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両国は、朝鮮戦争を終息する象徴的な平和宣言に署名し▽北朝鮮は朝鮮戦争当時死亡した米軍の遺骨の追加送還に同意し・・・

2019-02-28 | 米朝首脳会談
米メディア
寧辺閉鎖の見返りに部分的制裁緩和など4項目の暫定合意

登録:2019-02-28 08:37 修正:2019-02-28 09:31


「ハノイ声明」に盛り込まれる内容とは 
 報道  
「平和宣言・米軍遺骨の追加送還 
両国に連絡事務所の設置などに同意」 
 
複数の韓国政府筋 
「大体正確に反映」と確認 
非核化-制裁緩和の相応の措置のレベルは 
「最終的には両首脳が決める」可能性高い 


          
ドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員長が今月27日夜、第2回朝米首脳会談会場であるベトナム・ハノイのメトロポールホテルで、笑顔で握手を交わしている=ハノイ/AFP聯合ニュース

 28日に行われる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員とドナルド・トランプ米大統領の“談判”に、世界の注目が集まっている。朝米の実務交渉では、非核化と関係正常化の大きな枠組みを提示した昨年のシンガポール共同声明の具体化に向け、一部意見の隔たりが埋められたという。ただし、最終的な決断は、昨年のシンガポール首脳会談同様、金委員長とトランプ大統領にかかっており、「ハノイ共同声明」の実際の内容はふたを開けてみなければわからないものと見られる。

 両首脳は26日、ベトナムのハノイに到着した後、これまでスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表とキム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表が率いてきた実務交渉内容の報告を受けたものと見られる。ビーガン特別代表とキム特別代表は21日からハノイで5日間、毎日首脳会談の議題をめぐる熾烈な“駆け引き”を繰り広げてきた。

 議題と関連した大まかな内容は明らかになった状態だ。米インターネットメディアの「VOX」は26日、朝米交渉に詳しい匿名の消息筋の話として、「米国は、核施設を閉鎖する(close down)という約束の見返りとして、対北朝鮮制裁を一部緩和し、両国関係を改善する方針」だと報道した。同メディアが、暫定的な朝米間合意事項として報じた内容によると、両国は、朝鮮戦争を終息する象徴的な平和宣言に署名し▽北朝鮮は朝鮮戦争当時死亡した米軍の遺骨の追加送還に同意し▽朝米が相手国に連絡事務所を設置し▽寧辺での核物質の生産中断に対する相応の措置として、南北が経済協力を推進できるよう、米国が国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁の一部緩和を推進することを決めたという。シンガポール共同声明で合意された、新たな朝米関係の樹立▽朝鮮半島平和体制の構築▽完全な非核化などの条項が、ある程度具体化したという意味だ。

 実際、トランプ大統領は27日夕方、晩餐会に先立ち、終戦宣言の可能性を問う記者の質問に「待ってみよう」と答えた。トランプ大統領が「北朝鮮の非核化(目標)から後退したのか」という次の質問には「それはない」と断言したことから、「待ってみよう」という答えは終戦宣言の可能性を示唆したものと見られる。朝米交渉に詳しい複数の韓国政府筋も、この報道が26日までの朝米実務交渉の内容をほぼ正確に反映していると確認した。ただし、同メディアも強調したように、こうした内容は“暫定的な合意”に過ぎず、27日に両首脳が会えば変わる可能性は残っていると話した。北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「今夜(の会談)ですべてが決まるだろう」とし、「今日、両首脳が胸襟を開いて話し合って合意した部分について、これまでの実務論議を基に、合意文が作成されることになるだろう」と見通した。昨年の第1回シンガポール首脳会談の時も、ソン・キム駐フィリピン米大使とチェ・ソンヒ外務副相の間の実務交渉で話し合われた非核化の具体的措置などの詳細事項は、共同声明に反映されなかったという。

 ある外交筋は、ひとまず朝米交渉を総括してきたマイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が会談前に最終調整を行うと見通した。にもかかわらず、寧辺(ヨンビョン)の核施設を含む非核化対象施設の範囲と、対北朝鮮制裁の緩和の範囲を含む相応の措置のレベルをめぐる決定は、結局、両首脳の役割という見通しが優勢だ。

 こうした中、在日本朝鮮人総聯合会機関紙「朝鮮新報」が同日、第2回朝米首脳会談を取り上げた記事で、対北朝鮮制裁の緩和を「米国の真摯さを判別する試金石」だと強調し、米国に「実質的な非核化措置」を要求して、注目を浴びている。「朝鮮新報」は「制裁緩和だけが会談の議題ではない」とし、「朝鮮は制裁が怖いから、苦しいからではなく、それが朝鮮半島非核化に向けた米国の真摯さを判別する試金石になるため問題視してきた」と明らかにした。北朝鮮が米国に要求する信頼構築の措置は「制裁緩和」であることを再度強調する一方、米国に韓米合同軍事演習の中止や戦略兵器展開の中止などを求めたものとみられる。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「北朝鮮が交渉のため、韓国に対する米国の核の傘の除去も要求したとみられる」と話した。
ハノイ/キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

2回目の会談では「正常国家の関係」への大きな一歩を踏み出すことを期待する。

2019-02-27 | 米朝首脳会談
「敵との対座」から260日…
“正常国家の関係”への大きな歩み

登録:2019-02-27 09:23 修正:2019-02-27 11:38

金正恩とトランプ、第2回首脳会談の意味


北朝鮮の金正恩国務委員長が26日午前8時20分(韓国時間午前10時20分)、ベトナムのランソン省ドンダン駅に到着し、歓迎するベトナム市民らに手を挙げて挨拶している。金委員長はまっすぐ待機中の車に乗り込んだ=ドンダン/EPA

 「米国大統領」ドナルド・トランプが「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)国務委員長」金正恩(キム・ジョンウン)と初めて会ったのは、2018年6月12日だ。分断国家である北朝鮮が出現して2万5469日目になる日だ。また260日が経った2019年2月27日、両首脳が2回目に会う。

 25469と260。2つの数字の差に、朝鮮半島の平和の命運を担った朝米首脳会談の歴史的位相と課題が含まれている。2回目の出会いは、初対面よりずっと容易だった。初めて会うのにかかった歳月の1%で十分だった。ただし260日は、「1128日戦争」を含めた2万5469日のあいだ積み重ねられた敵対と不信を鎮めるにははるかに足りない時間だ。戦争・敵対・葛藤の歳月が長いほど、和解・平和も遠のく。そのため「一か八か」という態度を避けなければならない。道のりは遠い。

 2回目の出会いは、ベトナム社会主義共和国の首都ハノイで行われる。ハノイは戦争から平和へ、敵対から和解・共存へと進む道が閉ざされていなかったことを実証する歴史の証人だ。首脳会談の会場に最終確定されたことで知られるメトロポールホテルはどうだろうか。ハノイの夜空に米軍の砲弾が雨のように降り注いだ1972年、クリスマス・イブにジョーン・バエズが隠れていた地下防空壕が今もある。当時「トン・ホテル」と呼ばれたこのホテルの防空壕で、バエズは米国のベトナム侵略に反対する人々の聖歌である「勝利を我らに(We shall overcome)」を歌い続けた。メトロポールホテルは、多くの命を飲み込んだ侵略と抵抗で染まった戦争、和解と省察の苦しい身悶えを目にした歴史の証人だ。1961~68年、米国防長官としてベトナム侵略を設計・執行したロバート・マクナマラが、グエン・コ・タク元ベトナム外相と「なぜ戦争に陥り、早く終わらせられなかったのか」を振り返り、「新たな過ち」を防ぐため「失われた機会」を探索した「敵との対話」が初めて行われた場所だ。

 マクナマラは1997年6月20日~23日までの最初の対話で、長い教訓を二つに圧縮した。「敵を理解しろ」と「相手が敵でも最高指導者同士で対話を続けなければならない」がそれだ。金委員長とトランプ大統領は「マクナマラの教訓」に習おうと彼らなりに努力している。最初の会談の成果を基に、2回目の会談では「正常国家の関係」への大きな一歩を踏み出すことを期待する。

 悲観と落款が交錯する。まず、70年の敵対国だった両最高指導者が会い、「包括的かつ深度ある率直な意見交換」の末に設けた「セントーサ合意」(6・12シンガポール共同声明)の履行の実績は貧弱だ。最初の会談以降、金委員長は朝鮮戦争時の米軍の遺体55柱を返還し、東倉里(トンチャンリ)のミサイルエンジン試験場・発射台の永久廃棄のための基礎措置を取った。米国は、対北朝鮮制裁を理由に阻止してきた国際人道支援団体の対北朝鮮支援を、年末からほんの少し開放した。それだけだ。

