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2019年6月にユン前総長が検察総長候補に指名された後、大手企業の協賛会社が従来の4社から16社に急増したことで疑惑が持ち上がった。

2021-07-05 | 韓国の検察は民主化しなければならない

韓国検察、今度はユン前総長の妻の株価操作疑惑の捜査に着手か

登録:2021-07-05 01:21 修正:2021-07-05 08:03
 
証券犯罪合同団出身などが赴任した反腐敗2部 
ユン前総長の妻の株価操作・協賛金授受疑惑を捜査 
「身内に甘い」という汚名返上の機会
 
 
2019年7月25日、ユン・ソクヨル当時検察総長(右)と妻のキム・ゴンヒ氏(中央)が、大統領府で文在寅大統領から検察総長の任命状を受ける前に、カン・ギジョン当時政務首席と話している/聯合ニュース

 ユン・ソクヨル前検察総長の義母であるC被告(75)が特定経済犯罪加重処罰法(詐欺)違反などの疑いで今月2日、懲役3年の刑を言い渡され、法廷拘束された中、ユン前総長の妻のキム・ゴンヒ氏の「ドイツモーターズ株価操作関連疑惑」などの捜査にも関心が集まっている。最近、大規模な検察人事でソウル中央地検捜査チームに金融犯罪捜査経歴の長い検事たちが合流し、ユン前総長家族をめぐる金融犯罪疑惑捜査が本格的に行われるものとみられる。

 4日、本紙の取材を総合すると、キム氏の株価操作関連疑惑や「コバナ・コンテンツ協賛金授受疑惑」を捜査中のソウル中央地検反腐敗・強力2部(チョ・ジュヨン部長)に、パク・ギテ検事とハン・ムンヒョク検事が副部長検事として2日に赴任した。ハン副部長検事は「汝矣島(ヨイド)の死神」と呼ばれたソウル南部地検証券犯罪合同捜査団で「新羅ジェン株価操作」事件などを捜査しており、パク副部長検事は同じ検察庁で企業・金融犯罪を担当した刑事6部で故チョ・ヤンホ韓進グループ会長の横領・背任捜査を担当したという。

 ソウル中央地検の反腐敗2部は、ユン前総長の妻のキム氏が関与したドイツモーターズの株価操作およびドイツフィナンシャル株式売買における特別恩恵疑惑事件を昨年末から捜査している。これらの疑惑は、ドイツモーターズのクォン・オス会長が2010~2011年に相場操作を通じて株価を操作する過程で、キム氏が株式と資金を提供し、その差益を得たというのが主な内容だ。

 
 
                                       ユン・ソクヨル前検察総長(左)と義母のC被告/聯合ニュース

 義母のC氏もドイツモーターズの株価操作疑惑事件に介入した情況が明らかになったという報道も最近出た。しかし、C被告側は立場を発表し「キム氏とC被告が株価操作に関与した事実はなく、公訴時効も成立している」とし、これらに関する疑惑を否定した。資本市場法上、株価操作の利益金が5億~50億ウォン未満の場合、時効は10年だが、キム氏が株式と資金を支援したとされる時点が2010年初めであるため、昨年時効が満了したという主張だ。しかし、株価操作の主な役割をしたA氏がドイツモーターズの株価操作と関連して2012年にも他人とIPを共有した情況を検察が確保したとされ、キム氏の株価操作関与疑惑が包括一罪(互いに異なる時点の犯罪行為を一つの罪とみなす)で処分される可能性もある。

 反腐敗第2部は、キム氏が運営する展示企画会社「コバナ・コンテンツ」の協賛金授受疑惑事件も担当している。2019年6月にユン前総長が検察総長候補に指名された後、大手企業の協賛会社が従来の4社から16社に急増したことで疑惑が持ち上がった。

 金融犯罪捜査の専門家たちが反腐敗2部に集中的に配属されたことをめぐり、法曹界内外ではユン前総長家族の疑惑をめぐる強力な捜査を念頭に置いたものとみている。検事長出身のある弁護士は「検察が徹底した捜査なしにこれら事件に結論を下した場合、“身内をかばっている”と見られかねない」とし、「検察としても今回の捜査は“身内に甘い”という汚名を返上する機会」と述べた。これまでの捜査チームがドイツモーターズの株価操作疑惑関連者への調査と家宅捜索をかなり行っただけに、新しい捜査チームが裏づけ捜査を行い、早いうちに当該事件の結論を下すものとみられる。

オク・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

2つ。オプティマス・ファンド詐欺事件に対する手抜き捜査疑惑と、ハン・ミョンスク元首相捜査チームの謀略偽証教唆疑惑事件に関する捜査妨害だ。

2021-06-13 | 韓国の検察は民主化しなければならない

ユン前検察総長の捜査に着手した公捜処…

「職権乱用容疑」で起訴の可能性は

登録:2021-06-12 06:13 修正:2021-06-12 09:54

 

オプティマス・ファンドへの手抜き捜査、ハン元首相捜査妨害の容疑 
まだ検討の段階…本格的な捜査に乗り出す可能性も
 
ユン・ソクヨル前検察総長が昨年11月末、ソウル瑞草区の最高検察庁に出勤している/ 聯合ニュース

 高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が職権乱用の疑いで告発されたユン・ソクヨル前検察総長事件の捜査に着手し、事件の処理方向に関心が集まっている。まだ公捜処の通常の告発事件の処理手続きと見られるが、今後捜査が拡大してユン前総長を召喚調査し起訴した場合、政治的波紋が大きくなるものとみられる。

