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「ホワイト国」から韓国を除外する手続きの延期を促す内容で、一層の対立激化を回避させたい考えとみられる。ロイター通信が伝えた。

2019-07-31 | 韓国の民主化は進んでいく。
日韓対立、米が仲介提案 ホワイト国から除外の延期促す
2019年7月31日 07:44

          
          

 河野太郎外相、ポンペオ米国務長官(ゲッティ=共同)、韓国の康京和外相

 【ワシントン共同】米政府高官は30日、日本による対韓輸出規制強化など一連の日韓対立を巡り、現状を維持し新たな措置は取らない状態で交渉する協定への署名を求める仲介案を提示したと明らかにした。事実上、日本に安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外する手続きの延期を促す内容で、一層の対立激化を回避させたい考えとみられる。ロイター通信が伝えた。

 ポンペオ国務長官は8月1日にタイ・バンコクで予定する日米韓外相会談で、河野太郎外相と韓国の康京和外相と仲介案について協議する見通し。

韓国外交部の公式見解は「決まっているものは何もない」だが、実際には外交窓口で日程を調整しており、近いうちに公式発表がある

2019-07-30 | 韓国:ハンギョレ新聞
韓米日、
来月ASEAN会議をきっかけに「3国外交協議」を推進

登録:2019-07-30 06:44 修正:2019-07-30 08:21

消息筋、「両会談いずれも推進中」 
実現すれば、韓日対立の管理に向けた 
「高位外交協議の場」が開かれることに

          

マイク・ポンペオ米国務長官(左から)、河野太郎日本外相、カン・ギョンファ外交部長官が今月8日、東京で韓米日3国外交長官会議を行なった後、手を取り合って記者団の前に立っている//ハンギョレ新聞社

 カン・ギョンファ外交部長官とマイク・ポンペオ米国務長官、河野太郎日本外相が来月2日、タイ・バンコクで開かれるASEAN地域安保フォーラム(ARF)外相会議への出席をきっかけに、韓米日3国外交長官会議を推進している。実現されれば、去る4日の安倍晋三政権による対韓国輸出規制措置で急速に高まった韓日対立の管理を図る高官外交協議の場が開かれることになる。

 複数の政府消息筋は29日、ASEAN地域フォーラムをきっかけに韓日両国外相会談と韓米日外交長官会議が開かれる可能性に関して「いずれの会談も推進中」だと話した。ある政府筋は「開かれそうだ」と楽観的な見通しを示した。韓国外交部の公式見解は「決まっているものは何もない」だが、実際には外交窓口で日程を調整しており、近いうちに公式発表がある見通しだ。カン長官は31日に出国し、8月3日に帰国する。

 米国務省の当局者は26日(現地時間)、ポンペオ長官のアジア歴訪(7月30日~8月6日)に関する電話会見で「米国、韓国、日本を同じ場所に置きさえすれば、いつでも一緒に会いたい気持ちになるだろう」と述べ、韓米日3国会合の可能性をほのめかした。この当局者は「私たちは生産的で韓日双方に利益になる方法でこの問題を扱うよう奨励する方法を探している」と付け加えた。

 これまで韓国政府は韓日対立に関して「対話の扉は開かれている」という態度を堅持してきたが、日本政府は対話に応じなかった。その後21日の参議院選挙以降、特に25日の北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射をきっかけに態度に微妙な変化を見せた。今回の事態が起こった後、初めてカン長官と河野外相の電話通話が26日に実現したのが代表的だ。

 しかし、韓日、韓米日外相会談が開かれても、日本の輸出規制措置をめぐる韓日対立の出口を探す可能性は高くない。政府消息筋は「経済報復問題は日本の首相官邸と経済産業省が主導しているので、外交ラインで解決するのは容易ではない」と話した。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

「1965年日本が韓国に支払った金は経済協力であり、(強制徴用などに対する)賠償金ではない」

2019-07-29 | 韓国の民主化は進んでいく。
「輸出規制を撤回せよ」という日本の有識者の署名運動
登録:2019-07-28 21:56 修正:2019-07-29 07:31

        

日本の識者が安倍政権の韓国に対する輸出規制の撤回のために開設した署名運動のサイト//ハンギョレ新聞社

 和田春樹・東京大名誉教授、田中宏・一橋大学名誉教授、内田雅敏弁護士など日本の有識者75人が25日、インターネットのサイトを開設して安倍政権の輸出規制の撤回を促す署名運動を始めた。韓日関係に精通した日本の良心的有識者が、同政権の経済報復撤回と両国関係の正常化のために公けに呼びかけた点で注目される。

 声明では単刀直入に「韓国は敵なのか」と 安倍政権に尋ねている。「この措置が韓国経済に致命的な打撃をあたえかねない、敵対的な行為であることは明らか」と指摘している。同政権が輸出規制に対して各種の理由を上げて報復措置(対抗措置)でないと強弁していることに真っ向から反論したのだ。

 彼等はまた、1965年の韓日請求権協定で過去の問題が全て解決されたという安倍政権の主張は事実ではないと指摘している。「日韓請求権協定は両国関係の基礎として存在しているから尊重されるべき」としつつも「しかし、安倍政権が常套句のように繰り返す『解決済み』では決してない」と明らかにした。韓日請求権協定にもかかわらず、日帝強制占領の36年間の鬱憤に充ちた被害を受けた個人が日本政府の不法行為に対して賠償請求するのは可能だという国際法の常識的解釈を再確認したのだ。彼らはこれに加えて「特別な歴史的過去をもつ日本と韓国の場合は、対立するにしても、特別慎重な配慮が必要になる。それは、かつて日本がこの国を侵略し、植民地支配をした歴史があるからだ」と強調している。このように日本の有識者も勇気を出して声を上げているが、韓国の一部の政界とマスコミは相変らず安倍政権と大きく違わない主張をし続けている。まことに嘆かわしいばかりである。

 彼らは「このたびの措置自身、日本が多大な恩恵を受けてきた自由貿易の原則に反するもので、日本経済にも大きなマイナスになるもの」と警告している。自由貿易のおかげで目覚ましい経済成長を成し遂げた日本が、経済と関係ない理由で貿易報復をするのは自己矛盾だという点を批判しているのだ。世界の有力なメディアも以前から同政権のこのようなダブルスタンダードを「偽善的」と強く批判し、「愚かな貿易戦争」を中断することを要求してきた。同政権の無謀な輸出規制が、分業と協業で構築されたグローバル供給網を崩壊させることがありえるためだ。

 彼らは「日本でBTS(防弾少年団)の人気は圧倒的で、300万人が日本から韓国へ旅行して、700万人が韓国から日本を訪問している」として「ネトウヨやヘイトスピーチ派がどんなに叫ぼうと、日本と韓国は大切な隣国同士であり、韓国と日本を切り離すことはできない」と強調した。それと共に「安倍首相は、日本国民と韓国国民の仲を裂き、両国民を対立反目させるようなことはやめよ」と促した。

 安倍政権は日本の識者の苦言を重く受け止めて輸出規制を直ちに撤回し、韓国政府の対話要求に誠実な姿勢で応じるべきだ。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/903662.html
韓国語原文入力:2019/07/14 18:09
訳T.W
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日本有名作家「韓国の強制徴用判決、
あまりにも当然」安倍首相を正面批判


7/29(月) 11:35配信

中央日報日本語版


映画『軍艦島』の一場面。強制徴用された朝鮮人が日本端島の海底炭鉱で命をかけた労役をしている。[写真 映画会社]

「朝鮮人強制徴用はナチス・ドイツのホロコーストに違わないことだ。日本企業に賠償を命令した韓国大法院(最高裁)の判決はあまりにも当然だ」

日本の著名な脱核専門家であり、作家である広瀬隆さんが最近韓日間紛争の原因とされる強制徴用賠償問題についてこのように主張した。24日、時事週刊誌「週刊朝日」に掲載したオンラインコラムを通じてだ。彼はコラムで「日帝が犯した朝鮮人強制徴用は奴隷制に当たるものであり、重大な人権侵害で、ナチス・ドイツがユダヤ人をアウシュヴィッツ強制収容所に送りこんだのと何ら違わない」と書いた。1965年韓日請求権協定の時、強制徴用賠償問題などすべてのことが解決済みという安倍政権の主張もつじつまの合わない主張だと批判した。

広瀬さんは「1965年日本が韓国に支払った金は経済協力であり、(強制徴用などに対する)賠償金ではない」と主張した。「協定によって韓国に支払った金は経済協力資金だ」(椎名悦三郎元外相)「いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではないい」(柳井俊二元外務省条約局長)などの発言がこれを裏付けているということだ。彼は「それでも安倍政権が日本企業に『賠償金を払うな』と指導してきた。それはおかしいと批判すべきテレビ報道界が、あべこべに率先して韓国批判をスタートしたわけ」として「当時、強制労働被害者に対する個人補償を定めずに日韓国交正常化の条約を結んだ韓国の大統領・朴正熙(パク・チョンヒ)にも非がある」と主張した。
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最終更新:7/29(月) 11:35
中央日報日本語版

北朝鮮は11日、南側が「見えない殺人兵器」のF35Aを持ち込んで、「朝鮮半島有事の際、北朝鮮への侵略の“扉”を開こうとしている」と非難した。

2019-07-29 | 韓国:ハンギョレ新聞
北朝鮮のいう「先端攻撃型兵器」とは?
F35Aステルス機が最大の“脅威”

登録:2019-07-27 06:46 修正:2019-07-27 08:53


北朝鮮「見えない殺人兵器」と猛非難 
高高度偵察機の「グローバルホーク」にも敏感

          

韓国初のステルス戦闘機F35A//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が25日、新型短距離弾道ミサイル発射の理由の一つに挙げた「南朝鮮軍部の好戦勢力たちが必死に(米国から)持ち込もうとする先端攻撃型兵器」は、「F35Aステルス戦闘機」とこの戦闘機の目となる最先端の高高度無人偵察機「グローバルホーク」などを通称したものとみられる。

 韓国軍は今年に入ってこれまで8機のF35Aを導入したのに続き、年末までに8機を追加搬入し、2021年まで40機を確保する方針だ。F35Aは、レーダーなど各種探知機器に捉えられないステルス機能を備えた最新戦闘機で、空対地・空対空ミサイルなど各種兵器を内蔵した状態で目標物に密かに接近し打撃できる戦略兵器だ。北朝鮮首脳部の位置を把握すれば、このステルス機が素早く接近し、攻撃できるという話が出るほどだ。韓国軍当局は2019~2023年の国防中期戦力増強計画で、同期間まで94兆1千億ウォン(約8兆6千億円)を投資し、核・ミサイルの脅威を抑止する核心戦力を確保する計画だが、この中核をなしているのがF35Aだ。北朝鮮は11日、南側が「見えない殺人兵器」のF35Aを持ち込んで、「朝鮮半島有事の際、北朝鮮への侵略の“扉”を開こうとしている」と非難した。

 軍当局はF35Aの目となり視野を確保できる偵察機グローバルホークを年末までに4機導入する予定だが、これも北朝鮮にとっては脅威となり得る。偵察機は情報収集の役割を担う。北朝鮮としては、最高指導者の位置など各種秘密情報が漏れる可能性を懸念せざるを得ない。F35Aステルス機がグローバルホークによって確保された情報をもとに攻撃すると捉える可能性もある。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「障害者の社会保障制度を整備し続け、サービスシステムを整え続け、障害者事業は世界の注目する歴史的成果を挙げ、障害者の獲得感、幸福感、安全感は高まり続けている」

2019-07-29 | 中国を知ろう
中国は8500万人の障害者の権益保障に尽力
人民網日本語版 2019年07月26日15:00

国務院新聞弁公室は25日に白書『平等、参画、共有:新中国の障害者の権益保障70年』を発表し、記者発表会を開いた。人民日報海外版が伝えた。

■障害者事業は歴史的成果を挙げた

国務院新聞弁公室の胡凱紅報道官によると、中国には世界最多の8500万人の障害者がおり、少なからぬ試練に直面している。白書は新中国成立以来70年間、障害者の権利と尊厳の保護促進、障害者の政治・経済・社会・文化生活への平等参画の保障に努力してきた状況を全面的に系統立てて紹介。特に中国共産党の第18回党大会以降の障害者の権益保障の体制と制度を重点的に紹介し、「障害者の社会保障制度を整備し続け、サービスシステムを整え続け、障害者事業は世界の注目する歴史的成果を挙げ、障害者の獲得感、幸福感、安全感は高まり続けている」と指摘した。

白書は中国語版と同時に、英語版、フランス語版、ロシア語版、スペイン語版、アラビア語版も発表。人民出版社と外文出版社がそれぞれ出版し、中国各地の新華書店で発売される。

■障害者の小康プロセスは決定的進展を得た

小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成においては、1人の障害者も置き去りにしてはならない。中国障害者連合会の程凱副主席兼副理事長は「障害者の小康プロセスはすでに決定的進展を得た」と指摘した。

  程氏によると、障害者の小康プロセスは全体的に期待を上回っている。特に貧しい障害者の貧困脱却と困難解決、障害者の社会保障、リハビリ、教育、就業など基本的民生サービスと公共サービスの面で歴史的ブレイクスルーを遂げ、障害者の生活・活躍状況は著しく改善された。国務院通達の「『第13次五カ年計画』障害者小康加速計画綱要」は障害者の小康プロセスの主要指標を10個設定した。昨年の評価状況によると、圧倒的多数の指標で期間の過半数、任務の過半数を達成。障害者の生活難手当や重度障害者の介護手当は昨年カバー率100%を実現し、第13次五カ年計画の目標を前倒しで達成した。

■障害者の権益保障は国際的称賛を得た

先般、エスピノサ第73回国連総会議長とムハンマド=バンデ第74回国連総会議長がそれぞれ中国障害者連合会を訪問し、障害者の権益保障、障害者事業の発展における中国の成果を高く評価した。

国務院障害者事業委員会副主任、中国障害者連合会主席の張海迪氏は「中国は障害者権利条約の積極的な提唱国、参加国であり、最初の署名・加盟国の1つだ。中国は『持続可能な開発のための2030アジェンダ』に障害者事業を盛り込むことを積極的に後押しし、『一帯一路』の障害者分野の協力を通じて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、アジア欧州会議(ASEM)、中国アフリカ協力フォーラムの枠組で障害者事業の協力制度を発足に導いた」と説明した。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年7月26日

 約1500年前、朝鮮半島南部の阿羅伽耶の土器職人はどんな想像をしながらこのような作品を作ったのだろうか。

2019-07-28 | 韓国の民主化は進んでいく。
伽耶時代の土器の最高傑作が出土
登録:2019-07-16 11:00 修正:2019-07-16 11:42

最近、咸安末伊山の阿羅伽耶45号墳から出土した象形土器 
割れた胴体だけが公開された直後、墓の中から鹿の頭部をさらに発見 
 
合わせてみると、伽耶の造形美の頂点を見せる最高傑作 
専門家「阿羅伽耶芸術の最高頂点」と絶賛



鹿の形をした動物が振り返る瞬間の姿を形象化した阿羅伽耶の土器角杯//ハンギョレ新聞社

 約1500年前、朝鮮半島南部の阿羅伽耶の土器職人はどんな想像をしながらこのような作品を作ったのだろうか。

 振り返った鹿(またはノロジカ)の姿と表情をスナップ写真のように捉えて作った伽耶時代の象形土器の最高傑作が世間に現れた。ふっくらした量感、柔軟な輪郭を持った胴体に振り返った鹿の細長い頭と首が付いた、超現実的な美感を与える作品だ。

 慶尚南道咸安郡(ハマングン)と頭流文化研究院は5月末、郡内の末伊山(マリサン)阿羅伽耶古墳群45号墳の木槨墓の発掘調査の成果と出土品を公開した際、胴体だけが残った状態で披露した動物の形の角杯を、最近、鹿類の頭が付いた完全な形の角杯に復元したと明らかにした。咸安郡側は「この象形土器がメディアに公開された直後、木槨墓の墓室の底を再び収拾していたところ、鹿またはノロジカと見られる頭部の彫刻を発掘し、この彫刻が角杯の胴体とぴったり合わさったため、鹿の形をした造形物であることがわかった」と説明した。

          

5月末、末伊山45号墳の発掘成果を発表した当時公開された鹿の形の角杯の当初の姿。当時は上半身が割れてなくなった状態だったため何の動物か分からず、動物型角杯と表記されていた//ハンギョレ新聞社

 長さ17センチ、高さ19センチの同作品をつぶさに見た考古学界の専門家らは、優れた造形美を持つ伽耶の象形土器の最高傑作と口をそろえた。鹿類の動物が振り返る瞬間の特徴的な姿を絶妙に捉えた頭部の写実的表現と、ふっくらして柔軟な楕円形の超現実的なイメージ、胴体の上に置かれたV字型の角杯が、絶妙な調和をなしている。杯を支える部分にあたる胴体には、阿羅伽耶土器特有の火の玉模様様の透かし彫りが鮮明に見えるのも特徴だ。墓の主人を葬祭する時に酒などを注ぐ儀礼用の祭器に使った後、墓室の中の遺体の頭部に副葬品として埋めたと推定される。

 伽耶時代の象形土器はほとんどが慶尚南道咸安、昌原(チャンウォン)などの阿羅伽耶圏域から出土している。馬車の車輪の形の土器、家の形の土器など事物型土器や騎馬人物型の土器が伝わっており、動物ではカモの形の土器がほぼ唯一知られている。遺物を見た考古学界のある専門家は「このように動的で造形美も優れた動物の形の土器は初めて見た。出土地が明確な唯一の事例という点でも国宝、宝物級の価値があると評価できる」と述べた。

          

5月末、末伊山45号墳の発掘成果を発表した当時、墓の主人の墓郭から出た出土品として公開された阿羅伽耶象形土器。家や船、灯台の形の象形土器の間に頭部のない割れた鹿型象形土器//ハンギョレ新聞社