 しかし、朝鮮半島における冷戦構造の解体のビジョンが盛り込まれたセントーサ合意は破棄されなかった。生きて息づいている。時期尚早な悲観は警戒しなければならない。朝鮮半島は「地球上で最後の冷戦体制」(文在寅大統領)に根を下ろした敵対と葛藤が渦巻く悲劇の地だ。朝鮮半島の冷戦構造は、竹林のように根が絡み合った四つの柱が支えている。「(1)対決と不信の南北関係(2)朝鮮半島問題に深く介入した米国と北朝鮮の敵対関係(3)北朝鮮の体制生存と抑制力確保のための核兵力追求(4)敵対関係の根幹である軍事停戦体制の持続と軍備競争」だ。初期の朝鮮半島平和プロセスの設計者であり実践者であるイム・ドンウォン朝鮮半島平和フォーラム名誉理事長(元統一部長官)は、「これらの要素は相互依存性を持ち、ある一要素だけ分離して問題を解決することはできない」とし、「包括的にアプローチしてこそ朝鮮半島問題の根本的な解決が可能だ」と助言する。

 セントーサ合意は四つのうち三つを同時に取り除くという朝米首脳の約束文書だ。「新たな朝米関係の樹立」(第1項)は(2)に、「恒久的かつ堅固な平和体制構築の共同努力」(第2項)は(4)に、「朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力」(第3項)は(3)に対応する。(1)は4・27板門店宣言と「9月平壌共同宣言」、「9・19軍事分野合意書」の実践ですでに解消作業が始まった。南北は(2)(3)(4)の解消の努力にも歩調を合わせる。セントーサ合意と南北首脳宣言が完全に履行されれば、朝鮮半島の冷戦構造の四つの柱は、春の雨に溶け新しい生命を育てる氷のように平和の元肥となるだろう。南北米の首脳の「三人四脚競走」が切実だ。

 金委員長とトランプ大統領があらゆる圧迫と誘惑にもかかわらずセントーサ合意を守り抜いた事実が何よりも重要だ。悲観論者と楽観論者が、全く異なる世界観と利害関係でも共感することが一つある。金委員長とトランプ大統領の2回目の会談の目的は、セントーサ合意の4項目の具体的な履行案づくりにあるという共通認識だ。これ自体が最初の会談から260日の大きな成就だ。軌道から外れれば「平和列車」は目的地に到達することができない。

最初の会談後、相互信頼の糸口 
「合意履行」悲観・楽観は分かれるが 
朝米、非難を自制し対話を継続

 金委員長とトランプ大統領は最初の会談で「相互の信頼構築が朝鮮半島の非核化を増進させることができる」と確言した。しかし、不信は深く信頼は浅い。1回目の朝米首脳会談直後、マイク・ポンペオ米国務長官は「空のカバン」を持って平壌を訪れ、「すべて申告せよ」と圧力をかけた。北側は「強盗のような要求」と言い返した。不信の沼に沈んでいたセントーサ合意を「促進者」の文大統領が救い出した。「米国が相応の措置を取れば寧辺(ヨンビョン)核施設の永久廃棄のような追加措置を取り続ける」という金委員長の約束が明示された「9月平壌共同宣言」がそれだ。「信用できる第3者」は敵対の解消に欠かせない触媒だ。

 先民意識に浸った米国が天から地上へ降り、北朝鮮が「米帝の狼」の北侵の恐怖を振りかざさず地上に上ってくるには、さらに時間が必要だった。年を越して「機会の時空間」が開かれた。米国は北朝鮮を「合理的行為者」とみなし、北朝鮮は「米国式対話法」に応じようと努力した。

 スティーブン・ビーガン国務省対北朝鮮特別代表は「両国は個人の権利と人権について全く違う見解を持っており、地域とお互いに対し異なる世界観を持っている」としながらも、他の米国人と違って北朝鮮を「やくざ国家」と非難しなかった。そして「シンガポール共同声明で行ったすべての約束を同時並行的に推進する準備ができている」と明らかにした(1月31日スタンフォード大学講演)。「同時並行」は、米国の「先非核化」の圧迫に対抗して北朝鮮側が掲げた履行原則だ。金委員長は、新たな交渉窓口であるキム・ヒョクチョルの肩書きをビーガンの「対北朝鮮特別代表」に合わせた「対米特別代表」とし、米国に伝えた。

「セントーサ合意」は息づく 
冷戦解体に向けた第1回会談の合意4項目 
ハノイで具体的な履行案を用意

 「相互信頼」を積もうとする努力は、セントーサ合意の履行の力強い推進力となり得る。まだまだ微弱ではある。双方が不信の凍土に信頼の種を撒き、耕しているという事実が重要だ。

 敵が一瞬で友になるわけではない。長く苦しい過程を経なければならない。善意の一方的な措置→相互節制→交流協力の深化→新しいナラティブとアイデンティティの創出などが必要である(チャールズ・カプチャン、『敵はどのようにして友になるのか』)。友人になるためにはまず「他の人たちのようにする」ことを学ばなければならない。腹積もりが異なって争うとしても銃刀を使わず、早い利害打算にも礼儀を備える、世界の多くの「正常な国家関係」をだ。金委員長とトランプ大統領の2回目の会談が、長い敵対を越え「普通に付き合う」ための大きな一歩につながることを願う。
イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

祖父の金日成(キム・イルソン)主席譲りの行動力を見せ、国際舞台で活躍する指導者としてのイメージを示した。

2019-02-27 | 「北朝鮮問題」の解決のために
3日間列車で移動した金委員長、
世界メディアのスポットライトの中ベトナムに到着

登録:2019-02-27 06:50 修正:2019-02-27 07:47

3800キロメートルの長い道のりの末 
ベトナムのドンダン駅に到着 
専用列車を徹底的に隠していた過去と異なり 
外国メディアなど約100人が取材

             
第2回朝米首脳会談に出席するため、中国大陸を縦断する3日間の長旅を終えた北朝鮮の金正恩国務委員長が今月26日午前、ベトナム北部ランソン省のドンダン駅に到着し、歓迎の人波に向かって微笑みながら手を振っている=ドンダン/ロイター聯合ニュース

 26日午前8時13分(現地時間)、中国と国境を接したベトナム北部ランソン省のドンダン駅の錆びたレール上に、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の専用列車が姿を現した。23日午後4時32分に平壌(ピョンヤン)を出発し、中国の丹東~天津~武漢~南寧などを経て、65時間40分をかけ3800キロメートルを走破する長旅の末、北朝鮮の最高指導者としては55年ぶりにベトナムを訪れたのだ。

 列車がゆっくり駅に近づくと、内外信記者約100人で埋め尽くされた駅周辺がざわつき始めた。北朝鮮の最高指導者が中国などを訪問する際は、徹底した保安のため、外信が専用列車を近くで撮影することは不可能だったが、今回は他の国家指導者同様、多くの外信記者が到着する場面をリアルタイムで生々しく報道した。祖父の金日成(キム・イルソン)主席譲りの行動力を見せ、国際舞台で活躍する指導者としてのイメージを示した。

 客車のドアが開き、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党宣伝扇動部第1副部長が先に姿を現した。金副部長は、金委員長が列車から降りる前に、キム・チャンソン国務委員会部長とともに、レッドカーペットと周辺状況を確認した後、再び列車に乗り込んだ。金副部長は昨年6月、シンガポールで開かれた朝米首脳会談同様、慌ただしく走り回った。

 金委員長が列車から降りたのは8時22分だった。長旅の疲れからか、やや曇った表情で降り立った彼は、出迎えたベトナム人たちと挨拶を交わし、笑みを浮かべ始めた。ベトナム側からはボー・バン・トゥオン宣伝担当政治局員やマイ・ティエン・ズン官房長官らが出迎えに出た。金委員長はベトナム政府高官らと握手を交わした。「お会いできて嬉しいです」と言っているように見えた。儀仗隊を査閲して駅舎を出た彼は、ベトナム住民らに笑顔を見せながら、手を振った。

 金委員長は8時24分頃、専用車のベンツのプルマン・ガードに乗り込んだ。車を取り囲んだ“防弾警護隊”12人も走り始めた。1日に列車1台が通過する小さな国境村のドンダン駅には、多くの住民が出て金委員長を歓迎した。金委員長は、車の窓を開けて住民らに手を振った。ハノイへ向かう途中、バクニンにあるサムスン電子工場などを訪問する可能性もあるという見通しも示されたが、1番国道で170キロを走り、午前11時頃にハノイのメリアホテルに到着した。

 一方、金委員長を乗せてドンダン駅に到着した専用列車の機関車には、中国鉄道総公社のロゴと共に「DF4D3058」という番号が書かれていた。金委員長の専用列車機関車の番号は「DF11z-0002A」だ。韓国交通研究院のアン・ビョンミン研究員は「北朝鮮の指導者が中国に入る時は、通常中国指導者の列車をけん引する機関車が北朝鮮側にわたり、専用列車と連結した後、国境を越える」と説明した。ベトナムにも、中国の側が提供した機関車が専用列車をけん引したものとみられる。
ハノイ/キム・ジウン記者、イ・ジョンエ記者"(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