 公捜処がユン前総長の職権乱用権利行使妨害の容疑をめぐって検討している事件は大きく分けて2つ。オプティマス・ファンド詐欺事件に対する手抜き捜査疑惑と、ハン・ミョンスク元首相捜査チームの謀略偽証教唆疑惑事件に関する捜査妨害だ。オプティマス事件に対する手抜き捜査の疑惑は、2019年、ソウル中央地検長だったユン前総長が、当時ソウル中央地検1次長だったイ・ドゥボン現仁川(インチョン)地検長と刑事7部長だったキム・チョル原州(ウォンジュ)支庁長に、電波振興院のオプティマス関連捜査依頼事案の捜査を積極的に行わないよう指示したことが主な内容だ。この疑惑についてユン前総長は昨年、最高検察庁に対する国政監査で「部長専決事件なので報告はなかった」と述べた。この疑惑が持ち上がってから、法務部と最高検察庁が合同監察を行ったが結論は出ず、昨年のユン前総長への懲戒請求当時も、手抜き捜査疑惑は懲戒事由に含まれなかった。

 ハン元首相捜査チームによる謀略偽証教唆事件に関する捜査妨害疑惑は、今年3月初め、最高検察庁のイム・ウンジョン監察政策研究官が、当事件の捜査途中で不当に職務から排除されたと主張したことで浮かび上がった。昨年9月に最高検察庁の監察政策研究官に異動した後、ハン元首相事件を調査したイム研究官が事件を捜査した検事を謀略偽証罪で立件しようとしたところ、ユン前総長が不当に職務から排除したという疑惑だ。これについて最高検察庁は、「ユン前総長がイム研究官にこの事件を担当させたことはない。規定により事件を監察3課に割り当てたにすぎない」と反論した。

 公捜処がユン前総長を捜査対象にしたのは、告発事件を処理する通常の手続きと見られる。これに先立ち、今年2月には「司法正義を立て直すための市民行動」がユン前総長と検事2人をオプティマス・ファンド詐欺事件の手抜き捜査疑惑で、3月にはユン前総長とチョ・ナムグァン最高検察庁次長(当時)をハン・ミョンスク元首相事件の捜査妨害疑惑で公捜処に告発した。

 公捜処が野党の有力大統領選候補に浮上したユン前総長を捜査対象としたことに対し、野党を中心に疑念の声があがっている。国民の力では「ユン・ソクヨル叩き」が始まったとし、「4カ月前に受理した告発状をいま立件するのは政治的意図がある」と反発した。しかし一方では、公捜処が野党の有力大統領選候補に挙げられるユン前総長の告発件を検討もせず捜査対象から排除すれば、公正性をめぐる議論を呼ぶ恐れがあるという反論もある。公捜処は今後、告発人調査と法務部監察調査記録などを検討し、これらの事件を本格的に捜査するかどうかを決める方針だ。

 ただ、法曹界では、公捜処がユン前総長の職権乱用容疑を立証するのは困難とみている。検事長出身の弁護士は「オプティマス事件の場合、(ユン総長が)捜査の縮小を指示したという疑惑があるだけで、事実関係は明らかになっていない」とし、「監察まで行ったのに結論が出ないことを見ると、公捜処が告発人調査だけで疑いを立証するのは難しいだろう」と述べた。首都圏の検察庁のある検事は、イム研究官の職務排除の主張をめぐり「事件の割り当ては検察総長の権限」だとし、「規定と手続きに従って事件が割り当てられたとすれば、ユン前総長に責任を問うのは容易ではないだろう」と見通した。

オク・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「予想通り長官の意見が大幅に貫かれた人事とみられる。ただ、前回の高位幹部の人事があまりにも荒っぽかったせいか、今回は組織の安定も考慮し、総長の意見も一定部分は反映されたものとみられる」

2021-06-06 | 韓国の検察は民主化しなければならない

韓国検察、高位幹部人事を内定…

新しい法務部長官のもとでも「公平人事」はなかった

登録:2021-06-05 08:23 修正:2021-06-05 12:17

 

「総長の意見を反映する『蕩平人事』というが 
予想通り長官の意見が大幅に貫かれた」 
検察改革に“友好的”な人物は要職、“ユン前総長側近”は閑職へ
 
ソウル高等検察庁長に内定したイ・ソンユン・ソウル中央地検長(左)と後任のソウル中央地検長に内定したイ・ジョンス法務部検察局長/聯合ニュース

 「予想通り長官の意見が大幅に貫かれた人事とみられる。ただ、前回の高位幹部の人事があまりにも荒っぽかったせいか、今回は組織の安定も考慮し、総長の意見も一定部分は反映されたものとみられる」

 4日に断行された検察高位幹部の人事の結果に接したある検察の中堅幹部の言葉だ。大統領府とパク・ポムゲ法務部長官が希望する方向で人事権を行使したが、すぐに内部の反発が起こるほどではないという評価だ。

 実際、今回の人事では、政府に近いと分類されるか検察改革の趣旨に比較的友好的な検事たちは、昇進したり主要な補職に異動した。ユン・ソクヨル前検察総長の側近に分類されるか与党の関連捜査で対立的な立場を示した検事たちは、捜査と関係ないポストに配置されたり、主要事案のない検察庁に転捕された。検察内部では、キム・オス検察総長が要求した「蕩平人事」(派閥によって分けず能力によって人事を決めること)と評価するには不十分だという反応が出ている。

 イ・ソンユン・ソウル中央地検長がソウル高等検察庁長に昇進したのが象徴的だ。キム・ハグィ元法務部次官の違法出国禁止事件で起訴されたため、「高検長に昇進したとしても、捜査と関係のない法務研修院長に異動するだろう」という見通しもあったが、結果的に大きな打撃は与えられず栄転した形となった。

 最も注目が集まったソウル中央地検長にイ・ジョンス法務部検察局長が抜擢されたのは、組職内の反発や世論などを考慮に入れたものと分析される。イ局長は現政府の検察改革基調に歩調を合わせながらも、候補に挙がっていたシム・ジェチョル・ソウル南部地検長、キム・グァンジョン・ソウル東部地検長よりも政治的に偏っているとの非難が少なかった人物だ。ただし、シム地検長は中核とされるポストに留まり、キム地検長も水原(スウォン)高検長に昇進したため、彼らも今回の人事の恩恵を受けた方に分類される。