 末伊山古墳群は5~6世紀の慶尚道南部で隆盛していた伽耶の小国・阿羅伽耶の代表的な墓群遺跡だ。45号墳は末伊山の稜線に散らばった阿羅伽耶古墳のうち、最頂点の稜線に位置した王陵級古墳で、2~5月に咸安郡と頭流文化研究院の発掘調査を通じて家や船などの形をした象形土器多数と、馬具、兜や鎧などの高級遺物が出土し、注目を集めた。阿羅伽耶が有力な政治体として初めて頭角を現した5世紀初めの、阿羅伽耶の支配者の最初の王陵級墳墓と見ている。咸安郡は遺跡に関する報告書作業を終え次第、鹿の形の角杯を他の象形土器の出土品とともに郡立咸安博物館で公開展示する予定だ。
文:ノ・ヒョンソク記者 写真:咸安郡提供 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )、

「三菱重工業所有の韓国内特許権6件と商標権2件を売却してほしいと訴訟代理人団を通じて大田(テジョン)地裁に申立てた」と明らかにした。

2019-07-27 | 韓国の民主化は進んでいく。
三菱重工業の英文ロゴと発電特許など資産売却命令を申請
登録:2019-07-23 21:56 修正:2019-07-24 08:09


被害者訴訟代理人、23日に大田地裁に手続き 
三菱重工業の商標権2件と特許権6件、計8件 
日本製鉄の株式売却命令申請に続き2番目

          

「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」は23日、光州広域市議会市民疎通室で記者会見を行い、「三菱重工業資産売却命令申立書を提出した」と明らかにした=市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 日帝強制占領期間(日本の植民地時代)の強制動員被害者が、戦犯企業である三菱重工業の韓国内資産売却命令申請書を裁判所に提出した。強制動員被害者が、賠償判決を無視する日本戦犯企業の資産を売却してほしいと申請したのは、日本製鉄(旧、新日鉄住金)の強制動員被害者に続き2番目だ。

 「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」は23日、光州(クァンジュ)広域市議会市民疎通室で記者会見を行い、「三菱重工業所有の韓国内特許権6件と商標権2件を売却してほしいと訴訟代理人団を通じて大田(テジョン)地裁に申立てた」と明らかにした。ヤン・クムドクさん(89)など被害者5人が昨年11月に三菱重工業を相手に起こした損害賠償訴訟で、1人当たり1億~1億5千万ウォン(約9~1400万円)の慰謝料を支給せよという韓国最高裁(大法院)の確定判決が下されたが、三菱重工業が協議を通した問題の解決手続きを拒否したためだ。

          

今年3月、裁判所に差し押さえられた三菱重工業の商標権2件は、三菱重工業の新しい会社英文ロゴ(MHI)などが含まれている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 訴訟代理人団は最高裁判決以後、三菱重工業の韓国内資産差し押さえ手続きを進めてきた。今年3月、大田地裁が差し押さえた三菱重工業の特許権6件の中には、発電技術特許などの特許権が含まれているという。三菱重工業は、韓国の発電所などにガスタービンを納品している。差し押さえられた商標権2件には、三菱重工業の新しい会社英文ロゴ(MHI)等が含まれている。ただし、赤い菱形3個で構成された三菱のエンブレムは差し押さえの対象に含まれなかった。

          

勤労挺身隊被害者のヤン・クムドクさん(89)など強制動員被害者と市民の会のメンバーが先月27日、東京の三菱重工業本社前で韓国最高裁の損害賠償判決に従うことを求めている=勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 三菱重工業の差し押さえ資産売却は、民事執行法により手続きどおり進行される。裁判所は三菱重工業に意見を要請する尋問書を送り、差し押さえ財産を評価した後に競売手順を踏む。裁判所の競売を通じて落札した買い手が、代金を支払えば直ちに被害者側に賠償金が支給される。商標権を売却し現金化すれば、三菱重工業が韓国国内ではこのロゴを自由に使うことができなくなる。訴訟代理人団のキム・ジョンヒ弁護士は「最高裁判決が下され、三菱重工業が損害賠償を無視している間に高齢の被害者3人が亡くなった状況で、今まで司法の判断を受けた部分に対して資産売却命令などを通して被害者への賠償を受けようとしている」と話した。

          

勤労挺身隊被害者のヤン・クムドクさん(89)など強制動員被害者と市民の会のメンバーが先月27日、東京の三菱重工業本社前で韓国最高裁の損害賠償判決に従うことを求めたが、三菱重工業は面談さえ拒否した=勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 三菱重工業側は協議と対話を通した解決方式を無視した。市民の会と強制動員被害者訴訟代理人団は、今年1月と2月に協議要請書を送ったのに続き、先月22日には東京の三菱重工業本社を訪ね、「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」を通じて「15日までに協議要請を受け入れるかどうかを明らかにしてほしい」と伝えた。だが、三菱重工業はマスコミを通じて「(被害者協議と関連し)答える計画はない」との立場を明らかにした。

 強制動員戦犯企業の韓国内資産売却命令申立ては今回が2番目だ。これに先立って最高裁は昨年10月末、イ・チュンシクさん(95)など強制徴用被害者4人が新日鉄住金を相手に出した損害賠償請求訴訟で、被害者に1億ウォン(約900万円)ずつ賠償せよと判決したが、新日鉄住金側は賠償に応じなかった。これに対し被害者側は5月1日、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支所に日本の戦犯企業である新日鉄住金が韓国に所有している株式会社PNRの株式19万4794株(9億7千300万ウォン相当=約9千万円)に対する売却命令を申立て、現在、当該企業を相手に尋問手続きが進められている。
チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

双方が実務交渉の再開に合意しただけに、必要以上に事態が悪化するのを防ごうとする意図と読み取れる。

2019-07-26 | 朝米会談の成功のために
米専門家ら
「北朝鮮ミサイルで対話基調が崩れることはない」

登録:2019-07-26 08:41 修正:2019-07-26 09:17


米政府、「短距離飛翔体」と初期評価 
ケン・ゴース海軍分析センター局長「北朝鮮の行動は予想内…実質的影響はない」 
フランク・オム平和研究所先任研究員「朝米対話、軌道から外れはしないだろう」

          

北朝鮮の金正恩国務委員長が5月4日、江原道元山虎島半島一帯で行われた火力打撃訓練で短距離飛翔体が発射される様子を望遠鏡で見ている=朝鮮中央ニュース//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米行政府は、25日に北朝鮮が東海上に発射した飛翔体を「短距離飛翔体」と規定し、この事案が朝米対話に及ぼす影響などを慎重に分析するようすだ。

 米CNNは同日、「米国防当局者の初期評価によると、米国は北朝鮮が少なくとも一発の短距離飛翔体(short range projectile)を発射したものと見ている」と伝えた。米政府高官は同メディアに「われわれは北朝鮮が発射した短距離飛翔体に関する報道について知っている」と述べた。

 韓国と米国当局は今回の北朝鮮の飛翔体の正確な諸元について分析しており、ひとまず「短距離飛翔体」として初期評価を行い、慎重な態度を維持しているものとみられる。先月30日、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の板門店会合で、双方が実務交渉の再開に合意しただけに、必要以上に事態が悪化するのを防ごうとする意図と読み取れる。5月の2回にわたる北朝鮮の短距離ミサイルなどの飛翔体の打ち上げに関しても、当時トランプ大統領は「金委員長が私との約束を違反したわけではない」、「国連安保理決議違反ではない」とし、波紋の拡大に一線を画した。

 米国の朝鮮半島専門家たちも、北朝鮮の今回の発射の背景には、来月予定された韓米合同軍事演習が作用した可能性があるとし、今回のことで朝米の対話基調自体が動揺することはないと見通した。ケン・ゴース米海軍分析センター(CNA)局長はハンギョレに「このようなことは、北朝鮮が制裁緩和の要求から安全保障にレトリックを変えたときに、予見されたことだった」と述べた。彼は「北朝鮮が韓米合同軍事演習を約束違反だと言いながら、自分の違反を正当化するのは長年の戦略」だとし、「これは戦略的シグナルにすぎない」と述べた。ゴース局長は「北朝鮮は短距離実験はトランプの『レッドライン』(禁止線)には触れていないと信じている」とし、「したがって、実質的影響はないだろう」と見通した。北朝鮮の今回の発射が5月の発射レベルの「低強度挑発」であるため、これによって米国が北朝鮮との対話をあきらめはしないだろうということだ。

 フランク・オム平和研究所先任研究委員はハンギョレに、北朝鮮のミサイル発射理由について「新ミサイル研究強化、韓米合同軍事演習(8月)に対する不満の表示、あるいは(訪韓した)ジョン・ボルトン国家安保補佐官に対する直接的なメッセージ」など様々だと指摘した。「私はそれでも今回のことで朝米が対話の軌道から外れないだろうと思う」とし、「ただ、北朝鮮が依然として実務交渉の準備ができていないことが心配だ」と述べた。

 スコット・スナイダー米国外交協会先任研究員はワシントンポスト紙に「北朝鮮は非武装地帯(板門店)での朝米首脳会合をわれわれ側の過剰な熱望の証拠として解釈した可能性がある」とし、「それで北朝鮮がやや退いて、何を得られるか見極めている。これは自然な反応だ」と述べた。
ワシントン・東京/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

60余年以上緊密に維持・発展してきた韓日経済協力パートナーシップと北東アジア安保協力の根幹を揺るがすきわめて厳重な事案

2019-07-25 | 日本国憲法を守れ!
韓国産業部長官「日本は近視眼的措置を撤回すべき…
いつでもどこでも対話する用意」

登録:2019-07-24 22:35 修正:2019-07-25 07:48


日本、輸出貿易管理令改正案の意見集約最終日 
韓国政府、午前に日本に意見書を公式提出 
「日本による韓国の非ホワイト国分類は 
経済協力、北東アジア安保協力の根幹を揺るがす」


          

ソン・ユンモ産業通商資源部長官は24日午前に記者会見を行い、日本が韓国を非ホワイト国に分類することは、韓日経済協力パートナーシップと北東アジア安保協力の根幹を揺るがすきわめて厳重な事案と批判した=産業部提供//ハンギョレ新聞社

 ソン・ユンモ産業通商資源部長官は24日「今朝、日本の経済産業省に大韓民国政府の意見書を提出した」として「両国間の経済協力および友好関係の根幹を揺るがす重大な事案に対して、事前の協議もなく立法予告したことに対して、韓国政府は改めて深い遺憾を表明する」と述べた。ソン長官は施行中の半導体材料3品目に対する輸出統制強化措置を直ちに原状回復し、輸出貿易管理令改正案の撤回も再度公式に要求した。この日は、日本政府が韓国をホワイト国から除外する輸出貿易管理令改正案に対する意見集約の最終日だ。

 ソン長官はこの日午前、政府ソウル庁舎で記者会見を行い「日本政府が4日から半導体・ディスプレイ材料3品目に対する輸出統制強化措置を施行したのに続き、15年以上ホワイト国と認定してきた韓国を非ホワイト国に分類し、輸出統制を大々的に強化することは60余年以上緊密に維持・発展してきた韓日経済協力パートナーシップと北東アジア安保協力の根幹を揺るがすきわめて厳重な事案」と指摘した。

 彼は「事案の重大さに照らしてみる時、日本の今回の措置は疑問の余地がない明々白々な証拠と事実に基づかなければならない」として「しかし、韓国の輸出統制制度不十分、両国間の信頼関係の毀損など、日本側が掲げている今回の措置の理由は、すべて根拠がない」と話した。さらに「日本の今回の改正案が施行されるならば、韓国企業はもちろん、日本企業にも悪影響を及ぼす近視眼的な措置」だと強く批判し「60余年以上発展させてきた共生共存の韓日経済協力の枠組みが壊されることを決して望まない。韓国政府は、問題解決のみならず未来指向的関係発展のために、いつでもどこでも対話する用意ができている」と述べた。

 意見集約の最終日であるこの日午前、電子メールで日本に送った韓国政府の意見書には、大きく4つの内容が入れられた。第一に、「韓国は通常兵器のキャッチオール(非戦略物資に対する包括的規制)統制が不十分」という日本の主張に対する反論だ。韓国がワッセナー・アレンジメントなど国際輸出統制において勧告する4個のキャッチオール統制を採択しており、制度を見ても実績を見ても通常兵器のキャッチオールが機能しているという内容だ。

 特に「日本のホワイト国のうちの一部は、通常兵器のキャッチオールを導入していなくとも継続的に含まれている。それでも韓国をホワイト国から除外するということは、不充分な理由に起因する差別的措置」という内容も意見書に含まれた。

 過去3年間、両国の輸出統制協議会がまともに運営されず信頼関係が損なわれたという日本側の主張に対する反論も、当初知らされたより詳細に叙述されたという。協議会は通常1~3年周期で不定期的に開かれるが、最後の会議は2016年6月の「第6回協議会」であり、韓国が主催国だった。これに伴い、日本を主催国として第7回会議が開かれなければならなかったが、今日まで開かれていない。

 韓国は日程調整が難しいとし、日本に対し2018年6月に日本での課長級協議会を提案したという。これに対し日本は、局長級協議会を韓国で開催しようという代案を提示したが、これもまた実現せず、2018年1~2月に会おうと再要請した。韓国は、昨年末に2019年3月までは日程上難しいと伝え、日本は「韓国の状況を理解し、連絡する」と回答した後、別途の連絡はなかったというのが産業部の説明だ。ソン長官は「韓国としては、主催国である日本側の新たな日程提案を待っている状況で、日本が1日付けで改正案を発表した」として「むしろ韓国が日本側の一方的手続き進行にともなう信頼の毀損を憂慮すべき立場」と話した。

 意見書には、韓国のホワイト国からの排除は、ワッセナー・アレンジメント国際輸出統制規範に反し、関税貿易一般協定(GATT)11条(輸出入制限措置の禁止)、1条(最恵国待遇義務)など世界貿易機関(WTO)の規範にも反するという内容も入れられた。これに合わせて韓国政府は、国際信用格付け会社のフィッチとムーディーズが、日本の輸出規制はグローバル経済に悪影響を及ぼす恐れがあると分析したことを引用し、両国間の交易の不確実性を膨らませグローバル・バリューチェーンに衝撃を与える措置を撤回すべきと主張した。

 日本によれば、今回の輸出貿易管理令に対する意見が異例にも1万件以上受け付けられたとし、日本の“関係者”の話を引用して「今回の措置に賛成する内容が大部分を占める」と伝えた。意見集約はインターネット専用窓口とEメールを通じてこの日まで実施され、日本政府は締め切り期間が過ぎれば集まった意見を精密に分析する予定だ。その後、閣議を経て改正することに最終決定されれば、公表して21日後に施行される。
チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

「明らかなのは、中ロ両国の軍用機が東海上でただならぬ動きを見せている点」だ。

2019-07-24 | 世界情勢を知ろう
[ニュース分析]中ロ合同飛行の意図とは?…
米国主導の「中国封鎖」に共同対応

登録:2019-07-24 06:00 修正:2019-07-24 08:37


中ロ合同飛行の意図とは? 
 
東海選んだ理由とは? 
インド太平洋戦略と 
米日・韓米同盟の多目的けん制 
中ロ、昨年数回にわたってKADIZに進入 
東海-南シナ海に範囲の拡張図る 
 
領空侵犯した理由とは? 
ロシアの独島領空侵犯めぐり分析分かれる 
飛行中の「偶発的侵犯説」と共に 
韓米日の軍事協力に亀裂を生じさせるためという分析も

          

中ロ軍用機による韓国防空識別圏の侵犯//ハンギョレ新聞社

 ロシアと中国が23日、初めて長距離合同哨戒飛行訓練を実施し、韓国防空識別圏(KADIZ)に無断進入して、ロシア早期警戒管制機(偵察機)が独島(日本名・竹島)領空まで侵犯したのは、中ロ両国が米国の主導するインド太平洋戦略を牽制する目的が含まれていると見られる。ロシア政府が声明を発表し、今回の合同飛行が「世界安定と協力の強化」のための「予定された訓練」だと明らかにしたことからも、そのような意図が読み取れる。

 中ロ軍用機によるKADIZへの無断進入は、今回が初めてではない。時間が経つにつれて頻度が高くなり、軍用機の飛行行動も攻撃的に変わった。朝鮮半島における高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で韓中間の対立が激化した2017年には、1月と12月に中国の軍用機がKADIZに進入した。昨年、中国の軍用機は8回もKADIZに進入して飛行を行った。いちばん最近の2月23日には、偵察機と推定される中国軍用機1台が、異例にも鬱陵島(ウルルンド)と独島の間を通過飛行し、波紋を広げた。ロシア軍用機は2017年8月と2018年7月に続き、今年6月にもKADIZに入り、韓国政府が抗議したことがある。最近、国連軍司令部が朝鮮半島の有事の際、戦力供給を受ける国家に日本などを含む案を推進するという事実が伝えられたが、今回の中ロの合同訓練は、北東アジア地域で米日同盟の強化などを通じて軍事力を拡大しようとする米国を牽制する動きとも言える。

 23日、中ロの軍用機4機は史上初めて韓国と日本の防空識別圏への進入と離脱を繰り返しながら、長距離競合哨戒飛行訓練を実施したが、専門家らは、両国の爆撃機の合同訓練には東海を越えて南シナ海まで作戦半径を広げる目的があると分析している。中ロが米国の主導するインド太平洋戦略に共同対応する能力を備えようとしているというのだ。国家安保戦略研究院のイ・スヒョン責任研究委員は「中国とロシアは米国のインド太平洋戦略に対抗する事実上の同盟関係で動いている」とし、「2014年のウクライナ併合後、米国と欧州の制裁を受けているロシアは、南シナ海や貿易、技術覇権問題で米国と対立する中国と手を結んでおり、2016年頃から両国の軍事的協力関係が大きく強化されてきた」と話した。

 ある軍消息筋は「米国はインドと協定を結んで中国の南西側を塞ぎ、日本と(の軍事協力で)中国の東側を塞ぎ、ひいては韓米同盟も強化しようとしている」とし、「最近、米国が台湾に兵器を販売する計画まで明らかにしたことで、南シナ海まで全方向から中国を包囲する形になっている」と指摘した。

 8月初めに行われる韓米合同軍事演習を牽制しながら、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官の韓日訪問まで狙ったという見通しもある。軍事専門家のキム・ジョンデ正義党議員は「過去には防空問題を協議できるよう、空軍作戦司令部レベルで韓中ホットラインが構築されていたが、THAAD問題が発生した後、韓中間の軍事ホットラインが断絶した状態」だとし、「中ロの合同訓練が増えたものの、今回は様相が異なる。古くさい東アジア地政学の軋轢が再燃しかねない」として、懸念を示した。

 ただし、ロシア政府は領空を侵犯しなかったと主張しており、ロシアに独島領空を侵犯する意図があったかどうかは確実ではない状況だ。これに対する分析も分かれている。一部では、KADIZを飛行していた途中に誤って領空に入り、韓国空軍の警告で南に急旋回した可能性を指摘する専門家もいる。国防大学のムン・ジャンリョル教授は「ロシアの早期警戒管制機が意図的に領空を侵犯したのか、防空識別圏を飛行しているうちに偶発的に侵犯したのかは確かではない」と話した。国家安保戦略研究院のチェ・ヨンファン安保戦略研究室長は「韓国がロシアと安保問題で対立する部分が多くないため、わざわざ韓国を刺激したとは考えがたいが、(領空侵犯が)異例的なものなので、もう少し見極める必要があるようだ」とし、「明らかなのは、中ロ両国の軍用機が東海上でただならぬ動きを見せている点」だと分析した。

 一部では、ロシアが最近対立が深まっている韓日関係を悪化させ、韓米日軍事協力に亀裂を生じさせようとしているという分析も出ている。軍消息筋は「ロシアの異例的な領空侵犯は、日本が韓国の独島領有権を認めない状況で、韓日関係にさらに混乱を招こうとしたのではないかという疑念を抱かせる」と話した。
ノ・ジウォン、パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/903068.html
韓国語原文入力:2019-07-23 22:17
訳H.J
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最も外交的でなければならない日本の外相が、公開の場で韓国政府は無礼だと非難する“無礼さ”を見せるほどだ。

2019-07-23 | 韓国の民主化は進んでいく。
[ニュース分析]トランプを真似た安倍の5つの“勘違い”
登録:2019-07-23 10:56 修正:2019-07-23 13:55


文在寅政府をやり込めようとし、激しいグローバル逆風を招く

          

あるスーパーの売場の外に日本製製品の販売中止を知らせる垂れ幕が貼られている。韓国の中小商人自営業者総連合会は7月15日、日本製品の販売拒否運動を全国に拡大し、品目も100種余りに拡大すると明らかにした/聯合ニュース

 日本の輸出規制が触発した韓日摩擦の熱は一向に冷める気配がない。最も外交的でなければならない日本の外相が、公開の場で韓国政府は無礼だと非難する“無礼さ”を見せるほどだ。今回の事態がいつ、どのように終わるかは断言できない。しかし、両国の退路なき攻防は当分は避けられそうにない。日本は手ぶらで引こうとはしないだろうが、日本の当初の期待どおりに事態が進まないことだけは確かだ。

 大阪の主要20カ国・地域(G20)首脳会議が終わるやいなや輸出規制のカードを切った日本は、この処置が“会心の一撃”になると期待したようだ。景気の鈍化で頭を悩ませている輸出中心の韓国に直撃弾を撃ったからだ。輸出の割合が圧倒的に高い半導体産業に絶対的に必要な材料の供給を閉ざすことで、たやすく韓国政府の譲歩を引き出せるという計算だった。

 日本政府の先制攻撃は迅速かつ鋭利だったが、精巧ではなかった。電撃的な輸出規制の大義名分と理由を説明する最初の段階からガタつきはじめた。日本の主張は矛盾を呼び、韓国の反論で説得力が落ちた。攻撃の大義名分が弱くなるにつれ、指揮部である首相官邸と行動部隊である経済産業省の間でも足並みが乱れた。

 日本政府が右往左往している間に、韓国では不買運動が激しく起きるなど「反日隊伍」が固まり、国際世論は日本に批判的に動き始めた。このような様相の展開は、安倍晋三首相をはじめとする日本首脳部の判断に誤りがあることを示している。安倍首相がどのような“勘違い”で2019年7月の「経済空襲」を断行したのかを考えてみるのは、今回の事態の展望を探るのに役立つ。

1.安倍はトランプではない

 日本の輸出規制は多目的カードだ。参議院選挙用の性格もあるが、気に入らない文在寅(ムン・ジェイン)政府に思い知らせてやるという意図が一番大きい。韓国政府を揺さぶり、その後に日本にとって馬の合う韓国の保守勢力に政権が交代するのに一役買うのならなおさら良い。日本政府の強い反発にもかかわらず朴槿恵(パク・クネ)政府時期に両国が結んだ「日本軍慰安婦合意」は紙切れになった。韓国最高裁(大法院)で勝訴した強制徴用被害者らは、三菱の国内資産の売却に乗り出す構えだ。首脳会議で露骨に冷遇するまでに気分を損ねた安倍首相としては、文在寅(ムン・ジェイン)政府に思い知らせてやりたい気持ちでいっぱいだった。日本政府はこうした状況を「両国の信頼関係が損なわれた」と表現した。

 問題は信頼が損なわれたという政治外交懸案に対し貿易報復という「経済的武器」を使った点だ。強制徴用問題などで信頼が損なわれたと明らかにしておきながら、輸出規制が報復ではないというので、ステップが絡まらずにはおれない。そのため、日本のメディアも日本政府の主張を受け入れられない。

 輸出規制と韓国のホワイト国(輸出手続きを簡素化する安保上の信頼国家)からの除外が「恩恵をなくしただけだから原状復帰にすぎない」という主張も同じ脈絡だ。ナイフで刺したが傷害を負わせたわけではないというようなものだ。その後に打ち出した対北朝鮮輸出管理の不備も、日本側がより深刻であることが明らかになり、ひんしゅくを買わざるを得なかった。

 同じようなやり方で「華為(ファーウェイ)封鎖」に出たドナルド・トランプ米大統領は、貿易報復を公然と騒ぎ立てる。全面的に貿易戦争を繰り広げ、一貫して力で相手を屈服させてきた。しかし、安倍首相はそうではない。彼は大阪でのG20首脳会議でも自由貿易を強調した。トランプの真似をして力を誇示しながらも、苦しい弁解をせざるを得ない。それが安倍氏とトランプの決定的な違いだ。

2.日本は米国ではない

 トランプが国際秩序を曇らせる「ならず者」のように行動できるのは、米国が覇権国だからだ。基軸通貨のドルと先端兵器を両手に持つ米国が好き勝手に振る舞っても、国際社会が制御するのは難しい。米国が第2位の大国である中国をあからさまに圧迫しても、主要国は米国側につく。米国の一方主義は今始まったわけではないが、これを最も攻撃的に活用する大統領がトランプだ。

 日本は米国と「体格のクラス」が違う。経済大国ではあるが超強大国ではない。一時、中国と北東アジア地域の覇権をめぐって対立する様相を見せもしたが、かなり昔の話だ。世界貿易の規範を破ってもびくともしない国は、米国と中国ぐらいだ。日本が貿易報復をカードとして使いづらいのはそのためだ。

 さらに日本は韓国に劣らず、国家経済に占める輸出の割合が大きい国だ。米国のような万年貿易赤字国ではない。米国は最大の輸入国であるため、いつでも報復関税という「実弾」をぶちまけることができる。米国が中国との貿易戦争でも余裕を見せるのはそのためだ。一方、日本は国際社会が例外として認めるほど強い国ではなく、貿易戦争をするほど武器が十分にあるわけでもない。

3.サムスンは華為ではない

 米国と日本の輸出規制の共通点は、主要な技術や材料・部品の供給を遮断し、相手国の主要企業を強打することだ。自国企業にもかなりの損失が避けられない「自害」方式だ。最先端5世代(5G)通信のトップランナーに浮上した華為に対し米国が感じる危機感と不快感は、半導体とディスプレイ市場を掌握したサムスンに対し感じる日本の感情とそれほど変わらない。技術覇権を脅かす競争国を踏みつけたいという欲求が強く働く。

 日本は2000年代初めからデジタル量産技術でリードしたサムスンに家電、半導体、ディスプレイなどで次々と世界1位の座を奪われ、鬱憤をためてきた。1980年代に日本が80%のシェアを誇っていた半導体市場の70%以上を、現在はサムスンとSKハイニックスが占めている。

 しかし、サムスンは華為に比べるとまだ余裕がある状況だ。華為の封鎖には他国の主な企業も参加した。自力開発でなければ封鎖網を突破するのが非常に難しい。このため華為は大きな負担を抱え、チップからOSまで代替技術を独自開発してきた。サムスンは事情が違う。最も影響の大きいエッチングガス(高純度フッ化水素)にしても時間がかかるだけで、日本以外から代替材を調達するのは不可能ではない。

 また、5G通信はいま始まった段階だ。華為が弱みをつかまれたことで5G通信の拡散が遅くなるだけで、すぐに他国の企業と消費者が被害を受ける心配は大きくはない。華為が世界経済で占める割合はサムスンとは比べものにならない。サムスンの生産の支障は直ちに世界市場の不安要素として働く。半導体などの価格が急騰し、世界のITサプライチェーンが連鎖して打撃を受けざるを得ない。サムスンを叩けばそれらも一緒に被害を受ける。サムスンは華為のように“一人ぼっち”ではない。

          

河野太郎外相が7月19日、東京千代田区の外務省にナム・グァンピョ駐日韓国大使を呼び、韓国最高裁判所の強制徴用賠償判決と関連して日本が要求した「第3国依頼仲裁委員会設置」に韓国が応じていないと抗議している=東京/時事・聯合ニュース

4.計算が違った

 日本の内外で、今回の輸出規制が墓穴を掘る行為だという指摘が出ている。英国の経済週刊誌「エコノミスト」が最新号で、日本の輸出規制は「経済的に近視眼的」であり、無謀な自害行為だと非難したのが代表的だ。先日、ニューヨークタイムズも似たような趣旨の記事を掲載した。国際世論を反映する有力メディアが特に問題視したのは、「トランプモデル」の拡散に対する憂慮だ。世界経済と貿易を政治道具に使う“卑劣な秩序”のことをいう。

 安倍首相は、国際世論戦ですでに敗北した状態だ。日本の輸出規制が公正な世界貿易秩序を害する経済報復という点が事実上公認された。日本政府がそのような負担を抱えて韓日貿易戦争を長引かせるのは容易ではない。

 次は実利的な計算だ。サムスンの被害は一時的な生産支障に過ぎない。サムスンの供給遅延で「ドミノ被害」を被るアップル、アマゾン、グーグルなど世界IT企業の非難は、日本政府に向かうことになる。また、韓国は自然な流れで自国での開発や日本以外の国を通じて材料と部品の調達窓口を確保する。その被害はそのまま日本企業に降りかかる。

 日本の半導体専門家である湯之上隆・微細加工研究所所長は、専門サイトのコラムで「この対韓輸出規制により、日本の多くの企業のビジネスが毀損され、競争力が削がれる」とし、「要するに、日本政府は、墓穴を掘ったのである。もう二度と、日韓の関係は元に戻らないだろう」と警告した。サムスンなど韓国企業が「不安な取引先」である日本に完全に依存することは、もう再びあり得ないということだ。

5.韓国はそれほど甘くない

 日本は韓国に最も打撃が大きな1~3位の化学製品を人質にした。不純物の洗浄剤や感光剤など敏感な工程に使われるこれらの製品の日本産の割合は41.9~84.5%に上る。短期的には致命的な影響が予想される。韓国のホワイト国からの除外は、日本政府が輸出統制の手綱を握り続ける意図と思われる。

 ここまで来れば、適当な対応手段がない上に最低賃金を巡る議論、景気の鈍化などで窮地に追い込まれた文在寅政府がすぐに降参するだろうと“誤判断”したのだろう。韓国の不買運動は長続きしないだろうと言ったユニクロの役員の主張も似たような脈絡だ。こうした戦略は、華麗に咲いては散る日本の「桜文化」や過去の経験とも無関係ではない。日本は清・露との戦争で短期的な集中攻撃で簡単に勝利を収めた。

 しかし、日中戦争のように長期化の段階に入れば、状況は正反対に変わる。今がそのようなありさまだ。韓国にとって日本の輸出規制は経済侵略と同義語になっている。韓国経済を揺るがすための挑発と映る。さらに、事態の発端である強制徴用問題は、日本帝国主義の侵略の産物だ。激しい不買の熱気はそのような認識に基づいている。熱しやすく冷めやすくもあるが、一度感情に火がつけばどの国民よりも強力なエネルギーを発するのが韓国人だ。政治外交と歴史の問題を経済的圧迫で解決しようとした安倍首相の“火遊び”が成功するのは難しく危険だというのはそのような背景からだ。
パク・ジュンオン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/902772.html
韓国語原文入力:2019-07-23 08:20
訳M.C
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日本のメディアは、民主主義社会における三権分立とは何か、三権分立下における司法の役割とは何かを、全く理解していないものと言わざるを得ない。

2019-07-23 | 韓国の民主化は進んでいく。
[寄稿]徴用工問題の解決に向けて
登録:2019-07-22 17:56 修正:2019-07-23 09:11


宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長 
「国家間協定で個人請求権が消滅しないのは国際法における常識」

          

           宇都宮健児弁護士//ハンギョレ新聞社

 韓日関係が、日本植民地からの解放以来最悪に突き進んでいる。今回は独島ではなく強制徴用問題だ。日本の貿易制裁で火がついたが、発火の原因は昨年の韓国最高裁(大法院)の判決だった。最高裁は、強制徴用被害者に対し日本の戦犯企業が賠償責任を取るよう判決を下した。日本がこれを問題視し、日本帝国主義時代の被害を受けた韓国国民の損害賠償請求権は韓日請求権協定で消滅したかをめぐる論争が再燃した。朝鮮日報など韓国の保守右派メディアまで日本側に加勢し混乱している様相だが、日本弁護士連合会会長を務めた宇都宮健児氏は韓国最高裁の判決を支持する。彼は、なぜ個人請求権が国家間協定で消滅しないのかについて日本の裁判所の判例などを根拠に説明する文を寄稿した。

1.韓国大法院判決に対する日本政府の対応の誤り

 2018年10月30日、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金株式会社に対し元徴用工4人への損害賠償を命じた判決について、安倍晋三首相は同年10月30日の衆議院本会議において、元徴用工の請求権について「1965年の日韓請求権・経済協力協定によって完全かつ最終的に解決している」とした上で、「判決は国際法に照らして、あり得ない判断だ。日本政府として毅然と対応していく」と強調した。また、河野太郎外務大臣も「判決は暴挙であり、国際法に基づく国際秩序への挑戦だ」と韓国大法院の判決を批判した。テレビ・新聞など日本のほとんどのマスメディアは、このような政府の姿勢に追随し、韓国大法院判決と韓国批判の大合唱を行っている。

 しかしながら、国民主権の民主主義国家においては、立法、司法、行政の三権は分立しているのが原理・原則となっている。三権が一権に集中すると独裁政権となり、権力の濫用が行われ、国民・市民の自由と人権が侵害される危険性が大きくなるからである。有名なフランス人権宣言16条では「権利が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は憲法をもたない」と規定している。

 そして三権分立下での司法の中心的役割は、国民・市民の基本的人権を守るという立場から、立法・行政をチェックするところにある。元徴用工の人権を守るため韓国大法院が仮に韓国政府の立場と異なる判断をしたとしても、民主主義社会における司法のあり方として全然おかしいことではないのである。

 韓国大法院の判決を暴挙として批判を繰り返す日本政府や政府に追随する日本のメディアは、民主主義社会における三権分立とは何か、三権分立下における司法の役割とは何かを、全く理解していないものと言わざるを得ない。

 また、元徴用工などの個人の損害賠償請求権を国家間の協定によって消滅させることができないことは、今や国際人権法上の常識となっているものである。

 さらに、これまで日本政府や日本の最高裁判所においても、日韓請求権協定によっても実体的な個人の損害賠償請求権は消滅していないと解釈されてきたものである。

 たとえば、1991年8月27日の参議院予算委員会において、外務省の柳井俊二条約局長(当時)は、「いわゆる日韓請求権協定におきまして両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決したわけでございます。その意味するところでございますが(中略)日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません」と答弁している。

 また、日本の最高裁判所は2007年4月27日、中国人強制連行の被害者が日本企業の西松建設に賠償を求めた判決で、中国との間の賠償関係等について外交保護権は放棄されたが、被害者個人の賠償請求権については、「請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく、当該請求権に基づいて訴求する権能を失わせるにとどまる」と判断している。この最高裁判決の後、勝訴した被告の日本企業西松建設は、強制連行被害者との和解に応じている。この最高裁の解釈は、韓国の元徴用工の賠償請求権についても、当然あてはまる。この最高裁の解釈によれば、実体的な個人の賠償請求権は消滅していないのであるから、日本企業新日鉄住金が任意かつ自発的に賠償金を支払うことは法的に可能であり、その際に、日韓請求権協定は全く法的障害にならないはずである。

 安倍首相の日韓請求権協定により「完全かつ最終的に解決した」という国会答弁が、元徴用工個人の賠償請求権は完全に消滅したという意味であれば、日本政府のこれまでの見解や日本の最高裁判所の判決への理解を欠いた答弁であり、完全に誤っているといわねばならない。

2.徴用工問題の本質は人権侵害問題である

 新日鉄住金を訴えた元徴用工は、賃金が支払われずに、感電死する危険があるなかで溶鉱炉にコークスを投入するなどの過酷で危険な労働を強いられてきた。提供される食料もわずかで粗末なものであり、外出も許されず、逃亡を企てたとして体罰をかせられるなど、極めて劣悪な環境に置かれていた。これは強制労働(ILO第29号条約)や奴隷制(1926年奴隷条約)に当たるものであり、重大な人権侵害である。

 徴用工訴訟は、重大な人権侵害を受けた被害者が救済を求めて提訴した事案であり、社会的にも解決が求められている事案である。したがって、この問題の真の解決のためには、被害者が納得し、社会的にも容認される解決内容であることが必要である。被害者や社会が受け入れることができない国家間の合意は、いかなるものであれ真の解決とはなり得ない。

 徴用工問題の本質が人権侵害問題である以上、なによりも、被害者個人の被害が回復されなければならない。そのためには、新日鉄住金など日本企業が韓国大法院判決を受け入れるとともに、自発的に人権侵害の事実と責任を認め、その証として謝罪と賠償を含めて被害者及び社会が受け入れることができるような行動をとることが必要である。

 例えば、中国人強制連行事件である花岡事件、西松建設事件、三菱マテリアル事件などでは、訴訟を契機に、日本企業が事実と責任を認めて謝罪し、その証として企業が拠出して基金を設立し、被害者全員の救済を図ることで問題を解決した例がある。そこでは、被害者個人に対する金銭の支払いのみならず、受難の碑ないし慰霊碑を建立し、毎年中国人被害者等を招いて慰霊祭等を催すなどの取り組みが、行われてきている。

 新日鉄住金をはじめとする日本企業は、元徴用工の被害者全体の解決に向けて踏み出すべきである。それは企業としても国際的信頼を勝ち得て、長期的に見れば企業価値を高めることにもつながる。また、日本の経済界全体としても日本企業のこのような取り組みを支援することが期待される。

 徴用工問題に関しては、劣悪な環境に置いた日本企業に賠償責任が発生するのは当然のことであるが、日本政府・日本国の責任も問題となる。なぜなら、徴用工問題は、1910年の日韓併合後朝鮮半島を日本の植民地とし、その下で戦時体制下における労働力確保のため1942年に日本政府が制定した「朝鮮人内地移入斡旋要綱」による官斡旋方式による斡旋や、1944年に日本政府が植民地朝鮮に全面的に発動した「国民徴用令」による徴用が実施される中で発生した問題であるからである。

 このようなことを考えれば、日本政府は新日鉄住金をはじめとする日本企業の任意かつ自発的な解決に向けての取り組みに対して、日韓請求権協定を持ち出してそれを抑制するのではなく、むしろ自らの責任をも自覚した上で、徴用工問題の真の解決に向けた取り組みを支援すべきである。

 ナチス・ドイツによる強制労働被害に関しては、2000年8月、ドイツ政府と約6400社のドイツ企業が「記憶・責任・未来」基金を創設し、これまでに約100カ国の166万人以上に対し約44億ユーロ(約7200億円)の賠償金を支払ってきている。このようなドイツ政府とドイツ企業の取り組みこそ、日本政府や日本企業は見習うべきである。

          

文在寅大統領が6月28日午前、主要20カ国。地域(G20)首脳会議の公式歓迎式で、日本の安倍晋三首相と握手している/聯合ニュース

3.2012年12月11日の日本弁護士連合会と大韓弁護士協会の共同宣言

 私が日本弁護士連合会(日弁連)の会長を務めていた当時の2010年12月11日、日弁連と大韓弁護士協会(大韓弁協)(当時の会長は金平祐(キム・ピョンウ)弁護士)は、日本国による植民地支配下での韓国民に対する人権侵害、特にアジア太平洋戦争時の人権侵害による被害と被害回復に関し開催した共同シンポジウムの成果を踏まえて、日本軍「慰安婦」問題や強制動員被害の救済のために、「共同宣言」を発表している。

 この共同宣言の骨子は、以下のような内容である。

1.われわれは、韓国併合条約締結から100年を経たにもかかわらず、日韓両国及び両国民が、韓国併合の過程や韓国併合条約の効力について認識を共有していない状況の下で、過去の歴史的事実の認識の共有に向けた努力を通じて、日韓両国及び両国民の相互理解と相互信頼が深まることが、未来に向けて良好な関係を築くための礎であることを確認する。

2.われわれは、日本軍「慰安婦」問題の解決のための立法が、日本政府及び国会により速やかになされるべきであることを確認する。この立法には、日本軍が直接的あるいは間接的な関与のもとに設置運営した「慰安所」等における女性に対する組織的かつ継続的な性的行為の強制が、当時の国際法・国内法に違反する重大な人権侵害であり、女性に対する名誉と尊厳を深く傷つけるものであったことを日本国が認め、被害者に対して謝罪し、その責任を明らかにし、被害者の名誉と尊厳回復のための金銭の補償を含む措置をとること、その事業実施にあたっては、内閣総理大臣及び関係閣僚を含む実施委員会を設置し、被害者及び被害者を代理する者の意見を聴取することなどが含まれなければならない。また、日本政府は、日本軍「慰安婦」問題を歴史的教訓とするために、徹底した真相究明と、教育・広報のための方策を採用しなければならない。

3.われわれは、1965年の日韓請求権協定の完全最終解決条項の内容と範囲に関する両国政府の一貫性がない解釈・対応が、被害者らへの正当な権利救済を妨げ、被害者の不信感を助長してきたことを確認する。このような事態を解消するために、日韓基本条約等の締結過程に関する関係文書を完全に公開して認識を共有し、実現可能な解決案の策定をめざすべきであり、韓国政府と同様に、日本政府も自発的に関係文書を全面的に公開すべきことが重要であるという認識に達した。

4.韓国においては、強制動員による被害の救済のために、強制動員被害の真相究明及び支援のための法律が制定されたが、日本政府においても真相究明と謝罪と賠償を目的とした措置をとるべきである。さらにわれわれは、2007年4月27日に日本の最高裁判所が、強制動員に関わった企業及びその関係者に対し、強制動員の被害者らに対する自発的な補償のための努力を促したことに留意しつつ、既に自発的な努力を行っている企業を評価するとともに、他の企業に対しても同様の努力を行うよう訴える。この際、想起されるべきは、ドイツにおいて、同様の強制労働被害に関し、ドイツ政府とドイツ企業が共同で「記憶・責任・未来」基金を設立し、被害者の被害回復を図ったことである。韓国では、真相究明委員会が被害者からの被害申告を受け被害事実を審査していることから、同委員会とも連携し、日韓両国政府の共同作業により強制動員被害者の被害回復を進めることも検討すべきである。

          

昨年10月30日、ソウル瑞草区の最高裁の前で強制徴用被害者のイ・チュンシク氏(94)が13年8カ月ぶりの勝訴判決の感想を語っている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 徴用工問題の本質が人権侵害問題である以上、なによりも元徴用工個人の被害回復がされなければならない問題である。そのためには、まず、加害企業である日本企業は、自発的に人権侵害の事実と責任を認め、その証として謝罪と賠償を含めて被害者及び社会が受け入れることができるような行動をとるべきである。そして、日韓両国政府は相互に非難しあうのではなく、何よりも人権侵害を受けた元徴用工の被害回復の一点で日韓両国政府は協力すべきである。2010年12月11日の日弁連と大韓弁協の「共同宣言」は、その際の貴重な指針になるものと考える。
弁護士 宇都宮健児 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/902800.html
韓国語原文入力:2019-07-22 14:39

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100余りの韓国市民団体の会員約1000人が参加した。韓国の政治は国民と共に!ローソク革命は生きている。

2019-07-22 | 韓国の民主化は進んでいく。
ソウルの日本大使館前で「経済報復」非難集会 
韓国市民団体

記事一覧 2019.07.21 09:56


【ソウル聯合ニュース】日本の「経済報復」措置などで韓日間のあつれきが深まる中、ソウルの日本大使館前にある「平和の少女像」付近で20日午後、日本の経済報復や過去の歴史歪曲(わいきょく)を批判する集会が行われた。100余りの韓国市民団体の会員約1000人が参加した。

           次の写真は記事と関係ありません。

          
          
 ある市民団体の幹部は「強制徴用訴訟で日本企業に賠償を命じた大法院(最高裁)の判決は人権蹂躙(じゅうりん)など犯罪行為に対する慰謝料を請求したもの。しかし、安倍政権は1965年の韓日請求権協定を口実に賠償を拒否し、軍事大国化を追求している」と日本側を非難した。

 別の市民団体の幹部は「われわれが日本の経済報復に憤りを感じるのは単に輸出規制を強化したからではない。強制徴用の判決と日本軍による性奴隷制の問題に対する報復であるためだ」と指摘した。

 参加者たちは大型の「旭日旗」を破るパフォーマンスを行い、「安倍は消え、平和よ来い」と書かれたプラカードを持ち、約2.2キロをパレードした。

csi@yna.co.kr

中国はアジア各国と共に多国間主義の旗を高く掲げ、国際公正・正義を守り、国連の中心的役割をより良く発揮し、国際法と国際関係の基本準則をしっかりと守り記事

2019-07-21 | 中国を知ろう
王毅部長「中国外交は常に近隣国を優先」
人民網日本語版 2019年07月19日14:19



          

王毅国務委員兼外交部長(外相)は18日に北京で、外交部(外務省)がアジア諸国の中国駐在外交官のために催したレセプションに出席した。新華社が伝えた。

王部長は「中国外交は常に周辺諸国を優先している。近隣諸国との関係をうまく扱うには、真心をもって友人となり、誠実に溝を埋め、根気強く協力を促進する必要がある。アジア諸国は隣り合って住む大家族だ。中国が良ければ、アジアも良くなる。アジアが良ければ、中国はもっと良くなる。習近平国家主席の打ち出した『親誠恵容』という周辺外交理念は中国の周辺外交の良き伝統と有益な経験を概括している。習主席はさらにアジア運命共同体の構築を提唱した。これをわれわれ共通の努力の方向性とするべきだ。中国はアジア各国と共に多国間主義の旗を高く掲げ、国際公正・正義を守り、国連の中心的役割をより良く発揮し、国際法と国際関係の基本準則をしっかりと守り、この過程でより緊密な関係を発展させることを望んでいる」と述べた。(編集NA)

          

          

「人民網日本語版」2019年7月19日

今後の日韓関係、また世界の中での日本の立場を考えて、今回の措置に疑問を呈する声が、政府に近い人たちからも出ている。

2019-07-20 | 韓国の民主化は進んでいく。

いつの間にか影が薄くなった
「報復」読売・産経の書きぶりも微妙に変遷


7/20(土) 7:00配信

J-CASTニュース


ヤフーのJ-CASTニュースで以下のものが載っている。保守の日本外交批判である。そのまま掲載した。

          

          文在寅大統領の写真は、以下の記事とは関係がありません。

文在寅大統領も「必要な対応をせざるを得ない」との立場を示す(青瓦台ウェブサイトより)

 韓国に対して日本政府が発動した半導体材料などの輸出規制強化を巡り、日韓の対立が泥沼化している。

 こうした中、新聞報道の推移をたどると、日本側の微妙なニュアンスの変遷もうかがえる。少し時間をさかのぼりつつ、状況を整理しよう。

■「事務的説明会」と張り出す徹底ぶり

 日本の措置は、半導体洗浄に使う「フッ化水素」などの3品目の韓国への輸出について、これまでは最大3年間分の輸出許可を1度に取れたが、今後は契約1件ごとに出許可を取るよう義務付ける。これらの品目は日本が世界で50%以上、ものによって70%を超えるシェア(市場占有率)を持ち、サムスングループやLGグループなどの韓国企業も、ほぼ全量を日本から調達している。にわかに他国から調達するのは困難で、韓国の半導体生産に大きな打撃になるのは必至だ。これは韓国製半導体などのユーザーである日本企業への影響も避けられない。

 さらに、第2弾として、輸出先として大量破壊兵器の拡散の懸念がない「ホワイト国」(現在27カ国)の指定から韓国を外すことも検討している。早ければ8月中旬にも実施する見通しで、武器などに転用可能な品目について、ものによって契約ごとの輸出許可が必要になる可能性がある。

 今回の措置について、日韓の烈しい摩擦に発展し、12日には日韓の実務書の会議が経産省で開かれたが、日本側は「協議ではない」として、事務机を並べた殺風景な会議室を会場にし、グリーンボードにわざわざ「事務的説明会」とパソコンで打ち出した紙を張り出す徹底ぶりで、日韓関係の冷却ぶりを象徴する場面になった。

 韓国側の輸出管理上の問題はそれとして、どこまでの「違反」があったのか、韓国の対応は適切だったか、今後どう厳格化していくかなど、まさに実務的に詰めるべき問題は多いが、今回の問題のポイントは、輸出管理という通商上の手段の行使でありながら、徴用工問題への「事実上」の対抗措置としての側面が存在することだ。

 
当初は「対抗」との報道が前面に出たが

 世界貿易機関(WTO)の協定では、「安全保障上の輸出規制」は認められているが、政治的なテーマに行使するのは協定に抵触しかねない。米トランプ政権が日本を含む鉄鋼製品について「安保」を口実に報復関税を乱発して世界の反発を買っているのはその代表例だ。大阪で6月30日閉幕した主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、安倍晋三首相が議長として「自由で公平かつ無差別な貿易」を謳った「宣言」をまとめた。その直後の日本の措置に、米有力経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」(7月2日付)のコラムは「トランプ流手法」と表現した。

 日本政府は、「(徴用工問題への)対抗措置ではない」(菅義偉官房長官)と主張するが、一方で、背景として徴用工問題を挙げて「信頼関係が著しく損なわれた」から輸出規制強化に踏み切ったという説明を繰り返している。あえて、徴用工問題に言及した点がポイントで、マスコミも当然、ここに飛びついた。

 事前の様々な観測記事などは別にして、今回の報道は、直接には6月30日、産経が1面トップで規制措置の実施する方針を大きく前打ちで報じ、翌日7月1日の朝刊、夕刊で他紙は一斉に追随したが、この時点で全紙が「徴用工問題への(事実上の)対抗」と書き込み、見出しにも取っていた。当然だろう。

 ところが、その後、政府は「対抗措置」の側面の火消しに走ったようで、新聞などの報道も、変わっていく。安倍政権を基本的に支持する読売と産経の報道ぶりにみてみよう。
読売と産経はどう「転進」したのか

 読売は2日朝刊時点で3面の上半分をほぼ丸々つぶす「スキャナー」コーナーで「徴用工 事態打開を狙う」の大見出しを横に張って解説し、3日、4日朝刊でも、菅長官の会見や党首討論での首相発言などで、信頼関係が損なわれた理由として徴用工問題を挙げたことなどを書き込んでいた。ところが規制発動当日の4日の夕刊は2面トップで規制発動を報じた中に、「徴用工」の3文字が消え、その後も韓国側の主張など最低限、触れるだけで、日本の姿勢として「対抗措置」との表現は姿を消している。

 産経は発動後の5日朝刊2面の西村康稔官房副長官の会見記事の中で「いわゆる徴用工訴訟で......韓国が対応策を示さないため、事実上の対抗措置に踏み切った」と明快に書き、9日1面の文大統領が会見で規制撤回を求めたことを伝える記事でも「両国間の信頼が損なわれる原因となった......徴用工判決への具体的対応策には触れなかった」と、わざわざ書いていた。ところが、10日からは日本の立場として徴用工問題での対抗措置という記述はほぼ姿を消す。

 産経の姿勢転換は社説に相当する「主張」にはっきり表れている。2日、真っ先に取り上げ、徴用工問題や自衛隊機への火器管制レーダー照射などを「反日的な行動」として列挙し、「抗議を重ねても馬耳東風を決め込む韓国に対し、法に基づく措置で対処するのは当然だ。国家の意思を毅然と示す意味は大きい」と評価し、政府が「対抗措置ではない」と説明していることには「韓国相手に曖昧な姿勢を取るべきではない。信頼関係が損なわれたというなら、信頼回復に必要なことを具体的に示し、韓国側に対応を迫るべきだ。そうした強いメッセージが必要である」「改善がなければ対応を強める。その姿勢を貫かなければならない」と、むしろ徴用工問題の対抗であることを明確にするよう求めた。

 「報復」との見方が薄れていく

 ところが、11日に再度取り上げ、「韓国側は、日本の措置は『徴用工』問題をめぐる報復であり、事実上、WTO協定違反に当たるという認識を示した。韓国はWTOへの提訴も検討している」と、韓国の主張として書いただけで、ひたすら輸出管理の問題だとする日本政府の主張に沿い、政府を全面的に支持している。

 日韓実務者の12日の「事務的説明会」の報道(13日朝刊)では、朝日が「日本政府は、韓国人元徴用工への損害賠償問題の解決策が6月末までに示されなかったり、輸出管理に関する「不適切な事案があったりし、『信頼関係が著しく損なわれた』などとして......」と、規制発動の背景を説明したが、毎日、日経なども徴用工問題にはほとんど触れていない。問題を「輸出管理」に絞る政府の狙いは、国内向けにはほぼ成功した形だ。

 ただ、今後の日韓関係、また世界の中での日本の立場を考えて、今回の措置に疑問を呈する声が、政府に近い人たちからも出ている。

 元駐韓国大使で「文在寅という災厄」の著書もある武藤正敏氏は、輸出管理の問題自体で韓国を厳しく批判し、日本政府の対応を評価しつつ、「日本政府は韓国の国民感情をいたずらに刺激しない方が得策である。......日本政府は導入に当たり、文大統領がG20で安倍総理との会談もできずに帰国した2日後に突如公表した。韓国国民はこれを『後ろからいきなり殴られた』と解釈し、日本への国民的反発を強めることが懸念される」(DIAMOND ONLINE、7月12日)と指摘。4日の「日テレNEWS24」に出演した際は、「今のやり方で韓国の国民が『文在寅大統領けしからん。日本ともっとちゃんと対話をしないといけない』という雰囲気になってくれるかどうか。そこは若干、懐疑的に見ている」と、懸念を示している。

 「韓国による国際世論の形成には警戒が必要である。日本が反自由貿易主義だと誤解されないよう世界に対する情報発信が欠かせない」。産経も11日の「主張」で、そう戒めている。