デニー知事は「辺野古埋め立てに絞った県民の民意が明確に示されたのは初めてであり、極めて重要な意義がある」と強調。

2019-02-26 | 憲法に基づく政治を!
辺野古埋め立て反対7割超
県民投票43万票余 全市町村で多数に
デニー知事「日米首脳に通知」


 24日投開票された名護市辺野古米軍新基地建設の埋め立ての賛否を問う沖縄県民投票で圧倒的多数の「反対」が示されたことを受け、玉城デニー知事は25日未明、県庁で記者会見を開き、投票結果を速やかに日米首脳に通知すると表明しました。反対は43万4273票(投票総数の71・7%)で、昨年9月の知事選で新基地反対を掲げてデニー知事が獲得した39万6632票を大きく上回りました。全市町村で反対が多数となりました。


          

(写真)県民投票の結果を受けて記者会見する玉城デニー知事=25日未明、沖縄県庁

 埋め立てに「賛成」は11万4933票(同19%)、「どちらでもない」は5万2682票(8・7%)でした。投票総数は60万5385票、投票率は52・48%でした。

 3択の中で最多となった「反対」の票数は、投票資格者(有権者)総数115万3591人の4分の1(約29万)をはるかに超えました。そのため、県民投票条例の規定に基づき、デニー知事は「投票結果を尊重し、速やかに内閣総理大臣及びアメリカ合衆国大統領に通知する」と述べました。

 デニー知事は「辺野古埋め立てに絞った県民の民意が明確に示されたのは初めてであり、極めて重要な意義がある」と強調。辺野古新基地建設の工事を中止し、米軍普天間基地(同県宜野湾市)の一日も早い閉鎖・返還の問題も含めた県との対話に応じるよう、日本政府に「強く求めていく」と表明しました。

 デニー知事は、投票結果を安倍晋三首相に伝えるための上京は早くて3月1日との意向を示し、訪米についても「考えていきたい」と語りました。
          
          

          

「ハノイの春」は朝鮮半島における冷戦の解体に向けたもう一つの出発点だ。

2019-02-26 | 朝鮮民主主義人民共和国
板門店から始まった平和の道程、そして“ハノイの春”
登録:2019-02-26 07:28 修正:2019-02-26 08:00

朝米首脳会談D-1 
戦争後米国と国交を結んだベトナムで 
朝米、首脳会談開き、“終戦宣言”について協議 
板門店-シンガポール-平壌の平和の旅 
ハノイは脱冷戦の新たな出発点に



1)「平昌の雪解け」戦争危機から平和五輪へ 2)「板門店の春」朝鮮半島冷戦解体に向けた出発  3)「シンガポールの夏」“70年の敵”から対話の相手に 4)「平壌の秋」朝鮮半島の冷戦解体に向けた大きな一歩 5)「ハノイの春」包括的合意から履行へ//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員とトランプ米大統領が27~28日、ベトナムのハノイで再び会う。昨年6月12日、シンガポールで初めて顔を合わせて以来、8カ月ぶりのことだ。金委員長はシンガポールでトランプ大統領に「あらゆることを乗り越えて、ここまで来た」と述べた。シンガポールでの会談後、朝米が非核化と相応の措置をめぐり“冷戦”を繰り広げたことを考えると、ハノイでの再会も「あらゆることを乗り越えて」実現したと言える。

 ハノイにはもう春の知らせが届いている。昨年この時期に幕を閉じた平昌(ピョンチャン)冬季五輪は、朝鮮半島を覆った冷戦の氷を溶かし、「板門店(パンムンジョム)の春」(4・27南北首脳会談)をもたらした。平和の気運が「シンガポールの夏」(6・1朝米首脳会談)と「平壌(ピョンヤン)の秋」(9・19南北首脳会談)につながった。「ハノイの春」は朝鮮半島における冷戦の解体に向けたもう一つの出発点だ。

■ハノイの春、戦争の終息に向かう

 シンガポール首脳会談後、朝米が歩んできたのは平坦な道のりではなかった。互いに望むことを交換するには信頼が足りなかった。朝米は、新たな関係の樹立▽朝鮮半島における恒久的平和体制の構築▽朝鮮半島の完全な非核化という包括的目標に合意したが、後続協議で実質的な履行案を作りだすことはできなかった。

 米国では非核化に向けた北朝鮮の意志に対する疑問が再び頭をもたげた。シンガポール首脳会談から1カ月後、履行案を協議するために平壌を訪れたマイク・ポンペオ米国務長官は、核申告と検証を掲げた。北朝鮮はこれを「強盗的要求」と非難した。米国はポンペオ長官の後続訪朝を、前日になって突如取り消した。朝米交渉は膠着状態に陥った。

 ハノイは昨日の敵が今日の友になった地だ。ベトナムは15年間戦争を行った米国と、1995年に国交を結んだ。米国と共に参戦した韓国とも、1992年に国交を正常化した。金委員長とトランプ大統領の交渉テーブルには、非核化措置と共に、朝鮮半島の戦争状態を終わらせるための終戦宣言カードが並べられている。

■平壌の秋、朝米の膠着に突破口を作る

 朝米を再び交渉のテーブルに呼び寄せたのは、9・19平壌南北首脳会談だった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金委員長は、平壌で朝鮮半島の完全な非核化という目標を再確認した。非核化に対する金委員長の意志を疑う米国に向けた約束だった。文大統領は5・1競技場に集まった15万人の平壌市民の前で、「白頭から漢拏まで美しい我が山河を、永久に核兵器と核脅威のない平和の基盤にして、後代に残そう」と誓った。

 金委員長は、非核化措置でも具体案を提示した。「米国が6・12朝米共同声明の精神に基づき、相応の措置を取れば、寧辺(ヨンビョン)の核施設の永久廃棄のような追加的な措置を取る用意がある」と明らかにした。寧辺の核施設の廃棄という非核化措置を示すことで、米国の相応の措置を求めたのだ。寧辺の核施設の完全な廃棄は、朝米の非核化交渉で一度も踏み込んでいない禁断の領域だ。

 金委員長の提案は朝米交渉の再開につながった。ポンペオ長官が10月7日に平壌を訪れ、金委員長と再び面会した。シンガポールでの朝米首脳会談以来、4カ月ぶりに実現した高官級会談だった。ポンペオ長官はこの日について「非常に成功的な朝」だと語った。

 非核化に向けた金委員長の意志は、今年の新年の辞でも繰り返し強調された。金委員長は「完全な非核化に向けて進むというのは私の確固たる意志」だとし、「いつでもまた米大統領と向かい合う準備ができており、国際社会が歓迎する結果を作るために努力する」と約束した。金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長が数日後、ホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領に金委員長の親書を届けた。トランプ大統領は翌日「我々は2月末にまた会うことにした」とし、2回目の朝米首脳会談の開催を公式化した。

■シンガポールの夏、炎と怒りを鎮める

 南北が平壌首脳会談を通じて2回目の朝米首脳会談を実現させたのは、シンガポールでの朝米首脳会談を控えて起きた状況とも類似している。トランプ大統領は昨年5月24日、「最近の談話文で明らかになった激しい怒りと公開的な敵対感を見る限り、今回の会談を行うのは不適切だと考える」と述べ、突然首脳会談の取り消しを宣言した。北朝鮮の外務省関係者が米国の「先非核化の要求」を激しく非難した直後だった。文大統領と金委員長は3日後、板門店で第2回南北首脳会談を開いた。南北は、朝米首脳会談の開催に向けた金委員長の意志を再確認することで、状況を元に戻した。

 北朝鮮と米国はシンガポール首脳会談の前まで、前例のない“言葉の戦争”を繰り広げた。米国が「最大の圧迫と関与」を公言し、軍事的選択の可能性を示唆したことに対し、北朝鮮は米国も決して無事ではいられないと対抗した。トランプ大統領が「炎と怒り」に言及してから、日を追うごとに険悪な戦争危機説が朝鮮半島を覆った。

■板門店の春、朝鮮半島における冷戦の解体を宣言する

 危機を鎮めたのは平昌五輪を平和五輪にした南北関係の進展だった。金委員長は新年の辞で、平昌五輪に代表団を派遣する意向を示した。金委員長は、平昌五輪期間に妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長を特使として送り、文大統領はチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長を団長とする特使団を派遣した。南側特使団が非核化に向けた金委員長の意志を確認したことで、朝鮮半島情勢は対決から対話へと舵を切り始めた。

 文大統領と金委員長の4・27板門店首脳会談は、朝鮮半島における冷戦の解体に向けた巨大なドラマの始まりだった。両首脳は手を携えて、軍事境界線を軽々と超えた。そして「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」を通じて、「朝鮮半島に二度と戦争を起こさず、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」と約束した。休戦協定締結65周年を迎え、年内に終戦宣言を行い、停戦協定を平和協定に切り替えるという共同目標も提示した。文大統領は金委員長の隣で「私たちは決して後戻りしない」と誓った。
ユ・ガンムン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

