殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

病み上がり

2018年11月28日 09時28分40秒 | みりこんぐらし
ああ、皆様はきっと、こう思っていらっしゃるわ。

「みりこんのやつ、更新が無いけど、これは多分選挙だな」

そんで、お優しい皆様はウグイス話を楽しみにしながら

待ってくださってるんだわ。

ごめんなさい‥違うの。

風邪を引いちまったのよ。



まず夫の姉カンジワ・ルイーゼが風邪を引いた。

老人ホームの厨房で働くルイーゼは、この数年、毎年風邪を引いている。

63才の身体に、5時起きの勤務はこたえるのだろう。


それはかまわないけど、この人、毎日うちへ来るじゃん。

ゴンゴン、ケンケンと身震いするような咳をしつつ日参して

義母ヨシコに感染。

ヨシコは寝込み、それを看病した私にも感染した。

毎年、このコースだ。


老人ホーム由来の風邪というのは

正直なところ気持ちがいいものではない。

老人を次々とむしばみながら、抗生物質をものともせず生き残った菌は

感染力も症状も強烈な気がしてしまう。


その菌をルイーゼが持ち込んだと思うと、気色の悪さと怒りは倍増する。

いかにも母親を気にかけるそぶりを見せながら

感染したらその大事な母親が苦しむという考えには至らない。

昔から慣れているとはいえ‥この浅はかがアレら母娘の特徴とはいえ‥

いつも情けない。


私も命が惜しいもんで、ここ数年、改善策を考えているが

名案というのは浮かばないものだ。

「治るまで来るな」

本人に厳しく言い渡すのが一番いいのはわかっている。

しかし、都合の悪いことは聞こえないのが彼女の耳。

渾身の思いで伝えたところで、馬耳東風なのは経験で知っている。


そこで今年は、ヨシコを責めることにした。

「何でこんなにひどい風邪を引いたのかしらん」

大好きな病気になって有頂天のヨシコが

そううそぶいた機を逃さず、私は言った。

「原因は、お義姉さんが持ち込んだ菌じゃが!」


一瞬、黙ったヨシコ、少し間を置いてから平然と言った。

「あら?何言ってんの?

こすずは花粉症よ?風邪じゃないよ?知らなかったの?

この風邪はね、隣の奥さんから感染ったんよ」

そうだった‥この婆さんはすり替え名人だった。


風邪はヨシコと私だけでなく、夫や息子たちにも拡がり

私はかなり腹を立てていたので食い下がった。

「うちはお義母さん一人を除いて、皆、働いてんのよ。

遊んでる人は寝てりゃいいけど、働く者には死活問題よ。

こっちは人数が多いんじゃけん、ナンボ毎日来たくても

常識を守ってもらわんと困るわ!」


熱で頭がボ〜ッとしていたのもあって、かなり突っ込んで言った。

ヨシコ、さすがにドッキリした様子だったが

この人の頭も熱でボ〜ッとしているもんだから、すぐに忘却のかなた。

もっと言ってやればよかった。


一家全滅、前後不覚、息も絶え絶えの日々は続いた。

その間、虫の息だったルイーゼの舅が亡くなる。

行かないわけにはいかない。

もうヤケじゃ!

