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韓国政府は、東京電力福島第一原発事故で発生した「放射性汚染水」を希釈して海に排出する過程の安全性を検証する国際原子力機関(IAEA)の検証団に、韓国の専門家が参加することを明らかにした。

2021-07-12 | 原水爆禁止世界大会

韓国政府「福島第一原発汚染水IAEA検証団に韓国の専門家が参加」

登録:2021-07-10 02:43 修正:2021-07-10 07:12
 
検証団メンバーの国籍は公開せず 
韓国、中国など関連国の専門家11人が参加したと伝わる
政府「国民の安全を守るための最小限の装置」と評価 
米国などが支持しているため放出決定そのものは覆せない見通し
 
 
環境運動連合のメンバーが5月12日午前、ソウル中区の韓国観光公社ソウルセンター前で福島第一原発放射性汚染水対応第2回全国行動記者会見の終了後、街頭を行進している=イ・ジョングン先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、東京電力福島第一原発事故で発生した「放射性汚染水」を希釈して海に排出する過程の安全性を検証する国際原子力機関(IAEA)の検証団に、韓国の専門家が参加することを明らかにした。

 政府は9日、報道資料を発表し、その中で「IAEAは8日、福島第一原発汚染水放出を検証するため専門家チームを編成した。韓国の専門家としては、原子力安全技術院のキム・ホンソク責任研究員が参加することになった。キム博士は原子力安全の専門家で、現在は原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の韓国首席代表として活動している、放射性物質の分析および評価分野の権威だ」と述べた。IAEAの専門家チームは、日本政府による福島第一原発の汚染水の海洋放出が国際基準を順守し、安全に行われるかどうかを、事前準備の段階から放出までの全過程にわたりモニタリングする予定だ。IAEAと日本政府も8日(現地時間)、検証団の結成を伝える報道資料を発表したが、検証団に参加する専門家の国籍は公開していない。同検証団には、韓国と中国を含む11カ国の専門家が参加するという。

 政府は報道資料で「IAEA国際検証団に韓国の専門家が参加するため、日本が福島第一原発の汚染水放出を強行する場合、直接・間接的な検証を通じて国民の安全を守るための最小限の安全装置が確保された」とし、「汚染水処理の全過程が客観的かつ実質的に検証されるよう最善を尽くす」と述べた。政府は続いて「国民の健康と安全を最優先の原則として、この問題の解決に最善を尽くす。国民の健康に危害を及ぼしうるいかなる措置にも妥協しない」と述べた。

 政府は今年4月以降、日本政府に対し、汚染水の処理過程における十分な科学的根拠の提示▽韓国政府との十分な事前協議▽IAEAの検証過程への韓国専門家の参加の保障を求めてきた。チョン・ウィヨン外交部長官も同時期に、国会外交統一委員会での答弁で、この3つの条件が整えられ、汚染水の放出がIAEAの定める国際基準に適合すれば、「あえて反対することはないと考える」との立場を示している。検証団にキム博士が参加することになったことで、ひとまず政府の要求の一つは満たされたかたちだ。ただ、韓国政府が汚染水放出の安全性を判断するために必要となる科学的情報を得るとともに、事前協議を行う窓口として提案した韓日の二国間協議体については、日本側はまだ回答していないという。

 しかし、今回結成された検証団も結局は日本の汚染水放出決定に正当性を与える役割を果たすにとどまるだろうという憂慮の声が早くもあがっている。それを端的に示す例は、日本政府が汚染水放出決定を発表した4月13日に、IAEAのラファエル・グロッシー事務局長が「日本の発表を歓迎」し、「日本が選択した水の処理方法は技術的にも実現可能で、国際的慣行に則ったもの」と述べていることだ。米国も、原則的検証が必要だとしつつも、日本政府の決定に信頼を示すなど、汚染水の放出を事実上支持してきた。結局のところ、韓国の専門家が検証団に参加しても、日本の放出決定そのものを覆すことはできない見通しだ。

キム・ジウン、キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

保健福祉部は25日、「韓国人原爆被害者支援委員会」を開き、「韓国人原爆被害者実態調査」結果を発表した。

2019-04-27 | 原水爆禁止世界大会
韓国原爆被害者のがん発生率は3~7倍…
3人のうち1人は“貧困”