公式的には「社会主義国家」を自認する朝・中・ベトナムの三角協力を「社会主義連帯」と宣伝することができる。

2019-02-25 | 朝鮮民主主義人民共和国
金正恩の列車大長征…「改革開放の広州」自ら視察か
登録:2019-02-24 23:11 修正:2019-02-25 07:57

金正恩はなぜ列車を選んだか 
中国通過する距離だけで4千キロメートル 
全幅支援受けて朝中協力を強調 
広州視察すれば、改革開放メッセージに 
朝中ベトナムの社会主義国家協力のメッセージ 
対外的にトランプを圧迫し内部取り締まりの効果も 
文大統領の構想と一致する「鉄道協力」の意志


          
ベトナムのハノイで開かれる2回目の朝米首脳会談のために、北朝鮮の金正恩国務委員長が23日午後、平壌を出発したと、朝鮮中央通信が23日報道した。平壌駅で開かれた歓送行事で、金委員長が歓送客に手を振り挨拶している=平壌/朝鮮中央通信聯合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が「27日から28日までベトナム社会主義共和国のハノイ市で進行される2回目の朝米首脳対面と会談(朝米首脳会談)のために、23日午後専用列車で平壌駅を出発した」と労働新聞が24日付1面で報道した。金委員長は、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党総書記兼国家主席の招請で「公式親善訪問することになる」と労働新聞が日時を特定せずに伝えた。

 金正恩委員長は、航空便を利用せずになぜあえて専用列車に乗ったのだろうか。平壌~ハノイは、専用機なら5時間で充分だ(飛行距離2760キロメートル)。 一方、列車では4500キロメートル、中国国内の通過距離だけで4000キロメートルに達する“三日間大長征”だ。もちろん金委員長が「専用列車+大鷹1号(専用機)」を組み合わせたり、中国の高速鉄道または専用機を借りて乗る可能性も残っている。ただし、現在までの情況では、専用列車が主な移動手段になる可能性が相対的に高く見える。韓国政府関係者は「朝米会談の日程と専用列車が平壌を離れた時点を考慮すれば、金委員長が(主に)専用列車で移動する可能性が高く見える」と話した。

 金委員長の“列車大長征”は、祖父の金日成(キム・イルソン)主席が二度のベトナム訪問(1958年11月27日~12月3日、1964年11月8~16日)に事実上中国が提供した専用機を利用した先例とも異なる選択だ。“5時間移動”の代わりに、あえて“三日間移動”を選択した金委員長の判断は、普段から「国際的水準」と「実用」を強調してきたリーダーシップスタイルと似合わない。「時代錯誤的選択」という外部の批判が予想されるにもかかわらず“列車大長征”を選択したのは、2回目の朝米首脳会談を契機に内外に投げようとする戦略的メッセージと便宜性をすべて考慮した結果だろうという観測が多い。何より“列車大長征”は「一つの参謀部」を自認する朝中の戦略的協力、広州など中国南部の改革開放拠点視察、金日成・金正日からつながるリーダーシップの“歴史的連続性”を強調するための布石と解説される。

 まず“列車大長征”は、中国の習近平指導部の全面的な協力と支援なしには選択できないカードだ。中国は現在30億人が移動するという春節連休「特別輸送期間」(1月21日~3月1日)だ。当局の徹底した交通統制は、中国人民の不便・反発につながらざるをえない。中国指導部がこうした国内政治的負担を担うという事実自体が、強固な朝中協力の“証拠”になりうる。習近平指導部が「それ相応の価値がある」と判断したという意味でもある。金委員長としては、昨年の6・12シンガポール会談の時「大鷹1号」ではなく中国が提供した専用機を利用した先例のように、“列車大長征”パフォーマンスで「私の後ろには中国がいる」というメッセージを発信しようという判断があるようだ。

 “列車大長征”には、ベトナム指導部の全面的な協力・支援も必須だ。公式的には「社会主義国家」を自認する朝・中・ベトナムの三角協力を「社会主義連帯」と宣伝することができる。朝中協力の喚起が内外にあまねく送るメッセージならば、「社会主義三角連帯」は金委員長の「非核化決断」の結末を心配する北朝鮮内部の一部勢力に向けた対内用メッセージとして活用されうる。

 “列車大長征”は、ベトナムと国境を接する萍郷に達する前に、天津~武漢~長沙~広州を経なければならない。広州は、トウ小平が設計・実践した「改革開放」の際立つ象徴だ。「経済への集中」を明らかにした金委員長の“列車大長征”が、改革開放の意志の表明と解釈されうるわけだ。事情に明るい消息筋は「金委員長がハノイからの帰途に習近平国家主席と会談する可能性がある」と話した。金委員長は、初の朝米首脳会談の前後に、習主席と2・3次会談(2018年5月7~8日大連、6月19~20日北京)をしており、1月7~10日にも北京を訪れ習主席と4回目の会談をした。

 金委員長が“列車大長征”の途中で中国南部の広州でイベントをすれば、「祖父と父の道」を繋いで、改革開放のメッセージを発信する効果を上げることができる。列車を利用した首脳会談方式は、それ自体が「金日成・金正日(キム・ジョンイル)のリーダーシップ」を連想させる国内政治的効果がある。金日成主席は1958年11月に広州に立ち寄った。金正日総書記は2006年1月に広州・珠海・深セン・武漢など「トウ小平南巡講話」(1992年1月18日~2月22日)の拠点都市を視察した。金主席が58年と64年の訪中を契機にベトナムを訪問したとすれば、金正恩委員長のハノイ行きで中国は公式には“経由地”という性格の違いがあり、金委員長がどのような選択をするかはさらに見守る必要がある。ただし消息筋は「金委員長が広州などを視察する機会を別途捉えることは容易でなく、今回立ち寄る可能性が高い」と見通した。

 金委員長の“列車大長征”は、4・27板門店宣言と「9月平壌共同宣言」に明示された「南北鉄道・道路の連結および現代化」合意と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「東アジア鉄道共同体」構想の延長線で「多者鉄道協力」の意志を表わすとも言える。一部では、金委員長の“列車大長征”が、身辺安全の憂慮のためだと指摘しているが、説得力が弱い。身辺安全の憂慮が核心ならば、金委員長が専用列車で平壌を発った事実を労働新聞がすぐに公開する理由がないからだ。

 “列車大長征”を「業務の連続性など利便性を重視した実用的選択」と解説する見解もある。消息筋は「専用列車は通念とは異なり、宿泊、会議、通信などが便利で、金委員長がトランプ大統領との談判準備に集中できるだろう」と指摘した。
イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

私はここ(朝鮮半島)でも、世界がこれまで誰も予想できなかった非核化に向けた北朝鮮の行動が実現する、

2019-02-24 | 「北朝鮮問題」の解決のために
ポンペオ長官
「北朝鮮の非核化、ベルリンの壁の崩壊のように…」

登録:2019-02-23 08:39 修正:2019-02-23 12:24

「ベトナム・ハノイでの第2回朝米首脳会談を通じて 
誰も予想できなかった非核化が実現することを期待している」 
21日のインタビューで“外交的配慮”に欠けた発言 
ベルリンの壁の崩壊から1年後、東ドイツは西ドイツに吸収 

          
マイク・ポムペオ米国務長官が金正恩北朝鮮国務委員と談笑している//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の非核化を「ベルリンの壁」の崩壊に喩えて説明した。北朝鮮の非核化も、誰も予想できなかった壁の崩壊のように、奇跡的に成し遂げられるかもしれないという肯定的な見通しを表した言葉だが、重要な交渉を控え、北朝鮮に配慮する外交的感受性に欠けた発言という批判が高まるものと見られる。

 ポンペオ長官は21日に放送された米「FOXビジネス・ネットワーク」とのインタビューで、北朝鮮の核問題が近いうちに解決されるという期待が薄れているという質問に対し、「私は1989年に若い軍人として東ドイツと国境地帯を巡察していた。誰もベルリンの壁が崩れた時、そのような日が来るとは予想できなかった。私はここ(朝鮮半島)でも、世界がこれまで誰も予想できなかった非核化に向けた北朝鮮の行動が実現する、そのような日を迎えられることを望んでいる。私はこれまで我々がしてきたこと、我々が加えた経済制裁、トランプ大統領らが導いた交渉によって、世界が1989年に目撃したような瞬間を私たち皆が迎えられると期待している」と答えた。東ドイツは1989年11月、ベルリンの壁崩壊の翌年、西ドイツに吸収統一された。ポンペオ長官は米陸軍士官学校を卒業した後、1986年から1991年まで将校として義務服務を終えた。