亡くなった夜、お通夜、葬儀と3日続けて通った。

夜の田舎はひどく寒く、我ら一家の症状はさらに重篤化。


しかし寝込んではいられない。

夫と息子たちは仕事だ。

年末に向けた繁忙期、休んではいられない。

そのサポートと事務をしながら、家事を行う私も同じく。

毎日が日曜日のヨシコだけが病人をひけらかし

上げ膳下げ膳で療養中だ。


普段の私はタラタラしているのに、こういう時に限って用事が出てくるもので

行事、講習、来客と、連日何かがある。

弱った身体を引きずるようにしてこなし、やっと一段落した。

さあ!休むぞ!と誓いを新たにした矢先

同級生の友人けいちゃんのお母さんが亡くなって通夜、葬儀。

この時、私の流した涙は友人の母を悼むものではない。

初めて肉親を失い、嘆く友人を見てもらい泣きしたのでもない。

ひとえに身体の辛さであった。


というわけで、やっと元気になりました。

選挙も終わったので、少しずつウグイス日記に取りかかる所存です。

ご心配をおかけいたしました。
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手抜き料理・弁当

2018年11月11日 11時40分17秒 | 手抜き料理
コメント欄で、くぢらさんから

お子さんの弁当というテーマをいただいた。

そこでさっそく‥と言いたいところだが

弁当、それは私の鬼門。

苦手の一言である。


料理は嫌いな方じゃないけど、弁当は別物。

弁当だけは違う食べ物なのだ。

女に生まれて何が辛いと言えば

旦那の浮気や嫁姑より、弁当作り。


子供が大人になって、やっと弁当作りから解放されたと思ったら

大きな間違いだった。

彼らは結婚せず、家に居る。

仕事に行くから弁当がいる。

買った弁当は嫌だと言う。

トホホ。

7月の豪雨災害以降、仕事の現場や内容が変わってきて

弁当を作る機会が増えた。

このままずっと弁当作りかと思うと、目の前が暗くなるような心持ちだ。


なぜ弁当作りが嫌なのか。

私は考え続けた。

そして判明。

どうも朝が悪いらしいということになった。

必要にかられて昼間に作る時は、さほど嫌ではないからだ。

そんな時、私の頭の中で弁当は料理の一つになっている。


だって朝は忙しい。

朝食を作り、弁当を作り、自分は空きっ腹のままで働く。

腹が立ってくる。

子供が可愛い‥旦那を愛してる‥そういう気持ちとは別なのだ。

早く起きたって、かったるさは同じ。

時間を取って先に何か食べたら、くつろいでしまってやる気が無くなり

ますます辛くなる。

毎朝、旦那さんや子供の弁当を作り続けているお母さんは

本当にえらいと尊敬してしまう。


この苦しみにさいなまれているのは私だけかと思ったら、同志がいた。

同級生の友人、けいちゃんである。

料理の専門学校を出た調理師でありながら、子供の弁当作りに苦しんだという。

彼女の娘がいまだに言うのは

「学校で弁当を開けたら、柿の葉寿司だった」。

けいちゃんは、お土産の柿の葉寿司を弁当箱にそのまま入れたのだった。

あの衝撃は忘れられないと、20年後の現在も言われるそうだ。


同志が現れたことに気を良くした私は、いかに朝の弁当作りを乗り切るか

研究を重ねた。

いくら研究したところで、苦手なものは苦手なのだが

近年使用している技をご紹介しようと思う。


『前夜祭』

夕食を作る時、あらかたのことは済ませておく手段である。

夕食の残りを弁当に入れるのは当然であるが

鍋物など、弁当に使えない物もある。

そんな時は鍋物のかたわら、弁当に入れる肉を一緒に茹でて皿に取っておく。

そして冷しゃぶを装い、翌日の弁当に入れる。

ウィンナーも、これでいける。


豚肉や鶏肉であれば、翌朝フライパンで温め直し

市販の生姜焼きのタレをかければ生姜焼きがすぐできる。

朝、生の肉を扱うのは意外に時間を取る上、けっこう消耗する。

すでに火が通っていれば気軽だし、なにしろ早い。



『横取り』

例えば夕食のサラダのために、ブロッコリーを茹でるとする。

茹でたブロッコリーは一部を取り置きして、翌日の弁当に回す。


この時、茹でたブロッコリーはザルにあけず、箸で取り出して湯を残す。

残った湯にそのまま生卵を入れれば、弁当用の茹で卵が作れる。

野菜を茹でる時は、色良く仕上げるために塩を入れるので

熱湯に生卵を入れても、はじけない。

卵が茹で上がったら水で冷やし、カラ付きのまま冷蔵しておく。


この方式は、ほうれん草などの葉物野菜にも使える。

茹でたほうれん草は少し取っておいて細かく刻み、冷蔵しておく。

そして翌朝、弁当用の卵焼きやオムレツに使う。

彩りや栄養バランスが良くなり、作り手としては満足感が得られる。


『ミンチもの』

ハンバーグを作る時、ミンチと玉ねぎをこねたタネを

かなり多めに作って余らせる。

それをジップロックに入れ、薄く平たく伸ばして冷凍しておいて

ミニハンバーグやミンチカツ、肉団子にして弁当に入れる。


薄く平たく伸ばして冷蔵しておくと、解凍がしやすいので時短になる。

使用する時は、もちろん前日に料理を完成させておく。

このペラペラになった冷凍タネがあると、忙しい日の夕食も早くでき

安心感が得られる。

うちの冷蔵庫には、このペラペラがいつも入っている。


また、ミンチは弁当作りの強い味方である。

甘辛く炒め煮にしてごはんの上にかけたり

卵焼きの芯にして巻き込んだりと、用途が広い。



『彩り三兄弟』

弁当は、人の目に触れる機会が多い。

人目というのも、弁当作りの苦しみの一つである。

うちの冷蔵庫には赤と黄色のパプリカと、ピーマンが常駐している。

彩りというものは赤、黄、緑で構成されるからだ。

人参でもいいが、柔らかくなるのに時間がかかるため

赤ピーマンを多用している。


この三色さえあれば、弁当の中身が何であろうが

とりあえずおいしそうな雰囲気は得られる。

これらと共に、ブロッコリーも常連である。

ブロッコリーはかさばるので、隙間を埋めてごまかすには最高の役者である。


前夜祭として、彩り三兄弟を細かく刻んでおき

やはり刻んだベーコンやハムと混ぜて卵焼きにしたり

三兄弟だけをさいの目に切ってマヨネーズで炒めると、彩りだけは美しくなる。


また、お子様向けではないが、三兄弟を大きめに切って魚焼きグリルで焼く。

焼く前に、醤油とみりん同量に七味少々の液体を合わせておき

熱々を浸けておくと、翌朝には美しい箸休めとして弁当を飾れる。

私は魚を焼く前にこれを作っている。



『順番』

調理器具を次々と変えたり、汚すたびに洗うのは大変だ。

まず、フライパンが汚れにくい卵焼きやウィンナーから着手し

洗わずにそのまま、フライパンの汚れるメイン料理へと進む。

途中で洗わなくていいため、楽である。


この方式は、まな板にも使える。

まな板のど真ん中で作業を始めず、まず端っこから始めるのだ。

すると、まな板の洗浄は弁当を作り終えた時の一回で済む。



『冷凍チャーハン』

どうにもならない時は、市販の冷凍チャーハン救助隊がいる。

そのまま入れても食べる頃には解凍されていると思うが

心が痛むので、一応電子レンジは使う。

あくせく作るより、この方が喜ばれるのはいまいましいが

おかずの方は適当で済むため、時々使用する。


『焼肉のタレ』

困った時は焼肉のタレ。

牛、豚、鶏‥何でも炒めては焼肉のタレで味を付ける。

その時、前出のピーマン、パプリカで構成された彩り三兄弟や

白ネギなんかを一緒に炒める。

主役は肉でなくとも、チクワやカマボコでもおいしい。



以上のように卑怯きわまりない手段で、私は弁当作りと格闘している。

細かいメニューなど、また思い出したらご紹介させていただきます。
コメント (7)
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ウグイス・クッキング

2018年11月01日 09時39分59秒 | 選挙うぐいす日記
前記事『手袋』のコメント欄で

黒うささんと、ウグイス中の食事計画について話した。

そこで私のやり方をご紹介しようと思う。


ウグイスは軽やかに飛び回り、美しい声でさえずるものである。

美しくさえずるためには、身軽が信条。

姑仕えをしているウグイスなんて、聞いたことない。

ゼロではないかもしれないが

それは働き者で気が利く姑という例外だけだと思う。


うちにそんな便利な姑はいない。

嫁が家を空けることを憎み、放っておかれることを恨み

自分のために働かないことを怒るお婆さんなら一人いる。

私の選挙対策は、この婆をどう誤魔化して一週間を乗り切るか。

これに尽きるのだ。


特に食べることは厄介。

豆腐一丁切ってみようかという気も無く

嫁が忙しそうだから何か役に立てないかと考える習慣も無く

気が向いて何かを温めた場合

ほぼ100%の高確率で火を消し忘れる義母ヨシコに協力を頼むなど

もってのほかなのはわかっている。

自動で火が消えても、その頃には鍋が焦げつき、作った物はパーだ。


そのかたわら、ひどい偏食で欲しい物だけ食べたがる。

さらに毎日娘がやって来て、母親の処遇に目を光らせる。

もう慣れたが、この娘にそそのかされる格好で

「かわいそうなワタシ」を演じるヨシコを相手にするのは

選挙中、大変消耗するのである。


しかし対策はある。

彼女の大好物を準備する。

漬物、塩昆布、梅干し、ひしお(塩辛い味噌)、らっきょう

ふりかけ、海苔の佃煮‥。

口では血圧のため、糖尿のためと言いながら

その食べっぷりがあまりにすさまじいため

体に良くない物にかけるゼニが惜しくて

セーブしている「ご飯の友」を解禁し、好きなだけ与える。

これらがあれば、おかずなんていらないのだ。


それから食後の楽しみ、コーヒー牛乳も解禁。

冷蔵庫にたっぷり並べる。

うるさく言う者がいないのだから、彼女は私の留守を喜ぶはず。

健診の数値なんか、知るものか。


あとは家族全体のために

朝、味噌汁、豚汁、けんちん汁を日替わりで作り

卵焼きやウインナーなんかを大皿に盛り、オードブルを装う。

そして昼、男どもには極力外食してもらう。


問題は夜。

今回の選挙期間中は、息子たちの夜勤が続く。

豪雨災害の復旧工事のために他の仕事が遅れており

交通量の少ない夜間にやらなければ間に合わない。


昼は寝ている者がいるので、「夜も外でお食べ」とは言いにくく

困った時には料理をしてくれる長男も、今回はあてにはならない。

ちなみに息子たちからは

「家の近くでワーワー言うな」と釘を刺されている。


とりあえず、いつ起きても何か食べる物があるようにするべく

おでん、カレー、シチュー、ハヤシライス

この「煮込み四天王」にご登場願う。

これらは翌日も食べられるというオマケつきなので、本当に助かる。


作り方だが、前の晩にコトコト煮込んで仕上げるなんて

呑気なことはしない。

そんなことをしていたら、寝る時間が減ってしまう。


おでんは味をつけて、沸騰したら火を止め、フタをして終了。

翌日、温め直せばすぐ食べられる。

フタをして放置する、この一晩が味付けを引き受けてくれるのだ。

煮崩れず、薄味かつ上品で、しっかりダシの味がしみて非常に良い。

この方法は、近所にあるお寺の奥さんに教えてもらった。

お寺の奥さんというのは行事食のプロが多いので、得るものが大きい。


「いえ、私は真っ黒になるほど煮込んだ方が好き」

とおっしゃる人は、それから以降、好きなだけ煮込んだらいい。

コクが欲しい人は味付けの時、私にとって伝家の宝刀

ヒガシマル・ラーメンスープの素を一袋か二袋、入れてみ。

オリジナルを装える、良いおでんになる。


カレー、シチュー、ハヤシライスも

食材を炒めて湯を入れ、沸騰させたらフタをして一晩放置。

夜が肉を柔らかくしてくれる。

翌日、市販の素を入れて温めれば、すぐ完成だ。


ただし、これらを作る時には注意が必要。

作る人の頭は、長く煮込むのを前提にしているから

うっかりして、湯をたくさん入れやすい。

これが失敗の元になる。

水分は後でいくらでも調整できるので

最初は材料がかぶる程度にとどめていただきたい。


とはいえ、手作りにこだわるつもりは無い。

煮込みばかりじゃ飽きるので

親しいお好み焼き屋と中華料理屋から、テイクアウトもする予定。

注文と持ち帰りは、夫が担当する。


スーパーの惣菜も、私より夫の方が組み合わせのセンスがあるので

彼の担当。

何でセンスがあるかって?

昔取ったキネヅカというやつよ。


愛人と駆け落ちしたら、たいていの女は最初にカレーを作る。

カレーしか作れないくせに、カレーが得意だと豪語する。

それが他人の亭主と寝られる女というものだ。

それからおっかなびっくり、シチューやハヤシライスになって

最後に頑張って丼ものや天ぷらを作り

少ないレパートリーが終わると

二人で買い物に出かけて惣菜を買い漁るようになるのだ。

よって夫は、こういう物を選ぶ目が肥えている‥

と私は思っており、全幅の信頼を寄せている。


がむしゃらに作るより、これら外注の方が家族は喜ぶはず。

日頃食べさせていないので、珍しがるからだ。

私も祭り、彼らも祭り‥

無理をせず、この精神で行かなければ、ウグイスより家事で死ぬ。

テキトーが一番だ。
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