行して、彼らは気づいたのだ。

我が社の立地の魅力に、である。


なにせ我が町には、行列のできるラーメン屋

◯◯園がある。

皆さん、なぜかここの

背脂ギトギトラーメンがお好き。

それぞれ用事を作っては高速を走り

◯◯園のラーメンを食べに来る。


食後は我が社でおしゃべり。

会社は主要道路から離れているため

通りすがりに車を目撃される心配がない。

目の前の海を眺めながら

誰にも知られずにサボれる隠れ家だ。

そこには聞き上手で口のかたい夫が待っており

安心して愚痴をこぼせる。

一度来れば、もうトリコ。

夫は仕事より、隠れ家の予約をさばくのに忙しそうだ。



社外交流の方では、夫は今年になってから

とある機関で働くパートのおばちゃんと

懇意なご様子。

いつぞや「チラシ知育」の記事でお話したことがある。

思想団体が配布した告発ビラに

市役所のえらいさんの愛人だと

実名で書かれていた女性の一人だ。

50代前半で、ご主人と娘さんがいるらしい。


ビラが配られて少し経った頃から

その人が時々、会社へ来るようになった。

夫の会社は月に何回か、彼女の職場に出向いて

書類を提出しなければならない。

それが親切にも

向こうから取りに来てくれるようになったのだ。


私もこの道30数年。

時期的に、ビラがきっかけになったのは

間違いない。

何か大きなことがあった後というのは

不倫者にとって、絶好のチャンスなのだ。

事故や身内の不幸なんかもそうだが

強いストレスがかかると

異性に逃げ場を求めるのは不倫者の習性である。


私の方は、どうでもいい。

相手の人数が2ケタ行ってみろ。

ホンマにどうでもよくなる。

こうして書いているのは、苦しむどなたかが

自分だけじゃないと思って

元気を出してくだされば嬉しいからだ。


ご主人の浮気に悩む奥様がたの多くは

相手の女の情報と共に、出会いのきっかけを

徹頭徹尾、気に病み、自分を責め続ける。

さもあらん、恋愛の話に

きっかけや馴れ初めは付き物だ。


が、不倫の場合、それは間違いである。

奴らはきっかけなんて、どこからでも拾ってくる。

きっかけがあって、不倫が始まるのではない。

逆だ。

不倫をするために、きっかけが欲しいのだ。


奴らが求めるのは、魔道を歩まざるをえない

もっともな理由。

きっかけは、自分の良心への言い訳である。


日々、きっかけを探し歩き

手頃なのがあれば逃さず使う。

いわば、きっかけのプロだ。

はなからスタンスが違う。


何でも傷つき、何でも辛がって繊細をアピール。

相談と称してメシへ流れたら

割り勘のゼニが惜しくて

かけうどんほどの値打ちも無い身体で払う。

公正取引委員会からクレームが来るぞ。


で、はい蜜月、はい充実

はいはい、良かったね~、おめでとうさん。

あとは長いマンネリから消滅へと続くワンパターン。


親に手がかかるようになると

妻を交代してやろうと言い出す者はいなくなる。

希望者がいる間に、交代してやりゃ良かった。

もったいぶってるうちに需要が無くなった

ワラジ製造会社の株主みたいな気分だ。


それはさておき、中高年の不倫には

男性よりも女性側の素質が問われる。

更年期障害に屈しない強靭な肉体

いくつになっても男の前でパンツを脱げる

揺るぎない自信

新しい出会いを求め続ける

あくなき冒険心。

女性がこれらの才能を併せ持たなければ

不倫には発展しにくい。


才能は、ヘアスタイルで見極めるのが簡単。

白髪染めでツヤを失った髪を背中に垂らし

派手なバレッタなんぞ留めていれば

まず才能ありと見て間違いない。


この先入観で当人を見ると、わかりやすい。

会社へは来るものの、外で話をする‥

話している間、強い同意を誇示するため

やたらとカクカクうなづく‥

夫を見上げる目つきがオトメ‥

そこへ夫の絶対条件

「手近なシロウト」&「人のお古」

&「かわいそうな状況」を重ね

さらに歴代の愛人に多く見られた特徴

「下半身デブ」

「背伸びしても隠しきれない昔臭およびイモ臭」

を持って来て一致すれば

ビンゴ以外の何物でもなかろう。


この人は、前任者の保険外交員チワコちゃんより

ずっとかわいい。

告発ビラに実名で載るくらいだから

そして事実有根の誹謗中傷をものともせず

仕事を続けるくらいだから、かなりの熟練者。


熟練者の長所は、遊興担当という自分の役割を

ちゃんと知っているところだ。

人の家庭をどうこうしたい野心が無いため、静か。

物売りではないところも気に入っている。

チワコちゃんのように、保険に入れだの

自分の子供の就職を世話しろだの

行きがけの駄賃的おねだりが無いのは

すがすがしいではないか。


惜しむらくはあのビラ

原本を実家の母にやったため、もう手元に無い。

だから彼女の名前はわからない。

知りたい気も無いが

今後、どうお呼びしたらいいのだろう。

ビラコ?
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運動会の弁当

2016年06月02日 17時12分02秒 | みりこんぐらし
時々、息子の友達アイちゃんと電話で話す。

優しくて、とてもいい子だ。


彼女は小学生の女の子のお母さん。

今週末は運動会があるそうだ。

いまどきは、初夏に運動会を催す小学校が多い。

私の住む町でも、何年か前から5月の終わり頃だ。

別の行事がたくさんあり

中学受験の準備に忙しい秋は

運動会のシーズンから除外されたらしい。


「鶏の唐揚げと、卵焼きは決めてあるんです」

「うん、うん、定番だね」

弁当のメニューについて、あれこれ話す楽しみは

今も昔も変わらない。


アイちゃんには、一風変わったお母さんがいる。

50半ばにして、常識と経済観念が備わらないままの

万年少女らしい。

彼女は、このお母さんが悩みのタネ。


お母さんは、たった一人の孫の運動会に

興味を示さないという。

「だから、親子3人だけなんです」

ちょっと淋しそうなアイちゃん。


「うらやましい!」

私は思わず叫ぶ。

「じじばば総動員だったら、大変よ!」

そして自分の子供が

幼稚園児や小学生だった頃の話を

得意げに披露するのだった。


「毎年、入れ物から指定される」

「入れ物?」

「重箱じゃないといけない」

「なんでですかっ?」

「運動会の弁当は重箱に入れんと

ばあばが許さない。

自分が子供の頃と同じ方式をなぞりたいんじゃ」

「ええ~‥」

「でっかい三段重におかずを詰めるとなると

おせちと同じ労力がいる。

汁が出るモンは入れられんし

手軽なタッパーに憧れたもんよ」

「なんか、大変そうですね」

「入れ物だけじゃない、それを風呂敷に包む」

「え‥」

「重箱だけじゃないで。

取り皿もばあばの決めたもんしかダメ。

それに、どんなに頑張って弁当作っても

毎年、じいじの批評が待っとる」

「何て言われるんですか?」

「こんなもんしかできんのか」

「ええ~!」

「しかもじいじは運動会は見ん。

昼どきだけ現れる」

「演技を見ないのに、なんで?」

「行事食が好きなんよ」


「‥なんか、親子3人だけでいいような気がしてきました」

アイちゃんは言う。

「そうよ~。少人数の幸せって、あるのよ」



アイちゃんには言いそびれたが

子供達が中学になると義父母は来なくなり

私は憧れのタッパーに弁当を詰める自由を

手に入れた。


しかし次男が中2の時、私は痛恨のミスを犯す。

出番が早かったため、車のトランクに弁当を入れたまま

グラウンドへ駆けつけたのだ。


競技を見ているうち、夫はいつの間にか消えた。

いつものことなのでかまわないが

その日は問題があった。

弁当を乗せたままの車で

女の所へ行ってしまったことだ。


いったん消えたら例のごとく

弁当の時間になっても戻らない。

ハラハラしながら待った。

みんなが弁当を広げているのに

うちだけ無いのはいたたまれず

次男と2人、駐車場で夫を

いや、弁当の入った車を待ち焦がれた。


「きっと戻ってきてくれるよ」

父親を信じて待つ次男がフビンであった。

あの時ほど夫を憎み

自分のうかつを呪ったことはない。


昼休みが終わる直前になって

夫は平然と戻って来た。

「女房がうるさいから、仕方なく戻ってきました。

やれやれ‥」

そんな顔つきだ。


殺意が走った。

しかし子供に食べさせないといけないので

夫を手にかける暇は無く、罪人にならなくてすんだ。


あれは秋だったから

弁当はいたまず無事だった。

今頃の季節だったら、弁当はトランクの中で

腐っていたと思う。

秋でよかった。

個人的には、運動会といったら

やっぱり秋がいい。
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