 ポンペオ長官はさらに、トランプ大統領が「急ぐ必要はない」という言葉で北朝鮮に対する期待値を下げているのではないかという質問に対し、「私は彼が期待値を下げているとは思わない。政権発足当初はミサイルと核実験が行われていた。しかし、この1年以上、そのような種類の実験は行われていない。また、私たちは米国人の遺骨を引き渡してもらっており、米国務省のチームはハノイで(北朝鮮と)交渉中で、また他のチームは平壌(ピョンヤン)から数週間前に戻ってきた。私は27日から28日にかけて行われる両指導者の会談で、真の進展が見られると期待している。金正恩委員長は彼の国を非核化するという昨年6月のシンガポールでの約束を履行する真の進展を成し遂げてほしい」と述べた。
キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

40年余り前の大阪市の片隅には、私たちの知らないかつての「私たち」がいた。

2019-02-24 | 韓国:ハンギョレ新聞
「みんなが知っていて地図にない」
猪飼野ー日本の中の小さな済州

登録:2019-02-22 10:45 修正:2019-02-22 15:15

在日朝鮮人写真家の故・曺智鉉回顧展 
「猪飼野ー日本の中の小さな済州」 
 
1960~70年代の猪飼野の朝鮮人村 
素朴で懐かしい日常の風景の中に 
総聯・民団間の鋭い対立があらわに 
 
窓枠の開いた古びた長屋で 
古紙を拾い、汚物を片付けた差別の影 
ひずんだ朝鮮人の暮らしを丸ごと描く


          
猪飼野の道で汚物回収リヤカーを引いて行く掃除夫の姿。60~70年代には平野川に漂う汚物を大阪市当局が収集せず、在日同胞らが直接清掃局に依頼し汚物を片付ける作業を任せなければならなかったという//ハンギョレ新聞社

 40年余り前の大阪市の片隅には、私たちの知らないかつての「私たち」がいた。

 伐採した木で埋まった狭い河川の平野川の風景、済州(チェジュ)の海女出身の移住民たちが獲った海産物を売っていた生野の朝鮮市場が視線に入ってくる。その市場の路地裏には「ケジャングク(犬肉の鍋物)」と鮮明に記した路地食堂の看板があり、上半身裸の朝鮮人の男がその前を歩いている。さらに裏側には頬のふっくらした朝鮮の子どもたちがビー玉遊びをし、おばあさん・おばさんたちはどこかに出かけようとしているのかチマチョゴリを着ていた。

 今月15日からソウル江南(カンナム)駅近くの写真空間「スペース22」に設けられた、在日朝鮮人写真家の故・曺智鉉(チョ・ジヒョン、1938~2016)の回顧展は、1970年代の日本の朝鮮人村の姿を、現在この地の観客の前に移して見せた。タイトルの「猪飼野ー日本の中の小さな済州」は、済州出身の写真家が1948年に密航して移住した後、幼年期と成長期を過ごした大阪の朝鮮人村の名前であり、彼が静かに淡々と撮った写真の背景でもある。

            
 猪飼野は6~7世紀、百済人の祖先が近くの難波の浦に移住し、百済港を作り定着したことから、初めて縁を結んだと伝えられている。日帝強制占領期(日本の植民地時代)の1920年代、堤防工事のために朝鮮人が動員され村を形成したことを機に、大規模な「朝鮮人村」が作られた。今でも日本国内の在日コリアンの最大密集地域だが、「豚を飼う所」という意味の地名である「猪飼野」は1973年に突然姿を消した。この地名がつくと地価、住宅価格が下がり、縁談にも良くない影響を与えるなどという理由で周囲の日本人住民が強力な苦情を入れ、名前を消してしまったという噂が伝わってくる。

             
伐採された木で埋まった平野川。同胞の密集地域だった生野一帯を貫くこの小さな川には、60年代に製材所が多く、木々が流れてくる姿が常に見られた//ハンギョレ新聞社

 今や生野コリアタウンとなり、韓流に熱狂した日本の若者や観光客が押し寄せる場所になったが、写真家の曺智鉉が捕らえた1960年代の猪飼野の風景は親しみがあり懐かしくも、寂しく殺伐としている。市場や住宅街、路地が醸し出す在日朝鮮人の暮らしは、厳しい苦しさの残影を落としているのだが、彼らの頭上を横切る目には見えない南北分断線を捉えた。分断の対立は、当時、民団(在日本大韓民国居留民団=当時名称)と総聯(在日本朝鮮人総聯合会)との間で鋭く対立する争点だった永住権の申請をめぐって現れる。永住権の申請は死を申請することだとし、韓国籍を朝鮮籍に変えろと扇動する総聯の横断幕と、嘘の宣伝に騙されず早く永住権の申請をしようという民団の横断幕が別途に掲げられ対立する。しかし、作家の視線は横断幕の殺伐とした気配を超えて、彼らがどうしようもなく乗り越えなければならない暮らしの風景に集約される。壁と窓枠の間にすき間のある古びた長屋で写真家を眺めるおばあさん、伐木材が溜まった川で櫓を漕ぐ人々の辛そうな動き、古紙を拾って集める年寄りの歪んだ表情、サンダルの底を外したごみの山を通る生徒たち、川の汚物をリヤカーに乗せていく掃除夫の姿は、かの時代日本で差別と生計の足かせにうめいていた朝鮮人の素顔だ。有名な在日朝鮮人の詩人の金詩鐘が「猪飼野詩集」の巻頭に掲載した詩『見えない町』は、曺智鉉の作品に対する最も的確な説明と言える。「なくても ある町/そのままのままで/なくなっている町/…みんなが知っていて/地図になく/…日本でないから/消えててもよく/どうでもいいから/気ままなものよ

         
写真家の曺智鉉が撮った60年代末の大阪猪飼野の朝鮮市場の風景。永住権を「死の申請」と非難し「韓国籍を朝鮮に直そう」という総聯の横断幕がかかっている//ハンギョレ新聞社

 曺智鉉は大学時代、文化遺産の写真の巨匠として有名な土門拳の鉱山村写真集を耽読し、ドキュメンタリー写真家の道へと踏み出した。自身の胎盤とも言うべき生野をはじめ、日本で差別された民の生活をとらえたルポルタージュで名声を得て、写真集「」(1975)と「猪飼野」(2003)を出版している。2016年に持病で亡くなったが、映画『ダイビング・ベル』や日本軍「慰安婦」被害者のドキュメンタリー作業を行ってきた写真家の安海龍(アン・ヘリョン)氏が、かつての縁を生かし彼の古いフィルムを展示することになった。企画者の安氏は「『猪飼野』の写真には同胞たちの暮らしとつながる絶対的貧困の世界がある」とし、「現実とぶつかりながら描いた抵抗精神の発現といえる彼の写真を通じて、朝鮮民族の移住史の一つの歴史を読むことができる」と語った。3月5日まで。82-2-3469-0822。
ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )、

「トランプ大統領の選択権を拡充すると同時に、南北経済協力に対する文大統領の考えを話したと見れば良い」

2019-02-24 | 世界情勢を知ろう
[ニュース分析]文大統領、
“トランプ持ち上げ”で南北経済協力事業の道を開く

登録:2019-02-20 22:04 修正:2019-02-21 07:57

文在寅大統領、19日夜トランプ米大統領と35分間通話 
「鉄道・道路の連結」など南北経済協力事業の非核化相応措置活用を提案 
大統領府報道官「トランプ大統領の反応は肯定的だった」


          
文在寅大統領が19日夜、大統領府で2回目の朝米首脳会談を控えたドナルド・トランプ米大統領と電話で話している/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が19日夜に行ったドナルド・トランプ米大統領との35分間の通話は、2回目の朝米首脳会談の成功だけでなく、会談後の南北経済協力の加速化まで視野に入れている。

 大統領府の発表文によれば、文大統領は次の3点に力を入れた。一つめに「トランプ持ち上げ」、二つめにトランプ大統領が金正恩国務委員長との談判で非核化の相応の措置として活用する贈り物に南北経済協力事業を入れること、三つめに2回目の朝米首脳会談を契機に南北経済協力に対する「制裁免除を勝ち取ること」がそれだ。南北経済協力事業を第2回朝米首脳会談の核心構成要素にして、会談の成功基盤を拡充すると同時に、3大経済協力事業(鉄道・道路の連結および現代化、開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光)を実行する道を開くという布石だ。大統領府の高位関係者は20日、「トランプ大統領の選択権を拡充すると同時に、南北経済協力に対する文大統領の考えを話したと見れば良い」と話した。

 文大統領はまず、国内政治的に守勢に追い込まれたトランプ大統領の“気力持ち上げ”に力を注いだ。文大統領は「北朝鮮との難しい交渉をここまで引っ張ってくることができたのは、トランプ大統領の指導力と確固たる意志のおかげ」だとしながら「南北関係で成し遂げた大きな進展もトランプ大統領の強い支持のおかげ」だと持ち上げた。自分を低めて相手を高める特有の“謙そんモード”だ。