 チョ・グク元法務部長官時代に報道官を務めたパク・ジェオク清州(チョンジュ)地検次長検事と、チュ・ミエ前法務部長官時代に報道官を務めたク・ジャヒョン・ソウル中央地検3次長検事も、それぞれ水原(スウォン)高検次長検事、法務部検察局長に昇進した。パク・ポムゲ長官の参謀だったシム・ウジョン法務部企画調整室長はソウル東部地検長に、ユン・ソクヨル前総長の懲戒を主導したイ・ジョングン最高検察庁刑事部長はソウル西部地検長に席を移した。

 一方、ユン前総長の側近と分類された人々は大方が閑職や主要事件のない所に異動となった。法務研修院のハン・ドンフン研究委員は今回も司法研修院の副院長を務めることになった。検事長級の補職ではあるが、捜査とは関係のない地位だ。やはり側近とされるユン・デジン司法研修院副院長は法務研修院企画部長に、パク・チャンホ済州(チェジュ)地検長は光州(クァンジュ)地検長に席を移した。原発捜査を指揮したイ・ドゥボン大田(テジョン)地検長は仁川(インチョン)地検長に転補された。

 人事結果を巡る評価はやや割れている。検事長出身のある弁護士は「組職安定のためにはある程度バランスの取れた人事が必要だったが、キム検察総長の意見が多くは反映されなかったようで残念だ」と述べた。一方、別の検察出身関係者は「人事権者の立場としては、ユン総長の側近や政権と対立して無理な捜査を進めたと評価される人たちを『蕩平人事』という名目のもと要職に配置することはできなかっただろう」とし、「代わりに地域と期数、能力などを考慮した人事も目立つ」と評価した。ムン・ムイル総長時代に最高検察庁報道官を務め、正統派の「特殊通」として名の知られたチュ・ヨンファン法務研修院龍仁(ヨンイン)分院長を要職の法務部企画調整室長に抜擢したのが代表的だ。同関係者は「組織安定のためには、今後も続く中間幹部人事の方が重要だ。もう少し見守る必要がある」と付け加えた。

 一方、今回の人事では法務部が予告した通り、人事停滞を解消するための高検長に対する「弾力的人事」も行われた。カン・ナムイル大田高検長やク・ボンソン光州高検長などは、第一線の検事長級が行く法務研修院の研究委員に転補され、事実上の降格となった。高検長を検事長級の補職にしたケースは初めてだ。最近まで検察総長代行を担っていたチョ・ナムグァン最高検察庁次長検事も、閑職とされる法務研修院長に異動する。

 この日の高位幹部人事に続き、高検検事級(次長検事・部長検事級)の中間幹部人事も来週中に行われるとみられる。中間幹部人事では、主な事件の捜査チームを交代させるかどうかがカギとなる。法務部は人事に先立ち、検察組織改編案が盛り込まれた「検察庁事務機関に関する規定」の改正案を、来週予定されている閣議に提出するものとみられる。大統領令の「検事人事規定」によると、高検検事級の検事(中間幹部)の必須補職期間は1年となっている。ただし、職制改編などが行われた場合、例外的に必須補職期間に関係なく人事が可能だ。「月城(ウォルソン)原発1号機の経済性評価操作疑惑」を捜査中のイ・サンヒョン大田地検刑事5部長、キム・ハグィ元法務部次官の違法出国禁止疑惑に関して捜査中のイ・ジョンソプ水原地検刑事3部長とピョン・ピルゴン・ソウル中央地検刑事1部長は、いずれも昨年8月27日に中間幹部人事で補職され、必須補職期間満了まであと2カ月ほど残っている。組織再編案が可決されれば、彼らも同様に交替させられる可能性があるとみられる。

ソン・ヒョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

裁判所は22日を執行停止申立て事件の審問期日に決めた。今後のシナリオはおよそ三つに絞られる。??

2020-12-19 | 韓国の検察は民主化しなければならない
[記者手帳]
停職2カ月の韓国検察総長の前に置かれた3つのシナリオ

登録:2020-12-19 06:23 修正:2020-12-19 08:27


[土曜版]来週の質問

      

文在寅大統領(中央)は今月16日、チュ・ミエ法務部長官(左)が要請したユン・ソクヨル検察総長(右)に対する「停職2カ月」の懲戒案を裁可した。ユン総長は17日、ソウル行政裁判所に懲戒の取り消し・執行停止を求める訴訟を起こした/聯合ニュース

 「停職3カ月以下ならユン・ソクヨルの判定勝ち、5カ月以上ならチュ・ミエの判定勝ち、解任ならばユンのKO負け、嫌疑なしはチュのKO負け」

 自分の政治的スタンスを「合理的進歩」とするある法科大学院教授(弁護士)は、ユン・ソクヨル検察総長への懲戒が決まる前、勝敗をこのように予測した。言われてみれば、確かにそうかもしれないと思った。チュ・ミエ法務部長官が懲戒を請求し、チュ長官自ら委嘱・指名した懲戒委員が懲戒を決定した点や、残り7カ月のユン総長の任期などを考慮すると、停職3カ月以下となれば、事実上チュ長官の「判定負け」に近いからだ。

 結論は「停職2カ月」。1年間続いた争いがこれで幕を下ろしたわけだが、チュ長官の主張に正当性を持たせるには物足りない結果だった。「深刻で重大な不正の疑い」で「監察結果の報告を受け、言葉では言い表せない衝撃を受けた」とし、ユン総長の職務を停止し懲戒を請求した彼女の発言を裏付けるものではなかったわけだ。法曹関係者らは「重要な懲戒事由だった『判事査察』など、見出しに釣られた気がする」と語った。

 懲戒委の決定が出た16日、チュ長官は突然辞意を表明した。チュ長官はわずか3時間前、「3大権力機関」による合同ブリーフィングで、「私は検察事務の最高監督者である法務部長官として、長い間解決できなかった検察改革の召命を果たし、検察が国民から信頼される公正な機関に生まれ変わるよう、これからも最善を尽くすことを国民の皆さんに約束する」と述べ、“未来”を語っていた。検察内でも「誰も予想できなかった時期の辞任」という反応が出た。「不倶戴天の宿敵」チュ・ミエ長官は去るが、少なくとも5カ月の総長職を保障されたユン総長に勝機が傾いたと言う検事もいた。

 勝者と敗者、勝敗の濃度が変わる余地は残っている。ユン総長は17日夜、ソウル行政裁判所に懲戒に不服として訴訟を起こし、執行停止を申し立てた。懲戒決定直後、「任期制総長を追い出すための違法かつ不当な措置」だとし、「検察の政治的中立性と独立性、法治主義が深刻に損なわれたため、憲法と法律に基づいて過ちを正す」と述べた彼の意志が反映された動きだ。

 これは単なる法廷闘争を超え、政治的リスクまで甘受する戦いだ。「停職2カ月」の懲戒案を裁可する際、「検察総長の懲戒をめぐる混乱を一段落させ、法務部と検察の新しい出発を期待する」と述べた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と対立する格好になったためだ。大統領府は「訴訟の被告は法務部長官だ」として、対決構図を避けようとするが、懲戒請求者であるチュ長官が去った今、訴訟の相手は懲戒執行者である文大統領にならざるを得ない。検事出身の弁護士は「ユン総長がミドル級チャンピオン(チュ長官)を通り越して、ヘビー級チャンピオン(文大統領)に挑戦した」と表現した。

 裁判所は22日を執行停止申立て事件の審問期日に決めた。今後のシナリオはおよそ三つに絞られる。第一に、懲戒の手続きで防御権が十分保障されなかったため、ユン総長が有利だという意見がある。裁判所が近いうちに執行停止申立てを認容した場合、ユン総長は再び職務に復帰する。本案訴訟が確定するまでは長い時間がかかるため、来年7月までの任期を完全に全うできる。彼の復帰で懲戒が無意味になれば、これを裁可した文大統領への打撃が大きくなる。与党が反発している「月城(ウォルソン)原発1号機経済性操作」事件の捜査などにも弾みがつくものとみられる。ユン総長が強調した「生きた権力の捜査」の流れがさらに強まる可能性がある。ユン総長側が望んでいるシナリオだ。

 第二に、執行停止申立てが却下された場合だ。検事懲戒法によって懲戒委を経て大統領まで裁可した懲戒事案に裁判所がブレーキをかけるのは難しいと予想する人もいる。そうなれば、ユン総長への懲戒が正当だったという世論とともに、与党によるユン総長への辞任圧力も強まるものとみられる。新任の法務部長官が検察人事を断行し、2カ月後に復帰したユン総長の立場をさらに狭めることも考えられる。

 第三のシナリオは、ユン総長が自ら辞任することだ。こうなると、文在寅政権の弾圧に立ち向い、去った検察総長として記憶されうる。支持率もさらにあがる可能性があり、政界進出の可能性も高くなる。しかしユン総長は、チュ長官が試みた「心中作戦の被害者」という考えが強く、同時に退陣する可能性は全くないという。

 そのようにしてミドル級を通り越して、ヘビー級チャンピオンを相手にしたユン総長の挑戦は続く。最後の勝者となるのは誰だろうか。
//ハンギョレ新聞社 
オク・キウォン法曹チーム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

作家らは声明で「これまで検察は国家機関の中でも最も“政治的な”集団の一つとして、支配権力に寄生し続けてきた。起訴独占権と令状請求権を独占し、法を自らの利害関係に合わせて適用してきた検察に、

2020-12-19 | 韓国の検察は民主化しなければならない
韓国の作家654人、検察権力の解体を求め声明
「検察は支配権力に寄生する集団」

登録:2020-12-18 09:32 修正:2020-12-18 09:59

「法を自分たちの利害関係によって適用してきた 
検察に検察改革を要求するのは幻想」 
公捜処の速やかな設置とユン総長の辞任を要求

      

ソウル瑞草区の最高検察庁を多重露光技法で撮影=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の作家654人が、検察権力の解体を求める声明を発表した。

 クォン・ヨソン、キム・ヨンテク、パク・ミンギュ、アン・ドヒョン、イム・ホニョン、チャン・ソクナム、チョン・チャン、ハム・ミンボクら作家654人は17日、「検察権力の解体を求める作家声明」を発表し、高位公職者捜査処(公捜処)の速やかな設置とユン・ソクヨル検察総長の辞任、市民検察制の推進などを要求した。

 作家らは声明で「これまで検察は国家機関の中でも最も“政治的な”集団の一つとして、支配権力に寄生し続けてきた。起訴独占権と令状請求権を独占し、法を自らの利害関係に合わせて適用してきた検察に、検察の『独立』や『中立』を語る資格はない」とし、「検察は反省と省察をまずすべきだ。その点でユン・ソクヨル検察総長は自ら辞任すべきだ」と主張した。

      

ソウル瑞草区の最高検察庁/聯合ニュース

 作家らはまた「検察改革は時代的召命」であり「検察改革の主体は政権ではなく国民でなければならない」とし、「検察改革、いや司法改革を支える市民委員会の設置を司法監視機構として制度化し、地方検察庁の検事長も市民が直接投票で選出」するなど「市民検察制を漸進的に推進してこそ、検察の腐敗と人権弾圧を監視することができる」と主張した。

 作家らは声明で「現代の民主国家で、すべての権力機関に対して『市民の参加と監視』を要請することは民主主義の基本理念」だとし「検察改革、検察権力の解体は主権者である国民の命令」だと強調した。

 作家声明には、ク・ジュンソ、ヨム・ムウン、イ・ギョンジャ、イ・サングク、イ・シヨン、チョン・ヒソン、ヒョン・ギヨンなど前・現職の韓国作家会の理事長をはじめ、キム・ミョンイン、キム・ウンギ)、キム・ジュデ、リュ・ボソン、ソ・ヨンチェ、シン・チョルギュ、イ・ジェム、イ・ジョンロク、チョン・ウヨン、チョン・イルグン、チョ・ヨンミ、ハ・ソンラン、ハ・スンウォン、ハム・スンレなどの文壇人らが参加した。
チェ・ジェボン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

懲戒権者であるチュ・ミエ長官が辞任の意思まで明らかにしたのに、被懲戒者であるユン総長が行政訴訟を起こすのは、高位公職者の取るべき態度ではないというのだ。

2020-12-18 | 韓国の検察は民主化しなければならない
韓国、懲戒を不服とした検察総長の法廷闘争に悩み深まる大統領府 
登録:2020-12-18 06:27 修正:2020-12-18 07:28

      

文在寅大統領が今月17日、ソウル中区の大韓商工会議所で開かれた「2021年経済政策方向報告」のための拡大国民経済諮問会議を主宰している/聯合ニュース

 「ユン総長が行政訴訟を起こしても、大統領府がそれについて立場を表明する理由はない」

 ユン・ソクヨル検察総長が懲戒を不服として行政訴訟を起こすとの報道に対し、大統領府の主要関係者は17日、記者団にこう語った。ユン総長が訴訟を起こす場合、被告は懲戒案を裁可した文在寅(ムン・ジェイン)大統領ではなく、懲戒を推薦したチュ・ミエ法務部長官であるため、大統領府が反応を示す事案ではないということだ。チュ長官の辞意表明後、「ユン・ソクヨル対文在寅」の戦線が形成される状況を非常に警戒しているものと見られる。

「ユン・ソクヨル対文在寅」の構図を非常に警戒

 しかし、平常心を装っているものの、不快感を抑えきれない様子だ。一部では「ユン総長が一線を越えている」という声まであがっている。懲戒権者であるチュ・ミエ長官が辞任の意思まで明らかにしたのに、被懲戒者であるユン総長が行政訴訟を起こすのは、高位公職者の取るべき態度ではないというのだ。明示的な表現はなかったが、事実上「統治権に対する挑戦」と受け止める雰囲気も読み取れる。文大統領が前日、「検察総長の懲戒をめぐる混乱を一段落させ、法務部と検察の新たな出発を期待する」と述べた際、ユン総長の自粛はもちろん、辞任をも期待する統治権者の望みが込められていたが、ユン総長が法廷闘争に乗り出し、それを裏切ったということだ。

 大統領府内外では、文大統領がユン総長に送れるシグナルはすべて送ったと見ている。カン・ギジョン元大統領府政務首席秘書官は同日、文化放送(MBC)のラジオ番組でのインタビューで、「これからはユン・ソクヨル総長が任命権者である大統領と争わなければならないが、本当に大統領と争い続けるのかという点について、ユン総長が選択しなければならない問題だ」と述べた。また別の関係者は、「同時辞任の要求が強かった状況で、片側が進退を決めたわけだから、もう一方も決断を下した方が良い。ボールはユン総長に渡っている」と述べた。

大統領府でもユン総長の辞任を期待するのは少数

 ただし、大統領府内部でもユン総長の辞任を予想する人は多くない。ユン総長が意図したにせよ、そうではないにせよ、「行き過ぎてしまった」からだ。大統領府の関係者は、「停職2カ月で問題が決着したとは考えていない」と述べた。ユン総長が「進退を決めるにしても、裁判所の判断を受けて名誉を回復した後にする」と踏ん張れば、大統領府には対応するカードが残されていない。大統領府内では、「チュ長官が辞任すれば、ユン総長も辞任の圧力に耐えられないだろう」と予想したこと自体が、ユン総長の性格を見誤ったものという声もあがっている。その程度で退くユン総長ならば、状況をここまで悪化させなかっただろうという話だ。
イ・ワン、ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

文大統領が懲戒を裁可した同日午後6時30分、職務停止となったユン総長は、チュ長官の辞意表明により、辞任を迫られるものとみられる。

2020-12-17 | 韓国の検察は民主化しなければならない
文大統領「検察総長、停職2カ月処分」を裁可…
懲戒進めた法相は辞意表明

登録:2020-12-17 06:45 修正:2020-12-17 09:18


検察総長の懲戒裁可した文大統領 
「前代未聞の事態、国民に非常に申し訳ない」 
政治的負担は依然として残る 
チュ長官は辞意で“退路”開く 
 
ユン総長「そのまま訴訟進める」 
辞任しない意思を明らかに



文在寅大統領が昨年7月25日、大統領府で新任のユン・ソクヨル検察総長に任命状を授与している=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が16日、ユン・ソクヨル検察総長に対する「停職2カ月」の懲戒を裁可した。チュ・ミエ法務部長官は同日、法務部検事懲戒委員会(懲戒委)の決定内容を報告した直後、文大統領に辞意を表明した。ユン総長が懲戒委決定後に不服訴訟を予告するなど、事態が長期化することを防ぐための政治的選択だ。文大統領が懲戒を裁可した同日午後6時30分、職務停止となったユン総長は、チュ長官の辞意表明により、辞任を迫られるものとみられる。

 チョン・マンホ大統領府国民疎通首席は同日午後のブリーフィングで、「文大統領が午後、法務部長官から検察総長に対する懲戒委員会の懲戒議決内容に関する要請を受け、これを裁可した。検事懲戒法によって法務部長官が懲戒要請をすれば、大統領は裁量なく懲戒案をそのまま裁可し執行することになる」と述べた。文大統領は「検察総長の懲戒という前代未聞の事態になったことを任命権者として重く受け止めている。国民に非常に申し訳ない」とし、「検察を立て直すきっかけになることを願う。検察総長に対する混乱を一段落させ、検察と法務部の新たな出発を期待する」と述べたという。

 文大統領はさらに「チュ長官の推進力と決断がなければ、公捜処と捜査権対応をはじめ権力機関の改革が不可能だっただろう。時代が与えた任務を忠実に全うしたことに対し、非常に感謝している」とし、「チュ長官本人の辞意表明と進退表明を受け、熟考して受け入れるかどうかを判断する」と述べた。

 文大統領がユン総長の懲戒処分とチュ長官の辞意表明を同時に発表したのは、二人の軋轢で1年間続いた混乱を一気に終わらせるためといえる。懲戒の過程と手続きの欠陥などでチュ長官に対する批判世論が高まる中、ユン総長を懲戒すれば世論の逆風にさらされるという判断も働いたものと見られる。

 これに先立ち、ユン総長は同日未明、懲戒委員会の決定直後に「任期制の検察総長を追い出すための違法な手続きと実体のない事由を掲げた不法かつ不当な措置」だとして、法廷闘争を予告した。ユン総長の不服訴訟の対象は、最終的に裁可権者である文大統領になる。任命権者と検察総長が法廷闘争を繰り広げれば、文大統領と与党全体にとってはかなりの政治的打撃になりかねない。大統領が自ら任命した長官と総長の衝突を放置し、何の政治的決断もしないという批判も高まっている状況だった。結局、チュ長官の辞任だけがこのような状況を打開できる唯一の突破口だった。

 最近、公捜処法改正案が成立し、ユン総長の懲戒が事実上終了したのも文大統領の負担を軽くしたといえる。チュ長官に長官として成果を出して辞任する名分を与えることができると考えたのだ。文大統領が同日、「推進力」や「決断」などに触れ、「チュ長官がいなければ、捜査権調整など権力機関の改革は不可能だっただろう」と高く評価したのも、チュ長官に退路を開くための配慮と思われる。にもかかわらず、文大統領としては結果的に自分が任命した検察総長を懲戒することになり、少なからぬ政治的負担を抱えることになった。

 チュ長官の辞意表明で、ユン総長も頭を抱えることになった。これまではチュ長官が手続きなど様々な面で劣勢だったため、ユン総長の選択や発言などが相対的に説得力を持った側面があった。しかし、チュ長官が退くことで、ユン総長も辞任を迫られることになった。懲戒委の決定からも分かるように、ユン総長にも少なからぬ非があり、チュ長官との軋轢が招いた混乱の責任を免れないからだ。検察組職全体を統率すべき総長として「停職2カ月」という時間も負担になる。

 ユン総長側は同日、チュ長官の辞意表明が伝えられた後、「辞意表明とは関係なく訴訟は進める」と方針を明らかにした。チュ長官が退いても自ら辞任することはないと釘をさしたわけだ。与党と政治家出身の長官が検察総長の自分に不当にかぶせた不名誉を、裁判所の判断で解消する必要があると考えたかもしれない。

 ただ、ユン総長が文大統領に対して起こした訴訟を最後まで維持できるかは不透明だ。ユン総長の言動は、自らの否定にもかかわらず、政治的評価の領域に深く入り込んでいる。法曹界のある関係者は「大統領府はこれまで職務停止や監察、懲戒の過程で、チュ長官の決定に介入しなかったという点を強調しており、実際、これまでの行き過ぎた措置はチュ長官が独自で推し進めた側面があった」とし、「非難を一身に受けていたチュ長官が去った状況で、ユン総長が大統領を相手取って訴訟を続ける名分が弱い側面がある」と指摘した。しばらくユン総長の選択に注目が集まる見通しだ。
イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

公捜処をめぐる政界の対立などを意識したかのように、公捜処法が完成するまでの歴史的過程を説明しつつ公捜処の正当性を強調する一方、「公捜処は独裁のための手段」と主張する野党の主張にも反論した。

2020-12-17 | 韓国の検察は民主化しなければならない
文大統領「公捜処、全能の検察を牽制…
怪物組織ではない」

登録:2020-12-16 03:32 修正:2020-12-16 08:54


15日の国務会議で権力機関改革法を公布 
公捜処の歴史的正当性などを強調

      

文在寅大統領が15日午前、大統領府で映像による国務会議を主宰している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日の国務会議で、改正高位公職者犯罪捜査処(公捜処)法、国家情報院法、警察庁法などを公布し、「民主主義の長年の宿願だった権力機関改革の制度化がいよいよ完成された」と評価した。特に文大統領は「公捜処は検察に対する民主的統制手段として大きな意味を持つ」とし、公捜処の正常な発足に対する期待を示した。

 文大統領は15日午前、大統領府と政府ソウルおよび世宗(セジョン)両庁舎を画像でつないだ国務会議で、権力機関改革法を公布するにあたって、同法が「すべての権力機関が牽制と均衡の原理によって作動し、ひたすら国民に仕える国民の機関として生まれ変わるための礎となる」と所感を述べた。また、大統領選挙での最重要公約だった権力機関改革に、制度的な裏付けが得られたことについて「まさに歴史的なこと」と自評した。

 文大統領はこの日、「公捜処は権力機関改革の核心」と表現し、公捜処発足の基礎が築かれたことの意味を特に強調した。公捜処をめぐる政界の対立などを意識したかのように、公捜処法が完成するまでの歴史的過程を説明しつつ公捜処の正当性を強調する一方、「公捜処は独裁のための手段」と主張する野党の主張にも反論した。

      

2003年に盧武鉉大統領が検事たちと対話する様子=資料写真//ハンギョレ新聞社

 文大統領は「1996年の全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)両政権の秘密資金事件」を契機として、市民団体が立法請願書を提出したことで公捜処論議が始まったものの、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権で立法化が実現しなかったことに言及した後、「私も先の大統領選においてだけでなく、2012年の大統領選でも公捜処を公約した。その時にでも公捜処が設置されていたなら、朴槿恵(パク・クネ)政権の国政壟断はなかったかもしれない」と語った。国民の力の前身であるハンナラ党も、公捜処を2004年の総選挙の公約として掲げていたことまで指摘しつつ、「公捜処は理念や党派の問題ではない」とも述べた。

        

2017年5月、朴槿恵前大統領がソウル中央地裁417号大法廷に入廷する様子=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 文大統領はまた「公捜処は独裁のための手段だという主張すら行われている」とし「政権の権力型不正に対して過ちを正す刀をもう一本作るというものなのに、これがどうして独裁と結びつけられるのか常識的に理解しがたい」と述べた。現政権が公捜処を掌握し、野党を弾圧するなど、政治的に利用するという野党の主張に真っ向から反論し、権力機関改革という国政課題の意味が損なわれることを防ごうとしたものとみられる。

 文大統領は、野党の拒否権を無力化する内容を含む公捜処法改正案を与党が強行処理したことに対する反発などを考慮したかのように、検察の牽制という公捜処の役割の重要性を重ねて強調した。チュ・ミエ法務部長官とユン・ソクヨル検察総長の対立などの懸案については、直接の言及は避けたものの、検察を「聖域」「全能の権限」と表現し、統制の必要性を強調したことも注目される。

 文大統領は「検察はこれまで全能の権限を持ちながらも、自らの過ちに対しては責任を取らず、責任を問う手段もない聖域となっていた」とし「公捜処は、検察内部の不正と過ちに対しても厳正に責任を問える制度的装置となりうる」と述べた。文大統領は「公捜処は、検察権を弱体化させる怪物のような組織ではない。検察の強大な権限は韓国社会の正義を守る力となりうる」と述べつつも「国民は検察の権限にも牽制が必要だと考えているに過ぎない。そのことを検察も受け入れてくれることを願ってやまない」と述べ、検察の省察も求めた。

 文大統領はこの日、「公捜処は何よりも政治的中立が命」と述べ、政界と検察、メディアと市民社会による監視も訴えた。
イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

過半数になった瞬間、ユン総長に有利な量定で決めた」と述べた。 ユン総長に対する懲戒は、チュ・ミエ法務部長官の要請で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の裁可を通じて実行される。

2020-12-16 | 韓国の検察は民主化しなければならない
韓国検察総長「停職2カ月」決定…判事に対する査察など4つの嫌疑認める
登録:2020-12-16 07:55 修正:2020-12-16 08:19


懲戒委、徹夜議論の末、午前4時に議決 
チョン・ハンジュン懲戒委員長「嫌疑6件のうち4件を認める」 
(1) 裁判部査察疑惑文書の作成及び配布 
(2) チャネルA事件に関する監察妨害 
(3) チャネルA事件に関連の捜査妨害 
(4)政治的中立の毀損

       
     
ユン・ソクヨル検察総長がソウル瑞草区の最高検察庁に出勤している/聯合ニュース

 韓国法務部の検事懲戒委員会(懲戒委)が、ユン・ソクヨル検察総長の停職2カ月を議決した。ユン総長の懲戒を議論するため15日午前10時30分に召集された懲戒委は、5人の証人尋問の後、午後7時50分に審議を終え、翌16日午前4時頃、ユン総長の懲戒レベルを決定した。

 懲戒委員長であるチョン・ハンジュン韓国外国語大学教授と懲戒委員であるアン・ジン全南大学教授、イ・ヨング法務部次官、シン・ソンシク最高検察庁反腐敗強力部長は、15日午後9時9分から約7時間の討論の末、ユン総長の懲戒処分を結論づけた。懲戒委は、ユン総長の懲戒請求事由のうち、主要事件に関する裁判部の査察文書の作成・配布▽「チャンネルA」事件に関する監察の妨害▽「チャンネルA」事件に関する捜査の妨害▽政治的中立に関する不適切な言動などの4件に対し懲戒事由が認められると判断した。 マスコミ社主との不適切な交流と、監察に関する協力義務違反など監察拒否の2つの事由については、「懲戒事由があるが、懲戒事由としない方が妥当だと認められ、検事懲戒法により不問と決定した」と明らかにした。「チャンネルA」事件の監察に関する情報流出と、ハン・ミョンスク元首相事件の監察に関する監察妨害は、証拠不足で嫌疑なしと決定した。

懲戒委は前日、京畿道果川市(クァチョンシ)の法務部庁舎で、「判事査察」疑惑文書の作成など懲戒事由についての証人尋問を終え、深夜に討論を行なった後、この日午前4時ごろ結論を下した。チョン・ハンジュン懲戒委員長は会議を終えて取材陣に対し「内容をめぐって一致せず、一致するまで討論し続けた」とし「解任(意見)から始まりかなり長い時間討論した。さまざまな意見があったが、過半数になった瞬間、ユン総長に有利な量定で決めた」と述べた。 ユン総長に対する懲戒は、チュ・ミエ法務部長官の要請で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の裁可を通じて実行される。
オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国検察総長、停職2カ月の背景…
検察内部からは「決まっていた結末」と批判

登録:2020-12-16 09:43 修正:2020-12-16 09:55


与党で噂が流れた「停職処分」そのまま現実化

      

国会法制司法委員会の国政監査に出席したユン・ソクヨル検察総長とチュ・ミエ法務部長官=写真・共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国法務部の検事懲戒委員会(懲戒委)が、ユン・ソクヨル検察総長に対し停職2カ月を議決した。政界から出ていた「免職や解任よりは停職だろう」という予測が実際になされ、検察では停職処分が事実上決まっていたことではないかという批判が出ている。

 16日、懲戒委は「ユン総長を停職2カ月に処すと議決した」とし、「懲戒請求事由の6件のうち4件は懲戒事由として認められるとみなした」と明らかにした。懲戒委の説明を総合すると、懲戒委員らが前日の午後9時頃から解任や停職6カ月、停職4カ月などをめぐって議決定足数である過半数を超えるまで討論し、停職2カ月の処分が過半数を超えたことで、ユン総長に「有利な量定」で決めたという。停職は戒告、減給、停職、免職、解任のうち3番目に重い懲戒処分であり、法務部長官の提請(決定要請)によって大統領が裁可をすれば効力が発生する。停職になると検察総長職は維持するが、職務が停止されて捜査指揮権を行使できず、2カ月間は事実上「解任」と同じ位置に置かれる。ユン総長の残りの任期は来年7月までだ。

 これによって、与党では停職処分が世論と検察の反発を抑えつつユン総長を捜査に関与しないようにする“妙案”という話が出ていた。現在、検察は、月城(ウォルソン)原発の捜査とオプティマス関連の政・官界ロビー疑惑の捜査などを進めている。共に民主党のソル・フン議員は14日、CBSラジオで「野党を支持する国民も多いではないか。その方たちを考えれば解任よりは停職にする場合もあるだろう」と述べた。ただ、チョン・ハンジュン懲戒委員長職務代行は「(大統領府や法務部長官からの)オーダーのようなものは全くない」と強調した。

 法曹界では、停職処分が今後の訴訟のための懲戒委の戦略だという分析も出ている。停職期間のうち一番長い6カ月や、レベルがもっと強い免職や解任は、裁判所の執行停止訴訟で負ける可能性があるからだ。法務部側としては、法廷で任期が残り7カ月のユン総長に対して停職2カ月は損害の程度が大きくないという論理を展開していくことができる。これに先立ち、ユン総長はチュ長官の職務排除命令に対する仮処分訴訟で「回復できない損害」が発生したと主張し、裁判所がこれを「一部認容」したことで業務に復帰することができた。

 ユン総長は停職の効力を止めさせられる執行停止申立てと、本案である懲戒取り消し訴訟を同時に提起する予定だ。ユン総長側はこの日、「任期制の検察総長を追い出すために違法な手続きと実体のない事由を掲げた不法・不当な措置」だとし、「憲法と法律に定められた手続きによって過ちを正す」と明らかにした。

 検察内部では「結果があらかじめ決まっていた懲戒委」という批判が殺到した。在京地検のある検事は「チュ・ミエ法務部長官が先月ユン総長を懲戒請求した時から予告された結末ではないか」とし「検察・警察捜査権の施行から重要な捜査まで、総長なしにまともに動くか分からない。結局、政権の思い通りに動くようだ」と批判した。清州(チョンジュ)地検のチョン・ヒド部長検事は14日、検察の内部ネットワークに「停職という結論が出る可能性が最も高い。停職の後は公捜処(高位公職者犯罪捜査処)の検事を動員して、何としてもユン総長を起訴するだろう」とし、「懲戒委の人的構成などを見れば、ただ聞き流せる噂ではない」という内容の書き込みを上げた。
ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

「法学者として事実関係と法理を通じてのみ決定する」と述べた。

2020-12-13 | 韓国の検察は民主化しなければならない
[インタビュー]
韓国検察総長の懲戒委委員長「法学者として法理だけで懲戒を判断」

登録:2020-12-12 10:58 修正:2020-12-12 12:11


韓国外国語大学法学専門大学院のチョン・ハンジュン教授 
「李明博政権でも法務部で委員として活動 
現政権は偏っている? 納得できない」

      

検事懲戒委員会委員長を務めるチョン・ハンジュン韓国外大法学専門大学院教授が、10日に開かれたユン・ソクヨル検察総長に対する検事懲戒委員会の終了後、政府果川庁舎を後にしている/聯合ニュース

 ユン・ソクヨル検察総長の懲戒問題を審議中のチョン・ハンジュン法務部検事懲戒委員会委員長(韓国外国語大学法学専門大学院教授)は11日、ハンギョレのインタビューで、「法学者として事実関係と法理を通じてのみ決定する」と述べた。これに先立ち、ユン総長側は10日に開かれた懲戒委の会議で、チョン委員長の検察過去事委員会での活動前歴を理由に「公正な審議を期待できない」とし、忌避申立てをしている。また、今年8月の国会でのセミナーで「検察改革の最大の抵抗勢力は特捜部だ。特捜部出身のユン総長があのように抵抗するのは、前官礼遇という枠で見れば十分理解できる」という発言も問題だと指摘した。しかしチョン委員長は「委員会の活動は前の政権の下でも行っていた」とし「公正な結果を見守ってほしい」と述べた。以下、一問一答。

-検察総長の懲戒を決定する難しいポストだが、懲戒委員(長)を引き受けることになった理由は。

「私でなくても、誰かは引き受けなければならないポストだった。法学者として今回の事案を公正に判断できると考え、受諾した」

-ユン総長に対して公に批判したことについて、ユン総長側の弁護団が公正性に対する疑義を提起しているが。

「マスコミが私の過去の(ユン総長に対する)批判発言を問題視しているが、発言は発言にすぎない。一部の発言だけを選んで歪曲しようとしているのかも知れない。私は李明博(イ・ミョンバク)政権の時も法務部女性政策審議委員会の委員として活動している。現政権に偏向的という言葉は納得できない」

-懲戒委でシム・ジェチョル法務部検察局長が忌避申立てを棄却させた後「回避」したのは小細工だという批判が出ている。

「ユン総長側の弁護団が、事実上委員会の進行が不可能なほど3人、2人、個人に対して忌避申立て事由をそれぞれ分けて忌避申立てしたことが問題ではないか。そのように問題を挙げたら懲戒委員になれる人は誰もいない」

-これから懲戒委員会の進行で、どのような部分に重点を置くのか。

「ユン総長側に最大限反論権を保障しようと思う。もともと初審議の翌日である11日に2次審議をしようという意見もあったが、ユン総長側で確認しなければならない監察記録が多いとしたため、15日に期日を延期した。昨日から懲戒委の記録を閲覧できるようにし、次の期日まで弁護団が記録を閲覧できるようにした」

-15日には懲戒決定が出るのか。

「まだ決まっていない。ユン総長側に十分な反論権を与えようという考えだ。ユン総長側が申請した証人7人を採択し、委員会職権でシム・ジェチョル検察局長を採択した。証人の話を十分に聞いて懲戒事由を判断する。法学者として事実関係と法理を通じてのみ問題を判断しようと思う。公正な結果を出すまで見守ってほしい」
オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )