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生存が確認された残留日本人については、「時期や条件が揃えば、本人の意向に沿って公開もできる」としている。

2016-12-12 | 朝鮮新報ニュース
残留日本人の生存を確認/咸鏡南道咸興市に居住


【平壌発=金志永】第二次世界大戦後、朝鮮半島に残った残留日本人らが、朝鮮民主主義人民共和国に生存している事実が確認された。

日本人遺骨発掘事業に関与してきた、日本研究所の上級研究員である曺喜勝博士は、残留日本人が咸鏡南道咸興市で生活していると明かした。

曺博士によれば、残留日本人問題は、日本研究所が関心を寄せる事案の一つだという。生存が確認された残留日本人については、「時期や条件が揃えば、本人の意向に沿って公開もできる」としている。

日本研究所の運営には、国内の社会科学部門、出版報道期間など、連関単位の関係者、専門家らが参加している。同研究所では、日本の政治、経済、軍事、外交など、多岐にわたる分野の研究を進めている。

(朝鮮新報)

朴大統領は国民の要求に応えて即刻退陣しなければならない。

2016-12-02 | 朝鮮新報ニュース
「朴槿恵は即刻退陣せよ」、韓統連が声明
朴槿恵の国民談話を糾弾


在日韓国民主統一連合(韓統連)は11月30日、朴槿恵の3回目となる対国民談話(29日)に対し、非難する声明を発表した。全文は次のとおり。

「朴槿恵大統領の第3次国民談話を糾弾し即刻退陣を要求する!」

昨日29日、朴槿恵大統領は3回目となる国民向け談話を通じて「大統領任期の短縮を含めて、進退について、国会の決定に委ねる」「与野党が議論して、その日程と法の手続きに従って、大統領職から退く」と述べ、自身の進退問題を国会に委ねることを明らかにした。
これは、ひとことで言って、高まる退陣要求の国民世論をかわし、国会で進む弾劾手続きをかく乱、回避するためにひねり出した、時間稼ぎの小賢しい術策に過ぎない。韓統連は当然これを厳しく糾弾するものである。
また、朴大統領は、検察の「朴槿恵―崔順実ゲート」捜査により、事件の共犯として歴代大統領で初めて被疑者となりながらも、談話で「国家と国民のためを思って、あらゆる努力を尽くしてきた」「いっときも個人的な利益を求めなかったし、小さな私心も抱かず、生きてきた」とし、変わらぬ開き直りの姿勢に終始した。
いうまでもなく、「朴槿恵―崔順実ゲート」に憤激した国民の要求は、200万のキャンドルに示されたように、朴大統領の「即刻退陣」である。
今回の談話は、退陣要求のキャンドルの炎にさらに油を注ぐ格好となった。「朴槿恵退陣非常国民行動」は30日に全国第1次全面ストと「市民不服従の日」キャンドル集会と大統領府前までの行進を、12月3日には第6次汎国民行動を「朴槿恵即刻退陣の日」と宣言してキャンドル集会を展開するなど、即刻退陣を求めるより強力な闘争を決定した。野党は揺らぐことなく弾劾手続きを進めると言明している。
朴大統領は国民の要求に応えて即刻退陣しなければならない。また現在、朴大統領にできることはそれだけである。民意に背いた政権の末路は歴史が示すとおりだ。韓統連は内外の闘争と固く連帯して、朴槿恵即刻退陣を実現する決意を再度明らかにする。

(朝鮮新報)

「どのような政治状況下でも、日朝の関係改善につながるような交流を続けていかなければならない」

2016-11-24 | 朝鮮新報ニュース
日本の代表団が巡礼、開城・霊通寺で法要
“途絶えることのない交流を”


【平壌発=金志永】「厳しい情勢の中でも、仏教を通じた交流を途絶えさせてはならない」―。昨年に続き、朝鮮天台宗の開祖・義天(諡号=大覚国師)ゆかりの霊通寺で朝・日の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願した。「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」のメンバーが10月29日から11月1日まで訪朝し、現地で法要を行った。

「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」一行(写真提供=代表団提供)
天台宗の聖地を訪れ

朝鮮半島の北南を隔てる軍事境界線上の板門店から23kmの山奥にある名刹、霊通寺。高麗時代の10世紀初に建立され、16世紀に焼失したが、北南朝鮮と海外、日本の関係者などが共同で復元事業を進め2005年に復元された。高麗の僧、義天(1055~1101)は朝鮮天台宗を創始し、霊通寺で一生を終え、この地に葬られた。朝鮮天台宗は、比叡山延暦寺を総本山とする日本の天台宗にも大きな影響を与えており、霊通寺は、日本の天台宗にとっても聖地となっている。

霊通寺が復元された翌年の2006年、日本の僧侶らは現地を訪れ、朝鮮の住職らと合同法要を行ったが、その後、朝・日仏教界の交流は途絶えてしまった。昨年11月、「第一回開城霊通寺巡礼日本代表団」が訪朝し、9年ぶりに交流が再開した。

今回、訪朝したのは20人。朝・日情勢の影響などで、昨年より参加数は減ったが、天台宗の聖地巡礼を通じた交流継続を願う人々によって代表団が構成された。代表団名誉団長は昨年に続き、臨済宗相国寺派管長・有馬頼底(らいてい)師。京都仏教会理事長で相国寺、金閣寺、銀閣寺の住職も務める日本仏教界を代表する高僧の一人だ。団長は今回、白隠宗松蔭寺の住職、宮本圓明師が務めた。

30日、代表団一行は霊通寺を訪れた。

信仰の山・五冠山の南麓に建つ壮大で美しい寺院で「世界平和祈願法要式典」、「朝鮮半島平和祈願法要式典」、「大覚国師義典・大遠忌追善供養式」が行われた。

霊通寺で執り行われた「世界平和祈願法要式典」(写真提供=代表団)

法要の後、団長の宮本圓明師は「霊通寺を訪れるのは初めてだが、本当にすばらしい。雲一つない秋晴れの空の下で、追善供養の法要を行えたことは私にとって貴重な体験だ」と感想を述べた。日本人の遺骨収集や墓参を目指すメンバーらと二度訪朝した宮本圓明師は「どのような政治状況下でも、日朝の関係改善につながるような交流を続けていかなければならない」としながら、今後も平和を願う仏教徒として、そのような機会に携わっていく意向を明かした。

名誉団長の有馬頼底師は「室町時代に義天師がまとめた高麗版の一切経が日本に送られてきた。私にとっては、それに対するお礼の気持ちが霊通寺巡礼であり、反対する人がいるからといってやめるわけにはいかない」と述べた。そして「朝鮮に来ると、制裁などは無意味だと感じる。日朝が歩み寄り、一日も早く善隣友好関係を築くべきだ」と語った。

「開城霊通寺巡礼日本代表団」を主催する「心のひろば」の主宰、崔俊さんは霊通寺復元を提唱し、その事業に深く関わった。復元後は霊通寺を平和への祈りの基地にするための活動を続けている。仏教徒はもちろん、平和を願うすべての人たちが軍事境界線を越え、板門店を通過して霊通寺に集う。日本代表団の訪朝も、その意欲的な構想の一環だ。

崔さんは「朝鮮側が、この巡礼の意義を理解し、厳しい情勢が続く中、日本代表団を温かく迎え入れてくれた」と感謝の意を示しながら、「今年も法要が無事に行われ、私たちの目標である板門店を通過しての巡礼に一歩一歩近づいているようだ」と述べた。そして「朝鮮民族最大の悲願である統一が実現するまで霊通寺で祈りたい」としながら、「来年は日本の枠を超え、世界の宗教人たちと共に巡礼を行いたい」と抱負を語った。

※一切経(釈迦の教説と関わる経・律・論の三蔵、その他注釈書を含む経典の総称=大蔵経)

(朝鮮新報)

労働新聞の翻訳です。南朝鮮は、不正腐敗の蔓延する悪臭を放つ巨大な汚物場と化した。

2016-11-12 | 朝鮮新報ニュース
「朴槿恵・崔順実ゲート」関連、労働新聞論評員の記事(全文)
「特大型政治スキャンダル事件を通じて露呈した朴槿恵政権の醜悪な実像を評する」

南朝鮮では今、史上例を見ない特大型権力腐敗事件である「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」が発覚し、社会全体が衝撃と驚愕に包まれている。

「維新」独裁者として悪名を轟かした朴正煕が側近に銃殺されてから37年になる時に起きたこの超大型スキャンダルは朴槿恵政権の醜悪な実像を白日の下にさらしており、青瓦台を壊す恐ろしい政治的台風となっている。

いわゆる「崔順実核爆弾」と呼ばれるこのような特大型政治スキャンダルは偶然に、突然起こったのではない。歴史の必然であり、起こるべくして起こったのである。

「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」は現代社会ではとても見ることのできない最も奇形的で、最も非正常的で、最も愚かな朴槿恵政権の実体に対する明白な論証である。
朴槿恵の身も心も支配してきた巫女

世間を驚かせた奇怪な今回の政治スキャンダル事件の中心には、朴槿恵と崔順実がいる。

朴槿恵のための崔順実なのか、崔順実のための朴槿恵なのかは未だに明らかになってはいないが、事態の主人公は明らかに崔順実であり、朴槿恵は脇役にすぎないということが世間の評価である。

南朝鮮のある政治家が評価したように、事件が起こるや否やあわただしく崔順実を海外へと逃して、「対国民謝罪」をするとして行った記者会見でまで彼女を庇護することに汲々とする朴槿恵の前例のない醜態を見ればそれも当然である。

そもそも大統領である朴槿恵の全ての思考と行動を完全に掌握、支配し、裏から操ってきた崔順実は事実上、何の公式な肩書きも持っていない。そのために今回の事件が内外にいっそう大きな衝撃を与えているのである。

「夜の大統領」「朴槿恵の五臓六腑」「朴槿恵の魂を支配する巫女」など奇怪な名が多くつく「奇妙千万な女」崔順実とは果たして誰なのか。

崔順実は、朴槿恵が神のように戴き、身も心も捧げてきたインチキ牧師・崔太敏の娘であるということは広く知られた事実である。

崔太敏は、日帝占領時、巡査として働いた親日分子であり、解放後にあちこちをさすらい、1970年代初頭に仏教とキリスト教、天道教を混ぜた「永世教」というインチキ宗教を作り出し、「太子」、「造物主が送った勅使」と自称し、「呪文を唱えれば病気が治る。悪が消え去る」という嘘を広め、妻を6回も替え、名前は7回も変えた稀代の好色狂、詐欺の親玉であった。

崔太敏が朴槿恵を「最大の詐欺対象」として狙いをつけて近づいたのは、朴槿恵の母親である陸英修が射殺された時点であった。

これに対して1977年米議会下院で発刊された報告書は、死んだ陸英修が夢に現れ、娘を助けてほしいと言ったという崔太敏の手紙をもらい、朴槿恵が彼を青瓦台まで呼んだが、自分の母親の霊が乗り移ったように表情や声がそのまま再現されるのを見て神聖な存在だと思うようになり、それをきっかけに崔太敏が朴槿恵を精神的に支配するようになったと明らかにしている。

南朝鮮駐在米国大使が2007年に本国宛てに送ったある秘密文書には「崔太敏が朴槿恵の身体と心を完璧にコントロールしており、その子女たちは途方もない富を蓄積した」としながら、彼が現代版「ラスプーチン(皇太子の病気を祈祷で治すといって宮廷に介入し、ツァーリロシアを滅亡させたインチキ宗教人)」を彷彿とさせるという内容が記録されている。

自分と年齢差が40年にもなり、単なる詐欺師にすぎなかった崔太敏にどれだけ夢中になったのか、当時周辺の人々は朴槿恵に対し、「崔太敏が何かの話をしただけで理性を失うほど反応を見せる」と後ろ指をさしたという。甚だしくも朴槿恵が自分の父親が引き止めたにもかかわらず、彼と共にさまざまな不正をすべて行ったばかりでなく、汚らわしい痴情関係まで結び、生まれた息子が今も日本に住んでいるというウワサも出回っている。

朴正煕を射殺した元中央情報部長・金載圭も法廷で、自身の行動理由の内の一つが「朴槿恵が崔太敏を抱え数多くの不正を働き、国民の恨みを買い国を危うくしたことにある」と自白しながら、崔氏一家をそのままにすれば今後大きな問題が起きるであろうと予言したことがある。

それを実証するかのように父・朴正煕の死後、きょうだいとも訣別し、崔太敏に完全に溺れていた朴槿恵は、崔太敏の死後、いわゆる「霊的能力」を受け継いだと自認する崔順実を「精神的支柱」「謀士」としながら全面的に依存してきた。

崔太敏の5番目の娘である崔順実は、朴槿恵と「姉妹」関係を結び、彼女を手中に収めるために手段と方法をいとわず、はては朴槿恵に自分の夫まで捧げた。

このように父親に劣らないあらゆる詐欺と卑劣な方法で朴槿恵を精神・肉体的に完全に掌握した崔順実は、本格的に「朴槿恵女王作り」に着手し、彼女を裏で操る「秘線実勢」(陰の実力者)としてこれまで暗躍してきた。朴槿恵は飯も崔の手で食べ、服も崔のいいなりに着て、言行も崔が書いたものに従い行う操り人形にすぎなかった。どれだけ度が過ぎれば、「選挙」遊説中、目にちりが入ると一時間も車に乗り崔順実のもとに駆けつけ、自分の目を見てくれとしがみついて周囲の人々を唖然とさせただろうか。

このように朴槿恵にとって崔順実は、普通の「親友」や「友人」ではなく、絶対的な「神」であったし、彼女の忠告や助言は即ち至上命令となるしかなかった。

結局2012年の大統領選挙において実際に当選したのは朴槿恵ではなく崔順実であったと見るべきであるし、その時から崔順実が南朝鮮の実際的統治者として君臨してきたといえる。

現在、内外では朴槿恵の全ての発言と行動を見ると、人間・崔順実に執着するのではなく、インチキ宗教人、未熟な巫女・崔順実に完全にコントロールされているようであると評している。

それが事実なら南朝鮮は現代社会では到底見ることのできない原始宗教、すなわち巫女が祈れば何であろうと成就されると信じる信仰に支配される「巫女統治国」と言うべきであろう。

崔順実が2013年2月、朴槿恵の大統領就任式なるものを総指揮しながら、「五方嚢」(陰陽五行の原理に従い五つの色の布で作った巾着)がすずなりにぶらさがった「希望が開かれる木」と「五方嚢」大型造形物を設置し、その前で朴槿恵が発言するようにしたかと思えば、はてはイベント会場である崇礼門全体を大型の五色布で覆おうとするなど、奇怪な迷信的発想をして、人々を戸惑わせたのはその実例である。

南朝鮮人民は今に至るまで一介のインチキ宗教人、未熟な巫女にすぎない崔順実が自分たちを実質的に統治し、朴槿恵は彼女を崇める単なる愚かな信者にすぎなかったとしながら羞恥と侮蔑感に身震いしている。
「垂簾聴政」で動く操り人形

今回朴槿恵が米国という大きな怪物によって操られる手先であるばかりでなく、一人の「江南女」が操る糸によっても動く二重三重の操り人形であったというあきれた事実が明らかになった。

朴槿恵「政権」では「国政」に関する全ての決定が青瓦台ではなく、まさしく崔順実の「秘密執務室」で行われたというが、これこそ現代版垂簾聴政であることは間違いない。

大統領報告用として作られる青瓦台の各種書類が毎日のように「第1附属室長」をはじめとする「宦官」によってこの「秘密執務室」にまず提出され、そこで崔順実が最終検討すれば朴槿恵に渡り、青瓦台の公式文書として採択され大統領である朴槿恵は、それをすらすらと口にしながら各種会議を「指導」する、何かを「訓示」するなどと振る舞った。

青瓦台が単独で決定することのできる問題など何一つなく、官職任命から主要政策に至るまですべてに対して、論峴洞(ソウル・江南)にある崔順実の「秘密執務室」で下した結論に従って執行してきたのが朴槿恵政治の真相である。

崔順実は「現代版西太后」「秘密大統領」であり、朴槿恵は彼女が糸を引くまま手足が動くカカシであると南朝鮮メディアが揶揄嘲笑している。

崔順実は、青瓦台の奥深くに自らの腹心を送り込み、政府の長官、次官の座は言うまでもなく、青瓦台秘書官、行政官の任命まで自分の思うがままに操りながら最高権力者として君臨してきた。

常識的に見れば首が飛んでも数回は飛んだ青瓦台民政首席秘書官・禹柄宇が、連続して明らかになるあらゆる不正事件にもかかわらずぬけぬけと持ちこたえている理由も、社会各界で禹柄宇の辞退を求める声があがっているにもかかわらず朴槿恵が不動の姿勢で庇護している原因も、彼が他でもなく崔順実の「派遣員」だからである。

崔順実が政界、財界などで活躍する女と有名人士たちの妻、あるいは「親しい女」たちからなる秘密の集まりである「八仙女」なるものを運営してきたが、世に知られなかったこの私的組織の実権が、事実上青瓦台の特権をはるかに陵駕していたというから、崔が巣くっていた「論峴洞秘密執務室」こそが青瓦台の「司令塔」であることが明らかになった。

崔順実の「秘密執務室」では、各界の専門家が集まり大統領諮問会議を彷彿とさせる会合を毎日のように繰り広げ、朴槿恵が公開席上で行う演説と各種行事の計画は言うまでもなく、外交安保政策をはじめ重大機密まで論議、決定したという。

北南軍事当局者間秘密接触の内容のような最大極秘資料も、「論峴洞秘密執務室」のテーブルに上がったし、北南関係を極端な方向に追いやった「対北心理戦放送」再開と開城工業地区の稼動中断も崔順実の「指令」に従ったもので、「統一ボロ儲け」だの「ドレスデン宣言」だのというものも、すべて崔順実の頭で考案され、批准された作品であるという。狂った未熟な巫女が「2年以内に北が崩壊する」などとしながらとんでもない呪文を唱えれば、それを「神霊の啓示」として受け入れ、「北急変事態」と「北体制崩壊」を念仏のように唱えた朴槿恵によって朝鮮半島情勢が最悪の局面へと陥ったことこそが、実に惨憺たる現実であることは間違いない。

崔順実の垂簾聴政は、外交分野においても例外ではなかった。

「李明博との政権引継ぎ、引受け面談資料」「中国特使団推薦議員名簿」「安倍総理特使団面談資料」「オーストラリア総理通話参考資料」など、執権初期の各種の外交関係文書から始まり朴槿恵の絶え間ない海外行脚にも崔順実が関与したことは疑いようもない事実だ。

「安倍特使団との面談において日本側が独島問題について言及しても返答せず、微笑だけで対応すること」「慰安婦問題は言及せず大きな枠組みで歴史認識が両国関係発展の基本であると言及すること」「5・18光州精神は言及せずに抜いた方が良い」…

このように細部の内容についてまで一つひとつ指示しながら朴槿恵を操ったのだから崔順実の指揮棒に従って「韓日慰安婦合意」のような恥ずかしく、屈辱的な事件が連続して起こらざるを得なかったのである。

現れた事実は氷山の一角にすぎない。

軽薄な民間女性が政治の場を遊び場のようにして繰り広げた幼稚ないたずらによって南朝鮮の政治が世界の笑いものになり、経済と民生が破壊され、北南関係が修復できない破局に至ったのは実に痛嘆する事態であることは間違いない。

現在、内外のメディアが、南朝鮮は「崔順実の言葉一つで戦争も起こりうる危険極まりない所」であり、「崔順実国政介入事件」のような稀代の政治的詐欺行為が幅をきかせる、最も原始的な国ではない「国」であると揶揄嘲笑しているのは当然のことである。
腐りきった汚物政権

執権期間、一族郎党まで網羅した族閥腐敗政治で悪名を轟かした歴代統治者と違い、独身の朴槿恵は、比較的「清潔な政治家」としてとどまるのではないのかというのが南朝鮮人民の抱いてきた一つの思い込みであった。

だが朴槿恵は世人が想像もできなかった奇怪な手法で不正腐敗の「新しい境地」を開拓したといえる。

振り返れば朴槿恵と崔順実の特別な関係は早くも朴正煕政権の時から絡み合った権力とカネ、陰謀の汚い歴史を抜きにして考えられない。権力を悪用して詐欺と投機、脱税と謀利行為を日常茶飯事としながらブラックマネーで腹を肥やしてきた朴槿恵と崔順実の不正腐敗行為は、朴槿恵が青瓦台に入ってから最高潮に達した。

朴槿恵と崔順実は、権力も財産も共有して、共に蓄財に勤しみながら徹底的な共生関係を維持してきた。

その代表的実例の一つが「赤い財布」に関する話だ。

すきさえあれば口実を作ってでも海外を外遊し、カメレオンのように一日に何回も着替える朴槿恵の服の布地を選び、裁断して完成する全過程を青瓦台関係者でもない崔順実が直接、総括したという。大統領就任式の時に着た数千ドルものチマ・チョゴリから朴槿恵を着飾るために使った高価なブランドバッグと靴、ブローチとネックレスなどあらゆる奢侈品の購入費用は崔順実の持ち歩いた「赤い財布」から出たものだ。

ならば彼女が果たして朴槿恵のために自分の財布を開けて惜しむことなく金をはたいたというのだろうか。

決してそうではない。崔順実は大統領の衣裳製作費の名目として毎年数百万ドルずつ青瓦台の金をはたいてきたし、その10分の1も使用せず、残りは自分が着服していたという資料が公開された。

これくらいは何でもない。貪欲な崔順実の金庫は底の抜けた巨大なつぼのようで、財界はもちろん、スポーツ、文化をはじめ社会各界から金を吸い上げた。

崔順実は、朴槿恵の演説文を修正するとして、自分の金庫を増やすために必要な文句を挿入し、朴槿恵の海外訪問の行列に財閥を参入させる対価として彼らから莫大な金を受け取った。

朴槿恵-崔順実合作品として広く知られた「ミル財団」「Kスポーツ財団」と「ザ・ブルーK」という企業の不正腐敗事件はその代表的実例である。

自分の退任後の生活のために朴槿恵は、崔順実のような詐欺師を推して48時間内に軍事作戦を実行するかのように財団を設立し、サムスンとロッテをはじめとする大企業から数千万ドルに達する巨額のカネを強制的に収奪した。朴槿恵は朴槿恵の思い通りに、崔順実は崔順実の意のままに誰も口出しできない強大な権力を振りかざして、検察捜査を実施するだの威嚇・恐喝を加えるだの、あらゆる手段と方法を尽くして財布をふくらますことに血眼になった。崔順実が2億ドルの資金がかかるといういわゆる「文化隆盛プロジェクト」を直接考案し、朴槿恵は文化体育観光部を総動員して優先的な投資特恵を与えるようにし、その金もそっくり朴槿恵・崔順実の金庫に積まれた。

金をかき集める面白さに味をしめた朴槿恵は、大統領という体面さえ捨て、崔順実一派が開発したいわゆる「国民体操」を喧伝する模範出演に率先して自ら出演した。

このように不正に畜財したカネで、崔順実は数年間でソウル・江南の建物と江原道の土地、ドイツの豪華ホテルをはじめ多くのマンションまで所有する大金持ちになった。また娘と共に奢侈な生活のために莫大な資金を惜しむことなくつぎ込んだ。

朴槿恵の庇護のもと、梨花女子大学校に不正入学した崔順実の娘は、カネをばらまいて「すぐれた成績」で進学し物議をかもしただけでなく、「カネも実力」だといって20歳にもなる前に父親がはっきりしない子どもまで産んであらゆる非難の的になっている。 崔順実と娘は外国へ赴いてまで数百万ドルもの乗馬用の馬と乗用車一台の値段以上もする世界的に一番高いペット犬、猫を10匹以上も買い、使用人として数十人を雇って威張り散らし、現地の人々から「やくざの群れを彷彿させる」と怪しまれた。 外国におよそ14もの幽霊会社を登記し、東奔西走した崔順実は、当該国の検察の調査対象となっていた。
もちろんカネ万能社会の南朝鮮で不正腐敗は絶対に直せない持病であり、特権層の不正で悪名を轟かした人々も少なくない。

だが朴槿恵、崔順実の不正腐敗の手並みは、やり手の詐欺師たちも舌をまくほどである。朴槿恵が執権後、口癖のように「創造経済」だの「文化隆盛」だのと唱えて、それを実践するとしながらあちこちに現れて嬌態をとったが、実像は崔順実と自分の財布に大金を押し込むための欺瞞劇にすぎなかったことが今日になってより明白になった。

崔順実と朴槿恵が権力を振りかざして汚した南朝鮮は、不正腐敗の蔓延する悪臭を放つ巨大な汚物場と化した。

与党は、代表をはじめとする指導部が先頭に立って朴槿恵の不正腐敗を包み隠し、彼女に同調する集団に転落し、青瓦台は秘書官たちが先を争って私腹を肥やし、女色に狂う悪臭漂うごみ箱になった。

このような腐敗の親玉が権力の頂点に居座っているため、南朝鮮の至るところであらゆる大小の不正腐敗行為が連続して引き起こされ、富益富、貧益貧の社会両極化現象が極大化し、庶民は日ごとに貧しさにさいなまれ、不幸と苦痛に悩まされているのである。
沈没する「クネ・スンシル」号

すでに世論は朴槿恵と崔順実が南朝鮮全体を自分の私的所有物のように思いながら勝手に政治を操っており、人民の涙の海に浮いている「クネ・スンシル」号が遠くない将来、沈没するだろうと警告してきた。

朴槿恵は、聞く耳も持たずに崔順実一味を庇護し、かばうことに熱中したが、ついに致命的な「崔順実核爆弾」によって吹き飛ばされる末路を迎えることになった。

今まで崔順実の国政介入を全面否定してきた青瓦台は、史上初の政治スキャンダルと関連して「集団辞職」しなければならない状況に至った。朴槿恵は「呼吸するミイラ」と何ら変わらぬ悲惨な立場となった。

社会各界から「朴槿恵・崔順実ゲート」に対する特検と弾劾、内閣総辞職の要求が激しく起こる中で行政府のすべての機能が麻痺し、南朝鮮は事実上、「権力が一瞬で蒸発した状態」、前例のない「政治的恐慌状態」に直面した。

朴槿恵の「宦官集団」「私設政党」と呼ばれていた「セヌリ党」の連中は日々しかめっ面をしてあちこちで密談を繰り広げ、親朴と非朴に割れて内輪揉めをするかと思えば、「朴槿恵脱党」だの「党指導部辞職」、「崔順実特検」を推進する方法で生き残る道を探してみようとあわてふためいている。

一方で野党は、「朴槿恵捜査」と「崔順実検挙」、「青瓦台家宅捜索」などを優先的に推進し、「朴槿恵、崔順実ゲート」の根を取り除いて厳しく処罰することを強く主張しているし、広範な社会界が「朴槿恵弾劾推進委員会」「朴槿恵弾劾のための汎国民運動本部」などを組織し、全面的な大衆闘争に突入した。梨花女子大学校を先頭にソウル大学校、高麗大学校、西江大学校をはじめとするほぼ全ての大学で連日、時局宣言が発表されている。

南朝鮮のインターネットには、「朴槿恵はスンシル共和国の大統領」「崔順実の夢を成すために存在してきた大韓民国国民であることが恥ずかしい」「是日也大声哭(1905年の乙巳保護条約締結を報じる皇城新聞記事のタイトル)すべき事件」「崔順実の護衛武士である朴槿恵は席藁待罪(むしろの上に伏して処罰を待つ)して辞任しろ!」など激怒した民心の声が溢れ、進歩、保守を問わずすべてのメディアが先を争って「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」の内幕を暴こうとしている。

外信も南朝鮮で「昼の大統領は朴槿恵、夜の大統領は崔順実」という前代未聞の事態の全貌が続々と明らかになることに驚愕をおさえることができず、連日、朴槿恵を揶揄嘲笑し、その腐った政治を酷評している。

世界政治史を振り返れば一つの国、一つの政権を倒した政治テロと軍事政変、暗殺と不正腐敗など重大事態が数多く記録されている。

だが朴槿恵政権のように、何も知らない巷の一人の無知な知人女性が大統領の背後で権力を独占し、政治、経済、文化、外交、国防など全ての領域を好き勝手に動かし、一日でまるごと崩れさせた例はなかなかない。

内外が今回の「崔順実国政篭絡事件」をもって国際政治史で前例のない特大型スキャンダル、朴槿恵政権の終末を早めた重大事件として注目する理由がまさにここにある。

南朝鮮に押し寄せた今日の悲劇的事態は、歴史の必然であり、植民地下手人である朴槿恵政権の避けられない運命である。

朴槿恵は、決して政治的能力が優れているとか手腕が格別だからという理由で大統領になったのではない。

2000年代に入り6・15時代の力強い流れに乗って反米自主、連北統一の熱が高まりながら南朝鮮で親米保守勢力は急激に弱体化し、米国の植民地体制も大きな脅威に直面した。

民心から見捨てられ、没落する保守勢力内で、適当な人物を選ぶことができず南朝鮮の一部住民の中に残っている朴正煕に対する盲目的崇拝心を動かして民心を操ろうという卑劣な目的で推された人物が他でもない朴槿恵である。南朝鮮メディアは2012年の「大統領選挙」結果をもって朴槿恵を当選させた要因のうち、99%は米国の操縦と父・朴正煕の「七光」であり、本人の能力は1%程度しかないと嘲弄した。

このようにもっとも非正常な方法で身の丈に合わない「大統領」の冠をやっとかぶってみたが、その愚鈍な頭では何もすることができず、そうかといって乏しい実力を誰にも発揮することもできない朴槿恵としては権力維持のための非常手段として崔順実のような巫女の「神通力」にしがみつくしかなかったのであろう。

今日の事態こそ、長い間権力を独占し、あらゆる専横をためらわず、ひたすら同族対決に突き進んできた南朝鮮の親米保守勢力の崩壊そのものだ。

南朝鮮の現政治情勢は、将来を予測しがたい重大岐路に置かれており、混乱は日ごとに深まるばかりである。

狡猾であつかましい朴槿恵は、今からでも見かけは悪魔の嘘笑いをしながら、何事もなかったように振る舞っているが、裏では余命を維持するために最後のあがきをしており、米国と親米保守勢力を後ろ盾にして何か恐ろしい陰謀を再びでっち上げようとしている。

今、大勢の流れは歴史の主人である南朝鮮人民がいかに自らの責任と役割を尽くすかによって左右されることになる。

南朝鮮の各階層の人民は、4・19の喊声で李承晩を倒したように、反ファッショ民主化の力強い叫び声で朴正煕に悲惨な最期を遂げさせたように、5・18と6月民主抗争に民主の新しい春をもたらしたように、反人民的悪政と同族対決、親米事大に狂って同胞にあらゆる災難をもたらそうとする朴槿恵一派に最後の審判を下すことになるだろう。

(朝鮮新報)

実情に合わせて多様な形式と方法で行い、北・南・海外の接触と往来を正常化する活動を果敢に展開

2016-09-20 | 朝鮮新報ニュース
「青年統一大会合」開催を提案/北の青年同盟
北・南・海外の結集を
民族自主を旗印に


朝鮮中央通信によると、金日成―金正日主義青年同盟(青年同盟)中央委員会は7日、国内外の全ての朝鮮青年に送るアピールを発表し、北・南・海外の青年団体と青年が参加する「朝鮮青年統一大会合」を開くことを提案、民族の念願である祖国統一の実現のために青年が奮起し、共同歩調をとることを訴えた。
連席会議と連動

「朝鮮青年統一大会合」に関する提案は、現在、北・南・海外で進められている連席会議開催計画と連動する動きだ。

朝鮮は今年5月に行われた朝鮮労働党第7回大会で新たな祖国統一路線と方針を提示。その後、北南関係の改善を南側に呼びかけ、積極的なアクションをとってきた。

党大会後に開かれた「第7回党大会で提示された祖国統一の方針を貫徹するための朝鮮政府・政党・団体連席会議」では、今年の8月に祖国解放71周年にちなんで「北・南・海外の諸政党・団体、個別人士の連席会議」(「統一大会合」)を開催することについての提案がなされた。この「統一大会合」とは、最悪の状態にある朝鮮半島の現情勢を緩和し、北南関係を再構築し、統一問題を解決するための出路について議論する場で、北と南の当局・政党・団体の代表や名高い人士をはじめ、心から朝鮮半島の平和と統一を願う者であれば誰でも参加できるというもので、南や海外の同胞からの支持を集めた。
北・南・海外の青年が一堂に会することへの期待が高まっている(写真は昨年8月、平壌で行われた朝鮮解放70周年を祝う朝鮮の平和と統一のための交歓会、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

北・南・海外の青年が一堂に会することへの期待が高まっている(写真は昨年8月、平壌で行われた朝鮮解放70周年を祝う朝鮮の平和と統一のための交歓会、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

しかし、南朝鮮当局は「核問題を度外視して平和と統一について語るのは欺瞞である」などと述べ、行事準備のための北・南・海外実務会議に参加した南側メンバーに罰金を課すなどの妨害行動を行ってきた。

結局、内外の反統一勢力の妨害によって、8月の統一大会合は実現できなかったものの、北・南・海外側は、連席会議開催のための活動を実情に合わせて多様な形式と方法で行い、北・南・海外の接触と往来を正常化する活動を果敢に展開していくことにした。
青年同盟大会の課題体して

7日に発表された青年同盟中央委員会のアピールは、国内外の全ての朝鮮青年に対し、▼民族自主の旗印、民族大団結の旗印を高く掲げ、統一愛国の道で青春の志と心を合わせて祖国統一の大路を切り開くこと▼青年が祖国統一の3大憲章と歴史的な北南共同宣言を祖国統一の大綱として変わることなく捉えて、北南関係の改善と祖国統一の新しい局面を先頭に立って開くこと▼米国とその追随勢力の侵略戦争挑発策動を阻止、破綻させること▼海外同胞青年が朝鮮民族の誇りと自負を抱いて祖国の自主的統一と民族の隆盛・繁栄のために寄与することなどについて指摘し、北・南・海外の青年団体と青年が参加する朝鮮青年統一大会合を開くことを提案した。

これは、8月27、28日に平壌で開催された、青年同盟第9回大会で提示された課題を体したものだ。同大会では、青年同盟組織と青年が社会主義強国の建設で先頭に立つこと、青年が祖国の自主的統一を実現すべく積極的に闘うこと、青少年育成事業に力を入れることなどが課題として示された。

青年たちはいつの時代も統一運動の先頭に立ってきた。李承晩政権を打倒した4.19抗争(60年)後、南の青年学生たちは「行こう北へ! 来たれ南へ! 会おう板門店で!」のスローガンを掲げ統一運動を主導した。88年には北南学生会談の実現を目指す運動が起こり、当時在日同胞青年らも積極的に役割を果たした。

今回の朝鮮青年統一大会合開催に関する提案を受け、朝青や留学同といった在日青年学生団体はすぐさま支持を表明した。

南でも民族の大会合実現に向けた連帯の動きが広まっている。南の8.15青年学生統一文化ハンマダン準備委員会(以下、準備委員会)は去る8月14日、「南・北・海外青年学生統一文化ハンマダン」を開催することを提案した。

(金里映)

「豊かな音楽性にあふれている」「生涯心に残るような演奏」「音色に酔いしれた」

2016-07-12 | 朝鮮新報ニュース
青少年ショパンコンクール優勝 注目の逸材
世界が認める朝鮮のピアノ教育
ショパンコンクールで優勝したマ・シナさん


ショパンコンクールで優勝したマ・シナさん

【平壌発=金淑美】5月にポ―ランド・シャファルニアで行われた第24回青少年のためのショパン国際ピアノコンクールで優勝を果たしたマ・シナさん(13)。ロシア、ポーランド、ドイツ、フランス、オーストリア、英国等の20カ国から約50人が参加したコンクールで、審査員や聴衆から大絶賛を受け、同コンクール最優秀賞、ハンガリーのゲオルギ・ペレンツ基金制定ショパン作マズルカ最優秀賞をはじめ数々の賞を受賞した。シナさんが学ぶ金元均名称音楽総合大学平壌第1音楽学院を訪ね、世界に挑む朝鮮のピアニストの快挙の原動力と朝鮮のピアノ教育を取材した。
審査員を魅了

「豊かな音楽性にあふれている」「生涯心に残るような演奏」「音色に酔いしれた」

コンクールでシナさんの演奏が終わると、審査員らは審査結果が出るよりも先に席を立ち、みながシナさんの元を訪れては賛辞を惜しまなかった。聴衆らからも握手攻めにあったという。

コンクールでは、バッハ作 前奏曲とフーガ ロ長調、ショパン作 マズルカ 変ロ長調、ショパン作 スケルツォ 変ロ短調、リスト作 リゴレットの4曲を演奏。なかでも、ショパンの作品の中では難易度の高い曲として知られるマズルカ 変ロ長調が高く評価された。自由曲にこの曲を選んだ理由を「ショパンは今まであまり弾いてこなかったから、面白そうな曲を選んだ」と少しも気負わずに話す。実際は技術的にも音楽的にも非常に難しかったという。コンクール開催地のポルトガルに着いてからも、ショパン博物館に足を運んだり、ショパンが20歳まで暮らしたワルシャワの街を車窓から眺めながら「この街にはどんな音楽が似合うだろう」と「ポーランドの魂」とされたショパンの音楽の世界に想像を巡らせた。
ピアノは「親友のような存在」だという



当日は全く緊張しなかったとシナさん。本番前のあるエピソードを教えてくれた。

10分前、気持ちを落ち着かせるために会場の外へ散歩に出たときのこと。空に掲げられた世界各国の国旗のなかに朝鮮の国旗を見つけた。「必ず1位になって朝鮮の名を輝かせたい」――。背中を押される思いで再び会場へ向かったという。
海外留学も奨励

12年制義務教育(無料教育)が実施されている朝鮮では幼稚園などにおいて早期音楽教育が行われている。幼いころから音楽の才能を開花させるための環境づくりと指導体制運営に国家的関心が払われており、ここで学んだ子どもたちが、各国で行われる音楽コンクールに出場して入賞を果たしている。海外留学も積極的に実施され、現在、国立交響楽団をはじめとする国内の芸術団では、朝鮮で英才教育を受け、クラシック音楽の本場であるヨーロッパの国々で学んだ演奏者、歌手らが活躍している。
指導教員であるリ・ヨンボクさんと共に

指導教員であるリ・ヨンボクさんと共に

シナさんも、平壌市内の音楽専門幼稚園を経て、朝鮮随一の音楽専門学校として知られる金元均名称音楽総合大学平壌第1音楽学院へ進学した。同学院では国際ピアノコンクールにおいて優勝者、入賞者を多数輩出してきた。現在、小学1年から大学3年までの百数十人の児童・生徒・学生らがピアノを専攻して学んでいる。

「わが校におけるピアノ教育は、西洋楽器であっても主体性と民族性を重んじ、民族音楽を基調としています」と話すのは、リ・ヨンボク教員(51)。トラジやアリランなどの民族音楽をピアノ用に編曲したものや世界各国のピアノ曲を教材として使用しているという。

シナさんは7歳で家族とともにロシアにわたり、モスクワ音楽院(正式名称:チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院)付属中央音楽学校で4年半学んだのち、昨年6月に帰国。モスクワでは著名な教員に師事しながら、数々の名指揮者の下で月に一度は必ず舞台に立ち、海外公演にも多数出演した。留学経験についてシナさんは、「自分の力で楽譜から音楽を読み取り表現できるようになり、舞台度胸も鍛えられた」と話す。

国際経験豊富なシナさんだが、過去に国際コンクールに出場した際は留学中だったことから、コンクールで優勝して祖国に「凱旋」するのは今回が初めてだった。平壌国際空港で家族や親戚、教員やクラスメイトたちの盛大な歓迎を受けたシナさんは「思いもよらなかった。何回1位を取っても、こんなに温かい歓迎を受けたことはない」とボロボロと涙をこぼしたという。

「ピアノは親友のような存在」。そう話す笑顔にはまだまだ幼さが残る13歳。朝鮮で最も才能ある次世代の音楽家の一人として注目されている。

「目標をいっそう高く掲げて世界的に名を馳せるピアニストになりたい」

祖国に深く根ざしながら世界に通用する技術を磨き続けるシナさん。朝鮮の若きピアニストのさらなる飛躍に期待は高まるばかりだ。

(朝鮮新報)

中宮寺門跡の半跏思惟像は飛鳥時代・7世紀後半に制作された。

2016-07-09 | 朝鮮新報ニュース
特別展「ほほえみの御仏・二つの半跏思惟像」/
人民芸術家・洪永佑さんに聞く

古代朝・日交流の鮮やかな足跡


東京・上野の東京国立博物館(本館特別5室)で、特別展「ほほえみの御仏・二つの半跏思惟像」(10日まで)が開催された。一体は、ソウルの国立中央博物館蔵の半跏思惟像(韓国国宝国宝78号、三国時代・6世紀)であり、もう一体は奈良・中宮寺門跡蔵の半跏思惟像(国宝、飛鳥時代・7世紀)。

この催しは古代朝鮮半島と日本の色濃い文化交流を如実に物語るもので、会期中、多くの歴史ファンが詰め掛けた。会場で二体の仏像を見ながら、その類似点や相違点などについて、美術作品全般に造詣が深い、朝鮮民主主義人民共和国の人民芸術家である画家の洪永佑さんに話をうかがった。


ソウルの国立中央博物館蔵の半跏思惟像(韓国国宝国宝78号、三国時代・6世紀、金銅製)
比類なき造形美

半跏思惟像とは、「背筋を伸ばし、右足を左足の上に組んで坐具に坐り、右手の中指を頬に当てて思惟(思案)する」仏像の姿。6世紀頃の朝鮮半島では、未来の世に現れ、衆生を救済すると広く信仰されていた弥勒菩薩として作られ、他の国とは比べようもないほど流行した」(丸山士郎・東京国立博物館特別展室長、東京新聞6月21日付)と言われる。

洪さんも、「日本の半跏思惟像は朝鮮の三国時代の影響を強く受けてつくられた。南の国宝78号像として親しまれるこの像は、制作が6世紀後半にさかのぼるもので、朝鮮半島では早い時期のもの。金銅製ながら高さが83cmある大作だ。金銅仏らしい鋭利な表現が見られる一方、ふくよかな指をふっくらとした頬に添え、伏し目がちで、口元に微笑を浮かべるきわめて優美な造仏だ」と指摘する。

さらに、「像全体のシルエットがかもし出す、柔らかさ。頭部から背中、さらに右足へと続く流れるような繊細な曲線に目を奪われる」と感嘆する。丸山士郎・東京国立博物館特別展室長も「像高は1メートル近く、金銅製の作品としてはかなり大きいが、銅の厚みは五ミリほどしかなく、鋳造技術の高さも特筆される」(東京新聞同上)と高く評価する。

一方、中宮寺門跡の半跏思惟像は飛鳥時代・7世紀後半に制作された。

背筋を伸ばし、右足を左足の上に組んで坐具に坐り、右手の中指を頬に当てて思案する姿だ。柔らかい微笑み、ゆったりとした姿勢などが特徴。肉身の起伏や衣の襞の形を単純化した旧来の表現が重なり合って、清楚で上品な雰囲気を醸している。他の飛鳥時代の木彫仏と同じように、この像も古代より仏像彫刻に多く用いられたクスノキでつくられている。像高126.1センチメートル、坐高87.9センチメートル。洪さんによれば、南の国宝78号は様式美に溢れているが、中宮寺の半跏思惟像はきわめて写実的だと指摘する。肩幅の大きさや右足の組んでる形が直線的で、全体の姿が男性的な面もあると語る。洪さんが同時期のものとして挙げたのが、広隆寺の宝冠思惟弥勒半跏像(木造)。日本の国宝第1号として名高いが、この像の材質は、日本に豊富にあって香もよいクスノキではなく、朝鮮では最も多生する赤松を用いている。朝鮮で制作されたものか、あるいは、赤松を素材に彫りなれた渡来人仏師が日本で作ったものと考えられるが、ソウル国立中央博物館の国宝83号金銅三山冠半跏思惟像と瓜二つであることはあまりにも有名である。


奈良・中宮寺門跡蔵の半跏思惟像(国宝、飛鳥時代・7世紀、木造)
朝鮮半島の強い影響

洪さんが指摘してやまないのが、飛鳥文化と朝鮮半島の濃密な関係である。「日本書紀によると日本に仏教が伝来したのが、552年。飛鳥大仏と崇められる釈迦如来坐像は止利(とり)仏師の造仏とされている。飛鳥寺建立の際には高句麗の大興王から黄金300両がお祝いとして贈られたと飛鳥大仏の光背の銘文に刻まれている。いずれにしても、止利仏師の造仏は、止利式あるいは止利様といわれるほどに、飛鳥時代の仏像彫刻に大きな影響を及ぼしたことは疑いようもない事実だ。法隆寺金堂の『壁画』(7世紀前半)、7世紀末~8世紀初の『高松塚古墳』壁画や『キトラ古墳』壁画、660年代に製作された『天寿国繍帳』(中宮寺蔵)の刺繍の下絵など、それらの国宝絵画の創造者が渡来人画家であったことなどはつとに名高い。記録に残る7世紀末までの仏像、絵画などの担い手はすべて渡来人であったと言って間違いない」。

まさに、朝鮮半島と日本に半跏思惟という同じ姿をした仏像の名品が残るのは、古代朝・日交流の今一つの証である。朝鮮半島渡来の文化を抜きにして、飛鳥文化の実相に迫ることはできないのである。

(朴日粉)

南北当局が歴史上初めて祖国統一原則を合意したという点で7.4共同声明は実に大きな歴史的意義。

2016-07-08 | 朝鮮新報ニュース

東京で7.4共同声明発表44周年記念討論会
民族自主の旗印を掲げよう


7.4共同声明発表44周年記念討論会「自主、平和統一、民族大団結原則の現在的意味」(主催=同実行委員会)が4日、東京で行われた(写真)。実行委員会の尹碧巌委員長(国平寺住職)をはじめとする各界有志たちと関係者たち、同胞など約130人が参加した。
7.4共同声明発表44周年記念討論会

討論に先立ち、基調発言が行われた。映像メッセージを通じて発言した米国統一学研究所の韓浩錫所長は、南北当局が歴史上初めて祖国統一原則を合意したという点で7.4共同声明は実に大きな歴史的意義を持つと指摘した。

韓所長は祖国統一原則の中でもっとも重要なのは自主の原則であるとしながら、民族自主は北が米国による戦争の脅威を取り除き、南が米国の支配を退ける時に実現されると強調した。

韓所長は「米国は戦略的忍耐政策や対朝鮮『制裁』を直ちに取り下げ、朝米平和協定と駐韓米軍を撤退させる準備を行うべきであるし、わが民族は7.4共同声明に明記された自主の原則に従って祖国統一の旗印をさらに高く掲げていかなければならない」と強調した。

朝鮮新報社編集局の金志永副局長は、党大会で提示された新たな祖国統一路線と方針のベースには、激動する国際情勢に対する主体的な観点があるとしながら、この路線と方針は分断民族が近い将来訪れる歴史の転換点に主体的に対処していくための方略であると指摘した。

金副局長は、朝鮮の水爆実験以降、朝鮮半島を取り巻く関係国のパワーバランスが揺れ動く中、このような情勢の転換局面で存在感を示さなければならないのは外国勢力ではなく平和と統一を願い志向する全ての朝鮮民族でなければならないと述べた。

続いて、崔錫龍・雑誌「統一評論」編集長、康民華・在日朝鮮人平和統一協会副会長、金志永副局長らによる討論が行われた。発言者らは、自主、平和、 民族大団結の祖国統一3大原則は北と南が合意したもっとも合理的な統一原則であるということを再確認し、その中でも民族自主は、事大と外勢依存に起因する 朝鮮民族の近現代史から見ても、特に重要な原則であると強調した。

一方、祖国解放71周年に際して北・南・海外諸政党、団体、個別人士たちの連席会議を開催することに関する北の提案が討論のテーマとなった。出演者 らは8月に開催される連席会議が分断の歴史に終止符を打ち、統一に向けたプロセスを稼働させるための重要な契機になると指摘した。

討論会の後、出演者たちと参加者たちの懇親会が行われた。

(朝鮮新報)

朴元淳ソウル市長は「多くの国民が訪れ、歴史の悲しみを二度と繰り返さないという決意を固める場に」

2016-06-30 | 朝鮮新報ニュース
ソウルで「慰安婦」追悼公園の起工式
8月に完成予定


公園の建設計画を説明する関係者(29日、連合ニュース)

ソウル・南山近くの韓国統監(朝鮮総督の前身)官邸跡で29日、日本軍「慰安婦」被害者を追悼する公園「慰安婦記憶の場」の起工式が開かれた。8月15日の光復節の完成を目指す。

昨年11月に市民団体や学界、文化界の関係者を中心に公園建設の推進委員会が結成され、今月28日までに約3億4,000万ウォン(約3,000万円)の募金が集まった。公園には母性で世界を抱くという意味をこめた造形物や、「慰安婦」被害者の故キム・スンドクさんが描いた絵を使用した壁画を設置する。統監官邸は1910年に「韓国併合条約」が締結された場所だ。

推進委員会は起工式で、「戦争犯罪の被害者でありながら平和と人権の運動家として活躍した『慰安婦』被害者のハルモニたちを記憶に刻み悼む場所になる」と説明した。

「慰安婦」被害者の金福童さんは「生前の恨みを消しこの世を旅立てるよう力を合わせてくださればありがたい」としながら、「日本政府が謝罪し被害者の名誉を回復するまでは過去の罪を許すことはできない」と述べた。

朴元淳ソウル市長は「多くの国民が訪れ、歴史の悲しみを二度と繰り返さないという決意を固める場になってほしい」と話した。

(朝鮮新報)

5月27日頃からは、第三国に渡航する「朝鮮籍」の在日同胞に、「誓約書」も「質問票」も求めなくなった。

2016-06-28 | 朝鮮新報ニュース
入管当局の対応、是正引き出す/「朝鮮籍」同胞への「誓約書」署名強要問題
人権協会中心に働きかけ


日本政府独自の対朝鮮「制裁措置」発表(2月10日)以降、「朝鮮籍」の在日同胞が第三国へ渡航する際の空港等の出国ゲートや、新規に再入国許可を取得する際の入国管理局窓口で、「北朝鮮へは渡航しません」などと記載された「誓約書」への署名が強要されていた問題で、在日本朝鮮人人権協会(以下、人権協会)を中心に、多くの同胞・日本人が入管当局に対して粘り強く是正を求めてきた結果、先月末(5月27日頃)から「誓約書」への署名を求めないという従来の運用になった。また、第三国へ渡航する際には核・ミサイル技術者か否かを問う「質問票」への署名も求められなくなった。
「入管行政の抜本的改正を」

「誓約書」には当初、「私は北朝鮮には渡航しません。仮に北朝鮮に渡航したことが確認された場合には再度上陸が認められないことを承知した上で出国します」と書いてあった。

しかし、今回の「制裁措置」によって人的往来規制の対象となった在日朝鮮人は、「在日北朝鮮当局職員」およびその「活動を補佐する立場にある者」、「貿易・金融措置に違反して刑の確定した者」、「核・ミサイル技術者」であり、「制裁」対象者ではない一般の在日朝鮮人にまで「誓約書」への署名を強要することは、2月に発表された「制裁措置」をも逸脱した入管当局の不当な権限濫用であるとして、たくさんの抗議が寄せられた。

他にも、「その者が本邦にある間において」のみ再入国許可を取り消すことができるとする入管法26条7項に反するという点、また、期限が付されない形で「北朝鮮へは渡航しません」と書かれていることから、二度と祖国に行くことができないのではないかと当事者に誤解を与えてしまう点など、問題が多かった。

人権協会では4月と5月の2度にわたり、入管当局者らと面会し、「誓約書」問題について追及してきた。またこれと並行して、新聞記者や国会議員たちへの働きかけも積極的に行い、この問題が広く周知されるよう努めてきた。

このような中、4月中旬から、空港等の出国ゲートでは、「今回の出国後、日本へ再入国するまでの間」といった形で、また入管窓口では「今回受けた再入国許可の有効期間内に」という形で、期間が限定されるようになった。そして5月27日頃からは、第三国に渡航する「朝鮮籍」の在日同胞に対して、「誓約書」も「質問票」も求められなくなった。

入管当局への働きかけに携わってきた人権協会の金東鶴事務局長は、「『誓約書』をなくせたことは運動の一つの成果だと思う。広範な同胞や日本人の協力のおかげだ。入管当局の対応に現場で反対した同胞たちの行動も、大きかったのではないか」と話す一方で、「ただ、同胞の権利が従来より前に進んだということではない。在日朝鮮人が祖国に行くことを自ら放棄させ、親族と会う権利までも踏みにじるという不当極まりない待遇をやめさせただけの話だ」と語った。

金事務局長は、「特定の在日同胞が(朝鮮を渡航先とした)再入国の禁止対象とされている問題は厳然として残っている。そもそも在日朝鮮人が在住国に戻るのは権利であり、許可する、しないという類の問題ではない。実際、永住資格を持ち日本で代を継いで暮らす在日朝鮮人まで再入国許可の対象にしている入管法の規定はおかしいと、国連自由権規約委員会からも是正が勧告されている。一日も早く、このような入管行政の抜本的な改正がなされるべきだ」と強調した。

※現在、朝鮮を渡航先とする在日同胞に対する「質問票」への署名は引き続き求められている。

(金里映)

8年間中断状態:米国が自らの過ちを反省し、態度を改めなけらば、何も始まらない。

2016-06-27 | 朝鮮新報ニュース
「火星―10」と6者会談

 朝鮮が中長距離弾道ロケット「火星-10」の試験発射を行った日、北京で6者会談の代表らが民間専門家と共に参加するセミナーが開かれていた。6者の議論はかみ合わず、対立構図が改めて浮き彫りになった。

▼6者会談は、オバマ政権が発足する前年の12月に開かれて以来、8年間中断状態が続いている。その間、ホワイトハウスは協議の再開に向けて努力するどころか、朝鮮に対する威嚇と制裁に没頭し、核をめぐるパワーゲームを再燃させた。核戦争挑発を続ける米国に対抗して、朝鮮は水爆実験まで行い、核兵器の運搬技術を備えた。喫緊の問題は、武力衝突の回避だ。

▼今回のセミナーでも中国は「6者会談再開」を訴えたという。しかし、8年間に状況は激変した。「非核化」をテーマとする多国間協議の枠で、現在進行中の朝米「核対決」を議論するのは無理があるとの見方が広がっている。「火星-10」の発射は、それを象徴する出来事だ。米国の核脅威が続く限り、朝鮮は核抑止力強化のプロセスを止めない。旧態依然の朝鮮敵視政策を米国が放棄することが、最優先事項となった。

▼皮肉なことに6者会談を長期中断させたことで、オバマ政権は議論すべきテーマを変更させたゲームチェンジャーとして記憶されることになった。朝鮮に「核放棄」を求める前に、米国が自らの過ちを反省し、態度を改めなけらば、何も始まらない。その課題は、米国の次期政権に受け継がれていく。(永)

今年の8月に祖国解放71周年に際して「全民族的な統一大会合」を開催することを提案した。

2016-06-21 | 朝鮮新報ニュース
党大会で示された祖国統一路線と方針貫徹に向け
「統一大会合」の開催など、広範に呼びかけ


朝鮮では朝鮮労働党第7回大会で提示された祖国統一路線と方針を貫徹するための具体的な取り組みが行われている。

まず、政府・政党・団体の代表が参加する連席会議(9日、平壌)が開かれ、第7回党大会で提示された祖国統一の方針を貫徹するための課題が討議された。同会議では「全朝鮮民族に送るアピール」が採択され、今年の8月に祖国解放71周年に際して「全民族的な統一大会合」を開催することを提案した。

これを受け、朝鮮社会民主党中央委員会総会(13日)と天道教青友党中央委員会総会(14日)がそれぞれ平壌で行われ、祖国統一路線と方針を貫徹するための対策が討議された。朝鮮社会民主党中央委員会総会では、民族の大団結で自主統一の活路を開いていくことをアピールする手紙を南朝鮮の各政党に送ることを、天道教青友党中央委員会総会では同じ趣旨の手紙を南朝鮮の各団体に送ることを決めた。

15、16日には朝鮮仏教徒連盟中央委員会、朝鮮キリスト教連盟中央委員会、朝鮮カトリック教協会中央委員会の総会が平壌でそれぞれ行われ、南の宗教団体に手紙を送ることが決まった。
米に敵視政策廃止求め

一方で、朝鮮半島の平和と統一の基本的障害である米国の対朝鮮敵視政策を取りやめるよう求める働きかけも積極的に行われた。

10日、連席会議参加者たちの名で米国に公開書簡を送り、米国に対して▼対朝鮮敵視政策を廃止すること▼南朝鮮に対する武力増強と北侵戦争演習を直ちに中止し、朝鮮半島の真の平和と安全を保障すること▼朝鮮民族の内部問題に介入して対決を助長し、自主的統一を阻む行為を中止することを求めた。

13日には、連席会議で採択された手紙が国連事務局に送られた。手紙は国連に対し、朝鮮の統一問題に干渉しながら永久分裂を追求してきた米国の策動を、これ以上黙認したりそれにむやみに同調してはならないと述べ、朝鮮の統一に関しては徹底して朝鮮民族の自主権と自決権を尊重する原則を堅持しなければならないと強調した。そのうえで、朝鮮半島の平和保障システムを樹立し、統一に有利な環境と雰囲気をつくろうとする朝鮮の取り組みに積極的な支持を寄せるよう求めた。

(里)

米国にある数多くの武器製造業者が、武器の生産と販売に躍起になり、その利益で政治家たちを後援

2016-06-15 | 朝鮮新報ニュース
米国の銃乱射事件


銃社会の米国で銃殺事件は珍しくない。しかし、12日にフロリダ州で起きた銃乱射事件は49人が犠牲になる米史上最悪のものとなり衝撃が走った春夏秋冬

▼米国では大きな銃殺事件が起きるたびに銃規制問題が論議される。が、現状は変わらない。2012年12月にコネティカット州の小学校で26人の児童が殺害された銃乱射事件を受けて、翌年、オバマ政権は銃購入者への身元調査の強化や殺傷力の高い突撃銃の規制を柱とする規制法案を議会に提出。大統領は涙で訴えたが、野党・共和党の反対であっけなく否決された。事件が起きるとかえって高性能の銃の売り上げは伸びるとされている。「自衛のため」「規制強化で入手できなくなる懸念」などがその理由だ

▼米国にある数多くの武器製造業者が、武器の生産と販売に躍起になり、その利益で政治家たちを後援して銃規制がなされないように働きかけている。銃、武器メーカーから潤沢な援助を受けている全米ライフル協会のロビー活動がその代表例だ。そもそも米国では憲法で銃所持の権利が保障されており、銃規制は難しく問題は根深い

▼労働新聞をはじめ朝鮮のメディアは、米国で銃器乱用事件が起きるたびに事件の詳細を紹介。理由はどうであれ銃で人を殺すことを「自由」として正当化される「米国式民主主義」を痛烈に批判している。記事の締めくくりは「自国民の生命と安全も守れないくせに、他国の人権をとやかく言う資格はない」(進)

今回の演奏会には、多くの音楽団体、音楽活動をする有志、朝鮮学校民族楽器部員たちが友情出演

2016-06-14 | 朝鮮新報ニュース
世代を超え奏でる民族の音色/大阪朝鮮民族楽団「伽樂」創立30周年記念定期演奏会

   
大阪朝鮮民族楽団「伽樂」創立30周年記念定期演奏会(写真はオープニングの重奏「魅惑の海」)

大阪朝鮮民族楽団「伽樂」創立30周年記念定期演奏会が12日、大阪市内のホールで行われた。約250人が観覧した。

重奏「魅惑の海」で幕を開けた演奏会では、「シンゴサン打鈴」「リョンガンキナリ」などの重奏や、カヤグム独奏「出鋼」、男性重唱「焼栗打鈴」、農楽などが舞台にあがった。2部では、合奏「剣舞」やソヘグム協奏曲「革命歌劇『ピバダ』よりピバダガ」、合奏「海の歌」などが披露された。

今回の演奏会には、多くの音楽団体、音楽活動をする有志、朝鮮学校民族楽器部員たちが友情出演し、例年の2倍以上の約70人(そのうち団員は10人)が出演した。

東大阪中級で民族楽器部の講師を務めている李千鶴団長(50)は今回、多くの教え子たちと共に演奏した。民族楽器をこよなく愛し、練習に汗を流した教え子たちの姿が思い浮かび、目頭が熱くなったという。協力してくれた人たちに感謝の言葉を送りながら、「世代を超えて演奏できたことが本当にうれしい。これからもウリ(私たちの)音楽を通じて、聞き手にウリの何を伝えなければならないのかを団員と共に考えていきたい」と語った。

客席からは演目が終わるたび大きな拍手が送られた。

大阪朝高で民族楽器部主将を務めた趙福姫さん(55)は「カヤグム独奏をはじめにすべての演目が素晴らしかった」とし、「朝高を卒業した後も、世代を超えてつながり、民族楽器を演奏する場があることが大変良いことだと思う。民族楽器を続けたい生徒たちの気持ちを、『伽樂』がこれからもつないでいってほしい」と語った。

「朝大から世界へ」:記念大祝祭は、卒業生や同胞たち7000余人で盛況を博した。

2016-06-01 | 朝鮮新報ニュース
朝大創立60周年記念大祝祭/心を一つに「創立100周年」へ
新プロジェクトを発表


朝鮮大学校創立60周年を祝して28日に記念大会、29日に記念大祝祭が朝大で行われた。盛大に開催された記念大祝祭には、卒業生や各界各層の同胞ら7000余人が参加した。参加者たちは、祖国と同胞の絶え間ない支援と努力により大切に守られ、在日同胞社会を担う多くの人材を輩出してきた「民族教育の最高学府」の重要性を改めて再認識しながら、同胞社会の輝かしい未来のために心を一つにして朝大を発展させていく決意を新たにしていた。

記念大祝祭は、卒業生や同胞たち7000余人で盛況を博した。

記念大祝祭には、総聯中央副議長である南昇祐、益柱、眞求、朴久好、姜秋蓮(兼女性同盟中央委員長)の各氏と宋根学教育局長、朝大の張炳泰学長、朝大創立60周年記念事業の洪南基実行委員長をはじめとする実行委員、卒業生、在学生、各地の同胞らが参加した。

記念式典ではまず、洪南基実行委員長が開幕の辞を述べた。

洪委員長は、朝大は60年間に1万7000余人の卒業生、在日朝鮮人運動の中核を担う人材を輩出してきたと述べ、祖国と最高指導者に寄せる熱い思い、先代の血と汗が滲んだ努力、恩師に対する感謝の気持ちで胸がいっぱいだと語った。

そして、これまでの道のりは決して平坦ではなかったが、朝大と在日朝鮮人運動の歴史の1ページに残る日を機に、朝大創立100周年を目指して民族教育を発展させるために一致団結していこうと呼びかけた。


実行委員会の朴再洙副委員長(右)が募金運動の収益金を、朝大の朴英植理事長に手渡した。

来ひんを代表してあいさつに立った日本体育大学の松浪健四郎理事長、谷釜了正学長、アントニオ猪木参院議員は、日朝間の情勢が厳しい中でもぶれることなく、スポーツをはじめとした幅広い分野で民間交流を活発に進めていきたいと語った。

つづいて、実行委員会の朴再洙副委員長(募金小委員会責任者)が朝大創立60周年に際して行われている「募金運動」の収益金を、朝大の朴英植理事長に手渡した。

朝大の張炳泰学長はあいさつで、世界で唯一無二の海外僑胞大学である朝大が時代の要求に沿って建学の理想を実現するべく、今後10年間を最も重要な期間とみなし、▼学生数の維持・拡大を軌道に乗せて新しい飛躍の土台を築き、▼同胞大学、民族大学、国際大学の特性を活かして教育の機会を広げて国際的な教育交流を深め、▼教員の研究活動において新たな転換を起こせるよう科学研究分野で発信力を高め、▼大学の運営基盤を固めるために積極的な対策を打ち出していくことを強調した。
多彩なイベントで大盛況/「朝大から世界へ」


今後の国際大会を目指して「朝鮮大学校スポーツプロジェクト」を発表

祝祭では、朝大の教育理念・人材育成方針として掲げている「L・I・N・K・S」(リンクする、つながる)というキーワードに沿って、ゾーン別に多彩なイベントが開催された。

「花咲く民族教育、私たちの未来」をテーマにしたL(Leadership)ゾーンの中央舞台。オープニングを飾ったのは、初中高級学校、朝大の舞踊部員、卒業生ら約270人が出演した舞踊「走っていこう未来へ(달려가자 미래에로)」「私たちを見て(우리를 보시라)」。舞踊手たちは学部別に色分けされたTシャツに身を包み、同胞社会の団結力を示す華やかな演目を披露した。

つづいて東京と神奈川朝高、朝大の吹奏楽部員、卒業生ら約150人が「金日成主席に捧げる歌(김일성원수께 드리는 노래)」を合奏。会場には荘厳な旋律が響きわたった。

舞台には、朝高、朝大出身のアスリート、歌手、経営者、俳優、弁護士、公認会計士、司法書士、映画監督らが登場。学校生活での思い出話や今後の抱負について語った。大人顔負けの特技を披露したスーパーキッズ、強い意気込みがこもった各地朝高生たちの合唱も雰囲気を盛り上げた。

ともに朝大を守っていく決意をこめて全員で「万歳!」を斉唱した。

とりわけ朝大軽音楽団の団員や卒業生らが織り成したライブは会場を熱狂の渦に包んだ。同胞青年たちの間で認知度が高いオリジナル曲「一週間のカレンダー(한주일의 달력)」「チョゴリ」、またプロアーティストたちが持ち歌で圧倒的な歌唱力を見せ付け、聴衆を惹きつけた。

同胞アスリートや朝大スポーツクラブの部員らが並び立った舞台では、今後の国際大会を目指した企画「朝鮮大学校スポーツプロジェクト~チャレンジ2020」が発表された。

スローガンは、「朝鮮国旗を一番高いところに」「朝大から世界へ」。

同プロジェクトの目標は、第1に2020年の東京五輪を目指して朝大のスポーツクラブを強化すると同時に、すぐれた才能を持った各地の同胞青年たちを集めて、朝大を「国家代表選手育成の拠点」とすること。第2に東京五輪での朝鮮代表団の歓迎・応援活動、スポーツ部門の朝・日大会の開催や交流活動を進めていけるように、朝大を「同胞スポーツ活性化の拠点」にすることである。

プロジェクトリーダーである大祝祭の宋修日事務局長(朝大空手道部監督)は、民族教育の誇りである同胞アスリートたちが同胞社会を活性化し、祖国の威容を世界に轟かせるように惜しみない支援を寄せてくれるようアピールした。

フィナーレでは、多数の来場者が「統一列車が走る」の歌に合わせて会場を駆け巡り、最後に肩を組んで校歌「朝鮮大学の歌」を大合唱。「心の拠り所」である朝大のために力を尽くしていこうという洪委員長の力強いかけ声に合わせて、全員で「万歳!」を斉唱した。

このほか、Iゾーンでは写真展示会と学部別企画、Nゾーンでは総合芸術公演やオリニマダン、Kゾーンでは売店運営、Sゾーンでは同胞アスリートとの交流などが行われた。
各地の卒業生、同胞が再会/意志受け継ぎ「道しるべ」に

久々の再会を楽しむ卒業生たち

当日は各地から卒業生、同胞たちが朝大に参集した。

観光バスを貸し切って駆けつけたり、朝大卒業以来初めて母校を訪れた人も多く見られた。この機会に久しぶりに同窓会を開いた卒業生たちもいた。会場は参加者たちの笑顔であふれていた。

はるばる北海道から駆けつけた理学部出身の呉惠順さん(43)は、「朝大編入班の頃に『100日間運動』を通して一生懸命ウリマルを習った日々が忘れられない」と振り返る。級友の助けを借りながら、民族心を育んでいった大学4年間。「あの頃の経験があったからこそ現在、子どもをウリハッキョに通わせている。20年ぶりに朝大に足を運んだが同窓生と会えて喜びもひとしおだ」。

京都中高高級部3年の金守謙さんは、総合芸術公演を通して「同胞社会の未来を担っていこうとする朝大生の熱い気持ちを実感すると同時に、差別や弾圧を受けながらも1、2世の同胞たちがなぜ民族教育を守り抜こうと闘ってきたのか、その理由がよくわかった。在日朝鮮人としての使命を胸にしっかり刻んで、朝大に進学して人生観を固めていきたい」と語った。

朝青朝大委員会の金志弘委員長(政治経済学部4年)は、「朝大生の力を100%以上発揮して大祝祭を成功させることができた」と胸を張りながらも、その眼差しはすでに未来を見据えていた。

「朝大創立100周年を目指して、今後どのように次の世代にバトンをつないでいくかが重要だ。先代の同胞たちがそうであったように、まず行動を起こして後輩たちの道しるべになりたい」
28日に記念大会開催/確固たる信念を堅持


28日に行われた記念大会

28日に行われた記念大会では、益柱副議長が朝鮮民主主義人民共和国教育委員会と金日成総合大学から寄せられた祝電を紹介し、張炳泰学長が報告を行った。

張炳泰学長は、大学の全教職員たちは今後、どのような状況が行く手を阻もうとも、愛族愛国偉業の正当性と朝大の使命に対する確固たる信念を持ち、大学を発展させてきた先代や同胞たちへの義理を守り、後代に対する責任を果たしていきたいと強調した。

その後、記念芸術公演が行われ、朝大生による舞踊「創立のその日(창립의 그날)」「大学の木蘭(대학의 목란)」、合唱「我が大学が積み上げた業績世界に輝く(우리 대학 쌓은 업적 세계에 찬란하다)」のほか、教職員や卒業生らによる重唱が披露された。

講堂前の庭園では記念祝賀宴が和やかな雰囲気の中で行われた。

同日、祖国の配慮により朝大創立60周年に際して朝大の教員ら与えられた朝鮮民主主義人民共和国教授、副教授及び功勲芸術家、体育名手などの称号授与式が執り行われた。

(朝鮮新報)