 その後に本当に言いたいことを話した。「南北間の鉄道・道路連結から南北経済協力事業まで、トランプ大統領が要求するならばその役割を一手に引き受ける覚悟はできており、それが米国の負担を減らせる道だ」。文大統領が「北朝鮮の非核化措置を牽引するための相応の措置として、韓国の役割を活用してほしい」として出した提案だ。内容的には、南北経済協力事業を非核化の牽引カードとして使い、結果的にこの事業にかけられている“制裁のくびき”を解除して欲しいという要請だ。ただし「制裁緩和」という表現は慎重に避けた。金剛山観光・開城工業団地事業を名指しで論じなかった点も同じ脈絡だ。「費用は私たちが引き受ける」というメッセージも含まれている。「北朝鮮に数十億ドルを与えた以前の轍を踏まない」というトランプ大統領の断言(15日のホワイトハウス会見)を念頭に置き、彼が2回目の朝米首脳会談強行に批判的な国内世論をなだめる“カード”を渡したわけだ。南北経済協力は、どのみち韓国が負うのであり追加負担のようなものもない。「金をかけずに人心を得る」だ。

 特に注目すべき点は、大統領府が「南北鉄道・道路の連結」を意識的に、それも先頭に明示したという事実だ。この事業に対する文大統領の強い意志がにじみ出ている。国連決議2375号(2017年9月11日採択)は、18条で「非商業的で利潤を創出しない公共インフラ事業」は「事案別に(対北朝鮮制裁)委員会の承認」を前提に可能だと明らかにしている。昨年12月26日に着工式はしたが、本工事には乗り出せなかった鉄道・道路の連結および現代化事業がこれに該当する。対北朝鮮制裁の専門家であるキム・グァンギル弁護士(法務法人 地平)は「国連決議2375号18条により、制裁委員会が公共インフラ合作会社の設立を承認すれば、鉄道建設などに必要な機資材の輸出入禁止も例外として認定する包括的承認が可能」だと話した。

 重要なのはトランプ大統領の反応だが、キム・ウィギョム大統領府報道官は「トランプ大統領の反応は肯定的だった」と20日のブリーフィングで伝えた。
イ・ジェフン先任記者、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は「“ソウル石”は植民地のつらい過去を克服し、我が国の独立を象徴する石になるだろう」と説明した。

2019-02-23 | 韓国の民主化は進んでいく。
朝鮮総督府の残骸、3・1独立宣言広場の礎石に
登録:2019-02-22 23:22 修正:2019-02-23 07:00

仁寺洞泰和館跡に造成される「3・1独立宣言広場」 
総督府建物の一部を「ソウル石」と命名し使用


          
ソウル市鍾路区仁寺洞の泰和館跡=資料写真//ハンギョレ新聞社

 1995年に撤去された朝鮮総督府の建物に使われていた石を、ソウル市が「ソウル石」として登録し、鍾路区(チョンノグ)仁寺洞(インサドン)に造成される「3・1独立宣言広場」の礎石として使うことにした。植民地のつらい歴史を記憶して忘れずにいようという意味だ。

 22日、ソウル市は4月に着工し8月に完工する「3・1独立宣言広場」の礎石に、旧朝鮮総督府の建物に使われていた「ソウル石」を使うと明らかにした。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は「“ソウル石”は植民地のつらい過去を克服し、我が国の独立を象徴する石になるだろう」と説明した。

 1926年、日帝強制占領期間に竣工した朝鮮総督府の建物は、1995年「歴史立て直し」の一環で撤去された。以後、建物の残骸の一部が天安(チョナン)の独立記念館に保管されている。ソウル市は、朝鮮総督府の建物の石材を独立記念館から引き継ぎ、「ソウル石」と命名し登録して、「3・1独立宣言広場」の礎石として活用する計画だ。市は、この石が鍾路区昌信洞(チャンシンドン)の採石場で採掘され、朝鮮総督府の建物に使われたと見ている。

 市は、現在3・1運動の時に民族代表が集まり独立宣言書を朗読した鍾路区仁寺洞の泰和館跡を「3・1独立宣言広場」として造成している。この広場には、カザフスタン、ハルビンなど海外の10の主要独立運動の地域の石が使われる予定だ。世界各国に3・1運動の趣旨を呼び起こし、韓国国民と海外同胞の意を一つに集め、3・1独立宣言広場を作るためだ。ソウル市は、各地域の韓人会の協力を得て、各地域の石をソウルに運ぶ計画だ。海外各国の石を発掘し運ぶ費用はKB国民銀行が最高1億ウォン(約1千万円)を後援する予定だ。

 ソウル市は今月24日と25日に「石の帰還」行事を行う。朴元淳市長と独立活動家の李会栄(イ・フェヨン)、李恩淑(イ・ウンスク)先生の孫イ・ジョンゴル議員、尹奉吉(ユン・ボンギル)義士の孫ユン・ジュギョン氏らが参加し、24日午後「ソウル石」を登録する。「ソウル石」は、天安独立記念館を出発し京畿道安城市(アンソンシ)の3・1運動記念館、京畿安養市(アニャンシ)の李恩淑先生旧宅跡を経て、24日午後にソウル市庁に到着する。25日には鍾路区仁寺洞の泰和ビルディングで昌信洞の住民たちと共に3・1独立宣言広場造成宣言式が開催される。
キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

米国がこれを受け入れれば、終戦宣言の意味は平和体制に向けた交渉へと拡大される。

2019-02-22 | 世界情勢を知ろう
終戦宣言、直接的文言よりも
「平和体制のタイムテーブル」盛り込む可能性も

登録:2019-02-21 06:15 修正:2019-02-21 11:08

朝米首脳会談D-7議題分析:終戦宣言 
朝米、まず“平和構築”に合意後、4者による終戦宣言の可能性も 
終戦より平和宣言の形になる可能性 
「敵対清算、平和構築の意味が盛り込まれる見込み」 
3者または4者で首脳の代わりに外相が宣言する可能性も



北朝鮮の金正恩国務委員長の執事の役割を果たしているキム・チャンソン国務委員会部長一行が今月20日(現地時間)、ベトナム・ハノイのホー・チ・ミン廟を訪れ、周囲を点検している。キム部長一行は入口に10分ほど滞在し、動線をチェックした=ハノイ/聯合ニュース

 2回目の朝米首脳会談で、寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄をはじめとする北朝鮮の非核化措置に対する米国の相応措置として取り上げられていることの一つが"終戦宣言"だ。朝鮮半島で戦争が終了したことを公表するこの政治的宣言は、南北が昨年4月27日の板門店宣言で「今年終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換するための南北米3者または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していく」と合意したことで、同年6月12日にシンガポールで開かれた第1回朝米首脳会談でも核心議題に浮上した。

 米国は今回のハノイでの朝米首脳会談で、終戦宣言問題が協議されることを公式化した。マイク・ポンペオ国務長官は「FOXニュース」とのインタビューで、「ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が、朝鮮戦争を終わらせることについて話し合う機会があるだろうと期待している」と述べた。スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表もスタンフォード大学での講演で、「トランプ大統領は戦争を終わらせる準備ができている」とし、“終戦”に言及した。

 今回の朝米首脳会談で話し合われる終戦宣言の内容と形式については、見通しが分かれている。まず、北朝鮮の金正恩国務委員長とトランプ大統領が直接終戦宣言をするよりも、「いつまでに終戦宣言を採択し、平和体制の交渉を進める」というような文言が共同宣言に盛り込まれるものと見られている。朝米が明示的に終戦を宣言するよりも、敵対関係の清算と平和な関係の構築という約束を盛り込む「平和宣言」の形になる可能性もある。朝米交渉に詳しい外交部当局者は「今回の朝米合意には終戦宣言という表現よりも、敵対関係を清算し、平和と未来志向的関係に進むという意味を含む文言が盛り込まれる可能性がある」と述べた。終戦宣言を内容的に表現する方式が多角的に検討されていることを示唆する部分だ。


キム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表(左から2番目)やキム・ソンヘ統一戦線部統一策略室長、チェ・ガンイル外務省北米局長職務代行が20日午後、ベトナムで開かれる第2回朝米首脳会談の議題協議のため、北京からハノイに向かった=北京/聯合ニュース

 朝米の終戦に対する合意を3者か4者に多者化する形を取る可能性もある。朝米が先に終戦を宣言し、南北がこれを再確認することで、南北米3者が主体になる方法も検討されているという。朝米に続き、南北米中の4者が参加する方式も考えられる。首脳らに代わって外相らが終戦宣言を行うこともあり得るという見通しも示されている。政府当局者は「必ずしも関連国の首脳同士が集まって行う形式ではないかもしれない」とし、「終戦宣言の“格”については柔軟に考えられるだろう」と話した。

 北朝鮮は最近、終戦宣言に触れていない。米国に要求する相応の措置の焦点も、制裁緩和に移っている状況だ。北朝鮮が昨年には終戦宣言にこだわったことで、朝米交渉の膠着を招いたという点などを考慮したものと見られる。しかし、終戦宣言が朝鮮半島の停戦体制を平和体制に切り替える橋渡しになるなら、北朝鮮にとっても歓迎すべきことだ。北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「終戦宣言は北朝鮮の非核化を促進する北朝鮮内部の名分として活用できるだけでなく、南北軍事合意を進展させる動力になり得る。この過程には必ず対北朝鮮制裁緩和・解除が含まれる」としたうえで、「終戦宣言の意味は決して小さくない」と指摘した。

 朝鮮半島の平和体制に対する金委員長の関心は、今年の新年の辞にもよく表れている。金委員長は新年の辞で、「停戦体制を平和体制に転換するための多者交渉」を進める意向を明らかにした。北朝鮮は、今回の朝米首脳会談でも終戦宣言を朝鮮半島の平和体制へと進める経路として提示する可能性が高い。米国がこれを受け入れれば、終戦宣言の意味は平和体制に向けた交渉へと拡大される。

 一部では、北朝鮮が終戦宣言を在韓米軍の撤退を要求する根拠にする可能性があると指摘する。しかし、国防部当局者は「北朝鮮も終戦宣言を在韓米軍の撤退と関連づけていないと聞いている」と述べた。また、在韓米軍の駐留は1953年10月に締結した韓米相互防衛条約に基づいており、終戦宣言とは無関係というのが政府の立場だ。
ユ・ガンムン記者、パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

昨年、南北が結んだ軍事合意によって、陸海空での敵対行為が止まった。

2019-02-21 | 朝米会談の成功のために
スピード調整”に入った軍事的緊張の緩和、
朝米首脳会談以降再び加速化するか

登録:2019-02-21 08:00 修正:2019-02-21 08:45

民間観光客の板門店自由往来など 
朝米会談の合意が出るまで慎重に 
韓米合同軍事演習の日程発表も延期


米国の戦略兵器の原子力空母「ジョーン・C・ステニス」号が2016年3月13日午前、韓米合同軍事演習に参加するため、海軍釜山作戦基地に入港している=釜山/キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 昨年、南北が結んだ軍事合意によって、陸海空での敵対行為が止まった。非武装地帯にある監視警戒所(GP)の試験的撤収も終わった。ただし、多くの人々の関心を集めている民間観光客の板門店(パンムンジョム)の自由往来や南北軍事共同委員会の構成などについては、今のところ進展が見られない。先月初めに発表される予定だった韓米合同軍事演習の実施の可否についても、まだ確定していない。朝米首脳会談を控え、軍事的緊張緩和に向けた作業がスピード調整に入った格好で、首脳会談後に再び加速化するかどうかに関心が集まっている。

 20日、韓国軍筋の説明によると、韓米軍当局は毎年4月に大規模で実施してきた合同野外機動訓練「トクスリ訓練」の規模を「大隊級以下」に調整し、年内に実施する計画だという。規模が縮小されただけに、北朝鮮が敏感に反応してきた米国の戦略資産が展開されないという点で、これまでの演習とは異なる。韓米が室内で「ウォー(war)ゲーム」方式で進めていた大規模合同指揮所演習(CPX)「キーリゾルブ」は、期間をこれまでの2週間から10日程度に短縮して実施される見込みだ。韓米当局が実施するコンピューター基盤の室内練習と野外訓練の期間と規模が共に調整されるわけだ。特に韓米は、北朝鮮を刺激しないために、「キーリゾルブ」演習とトクスリ訓練の名称を従来より中立的なものに変える案も協議している。国防部は「韓米が練習および訓練の規模や方法、期間を調整しており、適切な時期に発表する予定だ」と明らかにした。ハノイ首脳会談に及ぼす影響を懸念し、首脳会談後に具体的な演習計画を発表するものと見られる。

 また、南北は9月の平壌(ピョンヤン)首脳会談当時、南北と国連軍司令部の3者協議体を構成し、共同警備区域を非武装化した後、民間人の自由な往来を認めることで合意した。南側の一般市民も、板門店(パンムンジョム)北側地域の板門閣(パンムンガク)や統一閣を自由に見学できるようになるかに関心が集まった。しかし、合意から5カ月が経っても何の知らせもない。共同警備区域の自由往来のためには、現在共同警備区域を管轄する国連軍司令部(米国)と実質的な管理を担当している韓国軍当局、そして北朝鮮軍当局が「共同勤務規則」に最終的に合意し、どのように合同勤務警戒所を運用して、民間観光客の自由往来を保障するかを決めなければならない。

 これと関連し、軍事分野の合意履行に向けた南北協議状況に精通する軍関係者は「現在、南・北・国連軍司令部が共同管理機構を運営する方法について多少異なる立場を示している」とし、「共同勤務規則を最終調整中だが、それに合意しなければ、監視警戒所の運営方式と民間人の自由往来の動線も組むことができない。南・北・国連軍司令部がそれぞれ作成した守則案を提出したが、これを一つの守則にするため、文言を一つ一つ調整するのに時間がかかっている」と話した。

 例えば、現在非武装地帯内にある共同警備区域に入るためには、国連軍司令部の承認が必要だが、今後民間人の自由往来のための承認を与える主体を誰にするのかなどについて、まだ朝米が意見の隔たりを埋められずにいるという。1953年の停戦協定締結後、原則的に国連軍司令部が共同警備区域を管轄しているが、事実上、南側の軍当局が同区域を実質管理しているだけに、北側は、南北が主体になって民間人の自由往来を保障すべきという意見を示したという。「南と北、国連軍司令部が互いに少しずつ譲歩しなければ、問題を解決できない」というのが軍関係者の説明だ。2回目の朝米首脳会談がこうした対立を和らげる可能性もある。

 一方、南北は昨年末まで監視警戒所(GP)の11カ所を撤収し、今後、非武装地帯内にある南北の監視警戒所をすべてなくすことを目標に定めた。9・19軍事合意で構成することを約束した南北軍事共同委員会で、同問題を論議するものと見られていた。ところが、国防部は「現在、軍事共同委の構成と運営について文書交換方式などで(北側と)協議を進めている」と発表しただけで、具体的な進行状況については口を閉ざした。こうした状況で20日、軍消息筋は「軍事共同委の開催時期が遅れれば、残りの監視警戒所の撤収問題は、南北が将官級会談などを開いて協議する可能性がある」と話した。国防部が、朝米首脳会談が終わり金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長のソウル答礼訪問が行われる直前に南北軍当局が会談を開く可能性も排除していないということだ。朝米会談の直後、南北が会談し、金委員長の答礼訪問の際に発表する追加の軍事的緊張緩和措置を話し合う可能性が十分にあるという意味でもある。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

大規模な訓練計画を発表して北朝鮮を刺激することを避け、部隊単位の合同訓練を実施して防衛態勢を維持する構想だ。

2019-02-21 | 韓国の民主化は進んでいく。
韓米合同軍事演習 名称変更し来月実施へ 
政治 2019.02.20 17:47


【ソウル聯合ニュース】毎年上半期に実施されていた韓米両軍の合同野外機動訓練「フォールイーグル」の名称が消滅することが、20日までに分かった。全面戦に備えた韓米合同指揮所演習として毎年上半期に実施されていた「キー・リゾルブ」は名称を「19―1演習」に変更し、防衛を中心に来月実施される予定だ。

 韓国政府の消息筋はこの日、今年上半期の韓米合同軍事演習の計画に関して「フォールイーグルという名称は使わない」と明らかにした。

 韓米軍当局は、これまでフォールイーグルの期間中に実施していた合同演習のうち、大隊級以下の演習は例年通り実施することで一致したと伝えられた。

 フォールイーグルは、後方地域の防衛作戦遂行能力を養うために毎年3~4月に実施される野外機動訓練だ。この訓練はコンピューターシミュレーションを使ったキー・リゾルブと異なり、実際に兵力と装備が動員される。

 韓米軍当局は、代表的な合同野外機動訓練として定着したフォールイーグルの実施期間を毎年発表してきた。

 だが、フォールイーグルは実質的には単一の訓練というより数十の陸・海・空軍、海兵隊の合同訓練を合わせたものという性格が強いため、今後はこの名称を使用せず、通年で部隊単位の合同訓練を行うことになる。フォールイーグルが実施されていた期間には大隊級以下の訓練を行うという。

 大規模な訓練計画を発表して北朝鮮を刺激することを避け、部隊単位の合同訓練を実施して防衛態勢を維持する構想だ。

 一方、韓米軍当局は来月4日から19―1演習(従来のキー・リゾルブ)を行うための準備を進めていると伝えられた。毎年キー・リゾルブの前に実施されていた危機管理演習も今月26日から行われる予定だ。

