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「豊かな音楽性にあふれている」「生涯心に残るような演奏」「音色に酔いしれた」

2016-07-12 | 朝鮮新報ニュース
青少年ショパンコンクール優勝 注目の逸材
世界が認める朝鮮のピアノ教育
ショパンコンクールで優勝したマ・シナさん


ショパンコンクールで優勝したマ・シナさん

【平壌発=金淑美】5月にポ―ランド・シャファルニアで行われた第24回青少年のためのショパン国際ピアノコンクールで優勝を果たしたマ・シナさん(13)。ロシア、ポーランド、ドイツ、フランス、オーストリア、英国等の20カ国から約50人が参加したコンクールで、審査員や聴衆から大絶賛を受け、同コンクール最優秀賞、ハンガリーのゲオルギ・ペレンツ基金制定ショパン作マズルカ最優秀賞をはじめ数々の賞を受賞した。シナさんが学ぶ金元均名称音楽総合大学平壌第1音楽学院を訪ね、世界に挑む朝鮮のピアニストの快挙の原動力と朝鮮のピアノ教育を取材した。
審査員を魅了

「豊かな音楽性にあふれている」「生涯心に残るような演奏」「音色に酔いしれた」

コンクールでシナさんの演奏が終わると、審査員らは審査結果が出るよりも先に席を立ち、みながシナさんの元を訪れては賛辞を惜しまなかった。聴衆らからも握手攻めにあったという。

コンクールでは、バッハ作 前奏曲とフーガ ロ長調、ショパン作 マズルカ 変ロ長調、ショパン作 スケルツォ 変ロ短調、リスト作 リゴレットの4曲を演奏。なかでも、ショパンの作品の中では難易度の高い曲として知られるマズルカ 変ロ長調が高く評価された。自由曲にこの曲を選んだ理由を「ショパンは今まであまり弾いてこなかったから、面白そうな曲を選んだ」と少しも気負わずに話す。実際は技術的にも音楽的にも非常に難しかったという。コンクール開催地のポルトガルに着いてからも、ショパン博物館に足を運んだり、ショパンが20歳まで暮らしたワルシャワの街を車窓から眺めながら「この街にはどんな音楽が似合うだろう」と「ポーランドの魂」とされたショパンの音楽の世界に想像を巡らせた。
ピアノは「親友のような存在」だという



当日は全く緊張しなかったとシナさん。本番前のあるエピソードを教えてくれた。

10分前、気持ちを落ち着かせるために会場の外へ散歩に出たときのこと。空に掲げられた世界各国の国旗のなかに朝鮮の国旗を見つけた。「必ず1位になって朝鮮の名を輝かせたい」――。背中を押される思いで再び会場へ向かったという。
海外留学も奨励

12年制義務教育(無料教育)が実施されている朝鮮では幼稚園などにおいて早期音楽教育が行われている。幼いころから音楽の才能を開花させるための環境づくりと指導体制運営に国家的関心が払われており、ここで学んだ子どもたちが、各国で行われる音楽コンクールに出場して入賞を果たしている。海外留学も積極的に実施され、現在、国立交響楽団をはじめとする国内の芸術団では、朝鮮で英才教育を受け、クラシック音楽の本場であるヨーロッパの国々で学んだ演奏者、歌手らが活躍している。
指導教員であるリ・ヨンボクさんと共に

指導教員であるリ・ヨンボクさんと共に

シナさんも、平壌市内の音楽専門幼稚園を経て、朝鮮随一の音楽専門学校として知られる金元均名称音楽総合大学平壌第1音楽学院へ進学した。同学院では国際ピアノコンクールにおいて優勝者、入賞者を多数輩出してきた。現在、小学1年から大学3年までの百数十人の児童・生徒・学生らがピアノを専攻して学んでいる。

「わが校におけるピアノ教育は、西洋楽器であっても主体性と民族性を重んじ、民族音楽を基調としています」と話すのは、リ・ヨンボク教員(51)。トラジやアリランなどの民族音楽をピアノ用に編曲したものや世界各国のピアノ曲を教材として使用しているという。

シナさんは7歳で家族とともにロシアにわたり、モスクワ音楽院(正式名称:チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院)付属中央音楽学校で4年半学んだのち、昨年6月に帰国。モスクワでは著名な教員に師事しながら、数々の名指揮者の下で月に一度は必ず舞台に立ち、海外公演にも多数出演した。留学経験についてシナさんは、「自分の力で楽譜から音楽を読み取り表現できるようになり、舞台度胸も鍛えられた」と話す。

国際経験豊富なシナさんだが、過去に国際コンクールに出場した際は留学中だったことから、コンクールで優勝して祖国に「凱旋」するのは今回が初めてだった。平壌国際空港で家族や親戚、教員やクラスメイトたちの盛大な歓迎を受けたシナさんは「思いもよらなかった。何回1位を取っても、こんなに温かい歓迎を受けたことはない」とボロボロと涙をこぼしたという。

「ピアノは親友のような存在」。そう話す笑顔にはまだまだ幼さが残る13歳。朝鮮で最も才能ある次世代の音楽家の一人として注目されている。

「目標をいっそう高く掲げて世界的に名を馳せるピアニストになりたい」

祖国に深く根ざしながら世界に通用する技術を磨き続けるシナさん。朝鮮の若きピアニストのさらなる飛躍に期待は高まるばかりだ。

(朝鮮新報)


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