登録:2019-04-26 09:47 修正:2019-04-27 08:04


福祉部、「韓国人原爆被害者実態調査」結果を発表 
前立腺がん・甲状腺がん・胃がんなどにかかる危険性は3~7倍高く 
貧困層に該当する割合も同年代の一般人の約6倍 
がん発生には様々な危険要因が作用し、被爆の影響だけはなく 
被爆と関連して社会から差別された経験も少なくない 
政府、原爆被害2世の健康、医療利用などについて後続調査

          

陜川原爆被害者福祉会館近くの慰霊閣には1057位の原爆犠牲者の位牌が奉られている//ハンギョレ新聞社

 原爆被害者(被爆者)は一般人よりもがんや希少疾患にかかる危険が高いという調査結果が出た。また、(韓国在住の)被爆者の3人のうち1人は基礎生活保障(日本の生活保護)受給者に該当するほど経済的困難を負っていた。

 保健福祉部は25日、「韓国人原爆被害者支援委員会」を開き、「韓国人原爆被害者実態調査」結果を発表した。原爆被害者は1945年に日本に投下された原爆にさらされて被害を受けた人を指す。今回の実態調査は2017年の原爆被害者支援特別法の施行後、政府レベルで実施した初の実態調査で、被害者の現況と健康状態、医療利用の現状、生活実態が書かれている。調査結果によると、日本に投下された原爆で韓国人被爆者は1945年当時約7万人で、このうち4万人が被爆で死亡、生存者のうち2万3千人が帰国したものと推定された。また、原爆被害者のうち2283人が現在まで生きており、被害者とその子どもたちは身体・精神的障害、経済的困難、社会的差別を負ってきたものと調査された。

 彼らに対する健康保険診療費の資料を分析した結果、死亡者を含む登録被害者3832人の場合、同様な年代の一般人口に比べてがん、希少難治性疾患、慢性疾患などにかかった割合がより高かった。2017年基準でこの5年間にがん診断を受けた患者数を見ると、被爆者男性のうち前立腺がん、胃がん、大腸がんなどにかかった割合は、人口10万人当たりそれぞれ9833人、4621人、4327人で、同様な年代の一般人男性のそれぞれの割合である1465人、1435人、1270人に比べて3~7倍ほどに至った。被爆者女性も状況は似ており、胃がん、大膓がん、甲状腺がんの場合、人口10万人当たりそれぞれ2789人、2303人、1827人で、同様な年代の女性のそれぞれ553人、654人、317人に比べて多くは6倍ほどだった。ただし、今回の調査は被爆者の全般的な健康実態を把握するために実施したもので、疾病には所得と職業、生活地域などさまざまな要因が影響を及ぼすため、がん発生比率が高いのが単に被爆の影響だと断定するのは難しいという指摘だ。

 被爆者の医療利用や医療費の本人負担の水準も一般人より高かった。2017年基準で原爆被害者の病院入院利用率は34.8%で、同様な年代の一般人の31%に比べてやや高く、健康保険が適用される医療費の本人負担額も原爆被害者は124万ウォン、一般人は110万ウォンと差が見られた。

 今回の調査で原爆被害者と被爆2世を対象にインタビューおよび面接調査を行った結果、被爆者の23%は障害があり、51%は自分の健康状態が悪いと答えた。また、36%は貧困層に該当し、基礎生活保障受給者であり、月平均世帯収入は138万9千ウォン(約13万3千円)に過ぎなかった。同様な年代に当たる70歳以上の一般人は、身体障害の割合は17.5%、65歳以上の基礎生活受給の割合は5.7%で、彼らよりはるかに低い。

 被爆2世も8.6%が障害者に該当し、9.5%が基礎生活受給者であり、月平均世帯収入は291万ウォン(約28万円)で、同様な年代より身体的・経済的状況が良くなかった。被爆2世と同様な年代に当たる35~74歳の一般人の身体障害の比率は5.9%であり、基礎生活受給者の割合は3.5%、2017年の韓国の世帯月平均所得は462万ウォン(約44万4千円)だ。

 被爆者の11%、被爆2世の9.5%が、被爆と関連して社会から差別を受けた経験があり、被害事実を知らせないという傾向が強かった。また、被爆の影響が遺伝するかもしれないという不安感から、結婚や出産を諦めるケースもあったが、被爆者と子どもたちは漠然とした恐怖を解消するためにも、被爆による影響について政府レベルの疫学調査が必要だと強調した。

 福祉部は今年、原爆被害者2世の健康状態、医療利用などについて後続調査に入り、今後被爆の健康影響などに関する分析体系を設ける計画だ。
キム・ヤンジュン医療専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