 韓国軍の関係者は、19―1演習の時期について「予定通り3月4日から始める可能性が高い」と述べた。

 今回の19―1演習は、これまでと異なり防衛を中心に行われ、演習期間も7日間と短縮されるという。

 ただ、27~28日にベトナム・ハノイで開かれる2回目の朝米(米朝)首脳会談の結果によっては、3~4月に予定されている韓米合同演習が先送りされる可能性も完全には排除できない状況だ。

 昨年6月12日にシンガポールで行われた1回目の朝米首脳会談の結果を受け、同年8月に予定されていた定例の合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)も延期された。

ynhrm@yna.co.kr

北朝鮮側は「非核化と制裁緩和の交換」という“現金”方式を好む。隔たりは大きいが、両方とも調整が不可欠であることを分かっている。

2019-02-21 | 朝米会談の成功のために
対北朝鮮制裁緩和、“例外の認定”か“構造の解体”か
登録:2019-02-20 06:47 修正:2019-02-20 10:26


米国、国連決議必要ない南北経済協力の包括的免除を好む 
北朝鮮、金剛山・開城工業団地の再開に加えて制裁構造の緩和に集中 
非核化と相応の措置協議する委員会設ける“第3の解決策”模索する可能性も 

          
2回目の朝米首脳会談を控えた今月19日(現地時間)、ベトナム・ハノイの政府ゲストハウス(迎賓館)で、関係者らが絵を運んでいる/聯合ニュース

 「付けておいてください」。「現金以外はお断りします」

 第2回朝米首脳会談の難題である“制裁緩和”をめぐる朝米両国の基本的な態度だ。米国は「寧辺プラスアルファ」など、北朝鮮側の意味ある非核化措置を前提に「制裁緩和を考慮できる」という“ツケ”を、北朝鮮側は「非核化と制裁緩和の交換」という“現金”方式を好む。隔たりは大きいが、両方とも(核問題を解決するためには)調整が不可欠であることを分かっている。

 スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮特別代表の平壌交渉後、米国の最上層部は調整のメッセージが込められたガイドラインを示した。マイク・ポンペオ国務長官が「制裁を緩和する見返りとして良い結果を得るのが我々の意図」(13日のインタビュー)と述べたのに続き、ドナルド・トランプ大統領が「北朝鮮に数十億ドルを渡した前轍を踏まない」(15日のホワイトハウス会見)と強調した。“制裁緩和”をカードに使うものの、“米国のカネ”は使わないという「人の褌で相撲を取る」方式だ。

 南北経済協力事業に対する包括的制裁免除がまず取り上げられている。韓国政府が強く望んでおり、米国も否定的ではないというのが消息筋の話だ。国連の最新の制裁決議第2397号の「事案別免除決定」(第25条)と「朝鮮半島の平和・対話・緊張緩和活動の歓迎」(第27条)条項を援用すれば、別途決議を採択しなくても可能だ。米国にとっては、“国際制裁レジーム”に手をつけなくても北朝鮮側の意味のある非核化措置を引き出すアメとして使える利点がある。米国は、各種の制裁にかかった開城(ケソン)よりは、原則的に制裁対象でない金剛山(クムガンサン)カードを優先的に考慮しているという。

 北朝鮮にとっても、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が新年の辞で「前提条件と見返りを求めない再開」を提案しただけに、金剛山・開城事業の再開は優先課題だ。ただし、問題がある。まず、北朝鮮側は、両事業は「南北経済協力」であるため、米国の交渉カードにはなり得ないとし、「干渉するな」という態度だ。 「受け取らない」わけではなく、「もっと多くのもの」を得るための交渉上の戦術だ。何よりも北朝鮮は特定事業に対する“例外の認定”ではなく、“制裁レジームの緩和”を望んでいるというのが本質的な争点だ。事情に詳しい消息筋は19日、「BDA(バンコ・デルタ・アジア)問題のときの北朝鮮のアプローチに注目する必要がある」と助言した。

 北朝鮮の1回目の核実験(2006年10月9日)と6カ国協議の長期空転の触発要因となった「BDA問題」の際、北朝鮮は「口座凍結を解除するから、2500万ドル(約4億6000万円)を下ろせ」という米国側の提案を拒否し、「国際金融網を通じた送金」方式を強く主張した。結局、韓米中ロの協力でロシア銀行を経て送金する方式で、発生から2年目の2007年に一段落した。消息筋は「北朝鮮がBDA問題で重視したのは、2500万ドルではなく、国際金融網への接近権」だとし、「制裁問題でも、北朝鮮は“例外”ではなく“レジームの緩和”を望んでいる」と指摘した。同消息筋は「経済成長を追求する金委員長にとっては、南北経済協力だけでなく、朝中経済協力を含む国際社会と経済交流をする糸口を探るのが死活問題」だと付け加えた。

 金剛山・開城を論外とすれば、国連決議第2397号が規定した「1年に製油50万トン」(第5条)の上限を引き上げるか、一部の民生分野を制裁対象から除外する案もある。ただし、このためには新しい国連決議を採択しなければならず、トランプ大統領の政治的負担が大きい。

 “第3の解決策”もある。2回目の朝米首脳会談の合意履行の過程で、非核化と制裁緩和など相応の措置をあわせて協議・実行する委員会を設ける案だ。“ツケ”と“現金”との折衝である。

 外交安保分野の高官は「制裁緩和方式が国連の別途の決議文の採択なのか、対北朝鮮制裁委員会の“免除決定”なのかは、朝米交渉にかかっている」とし、「金正恩委員長とトランプ大統領が談判を終えて会談場に出るまでは、誰にも分からない問題」だと述べた。
イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

一部では、金委員長がハノイ会談を終えて帰国する時に中国に立ち寄り、朝中首脳会談をする可能性を予想している。

2019-02-20 | 中・朝首脳会談
ハノイ以後に5回目の朝中会談はあるか?
金正恩の動線に“関心”

登録:2019-02-18 23:08 修正:2019-02-19 09:39

シンガポール初会談の時は、中国の飛行機を借り 
3月3日両会前に北京を訪問する可能性


昨年2月、平昌冬季五輪の訪南団を乗せた「大鷹1号」が仁川空港に到着している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 2回目の朝米首脳会談に向かう金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の移動手段と経路がベールに包まれた状態なので、様々なシナリオが出てきている。金委員長がベトナムを往来する途中で中国を訪問し、5回目の朝中首脳会談をするかも関心事だ。

 まず、金委員長が専用機「大鷹1号」に乗ってハノイまで移動するかが関心を引く。金委員長の専用機は、イリューシン(IL)-62M中型機を改造したもので、諸元上は1万キロメートルまでの飛行が可能であり、平壌から2760キロメートル離れたハノイまでは中間寄着なしで行くことができる。金委員長は昨年6月の初の朝米首脳会談の時は、平壌から4700キロメートルのシンガポールまで中国高官級専用機を借りて乗った。「大鷹1号」は当時随行員を乗せてシンガポールを往復した。一部では、北朝鮮内部で最高指導者が他国の航空機を利用したことに対する不満があったという話もある。しかし今回も中国の飛行機をレンタルする可能性は排除できない。

 金委員長が専用機への搭乗を決めるなら、予行演習が必要だろうという観測が提起される。ある外交消息筋は「北朝鮮の操縦士は相対的に飛行経験が不足している」とし、「今週中に二度ほど練習飛行をする可能性がある」と話した。航空業界のある関係者は「国際航路および空港情報は概してマニュアルがよく整備されていて事前の下見が必要だとは言えないが、安全目的で事前の練習をすることはありうる」と話した。

 金委員長が専用列車で中国を通過する可能性を提起する人々もいる。しかし、片道で三日近くかかるので現実的でないとの評価が多い。

 一部では、金委員長がハノイ会談を終えて帰国する時に中国に立ち寄り、朝中首脳会談をする可能性を予想している。金委員長は昨年以後、中国を訪問して習近平中国国家主席に4回会った。中国は3月3日の全国政治協商会議開幕(全協)を始め、年中最大の政治行事である両会シーズンに突入する。ある北京消息筋は「習主席が全協開幕前に金委員長に会い、朝米首脳会談の結果を議論する可能性がある」と指摘した。

 金委員長が、中国の改革・開放の“聖地”である広東省広州や習主席が推進する新しい自由貿易地帯である海南島の三亜を経由するかもしれないという予想もある。朝米首脳会談の儀式を調整するキム・チャンソン国務委員会部長が、広州を経てハノイに移動したことを、金委員長の広州経由に対する暗示と見る人々もいる。しかし、キム部長がハノイに行く最も早い航空便を探して広州を経由したという分析もある。

 金委員長がハノイ会談を終えひとまず平壌に戻った後、3月の両会期間に中国を再訪問し、習主席に会う可能性も排除できない。
北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )