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発生から10日で213人に増えた上、この事例からデルタ株が初めて確認された。首都圏を中心に新型コロナが急速に広がりを見せている。

2021-07-01 | 韓国のコロナ対策

韓国の首都圏で「デルタ株」が急速に拡大…

新しい距離措置の施行も1週間延期

登録:2021-07-01 06:01 修正:2021-07-01 08:12
 
弘益大学周辺・英語教室で200人台の集団感染 
デルタ株検出され…さらなる感染拡大への懸念高まる 
新規感染者数794人…68日ぶりに最多 
ソウル・京畿・仁川、防疫緩和見送る 
会食は4人まで、営業は夜10時までの制限を維持
 
先月30日午後、ソウルのある酒場の店長が新しい距離措置の施行に備えて掃除などをしながら開店準備をしている。しかし、7月1日に施行される予定だった新しい距離措置の適用は、ひとまず1週間猶予された//ハンギョレ新聞社

 ソウル麻浦区(マポグ)弘益大学前の居酒屋と京畿道・仁川(インチョン)の英語教室を中心に広がった集団感染の患者数が、発生から10日で213人に増えた上、この事例からデルタ株が初めて確認された。首都圏を中心に新型コロナが急速に広がりを見せている。韓国政府は、ソウル市や京畿道、仁川市などの地方自治体の提案を受け入れ、7月1日から予定されていた新たな距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)再編案の実施を、首都圏のみ1週間猶予することにした。ただ、接種完了者を私的な集まりの人数制限の集計から外し、1回以上の接種者には屋外マスク着用の義務を免除するなど、接種者にインセンティブを与える案は予定通り1日から施行することにした。

 中央災害安全対策本部(中対本)は30日午後「新しい距離措置体系の適用を1週間猶予することにしたソウル市と京畿道、仁川市など首都圏地方自治体の自主的な決定を尊重し、1週間の猶予期間を設けることに同意する」とし、「地方自治体と共に首都圏の流行を安定させるのに総力をあげる」と明らかにした。中対本の発表に先立って、同日午後、ソウル市を皮切りに、京畿道や仁川市などの首都圏の自治体は新しい距離措置の猶予案を先に決めた。

 ただし中対本は「予防接種のインセンティブは社会的距離措置とは別に、1日から全国的に施行されるもので、首都圏でも同様に適用される」とし、「これは首都圏の自治体も同意している原則」と明らかにした。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は「屋外マスク着用義務の免除に関するインセンティブについては、自治体が今後別途の行政命令を通じてマスクを室外でも義務的に着用させる権限を持っている」と付け加えた。

 中央防疫対策本部(防対本)が同日発表した0時基準の新規感染者は計794人(国内発生=759人、海外からの流入=35人)だ。700人台への新規感染者数は先月5日(744人)以降25日ぶりで、4月23日(797人)以来の最大規模となった。前日の595人から600人台を超え、800人台に迫る状況だ。

 感染者は首都圏を中心に増えている。国内の新規感染者759人のうち83%の631人が首都圏(ソウル368人、京畿234人、仁川29人)で発生しており、ソウルは一日の感染者数が年内最大規模を記録した。特に、今年6月19日に弘益大学前の居酒屋を訪れた京畿道在住の外国人とネイティブ講師全員の感染が確認され、これを機にほかの酒場の訪問客や、京畿道城南市(ソンナムシ)、富川市(プチョンシ)、高陽市(コヤンシ)、議政府(ウィジョンブ)、仁川市の英語教室の学生などに感染が相次いでいる。同日まで計213人の感染者が出たが、前日にもこれに関連する感染者51人が新たに確認された。

 また、この集団感染事例の一部を分析した結果、デルタ株への感染も9件確認された。防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「京畿の英語教室を中心とした集団感染で、デルタ株が前日確認された。麻浦区(マポグ)の居酒屋も疫学的な関連があり、ここにもデルタ株の影響があると見られる」とし、「この集団の感染者らは変異ウイルス感染者に準じて管理している」と述べた。防疫当局が213人にまで増えた弘益大学周辺の居酒屋や英語教室の集団感染事例をデルタ株の拡散とみなして対処しているということだ。

 特に「ラバンバ」、「ジェンバ」などクラブやパブ、バーの形で運営されていたソウル弘益大学前の酒場8軒では、客や関係者の名簿の作成が不完全であるため、地方自治体が感染の恐れがある人たちを完全に見つけられず、感染拡大傾向がさらに拡大する可能性もある。中対本とソウル市では前日から2日間、安全案内メールで6月16日から28日までここを訪れた人に検査を受けるよう要請している。もし防疫網にかからず、本人の感染可能性を知らなかったり、検査を避ける人が多くなれば、この集団感染を媒介にデルタ株が首都圏に大規模に広がる分岐点になる可能性もある。パク・ヨンジュン・チーム長は「自治体が調査したところ、手書き名簿の字が識別しにくいところもあり、感染者の発生規模からみて(出入者の管理が)不完全な部分があり、災害メールを発送した」と述べた。

 これによって首都圏では6~8人まで個人的な集まりの人数制限の緩和、夜12時まで食堂やカフェ、遊興施設など大衆利用施設の営業時間の延長許可を骨子とした新しい社会的距離措置の改編案と過渡期移行案の適用が、少なくとも1週間猶予される。これまでの防疫規則に従って、4人までの私的な集まりの人数制限と、夜10時までの食堂・カフェなどの営業制限がそのまま維持される。

キム・ジフン、キム・ヤンジン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

特に目立つのは、先週新たに確認されたデルタ株の感染者が、ソウル、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、京畿道、忠清南道、全羅南道と、複数の地域に散らばっていることだ。

2021-06-29 | 韓国のコロナ対策

韓国でもじわじわ広がるデルタ株…

ソウル、大邱など6市・道で新たに確認

登録:2021-06-29 03:36 修正:2021-06-29 08:31
 
防対本「鋭意注視しつつ追跡管理」
 
 
28日午前、ソウル中区のソウル駅広場に設けられたコロナ臨時選別検査所で、ある市民が検査を受けている/聯合ニュース

 ここ1週間で、新型コロナウイルスのデルタ株が韓国の6つの市・道で新たに確認されたことが分かった。まだ全国の感染者数に影響を及ぼすほど顕著な拡散ではないものの、伝播地域は徐々に全国へと広がる様相を呈している。

 中央防疫対策本部(防対本)が28日に発表した主要変異株の分析結果によると、ここ1週間(6月20~26日)に遺伝子分析を行った地域社会での感染者642人中、デルタ株が検出されたのは21人。地域社会における感染者のうち、約3.3%がデルタ株に感染していたことになる。直前の週(6月13日~19日)の2.7%(19人)からやや増となった。

 特に目立つのは、先週新たに確認されたデルタ株の感染者が、ソウル、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、京畿道、忠清南道、全羅南道と、複数の地域に散らばっていることだ。このうち大邱の1人、忠清南道の1人などは、特定集団感染との関連が確認できない個別の新規感染例だ。