南北・米朝首脳会談で「安倍政権の軍事力・圧力一辺倒の政策が破たんした」と強調。

2018-08-06 | 原水爆禁止世界大会
原水禁が広島大会


 原水爆禁止国民会議(原水禁)などでつくる実行委員会主催の被爆73周年原水爆禁止世界大会・広島大会が4日、広島市であり、2200人(主催者発表)が参加しました。

 あいさつした佐古正明・副実行委員長(原水禁副議長)は、南北・米朝首脳会談で「安倍政権の軍事力・圧力一辺倒の政策が破たんした」と強調。「アメリカの核の脅しで平和は実現できない」と述べ、核兵器禁止条約の署名・批准を求める運動を訴えました。

 藤本泰成事務局長(原水禁事務局長)は基調報告で、禁止条約について「被爆国政府として日本が署名・批准するのは当然だ」と指摘。「核も戦争もない21世紀を実現しよう」と呼びかけました。

 広島で被爆した桑原千代子さんが体験を語り、「平和を自らの手でつかむため、わずかでもできることをやってほしい」と訴え。高校生平和大使の代表が決意表明しました。

北朝鮮が核兵器を手放すためには、どこからも攻撃されないという北朝鮮にとって安心感が必要であり・・・

2018-07-30 | 原水爆禁止世界大会
東アジア平和構築を
科学者集会 非核化の流れ強調

原水爆禁止世界大会


                    
                    (写真)活発な議論がおこなわれた科学者集会=29日、東京都内

 原水爆禁止2018年世界大会・科学者集会が29日、「東アジア非核化構想~アジアの市民連帯を考える」をテーマに東京都内で開かれ、143人が参加しました。

 東京大学の和田春樹名誉教授が基調講演し、朝鮮半島の非核化を宣言した米朝会談は、キューバ危機を回避した1962年のケネディ・フルシチョフ会談に匹敵する歴史的意義を持つと強調し、次のように訴えました。

 「北朝鮮が核兵器を手放すためには、どこからも攻撃されないという北朝鮮にとって安心感が必要であり、それは在韓米軍のみならず、在日米軍の存在や日本がアメリカの核の傘に入っていることも問うことになる。難しく時間もかかるが、日本も含めた関係国の協力で平和体制を構築しなければならない」

 韓国、台湾、沖縄の学者やNGOから報告がありました。

 韓国・キョレハナ平和研究センター兼任研究委員の李俊揆氏は、現在の東アジア冷戦の解体のための歴史的機会は、北朝鮮の路線転換と韓国のキャンドル革命で誕生した文在寅政権の対話政策によるものであり、南北を軸に突破口を開いたことに画期的意義があると強調しました。

 沖縄国際大学の前泊博盛教授は、米政権がめざす「アジア戦略」に在日米軍削減の議論が欠落するのは、「思いやり予算」など駐留経費の日本の過重負担が背景にあると指摘しました。

昨年の核兵器禁止条約、今年の米朝首脳会談と、非核と平和の激動的な動きをどう前進させるのか、その展望を示す大会となるからです。

2018-07-14 | 原水爆禁止世界大会
原水爆禁止世界大会実行委員会のアピール
開催地広島をはじめ豪雨被害地に支援を
全国と世界の連帯で世界大会を必ず成功させよう


 原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会が12日に発表したアピールを紹介します。

 みなさん、原水爆禁止2018年世界大会を前にして、西日本を数十年に一度という集中豪雨が襲いました。被害を受けた方がたに心からお見舞いを申し上げます。

 今回の豪雨災害により、14府県で200人が犠牲(7月12日現在)になるなど、中四国を中心に広範囲にわたって被害が出ています。いまも捜索、救援、復旧の努力が続いています。とりわけ、原水爆禁止世界大会の開催地である広島の被害は深刻です。全国的な緊急の支援を心からよびかけます。

 現地では、「被爆地の運動としての責務をはたそう」と、被災地救援に全力を尽くすとともに、60周年を迎える国民平和大行進と原水爆禁止世界大会を成功させるために決意を新たにして奮闘しています。

 世界大会実行委員会には、すでに海外の友人からもお見舞いが寄せられています。大会の開催を心配している方もいます。それだけに現地で奮闘されるみなさんと心を一つにして、全国と世界の友人たちの支援と連帯によって、今年の世界大会をなんとしても成功させなければなりません。私たちは、世界大会実行委員会に結集する中央諸団体と都道府県のみなさんが、被災地への支援を強めるとともに、世界大会成功のために尽力されることを心からよびかけます。

 みなさん、20日後に迫った世界大会には、内外から大きな期待が寄せられています。それは、昨年の核兵器禁止条約、今年の米朝首脳会談と、非核と平和の激動的な動きをどう前進させるのか、その展望を示す大会となるからです。

 大会には、核兵器禁止条約をリードしたアイルランド、オーストリア、メキシコ、キューバ、ベネズエラの政府代表とともに、アメリカやフランスなど核保有国からも反核平和組織の代表が多数参加します。朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築を実現する市民社会の連帯をつくるために、韓国をはじめ多くのアジアの代表も参加します。今後の運動方向と展望について活発で充実した議論がおこなわれるでしょう。

 「核の傘」から離脱し、核兵器禁止条約に参加する政府の実現をめざして、核兵器禁止条約を支持する共闘野党の代表とともに、「戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委員会」の共同代表が初めて大会に参加します。オール沖縄会議の代表も初めて大会に参加します。

 世界大会まで残された20日間、これまで参加をよびかけていなかった団体・個人にも幅広く参加をよびかけ、大会を大きく成功させましょう。

「核兵器禁止条約を力に 核兵器のない平和で公正な世界の実現を」が大会テーマです。

2017-07-14 | 原水爆禁止世界大会
来月3~9日 原水爆禁止世界大会 海外代表22カ国105人
核兵器禁止条約を力に 実行委が会見


                 
 原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会の高草木博共同代表らは13日、東京都内で記者会見しました。広島、長崎の両市で開かれる原水爆禁止2017年世界大会(8月3~9日)のプログラムと、22カ国105人の海外代表が参加することを発表しました。


(写真)ことしの原水爆禁止世界大会のプログラム、海外代表について説明する、(左から)高草木共同代表、土田弥生、安井正和両運営委員=13日、東京都内

 「核兵器禁止条約を力に 核兵器のない平和で公正な世界の実現を」が大会テーマです。高草木氏は「核兵器禁止条約に、国連に加盟する193の国々の政府が調印し、それぞれの議会が批准し、発効するよう呼びかけることが運動の中心点になってきます」と指摘しました。

 6日の「ヒロシマデー集会」では、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳(てるみ)代表委員があいさつ。「ヒバクシャ国際署名連絡会」代表の一人として、6月の条約交渉会議でホワイト議長に296万人余のヒバクシャ国際署名を提出した箕牧智之(みまきとしゆき)・日本被団協全国理事が発言します。

 7日の「世界大会・長崎 開会総会」では、禁止条約国連会議の成功に尽力してきた中満泉・国連軍縮担当上級代表が発言します。条約交渉をリードしたオーストリア、メキシコ、キューバの政府代表が発言予定です。

核兵器禁止条約に背を向け続ける安倍晋三政権に国内外で失望と批判が相次いでいます。: しんぶん赤旗より

2017-07-03 | 原水爆禁止世界大会
2017年世界大会
歴史的な転機に共同の発展を



 ニューヨークで開かれている核兵器禁止条約の国連会議は7日の条約採択へ向け議論が続いています。原水爆禁止2017年世界大会は8月、歴史的な情勢の下で開催されます。国際会議(広島)3~5日、広島大会5~6日、長崎大会7~9日の日程です。今後の展望と運動の方向を示す重要な大会として注目が集まっています。
核兵器禁止へ新たな情勢

 現在審議中の核兵器禁止条約案は、人類史上初めて核兵器を違法化し、「悪の烙印(らくいん)」を押す画期的なものです。条約としては異例なことに、被爆者や市民社会の役割を高く評価しています。被爆者など核兵器の被害者への支援も明記しました。被爆者や反核平和運動、国連会議に参加した日本共産党代表団も含む市民社会と非核保有国の共同の成果です。それだけに、国連や諸国政府との交流と共同の場となってきた世界大会の意義は、いっそう大きくなっています。

 禁止条約が採択されれば、この条約と反核平和運動の力で「全面廃絶」に進む新しい条件が開かれます。世界大会は、世界の運動団体の代表に加え禁止条約を推進してきた政府代表らも交え今後の展望や運動をダイナミックに語り合う、またとない機会となります。

 条約が実現すれば、核保有国や核兵器依存国の参加を迫る世論と運動の前進が決定的となります。秋の国連総会に向けても、大会はその重要な節目となります。

 大会は、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(「ヒバクシャ国際署名」)の発展にとって大きな結節点となります。国連会議のエレン・ホワイト議長は6月16日、国連本部内で中満泉軍縮担当上級代表とともに296万人分の署名を受け取りました。ホワイト議長が「感動的です」と繰り返したように、この署名は、国際政治を核軍縮に向け後押しする力強い役割を発揮しています。

 広島や長崎などで、首長が署名行動の先頭に立つなど自治体あげての取り組みも生まれています。被爆者団体、原水協、原水禁や平和フォーラム、市民団体などの共同も各地で広がっています。大会が、こうした共同をさらに進め、「ヒバクシャ国際署名」を大きな運動として進展させる極めて大切な場となることは明らかです。

 禁止条約に背を向け続ける安倍晋三政権に国内外で失望と批判が相次いでいます。核保有国に追従し、世界の流れに逆行する姿は被爆国にあるまじきものです。今年の大会は、そうした姿勢の転換を日本政府に迫る上でも重要です。

 「共謀罪」法強行や9条改憲の動き、沖縄新基地建設ごり押し、国政私物化といった「独裁、暴走、傲慢(ごうまん)」の安倍政治に反対するさまざまな運動が前進する中、大会は連帯と交流の場になるでしょう。
若い力にも支えられて

 被爆者の願いに応えた若者たちの熱意も広がっています。署名を国連会議に届ける被爆者の訪米資金をインターネットで募集するクラウドファンディングが目標達成したことが大きく報道されました。原水爆禁止国民平和大行進(同実行委員会主催)で、海外の青年が参加する「国際青年リレー」なども注目されています。

 若い力にも支えられ、「核兵器のない世界」をめざす歴史的共同を国内外で発展させる大会となることが強く期待されています。

「核兵器がない世界へ今年を転換のときにしよう」海外と日本の青年がたすきをつなぐ国際青年リレー行進者として、全日程を歩きます。

2017-05-07 | 原水爆禁止世界大会
国民平和大行進スタート
東京・夢の島 核兵器禁止条約実現へ



                    

(写真)「歩こう核兵器のない世界へ」と、スタートした国民平和大行進の東京―広島コース=6日、東京都江東区

 被爆地・広島、長崎をめざす2017年原水爆禁止国民平和大行進(同実行委員会主催)が6日、全11幹線コースの先頭を切って東京―広島コースから始まりました。東京・夢の島公園を出発した参加者は「核兵器なくそう」「条約つくれ! 今すぐ賛成」とピースコール。港区芝公園・平和の灯前まで元気に歩きました。

 出発集会には700人が参加。史上初めて核兵器禁止条約の交渉会議がニューヨークの国連本部で開催され、6~7月の第2会期で条約採択の展望があります。開会あいさつした原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会の高草木博共同代表は「核兵器がない世界へ今年を転換のときにしよう」と訴えました。

 米タフツ大学1年のケイラ・ウォーリーさん(19)は、海外と日本の青年がたすきをつなぐ国際青年リレー行進者として、東京、神奈川、静岡の全日程を歩きます。「米国のほかの人々が間もなく私たちに続いてくれることを願っています」と語りました。

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳(てるみ)事務局長は「被爆者と市民社会の力が3月の国連交渉会議を成功させた」と強調。「『ヒバクシャ国際署名』を世界に広げて核保有国を動かしたい」と述べました。

 6月のニューヨーク行動代表団、東京―広島コースをはじめとする全国通し行進者が決意表明。東京の被爆者団体・東友会の家島昌志さんは、ヒバクシャ国際署名運動のさらなる推進を訴えました。

「決議に反対した日本政府に怒りを感じました。市民社会と一緒になってヒバクシャ国際署名運動で世界を動かしたい」

2016-11-19 | 原水爆禁止世界大会
原爆症認定改善へ議連を
被団協が各党要請 志位委員長と懇談

“ヒバクシャ国際署名で世界動かす”





(写真)日本被団協の和田征子事務局次長から要請書を受けとる志位和夫委員長(左から3人目)と(左へ)井上哲士参院議員、大平喜信衆院議員=18日、衆院第1議員会館

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)とノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団、同訴訟全国弁護団連絡会は18日、法改正を伴った原爆症認定制度の抜本的な改善と、そのための超党派議員連盟の結成などを各党へ要請しました。19人が参加した衆院第1議員会館での日本共産党への要請行動では、志位和夫委員長が応対しました。被爆者一人ひとりの自己紹介、「ヒバクシャ国際署名」のとりくみなどが話題になり、終始和やかな懇談となりました。

 東京の被爆者団体、東友会の大岩孝平代表理事が読み上げた要請書に目を通した志位氏は「みなさんの要請を全面的に受け止めて、一緒に実現をめざしたい」と応えました。

 志位氏は、また、国連総会での核兵器禁止条約の締結交渉を来年開始する決議の画期的意義について、日本共産党第27回党大会決議案を紹介しながら、強調。「被爆者のみなさんが世界で、国内で、核兵器の非人道性を一貫して追及し、被爆の実相を語り継いできたことが大きな世界の動きをつくるうえで決定的な役割を果たしてきました」とのべました。

 日本被団協の和田征子事務局次長は、「決議に反対した日本政府に怒りを感じました。市民社会と一緒になってヒバクシャ国際署名運動で世界を動かしたい」と話しました。

 「高齢になった被爆者が生きているうちに禁止条約が結ばれるように尽力をお願いします」との発言もありました。

 懇談には、日本共産党の井上哲士、仁比聡平の両参院議員、大平喜信衆院議員も参加し発言しました。

ここ被爆地・長崎から、被爆者とともによびかけます―「戦争するな」「核兵器なくせ」と。

2015-08-11 | 原水爆禁止世界大会
原水爆禁止世界大会―被爆70年ナガサキデー集会
長崎からのよびかけ



 9日、長崎市で開かれた原水爆禁止2015年世界大会―被爆70年ナガサキデー集会で採択された「長崎からのよびかけ」は次の通りです。

 原爆犠牲者はもうわたしたちだけでたくさんです。世界の皆さま、原水爆をどうかみんなの力でやめさせてください。そしてわたしたちが本当に心から、生きていてよかったという日が一日もはやく実現できますよう、お願いいたします。―渡辺千恵子、第2回原水爆禁止世界大会での訴えから

 70年目の長崎原爆の日を、私たちは憲法破壊の「戦争法案」の廃案を求める世論と運動のかつてない高まりのなかで迎えています。

 核戦争の残虐さを身をもって体験した被爆者は、「長崎を最後の被爆地に」の声をあげつづけてきました。戦争をくり返さず、平和な日本を次の世代に引きつぐこともまた、被爆者の切実な願いです。過去の植民地支配と侵略戦争への反省と謝罪をあいまいにすることは断じて許せません。

 私たちは、ここ被爆地・長崎から、被爆者とともによびかけます―「戦争するな」「核兵器なくせ」と。

 核兵器の非人道性を明らかにし、核兵器禁止条約など法的な措置によって「核兵器のない世界」の実現をめざす流れは、もはや押しとどめることはできません。このことは、核不拡散条約(NPT)再検討会議でいっそう鮮明になりました。この流れをあと押ししているのは、私たちの630万余の署名をはじめとする世界諸国民の世論と運動の力です。

 広島・長崎の被爆の実相をさらに広範な人びとにひろめ、核兵器禁止条約のすみやかな交渉開始を求める世論と運動をいっそう強めるならば、「核抑止力」論を打ち破り、「核兵器のない世界」への道を拓(ひら)くことができます。

 一人ひとりの市民が行動に立ち上がり、力をあわせて世界と日本を変えていく―こうした民主主義の流れをさらに強め、核兵器の廃絶を必ずかちとりましょう。

 「核兵器のない世界」を求める署名運動を、地域ぐるみ、自治体ぐるみで発展させ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める巨大なうねりをつくりだしましょう。国連核兵器廃絶デー(9月26日)、国連軍縮週間(10月24~31日)などを節目に、草の根からの行動を展開し、国際共同行動を成功させましょう。

 すべての市町村で「原爆展」や被爆体験を語る集いなどに取りくみ、被爆の実相をひろめましょう。映像、音楽や演劇などさまざまな文化的手段、ソーシャルメディアも活用し、被爆者の体験、願い、闘い、その生きざまを世代を超えて継承しましょう。原爆症認定制度の抜本的改善と国家補償を求め、被爆者援護・連帯の活動をいっそう強めましょう。

 非核三原則を厳守・法制化し、「核の傘」から離脱して、核兵器禁止条約締結の先頭に立つよう日本政府に強く求めましょう。

 広範な人びとの共同の力で、「戦争法案」を必ず廃案に追い込みましょう。辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」の闘いと固く連帯し、米軍基地の縮小・撤去を求める運動をいっそう強めましょう。日米軍事同盟の強化に反対し、憲法9条を活(い)かした非核平和の日本をつくりましょう。

 川内(せんだい)原発はじめ原発再稼働に反対し、「核の被害者をつくらせない」の願いをひとつに、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める運動と固く連帯しましょう。

 雇用とくらしの破壊、貧困と格差の拡大に反対しましょう。軍事費を削っていのち・くらし・雇用をまもる運動を強めましょう。

 学生、高校生をはじめ若い世代が運動の先頭に立っていることは未来への希望です。女性の行動の輪も大きくひろがっています。平和・いのち・くらしをまもる願いをひとつにつなぎ、安倍政権を追い詰めましょう。

 ノーモア・ナガサキ

 ノーモア・ヒロシマ

 ノーモア・ヒバクシャ

 ノーモア・ウォー

 長崎を最後の被爆地に―

 2015年8月9日

 原水爆禁止2015年世界大会―被爆70年ナガサキデー集会

被ばく量は,元船員や遺族の話から考えると低すぎる。持ち帰って専門家と検討したい

2014-09-20 | 原水爆禁止世界大会

被ばく船員の検査記録存在=第五福竜丸以外も、556隻―ビキニ水爆実験で・厚労省

時事通信 9月19日(金)20時43分配信

 1954年に米国が太平洋ビキニ環礁などで行った水爆実験で、静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」だけでなく、周辺海域で操業していた漁船延べ556隻について、乗組員の被ばく量を検査した記録が存在していたことが19日、分かった。市民団体の情報公開請求に対し、厚生労働省が開示した。
 厚労省はこれまで、第五福竜丸以外の被ばくについて、「実態を把握しておらず、記録も保有していない」としていた。今回の開示について、「改めて探したら見つかった」と説明している。
 記録によると、旧厚生省は第五福竜丸の被ばく直後から、周辺海域で操業していた漁船の検査を開始。54年3~6月に指定された5港へ入港した延べ556隻の船体と乗組員、捕獲した魚の放射線量を調べた。
 乗組員の被ばく量は最大で毎分988カウントで、2週間同じ量を浴び続けても約1.68ミリシーベルト。第五福竜丸の乗組員(1.6~7.1シーベルト)より大幅に低く、国際放射線防護委員会が緊急時の被ばく限度と定めた100ミリシーベルトも下回った。
 実態調査を進める市民団体「太平洋核被災支援センター」(高知県)の山下正寿事務局長は、「記録があったことははっきりしたが、被ばく量は元船員や遺族の話から考えると低すぎる。持ち帰って専門家と検討したい」と話した。
 ビキニ水爆実験で国は、第五福竜丸の乗組員以外に放射線障害は認められないとして、継続的な健康調査をしていない。 

同じ目標のために活動するみなさんの決意に拍手を送ります。

2014-09-10 | 原水爆禁止世界大会
国連総長が激励の手紙 原水爆禁止世界大会実行委に
“核兵器なくす パートナーだ”


 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長はこのほど、原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会代表の高草木博氏(原水爆禁止日本協議会代表理事)が送った手紙にこたえ、核兵器のない世界に向けて活動する日本の草の根の運動に感謝し、激励する手紙をよせました。

 高草木氏は、8月に開かれた原水爆禁止2014年世界大会に潘氏がメッセージをよせ、アンゲラ・ケイン軍縮問題担当上級代表が国連を代表して参加したことに感謝する手紙を送っていました。潘氏がよせた手紙は3日付。全文を紹介します。

 親愛なタカさん、

 原水爆禁止2014年世界大会への私のメッセージが歓迎されたこと、および、大会が採択した諸文書について知らせてくださった2014年8月22日付のあなたの手紙に感謝します。

 核兵器のない世界を達成するために、とりわけ2015年の広島・長崎の被爆70年に向かって運動に弾みをつけようとするみなさんの活動について知り、深く励まされています。多くの課題に直面するなかですが、私は核兵器のない世界を達成するために加盟国や市民社会とともに活動し、努力を続ける決意です。

 国連は、あなたのようなリーダーや原水爆禁止世界大会のメンバーのような市民社会の団体が、より平和で安全な世界のためにパートナーとして私たちとともに活動されていることに感謝しています。

 国連はこれからも平和と核兵器のない世界を強く求め続けるでしょう。同じ目標のために活動するみなさんの決意に拍手を送ります。

原爆が投下された午前11時2分に黙とうし、核兵器廃絶の決意を新たにします。

2014-08-10 | 原水爆禁止世界大会
きょう 長崎被爆69年


 長崎は9日、アメリカによる原爆投下から69年を迎えます。たった1発の原子爆弾によって、長崎は死の街に変えられ、いまも人々は放射線の影響による後遺症に苦しめられ続けています。

 長崎市では追悼行事などが行われ、原爆が投下された午前11時2分に黙とうし、核兵器廃絶の決意を新たにします。

 平和式典には、海外から過去最多の52カ国の代表が出席予定で、うち12カ国が初めてとなります。

 被爆地域拡大是正の問題では、長崎原爆で被爆しながら、国から被爆者として認められていない「被爆体験者」の問題があります。高齢化により、証言の聞き取りも困難になりつつあるため、被爆地域拡大を急ぐ必要があります。

 この1年で新たに亡くなった長崎の被爆者は3355人。原爆死没者はあわせて16万5409人となりました。

 被爆者の平均年齢は78・93歳で、高齢化が進んでいます。来年の被爆70年に向けて、世界平和と核兵器廃絶の運動を広げるためにも、若い世代に被爆体験を語り継いでいくことが大切になっています。

核兵器をなくすことは、世界の人々すべての利益となる、人類は再び核の悪夢に悩まされることがなくなる。

2014-08-07 | 原水爆禁止世界大会
原水爆禁止2014年世界大会
潘基文国連総長のメッセージ



 6日の原水爆禁止2014年世界大会・広島閉会総会で、国連のアンゲラ・ケイン軍縮問題担当上級代表が代読した潘基文(パン・ギムン)事務総長のメッセージ(全文)は、次の通りです。

 今年60回目を迎える原水爆禁止世界大会のすべての参加者のみなさんにごあいさつを送ります。とくにこの大会の成功のため、長年、熱心に活動してこられた高草木博さん(日本原水協代表理事)をはじめ、多くのみなさんに敬意を表します。

 69年前のこの日、この地で亡くなられた方々にたいし、深い哀悼の意をささげます。また、この恐ろしい大量破壊兵器の非人道性を世界に知らせるため、たゆみなく努力してこられた被爆者のみなさんに、心からの感謝を表明します。全人類の未来のために多大な貢献をしてこられた不屈で高潔なみなさんとの出会いを私は決して忘れません。

 核兵器の使用がどのような悲劇を人類にもたらすかを広く伝え、被爆者は市民社会の多様な団体を結集する広範な運動に貢献し、核兵器を世界からなくすために力をあわせてきました。

 被爆者の尽力のおかげで、核兵器使用のもたらす壊滅的な人道的影響が理解され、市民社会と大多数の政府は強い危機感をあらわにしています。

 核兵器をなくすことは、世界の人々すべての利益となるものであり、将来核兵器が使用されない唯一の保証です。この目標を実現すれば、人類は再び核の悪夢に悩まされることがなくなり、莫大(ばくだい)な資源を社会、経済、環境、人権、安全に振り向けることができます。

 この崇高な大義へのみなさんの貢献をたたえ、核兵器のない世界の実現をめざす私たちの共通のたたかいで、みなさんが多くの成功を収められることを期待します。

核兵器使用も辞さないとする「核抑止力」論に固執することには「一片の道理も道義もない」と強調。

2014-08-05 | 原水爆禁止世界大会
「核なき世界」へ宣言
原水爆禁止世界大会・国際会議閉幕


 2日から広島で行われていた原水爆禁止2014年世界大会・国際会議は4日、閉会総会を行い、「核兵器のない世界」の実現を迫る運動を各国で発展させることなどを呼びかける「国際会議宣言」(全文)を採択しました。

 「宣言」は、核兵器使用も辞さないとする「核抑止力」論に固執することには「一片の道理も道義もない」と強調。「このことを徹底して明らかにし、核兵器禁止条約の交渉開始を要求する世論をさらにひろげよう」と訴えています。

 「被爆70年に開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議を、そのための機会とすべきだ」として、同会議の際に米ニューヨークで取り組まれる国際会議や平和行進に「行動を結集しよう」と呼びかけました。

 閉会総会では、2014年国際青年リレー行進を先導した非核フィリピン連合のマラヤ・ファブロスさんが発言しました。リレー行進を15年も国民平和大行進に組み入れることを提案。核兵器廃絶の運動を「固い絆を結んで、いっしょに頑張ろう」と日本語で訴えました。

 前日に開催された3分科会と1日に福島市で開かれた「科学者集会」について報告されました。国際会議には海外代表を含め220人が参加しました。