相撲、好きなのよ。
好きになったのは、最近のことなんだけどね。
生で見たことなんて無いわよ。
テレビをつけて夕飯の支度をして、振り返ったら勝負がついてることが多いから
好きとか言える立場じゃないんだけど。
昔は興味無かったわ。
うちの子が中一の時、相撲部屋から誘いがあっても何とも思わなかったもん。
言っとくけど、うちの子に才能があったわけじゃないのよ。
当時は千代の富士の全盛期、若貴兄弟も出てきて、大変な相撲ブーム。
新人のスカウトにも力を入れていた時期だったわ。
ちょっとワンパク相撲に出場して、そこそこ勝って
あとは身体が大きければ、とりあえずスカウトが来たわよ。
本人の意思より何より真っ先に、仲介する人を通して
私たち両親の身長と、靴のサイズをたずねられたわ。
今後、子供の身長が伸びるかどうか、それでわかるんですって。
体重の方は後でどうにでもなるから、とにかく身長が無いといけないらしいわ。
で、入門はどうなったか、ですって?
丁重にご辞退申し上げたわ。
うちの子が耐えられるわけないじゃないの。
親だもの、わかるわよ。
身近に前例もあったの。
その数年前に夫の従兄弟がスカウトされて
東京の相撲部屋へ両親と見学に行ったわ。
この子は小さい頃から、父親がそのつもりで養成した子。
ちょうど高校入学の直前で、馴染むようなら進学をやめて
そのまま置いて帰るつもりだったそうよ。
でも壮絶な稽古を見た両親は泣いてしまって、子供を連れて帰って来たわ。
知り合いにも前例がいたのよ。
スカウトされて入門したけど、若いから栄養のことなんてわからないまま
強くなるために食べるでしょ。
すぐ糖尿病になって、それが原因で視力が落ちて
2年もしないうちに帰ってきたわ。
眼鏡をかけて取り組みはできないもの。
幸い親が商売してたから、手伝っていたわ。
こんな時、世間って残酷なのよね。
都落ちみたいに言われて、辛かったと思うわ。
だけど短期間でも、普通の人間が知らない世界にいた人よ。
私は密かに尊敬しているの。
私たち親子が妙な夢を見なくて済んだのは、彼らのおかげ。
やる気や根性以前に、糖尿病の回避は針の穴を通すほど難しいわ。
肉体を作るためには、ひたすら食べなきゃならない。
食べたら糖尿病が待っている。
温暖な地方で生まれた身体の大きい子は
糖尿病の遺伝子を持ってることが多いの。
身体が大きいのは有利だけど、糖尿病で辞めていく人も多いそうよ。
糖尿病を免れたとしても、怪我は付いて回る。
病気と怪我を回避しながら生き残るのは、至難の技よ。
その難しい針の穴を通ったとしても、勝つことはもっと難しい。
幕内まで登りつめられる人は、すっごい運と実力の持ち主なの。
まったく、厳しい世界よ。
というわけで、自分はほんの少〜し
相撲界に近寄ったことがあると、私は勝手に思ってるの。
図々しいわね。
で、本題に戻るけど、それでも相撲には興味が無かったの。
好きになったきっかけは、日馬富士。
何年前だったか、たまたま相撲の中継を見たんだけど
勝敗が決まった時、日馬富士が相手に添える手の優しさに気がついて
「相撲って奥が深いんだな〜」
と思ったの。
それからよ。
私には、その優しさが場所ごとに深まっていくように見えて
何だか引退が近いような気がしていたの。
それで日馬富士が現役中に、ぜひ見ておきたいと思って
10月の広島巡業を観戦するつもりだったわ。
事件のあった鳥取巡業の次に行われた、広島巡業よ。
でも、行かなかったのよ。
連れがいなかった。
家族も友達も、相撲に興味が無い。
チケット代を出すと言っても、誰もなびかなかった。
一人でも行きゃあよかったのに、根性なしだったわ。
残念よ。
日馬富士の引退で、貴乃花親方は何だか悪く言われて気の毒。
自分の子が相撲部屋未遂だったので、つい親の気持ちになっちゃうんだけど
原因が何であれ、相手が誰であれ、もしも自分の子が暴力を受けた場合
親としたら、断固戦ってくれる親方の所に入れたいと思うのよね。
我が子と同じように本気で守ってくれる人じゃなければ
安心して託せないじゃないの。
その点、貴乃花親方は相撲界の将来をちゃんと見据えていると思ったわ。
いくら国技と言ったって、弟子が入門しなきゃどうしようもないわけだから。
一方で日馬富士の引退会見は悲しかったわ。
親方の涙にも胸が締め付けられた。
みんながいいように解決できる方法って無いのかしら‥って
無いとわかっていても思ったわ。
そうそ、八角理事長が私より年下と知って驚いちゃった。
滑舌の良さとブレない態度が立派だわ。
ああ、話が尽きないわ。
またね。
好きになったのは、最近のことなんだけどね。
生で見たことなんて無いわよ。
テレビをつけて夕飯の支度をして、振り返ったら勝負がついてることが多いから
好きとか言える立場じゃないんだけど。
昔は興味無かったわ。
うちの子が中一の時、相撲部屋から誘いがあっても何とも思わなかったもん。
言っとくけど、うちの子に才能があったわけじゃないのよ。
当時は千代の富士の全盛期、若貴兄弟も出てきて、大変な相撲ブーム。
新人のスカウトにも力を入れていた時期だったわ。
ちょっとワンパク相撲に出場して、そこそこ勝って
あとは身体が大きければ、とりあえずスカウトが来たわよ。
本人の意思より何より真っ先に、仲介する人を通して
私たち両親の身長と、靴のサイズをたずねられたわ。
今後、子供の身長が伸びるかどうか、それでわかるんですって。
体重の方は後でどうにでもなるから、とにかく身長が無いといけないらしいわ。
で、入門はどうなったか、ですって?
丁重にご辞退申し上げたわ。
うちの子が耐えられるわけないじゃないの。
親だもの、わかるわよ。
身近に前例もあったの。
その数年前に夫の従兄弟がスカウトされて
東京の相撲部屋へ両親と見学に行ったわ。
この子は小さい頃から、父親がそのつもりで養成した子。
ちょうど高校入学の直前で、馴染むようなら進学をやめて
そのまま置いて帰るつもりだったそうよ。
でも壮絶な稽古を見た両親は泣いてしまって、子供を連れて帰って来たわ。
知り合いにも前例がいたのよ。
スカウトされて入門したけど、若いから栄養のことなんてわからないまま
強くなるために食べるでしょ。
すぐ糖尿病になって、それが原因で視力が落ちて
2年もしないうちに帰ってきたわ。
眼鏡をかけて取り組みはできないもの。
幸い親が商売してたから、手伝っていたわ。
こんな時、世間って残酷なのよね。
都落ちみたいに言われて、辛かったと思うわ。
だけど短期間でも、普通の人間が知らない世界にいた人よ。
私は密かに尊敬しているの。
私たち親子が妙な夢を見なくて済んだのは、彼らのおかげ。
やる気や根性以前に、糖尿病の回避は針の穴を通すほど難しいわ。
肉体を作るためには、ひたすら食べなきゃならない。
食べたら糖尿病が待っている。
温暖な地方で生まれた身体の大きい子は
糖尿病の遺伝子を持ってることが多いの。
身体が大きいのは有利だけど、糖尿病で辞めていく人も多いそうよ。
糖尿病を免れたとしても、怪我は付いて回る。
病気と怪我を回避しながら生き残るのは、至難の技よ。
その難しい針の穴を通ったとしても、勝つことはもっと難しい。
幕内まで登りつめられる人は、すっごい運と実力の持ち主なの。
まったく、厳しい世界よ。
というわけで、自分はほんの少〜し
相撲界に近寄ったことがあると、私は勝手に思ってるの。
図々しいわね。
で、本題に戻るけど、それでも相撲には興味が無かったの。
好きになったきっかけは、日馬富士。
何年前だったか、たまたま相撲の中継を見たんだけど
勝敗が決まった時、日馬富士が相手に添える手の優しさに気がついて
「相撲って奥が深いんだな〜」
と思ったの。
それからよ。
私には、その優しさが場所ごとに深まっていくように見えて
何だか引退が近いような気がしていたの。
それで日馬富士が現役中に、ぜひ見ておきたいと思って
10月の広島巡業を観戦するつもりだったわ。
事件のあった鳥取巡業の次に行われた、広島巡業よ。
でも、行かなかったのよ。
連れがいなかった。
家族も友達も、相撲に興味が無い。
チケット代を出すと言っても、誰もなびかなかった。
一人でも行きゃあよかったのに、根性なしだったわ。
残念よ。
日馬富士の引退で、貴乃花親方は何だか悪く言われて気の毒。
自分の子が相撲部屋未遂だったので、つい親の気持ちになっちゃうんだけど
原因が何であれ、相手が誰であれ、もしも自分の子が暴力を受けた場合
親としたら、断固戦ってくれる親方の所に入れたいと思うのよね。
我が子と同じように本気で守ってくれる人じゃなければ
安心して託せないじゃないの。
その点、貴乃花親方は相撲界の将来をちゃんと見据えていると思ったわ。
いくら国技と言ったって、弟子が入門しなきゃどうしようもないわけだから。
一方で日馬富士の引退会見は悲しかったわ。
親方の涙にも胸が締め付けられた。
みんながいいように解決できる方法って無いのかしら‥って
無いとわかっていても思ったわ。
そうそ、八角理事長が私より年下と知って驚いちゃった。
滑舌の良さとブレない態度が立派だわ。
ああ、話が尽きないわ。
またね。