 これとは別にデルタ株が検出される集団感染も日を追うごとに増えている。これまでに確認された仁川空港検疫所、仁川南洞区(ナムドング)の家族・学校関連、全羅南道咸平郡(ハムピョングン)の議員関連の集団感染に加え、先週は京畿道の知人会合関連(感染者4人)、京畿道の家族旅行関連(5人)、首都圏の知人会合関連(12人)、京畿道議政府市(ウィジョンブシ)の飲食店関連(16人)の集団感染からもデルタ株が検出された。これについて防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「以前に比べて地域的に(デルタ株の)伝播範囲が少し広くなっている」とし「(各検出事例の)伝播範囲がどれほどになるかについて、鋭意注視しながら追跡管理している」と述べた。

 アルファ、ベータ、ガンマ、デルタなどすべての懸念される変異株の最近1週間の地域社会での検出率は30.5%(分析対象642人中、懸念される変異株の検出は196人)で、直前の週の33.2%よりやや低下した。196人中、アルファ株が175人、デルタ株が21人で、ベータとガンマは検出されていない。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

世界保健機関(WHO)が「主な変異株(懸念すべき変異株)」に分類するアルファ株、ベータ株(南ア変異株)、ガンマ株(ブラジル変異株)、デルタ株が検出されたと明らかにした。

2021-06-03 | 韓国のコロナ対策

インドから流入した変異ウイルス、

ソウル、京畿、仁川で「静かな伝播」

登録:2021-06-02 03:42 修正:2021-06-02 10:18
 
ソウル、京畿道坡州市に次いで仁川でも確認 
仁川の家族、学校、塾で29人が集団感染 
最初の仁川空港検疫所関連の感染経路は明確 
首都圏の地域社会内の伝播では最初の感染源が不明 

英国保健相「新規感染の50~75%がデルタ株」
 
 
今年5月27日、インド・ムンバイの鉄道駅で、保健医療スタッフが長距離列車から降りてきた乗客を対象に発熱検査を行っている=ムンバイ/AFP・聯合ニュース

 5月中旬に始まった「仁川市南洞区(インチョンシ・ナムドング)の家族・学校集団感染」関連の29人の新型コロナウイルス感染者が、ワクチンの効果を下げる「デルタ株(インド変異株)」に感染していたことが確認された。すでにソウルと京畿道坡州(パジュ)でも家族や知人の間でデルタ株の感染が小規模で発生している。いずれのケースも、指標患者(最初の感染者)の感染経路が不明なため、デルタ株が首都圏で「静かな伝播」を開始したと分析されている。デルタ株は最近、英国で「アルファ株(英国変異株)」に取って代わるほどの強い伝播力を示しているため、懸念が強まっている。

 中央防疫対策本部(防対本)は1日、ここ1週間(5月23~29日)における韓国国内の地域社会での感染者の14.4%に当たる566人の検体について遺伝子分析を行ったところ202人から、世界保健機関(WHO)が「主な変異株(懸念すべき変異株)」に分類するアルファ株、ベータ株(南ア変異株)、ガンマ株(ブラジル変異株)、デルタ株が検出されたと明らかにした。今回の検出率は33.1%で、直前の週(5月16~21日)の36.1%より小幅に下がっているものの、2週連続で30%台を維持した。このことから、感染者の3人に1人が主な変異株に感染している可能性があるという推定がなされる。202人のうち4人はデルタ株の感染例だった。このうち3人は先月15日に最初の感染者が出た「仁川市南洞区の家族・学校集団感染」関連の感染者だ。残りの1人は、ソウルと京畿道坡州の関係者だ。防疫当局は、仁川市南洞区の集団感染者の3人からデルタ株を確認したことで、関係者29人全員が変異株の感染者であることを確認した。

 首都圏ではデルタ株の地域社会における感染例が少しずつ確認されているが、これらの事例同士のつながりは不明となっている。国内初のケースである「仁川国際空港検疫所集団感染」は4月末に最初の感染者が確認されたが、これは集団感染の発生経路が「国外からの流入者」であることが明らかだった。国外からの入国者に関連する業務を行う検疫所の職員、派遣軍人、看護師(9人)で多くの感染者が確認されたからだ。このケースでは検疫所の従事者の家族や知人(6人)への追加感染が発生したため、デルタ株の地域社会での伝播の火種になるのではないかとの懸念も示された。

 実際に、5月12日に感染が確認された京畿道坡州市の軍人がデルタ株に感染しており、この軍人を感染させた先行患者がソウルにいることが5月25~27日に確認されている。続いて仁川市南洞区の集団感染事例がこの日、デルタ株であることが確認された。防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長はこの日「(坡州の軍人の)感染経路を調査している中で、先行感染者だった知人と家族4人の感染がさらに確認された。2次感染者の知人1人がさらに追加されて、関連事例は計6人」と説明した。また「(仁川市南洞区の集団感染の)指標患者は、一家の祖父母と確認されている。5月初めの『父母の日』ごろに仁川で行われた家族会合を通じて家族間で感染が広がった。その後、会合に参加した家族が通っている学校や塾にさらに広がった」と付け加えた。

接種率トップの英国、デルタ株の流行で感染者が再び増加傾向

 デルタ株の地域社会での「静かな伝播」が本格化する前にワクチン接種率を高めるべきだという指摘が出ている。中央災害安全対策本部(中対本)が公開したカナダ保健省の分析結果によると、ファイザーのワクチンは初期流行ウイルスに対する予防効果は91.3%であるものの、デルタ株に対しては75%に低下する。アストラゼネカは81.5%から10.4%に、ノババックスは96.4%から55.4%に、ヤンセンファーマ(ジョンソン・エンド・ジョンソンの製薬部門)は72%から64%に下がる。

 デルタ株の「危険度」は、感染者数が再び急増している最近の英国の事例にもよく表れている。英国は世界でも予防接種がもっとも迅速に進められている国で、1次接種者数は人口の59%にのぼる。このことから、今月21日からは封鎖関連の全ての規制を解除しようとしていたところだった。しかし、5月1日には2148人だった1日の感染確認数は、5月28日には4182人にまで急増し、2カ月ぶりに再び4000人を超えた。マット・ハンコック保健相は5月27日(現地時間)に声明を発表し、「新規感染者の50~75%がインドで初めて確認された変異ウイルス(デルタ株)とみられる」と明らかにした。デルタ株は従来のウイルスより感染力が1.3倍も強いとされ、英国で優勢だった「アルファ株」より勢いを増している。これに対し、フランスは31日から、英国から入国するすべての人に48時間以内に発給された陰性確認書を提出させることを決めるなど、変異株の管理を強化している。

 いっぽう韓国では、アルファ株が勢いを増す一部地域でのワクチン接種率の向上に力を入れている。大邱(テグ)は、アルファ株が検出されている遊興店での集団感染関連の感染者が1日午前0時までに239人となるなど、さらに拡散する兆しを見せている。しかし、大邱の1次接種率(第2四半期までの接種対象者に占める割合)は42.6%で、全国17市・道(平均48.9%)で最下位のため、大邱市は接種者に商品券形態のインセンティブを付与することを検討してもいる。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

「6月は集団免疫達成へと向かう最も大きなヤマ場だ。ワクチンの安全性については政府を信じて、事前予約を積極的に行ってほしい」と述べた。

2021-06-01 | 韓国のコロナ対策

韓国、60~74歳の接種予約率70%に迫る…加速するワクチン接種

登録:2021-05-31 04:17 修正:2021-05-31 08:55
 
高齢者層、1日20万人以上が予約 
政府目標予約率80%到達の可能性 
3日間で136万人が1次接種 
来週からは60歳以上が対象 
アプリ当日予約と予備リストの15万人が接種 
ホテルなどで接種者を対象とした割引イベントも
 
各企業によるコロナワクチン接種者に対する特典が登場している。30日午前、ソウルのある大型サウナに割引特典の案内が貼ってある/聯合ニュース

 65~74歳に対するアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン接種の開始に伴い、高齢者の予防接種の事前予約率の上昇が以前よりもはやくなっていることが分かった。大規模な接種が可視化されたことで、接種するかを悩んでいた人たちの一部が事前予約を行っていると分析される。ネイバーやカカオトークなどを通じた当日予約で1次接種を受けた人も、ここ3日間で9000人以上にのぼることが分かった。

 30日にコロナ予防接種対応推進団が公開した委託医療機関の接種対象層ごとの予約状況によると、高齢者に対する大規模な接種が始まった27日に事前予約を行った60~74歳は21万7270人だった。翌日の28日には24万2789人が事前予約を行った。

 これは、1日の予約者数が20万人を下回っていた以前とは異なる様相だ。70~74歳は5月6日から、65~69歳は10日から、60~64歳は14日から事前予約が開始されているが、序盤の1週間ほどは新規予約者数が急速に増えていたものの、その後は増加が鈍化していた。そして25日には17万1979人、26日には17万3741人と、20万人以下にまで減っていた。このため、政府が目標としている高齢層の予約率80%に達しないのではないかという懸念が出ていた。30日午前0時現在、60~74歳の事前予約率は68%。

 政府は、6月初めの接種者数が急速に増えたことから、これと共に予約者の増加も再び加速することを期待している。特に27日から65~74歳の接種が始まったのに加え、6月7日からは60~64歳に対する接種も開始されるため、1日の接種者数はさらに増える見通しだ。27~29日の3日間で1次接種を受けた人は136万2876人にのぼる。内訳は27日が65万7192人、28日が54万2227人、土曜日の29日が16万3457人。

 「残余ワクチン」予約サービスへの関心の高まりも、事前予約者の増加とともに接種率を高めるとみられる。特に27日からはネイバーやカカオトークなどでも残余ワクチンの予約受付が始まり、予約競争が激化していることから、残余ワクチン接種に対する社会的関心が高まっている。推進団が公開した委託医療機関の1次接種者の細部状況を見ると、27日から30日までの3日間で、ネイバーやカカオトークなどで当日予約を行い、1次接種を受けた人は9046人に達した。電話などで予備リストに名前を載せてから1次接種を受けた人も14万7914人にのぼった。

 政府による接種インセンティブ付与に加え、民間領域でも接種者に対する各種割引イベントが続々と登場している。今月中旬、ミレニアム・ヒルトンがワクチン接種者とその一行にホテルのビュッフェ価格を半額にするイベントを6月30日まで行うと発表したのに続き、ソウル陽川区(ヤンチョング)のある大型サウナは、6月1日から接種者に対して料金を2000ウォン(約197円)割引するというイベントを打ち出している。キム・ブギョム首相はこの日の中央災害安全対策本部の会議で「日常の回復に向けた足取りは早まっている」とし「6月は集団免疫達成へと向かう最も大きなヤマ場だ。ワクチンの安全性については政府を信じて、事前予約を積極的に行ってほしい」と述べた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

公園や登山道などの屋外空間では、2メートルの間隔を空けなくてもマスクなしで散歩や運動が自由にできるようにする。ただし、大勢が集まる屋外集会や行事でのマスク着用義務は維持される。

2021-05-28 | 韓国のコロナ対策

韓国、ワクチン1次接種者は7月から屋外でマスクなし…

専門家「変異懸念」慎重論も

登録:2021-05-27 02:59 修正:2021-05-27 08:44

 

政府の3段階のインセンティブ対策…専門家の評価は分かれる 
「保健学的にインセンティブは妥当」VS「まだ早い」 
防疫緩和誘引策ではなく金銭的インセンティブ活用の提案も
 
26日午後、光州の北区保健所の接種室で。職員たちがワクチン接種を実施する管内の医療機関に送る最小残余型(LDS)注射器を確認している/聯合ニュース

 韓国政府は、新型コロナウイルスワクチンの1次接種を終えた人に対し、7月から屋外でのマスクの着用を免除するなど、防疫守則を緩和することを内容とする「接種インセンティブ」対策を打ち出した。今回の対策が接種率を高めるかどうかを巡っては、専門家たちの間で意見が分かれている。一部の専門家は、金銭的補償も考慮すべきだと提案している。

 中央災害安全対策本部は26日、予防接種の進捗状況に合わせて防疫措置の内容を変更する、3段階からなる「予防接種完了者の日常回復支援方策」を発表した。同方策によると、来月1日から始まる第1段階の措置として、1次接種者(1次接種から14日経過した人)は、現在8人まで可能な直系家族との会合の制限人数から除外する。1次接種者と接種終了者が老人福祉館と敬老堂で参加できるプログラムの運用を督励するとともに、国立公園などの主要公共施設の入場料や利用料などを割引または免除するか、優先利用権を提供する予定だ。

 上半期の1300万人の1次接種が完了した後の7月から実施される第2段階の防疫措置では、2次接種まで終えた接種完了者は5人以上などの私的な会合の人数制限に含めない。食堂やカフェなどを利用する場合も、1次接種者は屋外利用人数制限から、接種完了者は屋内外の人数制限から除外される。また、1次接種者と接種完了者は、屋外でのマスク着用義務も解除される。公園や登山道などの屋外空間では、2メートルの間隔を空けなくてもマスクなしで散歩や運動が自由にできるようにする。ただし、大勢が集まる屋外集会や行事でのマスク着用義務は維持される。

 全国民の70%以上が1次接種を完了する9月末以降には、第3段階の措置としてコロナ禍以前の日常を回復する方向で社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を内容とする防疫規則についての再論議に入る。12月以降は、屋内でのマスク着用義務の緩和も検討する。

 専門家たちの反応は分かれた。まず、接種にインセンティブを与えるのは保健学的に当然だとの反応が出ている。高麗大学安山病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)は「黄熱病危険国が入国者に予防接種を要求するように、保健学的にワクチンの接種者と未接種者に対する対応は異ならざるを得ない」と述べた。

 しかし今後は変異ウイルスが韓国国内の流行を主導することが予想されることから、防疫緩和は依然として危険だとの懸念もある。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「上半期中に英国変異株が半分以上を占めると予測される」とし「英国も変異対策として、本来は11~12週のアストラゼネカのワクチン接種の間隔を短縮するよう勧告している中で、1次接種だけで屋外でのマスク着用を免除するのは逆行」と述べた。翰林大学江南聖心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)も「現在のところ、1次接種後の防疫守則緩和基準は1次接種の2週間後と定めているが、抗体形成期間を考慮して4週間程度に延ばす必要があると思う」と述べた。これに対し、中央防疫対策本部のパク・ヘギョン防疫支援団長は「英国変異株は現在接種中のワクチンの遮断効果が非常に高い。南ア、ブラジル、インド変異株に対する懸念が残っているものの、まだ大流行と判断するのは早い」と説明した。

 今回の発表が接種率の向上に役立つかどうかについても、評価が分かれた。イ・ジェガプ教授は、「高齢層の接種者に対して敬老堂利用の可能性を広げ、宗教集会参加の道を開くことで、これまで政治的に政府と距離を取っていた一部の宗教界も接種に同調するなど、接種率の向上に役立つと思う」と語った。一方、ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「今回の方策で接種率に大きな変化があるかは分からない」とし「接種が忌避される根本理由である重症の異常反応についての不安が和らぐよう、異常反応の管理と支援を強化することの方が重要だ」と語った。

 まかり間違えば流行を拡大させかねない防疫守則の緩和ではなく、金銭的補償を行うべきだとの提案もなされている。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は「今のように規模は小さいながら流行が拡散しており、接種率が低い局面においては、防疫緩和には慎重に取り組まなければならない」とし「接種と災害支援金の関係づけや、地域貨幣の提供、宝くじの発行などの前向きな経済的インセンティブの提示は、防疫に影響を与えずに接種率を高めうる方法」と述べた。イ・ジェガプ教授も、「少額でも交通費という名目で現金や地域商品券などによる経済的補償を行うことを、今後も検討すべきだ」と語った。これに対しチェ・ウォンソク教授は、「少額では接種率に大きな影響を及ぼしにくいし、ややもすればワクチンの信頼度を落とす可能性があるため、慎重に行うべき」と語った。

キム・ジフン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

従来の新型コロナウイルスより感染力の強い変異株の感染例が、地域社会でも徐々に増え始めたことから、変異株への対処が迫りくる「流行の第4波」防止のカギとして浮上している。

2021-03-11 | 韓国のコロナ対策

韓国でコロナ変異株「71日間で182件」拡散…「氷山の一角」

登録:2021-03-10 02:37 修正:2021-03-10 08:11
 
韓国で初報告から71日で182件確認 
感染経路不明の集団感染が相次ぐ 
「首都圏や釜山ですでに広がっていると考えるべき」 
防疫当局「集団免疫を形成するまで 
国内発生を最小化する『抑制戦略』を実行」
 
ソウル市中区の国立中央医療院コロナワクチン中央接種センター。9日午後撮影/聯合ニュース

 従来の新型コロナウイルスより感染力の強い変異株の感染例が、地域社会でも徐々に増え始めたことから、変異株への対処が迫りくる「流行の第4波」防止のカギとして浮上している。専門家は、変異株が韓国国内で主流になる前にワクチン接種を急ぐべきだと助言している。

 昨年12月に国内で初めて変異株の感染が報告されて以来、これまでに確認されている変異株の感染例は182件。最近、釜山市(プサンシ)の葬儀場、蔚山市(ウルサンシ)のゴルフ練習場、京畿道広州市(クァンジュシ)の食品会社など、5件の集団感染例から変異株が検出されるなど、計10件の地域社会における集団感染が変異株と関係している。京畿道金浦市(キムポシ)の一家関連の集団感染では、「南アフリカ変異株」が初めて確認されている。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は、「京畿道、仁川(インチョン)、釜山など、変異株が発見された地域がすべて異なる。発見された事例は氷山の一角であり、首都圏と釜山地域にすでに広がっていると考えなければならない。第4波へと向かう『ティーピングポイント(臨界点)』は、変異株の地域社会での拡散」だとの見通しを示した。

 防疫当局は、感染経路が不明な変異株の集団感染が増え、次第に変異株が「優勢種」となることを懸念している。全国民の70%にワクチンを接種し、11月に集団免疫を形成するという計画に支障をきたす恐れがあるからだ。変異株は、集団免疫に必要な抗体の形成率を落とすだけでなく、強い感染力のため、集団免疫の形成に向けてさらに多くの人に接種しなければならない状況を招きうる。変異株は従来のウイルスより感染力が強いだけでなく、すでに開発されているワクチンがまともに効かないという分析が支配的となっている。南ア変異株については「アストラゼネカのワクチンの予防効果は10%程度にすぎない」「モデルナのワクチンは効果が12.4分の1、ファイザーのワクチンは10.3分の1になった」などの研究結果が出ている。

 しかし、専門家たちはむしろ、変異株が拡散する前にワクチン接種を急ぐべきだと強調する。高麗大学安山病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)は、「変異株が主流になると、変異株に効果のあるワクチンを再び接種しなければならないが、従来のワクチンの接種歴がある人が多い方が再接種に対応しやすい」と述べた。ワクチンを接種した人は追加でもう1度だけ接種すれば済むものの、1度も接種を受けていない人は2度接種しなければならないということだ。既出のワクチンは、予防効果は落ちるが、重症への進行を遅らせる効果は依然として期待できるという分析もある。

 結局カギとなるのは、変異株の広がりを最大限抑制しつつ、ワクチン接種の速度を上げることだ。防疫当局は9日のブリーフィングで、「契約した製薬会社ごとの、変異株に関するさらなる研究・開発」を行い、変異株に対応する効果的なワクチンの導入を進める一方、大規模な次世代遺伝子検査によって変異株の確認を強化していく方針を明らかにした。

 9日0時現在で、過去24時間以内に新たに確認された感染者は446人。京畿道安城市(アンソンシ)の畜産物加工処理場、光州市西区(クァンジュシ・ソグ)のコールセンターなど、製造業の事業所だけでなく、サウナ、保育園、病院などでも感染が相次いだ。

ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

2020年末基準で東京五輪の出場権を確保した韓国選手は157人。東京五輪に参加する韓国選手団の規模は350人前後と予想される。

2021-03-05 | 韓国のコロナ対策

東京五輪の韓国選手団、4月中にワクチン接種を予定

登録:2021-03-03 20:24 修正:2021-03-04 07:34
 
選手、支援団、メディアなど1千人以上
 
国家代表訓練開始式=大韓体育会提供//ハンギョレ新聞社

 五輪に出場する国家代表選手団が、4月中に新型コロナワクチンを接種する。

 文化体育観光部と大韓体育会の取材を総合すると、今年7月に予定された2020東京五輪出場選手団に対し、4月中に新型コロナワクチンを接種することが3日分かった。五輪支援団やメディアなど合計1千人以上の規模になると見られる。

 2020年末基準で東京五輪の出場権を確保した韓国選手は157人。東京五輪に参加する韓国選手団の規模は350人前後と予想される。

 大韓体育界側は「五輪出場権がかかった世界予選を準備する選手とトレーニングパートナーを含む種目別強化訓練対象者をワクチン接種対象に含めたと聞いている」と伝えた。五輪出場選手が確定する6月まで、どの選手が国家代表になるかは不明だ。そのため五輪派遣対象者を広く捉え、接種対象に含めた。1、2回目の接種など免疫生成期間を考慮し、4月中に接種を始めるとみられる。

 東京五輪出場選手に対する新型コロナワクチンの接種は、義務ではなく推奨事項だ。ただし、日本政府は新型コロナの拡散を防ぐため、可能な限り自国でワクチンを接種し日本に来るよう各国選手団に薦めている。

 大韓体育会は忠清北道鎮川(ジンチョン)の国家代表選手村で代表選手たちを対象に五輪防疫教育を進める計画だ。

 1年延期された東京五輪は、今年予定通りに開かれる可能性が高い。国際オリンピック委員会(IOC)、日本政府、東京オリンピック組織委員会は先月、新型コロナ防疫規則を盛り込んだ「プレーブック」を発行し、五輪を強行する意志を明らかにした。また、主要7カ国・地域(G7)首脳も東京五輪の開催を支持し、日本政府を後押ししている状態だ。

キム・チャングム先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

 死亡した2人はそれぞれ京畿道高陽市(コヤンシ)の療養病院に入院中の50代患者と、平沢市(ピョンテクシ)の療養病院に入院中の60代患者。

2021-03-04 | 韓国のコロナ対策
韓国でワクチン接種後、基礎疾患者2人が死亡…
防疫当局「因果性は確認できない」

登録:2021-03-04 06:16 修正:2021-03-04 08:16


療養病院に入院…高陽の50代、平沢の60代 
「同一製造番号の類似症状の有無確認する」 
 
ファイザーとAZのワクチン、5日間で8万8427人が接種 
異常反応が疑われる事例は209件…204件が軽症 

      

疾病管理庁長「ワクチンによる死亡の因果性が確認された事例ない」
今月2日午前、ソウル市陽川区の高齢者療養センターで、アストラゼネカ製ワクチンの接種が行われている/聯合ニュース

 アストラゼネカ製の新型コロナワクチンを接種した療養病院の入院患者が接種後に死亡した例が2件報告された。死者が出た療養病院では月に5~7人以上の入院患者が死亡することが把握され、2件の死因がワクチンとは断定できない状況だ。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は「世界各国で死亡などが報告されたが、ワクチンと因果性が確認された事例はない」と述べた。

 3日、新型コロナ予防接種対応推進団(推進団)は、前日に6万3644人がワクチンの新規接種を受け、累積接種者は8万8427人だと発表した。アストラゼネカ製ワクチンの接種者は8万5904人、ファイザー製は1524人だ。異常反応が疑われる事例は53件増え、209件になったが、204件は軽症だった。しかし、2件の死亡のほか、3件の「アナフィラキシー様反応」の疑い事例もあった。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は、「アナフィラキシー様反応は、呼吸困難や血圧低下などの症状が(最も懸念される)アナフィラキシー(急性重症アレルギー反応)よりも軽く、発生メカニズムも大きく異なる」と指摘した。

 死亡した2人はそれぞれ京畿道高陽市(コヤンシ)の療養病院に入院中の50代患者と、平沢市(ピョンテクシ)の療養病院に入院中の60代患者。高陽市の死亡者は前日午前9時30分頃、アストラゼネカ製ワクチンを接種し、11時間後に胸の痛みと吐き気、呼吸困難を訴え、同日午前7時に死亡した。平沢市の死亡者は先月27日午後2時30分頃、アストラゼネカ製ワクチンを接種し、33時間が過ぎた後に発熱と全身の筋肉痛などの症状が出て、同日午前10時に死亡した。

 疾病管理庁は京畿道と共同で疫学調査を行っており、専門家らと共に因果関係を分析する計画だ。推進団長のチョン・ウンギョン庁長は「同じ製造番号のワクチンを接種した接種者に類似した症状があったかどうかを確認し、死亡に至った他の説明可能な原因があるのかなどを総合的に調査する」と述べた。

 推進団が同日公開した資料によると、英国の場合、先月14日までのアストラゼネカ製ワクチンの累積接種人数690万人のうち死亡者は205人だった。ファイザー製は830万人のうち197人だった。このうちワクチンと因果性が認められた事例はない。昨年下半期のインフルエンザワクチン接種の際は、「予防接種後に死亡」した事例が110件で、前年度(2件)に比べて55倍も急増し、不安が広がったが、これもやはり因果性が認められた事例はなかった。

 このため、嘉泉大医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学科)ら韓国の研究陣7人は最近、大韓医学会誌(JKMS)に掲載した論文「ワクチンの副作用と潜在的に関連した状態発生の基準点の推定」で、ワクチンとの関連性が懸念されるアナフィラキシーなど11種の疾患の今年の自然発生率予測値を測定した後、これを基準にして早まったワクチンの副作用を断定するミスを犯してはならないと指摘した。チョン教授は「ワクチンの異常反応と疑われる事例の件数や月別発生率が私たちが提示した予測範囲内なら、これはワクチンの異常反応というよりは自然な発生」だとし、「特に人生の最後を過ごす場所である療養病院と療養院で起きる接種後の死亡は、大半が明確な別の死因があり、ワクチンの副作用ではない可能性が高い」と述べた。チョン・ウンギョン庁長は「過度な不安を抱き、接種を避けることがないようお願いしたい。国民の信頼を得るため、死亡事例について詳細な調査と専門家の検討を透明に申し上げる」と述べた。
チェ・ハヤン、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

新型コロナ感染者の治療に当たる医療スタッフ5万人がまず接種を受け、11月までに国民の70%のワクチン接種を完了させ、集団免疫を達成することが目標だ。

2021-01-30 | 韓国のコロナ対策
まず専門医療スタッフ5万人が来月からコロナワクチン接種=韓国
登録:2021-01-29 01:58 修正:2021-01-29 08:40

チョン・ウンギョン「2月の最終週からスタート」 
5月から65歳以上の高齢者が接種 
11月までに国民の70%接種が目標

      

2月から始まる新型コロナワクチンの接種を控え、26日、京畿道平沢の韓国超低温物流センター統合管制センターで、関係者がコロナワクチン超低温保管所の温度維持や保安の状況などを点検している/聯合ニュース

 韓国政府は、2月から実施する全国民を対象とした新型コロナウイルスワクチンの予防接種計画を明らかにした。新型コロナ感染者の治療に当たる医療スタッフ5万人がまず接種を受け、11月までに国民の70%のワクチン接種を完了させ、集団免疫を達成することが目標だ。

 政府が28日に発表した「日常回復に向けた新型コロナ予防接種計画」によると、2月には新型コロナ拠点専門病院の医師・看護師ら5万人と、療養病院や療養施設などの入所者・従事者78万人がワクチン接種を開始する。続いて3月中旬からは、重症患者が多く訪れる上級総合病院・総合病院・病院に勤務する保健医療関係者、新型コロナの1次対応要員である119救急隊、疫学調査・検疫要員、検体検査および移送要員など44万人が接種を受ける。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は「アストラゼネカのワクチンの供給が予定されている2月の最終週ごろから接種が始まると見ている」と述べた。最初の接種者が誰になるかは未定。

 第2四半期の5月からは65歳以上の高齢者や、高齢者・障害者・ホームレスなど向けのコロナ脆弱施設の入所者および従事者などへの接種が開始される。高危険医療機関ではない病院と薬局で働く保健医療スタッフ38万人を含めると、第2四半期の接種対象は合わせて850万人。第3四半期には50~64歳の成人、慢性疾患を持つ成人、軍人・警察・消防および社会基盤施設の従事者、小児・青少年教育・保育施設の従事者、18~49歳の成人など、全国民が対象となる。小児・青少年と妊娠中の女性は、とりあえずは接種を受けないこととなっているが、臨床結果次第では接種することもあり得る。政府は重症発生リスク、医療・防疫体系の維持、コロナの感染特性などを考慮して接種の順序を決めたと説明している。

 政府は、ファイザーとモデルナのワクチンは全国250カ所の接種センターで、アストラゼネカとヤンセンファーマのワクチンは約1万カ所の指定の民間委託医療機関で接種を実施する計画だ。療養病院・療養施設、精神療養・リハビリ施設の入所者・従事者78万人には2月から、重度障害者居住施設の入所者と従事者39万人には5月から「訪問予防接種サービス」を実施する。

 登録証を持つ長期滞在外国人は、韓国人と同様の順序で接種する。チョン庁長は「未登録外国人は必要と判断された場合、接種を進める予定」と述べた。出国希望者は、必要不可欠な公務や重要な経済活動で緊急の場合に限って、所管省庁の厳格な証明を経て第2四半期から優先接種が受けられる。

 専門家は、政府は今よりきめ細かく実行計画を立てるべきだと指摘する。ソウル大学保健大学院のキム・チャンヨプ教授は「(接種の)優先順位の原則を明らかにすることと、実際の現場で実行に移すこととは別」とし「行政的に十分に把握し管理できない少数者や脆弱階層が、実際に接種を実施する過程で排除されたり不平等な状況に置かれたりしないよう、実行計画をより具体的にするべき」と述べた。
キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

3月、9月、12月には交通量が大幅に減少したが、相対的に拡散傾向が鈍化した7月、8月、10月、11月には例年水準以上の交通量を回復した。

2021-01-26 | 韓国のコロナ対策
韓国の空路、昨年の航空交通量が半分に
登録:2021-01-25 08:29 修正:2021-01-25 11:08


国際線66%、国内線10%減

      

仁川空港= ハンギョレ資料//ハンギョレ新聞社

 昨年、韓国で空路を運航した航空機は新型コロナウイルス感染症の影響で前年の約半分に減った。

 国土交通部は24日、昨年の国内航空交通量が前年より50.0%減少した42万1千機と集計されたと発表した。2016年73万9千台、2017年76万4千台、2018年80万4千台、2019年84万2千台へと増加していた交通量が、新型コロナの直撃弾を受けて半分に減ったもの。

 国際線と国内線に分けてみると、昨年の国際線の航空交通量は20万台で、前年より66.4%減少した。一方、国内線は前年より10.4%減少した22万1千台となった。国内線の月間交通量は、国内の新型コロナ拡散の推移によって偏差が大きかった。新型コロナの拡散が深刻だった3月、9月、12月には交通量が大幅に減少したが、相対的に拡散傾向が鈍化した7月、8月、10月、11月には例年水準以上の交通量を回復した。国内で最も混雑する空路は「ソウル~済州」区間で、昨年16万4千台がこの航空路を利用した。これは前年と比べては47.5%減ったものだ。
チェ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

低温流通しなければならないmRNAワクチンは接種センターで、常温保管が可能なワクチンはインフルエンザ予防接種のように委託医療機関約1万カ所で接種を行う。

2021-01-23 | 韓国のコロナ対策
韓国行政安全部

「全国の市郡区に250カ所のワクチン接種センターを設置」

登録:2021-01-22 06:15 修正:2021-01-22 10:58


ファイザーとモデルナのワクチン接種 
アストラゼネカとヤンセンのワクチンは委託機関で

       

文在寅大統領が今月20日午前、慶尚北道安東市SKバイオサイエンス工場で、新型コロナウイルスワクチンの生産現場を視察し、完成したワクチンを見ている/聯合ニュース

韓国政府が来月初めに国内に導入される新型コロナウイルスワクチンの接種のため、全国に250の接種センターを指定して運営することにした。低温流通しなければならないmRNAワクチンは接種センターで、常温保管が可能なワクチンはインフルエンザ予防接種のように委託医療機関約1万カ所で接種を行う。

 行政安全部は21日午前、オンライン定例ブリーフィングを通じて、こうした内容が含まれた「新型コロナウイルスワクチン接種センターの準備事項」を説明した。行安部のパク・ジョンヒョン安全疎通担当官は「ワクチンの導入日程が当初の2月末から2月初めに繰り上げられ、旧正月前に最初のワクチンが入ってくる可能性が高まったことから、ワクチン接種を実施する委託医療機関と接種センター指定日程を急いでいる」と述べた。

 行安部は低温を維持しなければならないなど、保管と流通が難しいmRNAワクチンのファイザーとモデルナのワクチン接種のため、全国250カ所で接種センターを運営することにした。全国226の市郡区ごとに1カ所設置するが、人口50万人以上の市郡区は1カ所以上設置し、適切なスタッフと場所がなければ隣接した市郡区と共同設置する案も認めることにした。

 接種センターは、自然換気が可能で、大規模な接種と距離置きが実施可能な場所が指定される。入口と出口が分離でき、交通の便が良い場所が望ましいとされ、体育館や市民会館のような大規模な公共施設が選ばれる可能性が高い。自家発電施設や電気照明施設、冷暖房施設、換気施設が備えられ、異常反応の発生に備えて応急医療機関にアクセスしやすいことも重要な選定基準だ。政府はその日の接種者数に応じて、医師や看護師、行政スタッフの配置計画もまとめることにした。

 パク担当官は「前日までに受け付けられた候補地150カ所は体育館が93カ所、公演・文化施設が30カ所、医療施設が12カ所、遊休地・運動場・公園10カ所、官公署などが5カ所」だとし、「明日まで自治体から候補地の提出を受けた後、疾病管理庁とともに審査し、来週初めに最終決定する計画」と述べた。

 常温保管が可能なアストラゼネカとヤンセンなどのワクチンは委託医療機関で接種する。パク担当官は「委託医療機関の場合、従来のインフルエンザ予防接種のために指定した病院2万カ所のうち適正な1万カ所を選べばいいので、指定に大きな問題はない」と述べた。
パク・テウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

パク・チャンヒョン課長は「韓国も主要国と同様に、金融の方が実物より早く回復した」とし「前回の金融危機において、株価と実物経済の動きが似ていたのとは異なる」と指摘した。

2020-12-22 | 韓国のコロナ対策
韓銀「コロナによる成長不均衡、過去の経済危機よりも深刻」
登録:2020-12-22 03:07 修正:2020-12-22 08:08


韓国銀行「コロナ危機」の影響を評価…IT産業で各国の明暗分かれる 
国内部門の不均衡が金融部門の不安へと広がる恐れも

      

19日、ソウル中区の市役所前ソウル広場に設けられた臨時選別検査所。市民がコロナ検査を受けるために並んでいる/聯合ニュース

 韓国銀行(韓銀)の評価によると、新型コロナウイルス感染症による国家間、国内部門間の成長不均衡は、かつての通貨危機やグローバル金融危機より深刻で広範囲に及ぶことが分かった。

 韓銀は21日、懸案報告書『コロナ危機後の成長不均衡評価』(調査局パク・チャンヒョン課長ら3人)を発表し、「コロナ危機は保健危機が経済危機へとつながったケースで、ショックが世界で同時多発的に波及したという点で、過去の危機(通貨危機、金融危機)と比較すると、国家間および部門間でより克明な形で不均衡が現れている」との分析を示した。

 韓銀によると、国家間の不均衡は、先進国と新興国の間の不均衡と、情報技術(IT)輸出国とその他の国の間の不均衡として特徴づけることができる。先進国は積極的な防疫管理と果敢な景気浮揚策を通じて景気回復を図っている一方、新興国は劣悪な保健環境、財政余力の不足により、防疫と経済対応に困難を強いられているということだ。これを示すように国際通貨基金(IMF)は、2020~21年の新興国(中国を除く)の10月時点の累積成長率予測値(2019年第1四半期を100とする)を昨年10月より10.0ポイント下げたのに対し、先進国の予測値はこれより低い5.5ポイント(104.6→99.1)の下方修正にとどめている。2008年のグローバル金融危機では、新興国の方が相対的に早い回復を見せたのとは正反対の流れだ。

 国家間の明暗はIT産業が大きく分けている。韓銀の分析によると、IT産業の割合が高い中国や台湾では、製造業の生産がコロナ危機直前の2月の水準をすでに回復しており、韓国も輸出がITを中心として改善し、景気回復をけん引している。一方、観光産業および原材料輸出の割合が高い国々は、コロナのショックをより強く受けただけでなく、今後の景気回復も遅れると展望される。

 ひとつの国の中でも部門間でコロナのショックが非対称に現れ、保健危機に脆弱な対面サービス業種における売上と雇用へのショックがはるかに強かった。コロナ危機開始から第3四半期までの家計消費動向を見ると、米国、ドイツ、日本、韓国ではいずれもサービス消費が宿泊、飲食、旅行業を中心に急減している一方、財貨消費減少幅は相対的に小さかった。雇用も、対面サービス業における大きな低迷が米国、ユーロ地域、韓国で共通して現れている。

 韓銀は、一国内の不均衡の中でも注目すべき点として、「実物経済と金融の乖離が続いていること」を挙げた。大半の主要国は、雇用や消費などの実体経済がコロナ危機前の水準を回復できずにいるが、金融市場は急速に回復している。米国の株価指数(S&P500)が7月中にすでにコロナ以前の水準へと回復し、その後も急激な上げ相場が続いているのが代表的な例だ。パク・チャンヒョン課長は「韓国も主要国と同様に、金融の方が実物より早く回復した」とし「前回の金融危機において、株価と実物経済の動きが似ていたのとは異なる」と指摘した。

 韓銀は「国内経済の部門間の成長不均衡は、短期的には景気回復を遅らせ、ひいては失業の拡大、資産価格の下落が重なることで、金融部門へとショックが広がっていく可能性がある」との懸念を示した。また、中長期的には経済の二重構造の深刻化や成長機会の不平等の拡大によって、経済の安定基盤が崩壊する可能性があることから、政策余力を脆弱部門と階層に集中させ、所得や雇用関連のセーフティーネットを構築すべきと指摘した。
キム・ヨンベ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

「患者の発生スピードより病床確保のスピードが遅いため、今週はややもすると超過死亡の事例が出る非常に危険な一週間になる可能性がある」と懸念した。

2020-12-16 | 韓国のコロナ対策
韓国、コロナ病床逼迫…危ない一週間がはじまった
登録:2020-12-15 09:27 修正:2020-12-15 12:24


待機中の感染者、緊急状況が続出 
政府が病床確保計画を明らかにしたが 
実際に投入されるまでには1~3週間かかる予定 
今週の重症患者の病床確保、70床のみ

      

今月14日午後、釜山のインチャン療養病院に設けられた新型コロナ臨時選別検査所で、職員が問診票を作成している/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの流行開始以来最高の危機局面に入った中、当面は病床不足が続く見通しだ。韓国政府は13日、一般病床2260床と重症患者病床287床を拡充する方策を示したが、実行に移すには長ければ3週間はかかると見られているからだ。医療界は今週が「最も危ない一週間」になると懸念している。90代の感染者が自宅で待機中に呼吸困難を訴えたり、総合病院の救急救命室で陽性判定を受けた患者が感染症専門病院に搬送されず1日以上待機するという危険な状況も生じている。

超高齢患者も自宅待機

 14日、医療界と京畿道地域の保健所などの話を総合すると、前日に24時間以上自宅待機をしていた90代の新型コロナ感染者は、呼吸困難が生じるなど急激に症状が悪化した。幸い、京畿道がある感染症専門病院の1床を確保し、20~30キロ離れた病院に搬送した。患者を運んだ救急隊員は「患者の状態が悪化した状態だった」と報告した。病床不足事態が続く限り、このような緊迫した状況は引き続き起こりうると医療界は見ている。同日現在、重症・重篤患者は185人に増えた。2~3月の第1波当時も、自宅待機をしていた高齢患者の症状が急に悪化する事態が発生している。

 病床不足による危険はあちこちで現れている。京畿道のある総合病院は12日、救急救命室に来た患者が高熱を出し、コロナ検査を実施した。その結果陽性判定が出たが、患者を搬送できる専門病床はなかなか探し出せなかった。このため、感染者は丸2日以上この病院に滞在している。病院側は「本来はこのような場合、半日以内に搬送手続きが完了し、コロナ患者と非コロナ患者、医療スタッフなど全員を保護してきた。しかし今はいくら尋ねても病床が見つからない」と話した。

 前日、ソウルの感染症専門病院の稼働率は89.9%(1190床のうち1070床)で、京畿道は87.1%(667床のうち581床)だった。その結果、同日0時現在、2日以上自宅待機をしている感染者はソウルで59人、仁川で14人、京畿道で145人の計218人だった。特にこのうち89%の194人は、生活治療センターではなく病床を待つ感染者だった。イム・スングァン京畿道コロナ緊急対策団共同団長(京畿道医療院安城病院長)は「京畿道の場合、今月9日(341人)より14日の自宅待機者総数(308人)は減ったが、入院が必要な待機者は同期間で80人から223人に増えた」とし「無症状や軽症患者が行く生活治療センターは増えているが、病院内の病床確保は容易でないため」と話した。京畿道は、医療スタッフや公務員などで構成されたホームケアスタッフが自宅待機感染者の状態をこまめに確認しているが、病床配分を訴えるケースが多いという。

今週中に拡充される重症患者病床は70床のみ

 万が一にでも病床不足によって死者が発生する危険を減らすためには、重症患者の病床確保が最優先で必要だ。しかし、前日政府が追加の確保計画を発表した重症患者病床287床は、今後3週間にわたって段階的に投入されるものだ。中央事故収拾本部は、今週中(12月14~20日)に確保される重症患者病床を70床と把握している。その次の週に130床、今月最後の週に87床が確保される。病院全体や一部を空けてコロナ重症患者の治療を行う「拠点専門病院」も、2カ所(平沢博愛病院70床、城南市医療院10床)は来週(12月21日~27日)、他の3カ所(国立中央医療院19床、一山病院13床、京畿道のある民間病院40床)はその次の週(12月28日~1月2日)に運営が始まる。イム・スングァン団長は「政府が報勲病院、警察病院、健康保険公団一山病院などの国公立病院の病床を大量に確保することにしたため、問題解決の糸口は見えてきたが、各病院の施設工事や患者の移動などに1~3週間かかるだろう」と述べた。

 このように病床確保には時間がかかると予想される一方、中等症・重症患者の増加は急速に進んでいる状況だ。13日現在、全国的に空いている中等症・重症患者の病床は48床、首都圏は8床のみ。この1週間に発生した新規感染者は4824人に上る。通常、5~10日の時差をおいて感染者の3%が中等症や重症に悪化する可能性があるという統計によると、今週だけで145人の中等症・重症患者が追加される可能性がある。国立中央医療院のチュ・ヨンス企画調整室長は「現在の傾向が続けば、首都圏だけでも1日で10人ほどの中等症・重篤患者が追加される可能性がある。今週中に確保される70床では十分ではない」と話した。ソウル大医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「患者の発生スピードより病床確保のスピードが遅いため、今週はややもすると超過死亡の事例が出る非常に危険な一週間になる可能性がある」と懸念した。
チェ・ハヤン、ソ・ヘミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

 設置される場所は、流動人口の多い主要な地下鉄の乗換駅と、混雑せず誰でもアクセスしやすい公園、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の強化で運営中止となった公共施設の駐車場など。

2020-12-15 | 韓国のコロナ対策
ソウル市、14日から臨時検査所設置「コロナが不安なら誰でも、無料で匿名検査を」
登録:2020-12-14 08:48 修正:2020-12-14 09:18

ソウル市臨時選別検査所56カ所、14日から運営

      

ソウル中区のソウル駅広場に中区区役所の関係者らが新型コロナ臨時選別検査所を設置している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 症状の有無や疫学的な関連がなくても、誰でも無料で新型コロナウイルスの診断検査を受けられる臨時選別検査所が、14日からソウル市の56カ所に設置される。ソウル市は13日、今月10日に中央防疫対策本部が発表した「首都圏集中検査期間」対策の一環として25自治区と協議し、臨時選別検査所を開くと発表した。14日にはまず21カ所を開き、順次、残りの35カ所を開く計画だ。

 設置される場所は、流動人口の多い主要な地下鉄の乗換駅と、混雑せず誰でもアクセスしやすい公園、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の強化で運営中止となった公共施設の駐車場など。各検査所には医療スタッフ2人(軍医官1人、看護士1人)が配置され、行政管理のための人員も5人以上投入される。

 鼻の中に検査装備を入れて検体を採取する「鼻咽頭塗抹(PCR・遺伝子増幅検査)技法」を原則的に使うが、関連症状があるため早い確認が必要な場合、30分以内に判断できる「迅速抗原検査」を利用できる。鼻からの検体採取が難しい場合には唾液PCR検査も使うことにした。

 ソウル市のソ・ジョンヒョプ市長権限代行は「大規模な先制検査を通じて地域社会の無症状感染者を早めに発見して隔離してこそ、現在の第3次流行をさらに大きな被害なく管理することができる」とし、「本人が無症状感染者なら、最も近い家族や友人、同僚が取り返しのつかない被害を受ける可能性があるため、積極的に検査に参加していただきたい」と述べた。
パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

政府は14日から無症状と若年層に対する診断検査を大幅に拡大し、さらなる伝播を遮断するとともに、新規病床をよりいっそう拡充するという立場を取っている。

2020-12-14 | 韓国のコロナ対策
コロナ感染者「1日2千人を超える可能性も」…
日本の流行状況に類似

登録:2020-12-14 02:32 修正:2020-12-14 08:19


心理的阻止線を越えた拡散、どこまで 
 
対面接触を防げず爆増 
「日本の流行状況に近づいてきた」 
重篤は179人に増加 
感染者580人が自宅待機 
政府、臨時選別検査所を通じて 
無症状と若年層への検査拡大方針


      

傘をさしたある市民が13日午前、ソウル中区の明洞駅一帯の閑散とした通りを歩いている。この日のコロナ新規感染者は1030人で、最初の感染者が確認された1月20日以降、約11カ月を経て初めて1000人を超えた=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 13日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者は1000人を超えたが、感染病専門家はある程度予見された状況だとし、当面は大規模な拡散が続くだろうとの見込みを示した。このままだと、1日の新規感染者が2000人を超えるなど、日本と似た状況に直面しうるという厳しい観測も出ている。先制的に社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)レベル3への引き上げを行うべきではないかとの声があがっているが、政府は14日から無症状と若年層に対する診断検査を大幅に拡大し、さらなる伝播を遮断するとともに、新規病床をよりいっそう拡充するという立場を取っている。

対面接触を防げない防疫行政

 わずか2日間で新規感染者数が689人(11日)→950人(12日)→1030人(13日)と急増したのは、首都圏での拡大に歯止めがかからないためだ。13日の国内の地域社会での感染者1002人のうち、786人が首都圏で確認されたもので、全体の78.4%にのぼる。新規感染者数の週末からの大幅な増加は、高危険群が密集する療養施設や教会などで大規模な集団感染が発生した影響が大きい。また学校、サークル、公衆浴場、職場、塾・予備校などで感染が散発的に発生していることも、感染者の増加に影響を及ぼしている。中央防疫対策本部のイム・スギョン状況総括団長は前日の定例ブリーフィングで「防疫行政が行き届かない個々人の集まりや知人間の対面接触での感染が続き、感染が蓄積している」と分析した。

 直近の1週間(12月7~13日)の1日当たりの平均新規感染者数は719.7人だ。専門家は、ソーシャル・ディスタンシングの効果が現れない状況が続けば、幾何級数的に感染者が増える可能性があると見ている。高麗大学九老(クロ)病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は、「現在の状況を見ると日本の流行状況に似てきている。日本は1日当たり3000人以上の新規感染者が出ているが、人口100万人当たりにすると、11日現在で日本は22.96人、韓国は18.53人」とし、「日本とは1カ月ほどの時差があるものの、平行線を描きながら(韓国が)後を追っている」と述べた。政府はこの日、新規の病床対策を発表する際、首都圏では今後20日間にわたって1日当たり1000人の感染者が出るとの予想を示したが、日本のように1日の新規感染者数が2000人以上となる可能性もあるというのだ。

重篤患者の増加には特別対策が必要

 拡散が勢いを増し、隔離中の感染者は13日午前0時現在で1万人を超えた(1万372人)。重篤患者は179人に増えた。感染者が増えたことで、自宅で病床が空くのを待っている感染者は580人(13日午前0時現在)となり、2日以上の待機者も56人にのぼっている。

 専門家の多くは、ひとまずソーシャル・ディスタンシングの先制的な引き上げが必要だと訴える。翰林大学江南聖心病院のイ・ジェガプ教授(感染内科)は、「(1日の新規感染者が)2~3000人発生することもいくらでもありうるため、レベル2.5が効果があるかどうか待っていられる状況ではない。レベル3への引き上げが必要だ」と主張した。キム・ウジュ教授は「レベル3+α」の対策が必要だと述べつつ、「最悪のシナリオに備えなければならない。ニュージーランド政府が行っているように『ステイアットホーム(自宅にとどまれ)』という命令を国民に下すことも検討しなければならない」と述べた。

 政府は、レベル3への引き上げによる社会・経済的被害が莫大なものになることを懸念している。よって政府は、14日から設置される臨時選別検査所を通じて、診断検査を大幅に拡大する方針だ。ソウル市では、25の自治区に55カ所の臨時選別検査所を順次立ち上げていく計画だ。国立がんセンターのキ・モラン教授(予防医学)は「ソーシャル・ディスタンシングが接触を減らせないのなら、検査を増やして感染者を早く見つけ出し、隔離しなければならない」と語った。

 しかし、医療界のある関係者は「症状のある患者、その中でも高危険群や重症患者に対する管理もできず、医療システムが崩壊する危険性がある。重症患者管理、高危険群管理になお一層の焦点を当てて、死者を減らす戦略へと早く転換しなければならない」と指摘した。高麗大学安山(アンサン)病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)も「患者の発生が少ない時や、流行が過ぎた後に再び感染が広まるのを遮断しようとしている時は、検査を増やすことで対応すべきだが、今は患者に病床を割り振る問題も対応ができていない」とし「病床と患者を見る人員など、医療的対応を優先すべき」と述べた。
ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )