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金属活字であることが分かったからだ。興奮した調査チームは、壷内の土砂をすべて取り出して集中分析作業を実施した。結果は驚くべきものだった。壷の内部には何と1600個余りの金属活字が詰まっていた。

2021-06-30 | 韓国文化
 

ソウル中心地「ピマッコル跡地」から

600年ぶりに発掘された「世宗の遺物」(上)

登録:2021-06-30 01:50 修正:2021-06-30 08:37

 

旧漢陽中心部から世宗時代の天文時計など科学遺物も見つかる
 
15世紀に作られたハングルの金属活字、これまで記録でのみ伝えられていたが今回の発掘で初めて実物が確認された=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社

「これは小石ではなく金属活字です!」

 今月初め、ソウル都心の文化地区である仁寺洞(インサドン)のピマッコル再開発地区遺跡を発掘した首都文物研究院(院長 オ・ギョンテク)調査チームは、16世紀の建物跡から出た陶器壷の一部の内容物を確認して驚いた。壷の側面の穴から出てきた小石形の遺物のいくつかを洗浄してみると、金属活字であることが分かったからだ。興奮した調査チームは、壷内の土砂をすべて取り出して集中分析作業を実施した。結果は驚くべきものだった。壷の内部には何と1600個余りの金属活字が詰まっていた。

 専門家たちが調べると、15世紀、世宗(セジョン)大王の『訓民正音』創製当時に使われたと考えられる朝鮮初期の世宗~世祖(セジョ)代のハングル金属活字実物と、世宗が造った漢字金属活字である甲寅字と推定される活字が初めて発見されたとの判読結果が出た。この金属活字のうち一部は、ドイツ人グーテンベルクが1450年代に西洋初の金属活字活版印刷を始めた時より製作時期が数十年早いと推定される。

 
ハングル金属活字の細部=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社
 
ハングル連鋳活字=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社

 文化財庁は29日、首都文物研究院が発掘調査中であるソウル市仁寺洞79番地の「公平区域15・16地区都市環境整備事業敷地内の遺跡(ナ地域)」の16世紀建物跡から、壷に入れられた朝鮮前期の世宗~中宗(チュンジョン)時の金属活字1600点余りを発見したと発表した。文化財庁はさらに、世宗~中宗時代に製作し使用したと見られる自動水時計の時報装置部品である籌箭(チュジョン)と、世宗時期のものと推定される天文時計「日星定時儀」の部品、中宗~宣祖(ソンジョ)の時代に作った武器である銃筒類8点、銅鐘1点などの金属遺物も同じ遺跡から一緒に埋められた形態で発掘されたと述べた。

 
世宗の時に造った甲寅字と推定される漢字金属活字。大きさから見て小字に該当する=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社
 
 
世宗の時に造った甲寅字と推定される漢字金属活字。大きさから見て小字に該当する=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社

 まず目を引くのは世宗の時に製作された最も早い時期のハングル金属活字だ。一括出土した金属活字は、ハングルの金属活字を構成する大字、中字、注釈などに使われた小字、特小字がそろって出土した。特に『訓民正音』創製時期の15世紀に限定されて使われた「東国正韻式表記法」を使った金属活字が実物で確認され、ハングル金属活字を構成した様々な大きさの活字がそろって出土した点は画期的な成果と評価される。「東国正韻」は、世宗の命により申叔舟(シン・スクチュ)、朴彭年(パク・ペンニョン)などが朝鮮漢字音を正すために刊行した韓国初の標準音に関する本で、中国漢字音を表記するために使われた字素類を記録したのが特徴だ。この他にも、二つの文字を一つの活字に連結表記して、助詞の役割をした貴重本の連鋳活字が10点余り見つかった。

 
「日星定時儀」の主要部品である「周天度分環」=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社
 
 
水時計の重要部品である籌箭の初めて確認された実物=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社
ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

倭乱の被害が土中から…

ソウル都心で600年ぶりに発掘された「世宗の遺物」(下)

登録:2021-06-30 02:03 修正:2021-06-30 10:10

 漢字活字も、現在まで伝えられた最も早い朝鮮金属活字である世祖時代の「乙亥字」(1455年・国立中央博物館所蔵)より20年早い世宗時代の「甲寅字」(1434年)と推定される活字が大量に確認され、学界を興奮させている。朝鮮前期の多種多様な金属活字が一カ所で出土した初めての事例といえる。ペク・トゥヒョン慶北大学教授とオク・ヨンジョン韓国学中央研究院教授は、「『訓民正音』創製当時の姿を確認できる国内最高のハングル活字と、世宗が造った漢字金属活字である甲寅字の実物が初めて見つかったという点で、韓国印刷文化史に名を残す発見だ。ハングル創製の実際の余波とともに活発化した当時の印刷活動を調べることができる重要な資料」だと評価した。調査チーム側は、金属活字の種類が多様で朝鮮前期の印刷本にのみ確認できた多くの活字の実物が追加で確認される可能性があるとみている。

 陶器壷からは金属活字とともに世宗~中宗の時に製作された自動水時計の籌箭(チュジョン)と見られる銅製品が細かく切られた状態で出土した。銅製品は、銅板と玉放出器具に区分される。銅板にはいくつかの円い穴と「一箭」という文字が彫られている。玉放出器具は、円筒形の銅製品の両側にそれぞれかすがいとイチョウの葉形態の鉤が結びついているのが特徴だ。このような部品の形は、『世宗実録』において小さな玉を貯蔵し放出することで自動水時計の時報装置を作動させた装置である籌箭の記録と一致する。籌箭は、1438年(世宗20年)に製作された欽敬閣(フムギョンガク)玉漏(水時計)や1536年(中宗31年)昌徳宮(チャンドクグン)に設置した報漏閣の自撃漏と推定される。これまで記録のみで伝えられてきた朝鮮時代の自動水時計の籌箭実体が初めて確認されたわけだ。

 活字が入れらていた壷の隣からは、昼夜間の天文時計である「日星定時儀」が見つかった。昼間には日時計、夜間には太陽を利用できない短所を補完するために星座を利用して時間を計った時計だ。『世宗実録』によれば、1437年(世宗19年)に4個の日星定時儀を作ったと伝えられる。出土遺物は、周天度分環、日キ(日陰)百刻環、星キ百刻環など日星定時儀の主要部品で、時計の輪の上面の三輪と見られる。現存する資料がなく、記録のみで伝えられてきた世宗時代の科学技術の実体を確認したという意味が大きいという評価だ。

 
 
天文時計の日星定時儀と銅鐘が土中からあらわれた姿=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社
 
出土した勝字銃筒=写真:首都文物研究院提供//ハンギョレ新聞社

 小型火器で銃口に火薬と鉄丸(弾丸)を装填し火種を付けて発射する銃筒は、勝字銃筒1点、小勝字銃筒7点が出てきた。復元された大きさはおよそ50~60センチだ。彫られた銘文を判読した結果、癸未年勝字銃筒(1583年)と万暦戊子年小勝字銃筒(1588年)と推定される。職人の希孫(ヒソン)、末叱同(マルドン)として製作者が記録されているが、希孫は宝物に指定されたソウル大学博物館所蔵の「次勝字銃筒」の銘文でも確認される名前だ。万暦戊子年と彫られた勝字銃筒は、鳴梁海域でも確認されたことがある。銅鐘は、日星定時儀の下の部分で、数点の小片に分かれて発見された。砲弾をひっくり返した鐘形で、2匹の龍の形をした取っ手、龍紐がついている。隅花模様と蓮のつぼみ、小波装飾など朝鮮15世紀に製作された王室起源の銅鐘様式を継承していることが特徴だ。鐘の本体上部に「嘉靖十四年乙未四月日」という隷書体の銘文が彫られていて、1535年(中宗30年)4月に製作されたことがわかる。

 調査地域は、鍾路(チョンノ)2街交差点の北西側で、漢陽都城(ハニャントソン)の中心部だ。朝鮮前期まで漢城府中部の堅平坊に属した所だ。堅平坊は、朝鮮前期漢城府中部8坊の一つで、司法機関の義禁府と王室宮家である順化宮、竹洞宮と商業施設の雲從街が位置した都城内の経済文化の中心地であった。遺跡では朝鮮前期から近代までの合計6個の文化層(2~7層)が確認される。金属活字などが出土した層位は、現在の地表面から3メートル下である6層(16世紀中心)部分で、建物跡の遺構と朝鮮前期と推定される磁器片や瓦片なども一緒に出てきた。

 
金属活字が大量出土した仁寺洞79番地のピマッコル朝鮮初期建物跡遺跡の全景//ハンギョレ新聞社

 金属活字を除く残りの遺物は、細かく切って破片にして陶器の壷の中と付近に埋めたと推定される。また、活字はおおかた完全だったが、熱で溶けて固着したものもある。製作年代が分かる出土品の中で最も時期が遅い遺物が、1588年を意味する万暦戊子年と彫られた小勝字銃筒なので、少なくとも1588年以後に埋められたことが確実だ。オ・ギョンテク研究院長は「1592年に勃発した壬辰倭乱(文禄の役)と時期が近く、当時戦乱が起きたため遺物を壷に入れて地中に埋め、避難させた可能性がある」と推定した。出土遺物は現在1次整理を終え、国立古宮博物館に移して保管されている。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

特に目立つのは、先週新たに確認されたデルタ株の感染者が、ソウル、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、京畿道、忠清南道、全羅南道と、複数の地域に散らばっていることだ。

2021-06-29 | 韓国のコロナ対策

韓国でもじわじわ広がるデルタ株…

ソウル、大邱など6市・道で新たに確認

登録:2021-06-29 03:36 修正:2021-06-29 08:31
 
防対本「鋭意注視しつつ追跡管理」
 
 
28日午前、ソウル中区のソウル駅広場に設けられたコロナ臨時選別検査所で、ある市民が検査を受けている/聯合ニュース

 ここ1週間で、新型コロナウイルスのデルタ株が韓国の6つの市・道で新たに確認されたことが分かった。まだ全国の感染者数に影響を及ぼすほど顕著な拡散ではないものの、伝播地域は徐々に全国へと広がる様相を呈している。

 中央防疫対策本部(防対本)が28日に発表した主要変異株の分析結果によると、ここ1週間(6月20~26日)に遺伝子分析を行った地域社会での感染者642人中、デルタ株が検出されたのは21人。地域社会における感染者のうち、約3.3%がデルタ株に感染していたことになる。直前の週(6月13日~19日)の2.7%(19人)からやや増となった。

 特に目立つのは、先週新たに確認されたデルタ株の感染者が、ソウル、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、京畿道、忠清南道、全羅南道と、複数の地域に散らばっていることだ。このうち大邱の1人、忠清南道の1人などは、特定集団感染との関連が確認できない個別の新規感染例だ。

 これとは別にデルタ株が検出される集団感染も日を追うごとに増えている。これまでに確認された仁川空港検疫所、仁川南洞区(ナムドング)の家族・学校関連、全羅南道咸平郡(ハムピョングン)の議員関連の集団感染に加え、先週は京畿道の知人会合関連(感染者4人)、京畿道の家族旅行関連(5人)、首都圏の知人会合関連(12人)、京畿道議政府市(ウィジョンブシ)の飲食店関連(16人)の集団感染からもデルタ株が検出された。これについて防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「以前に比べて地域的に(デルタ株の)伝播範囲が少し広くなっている」とし「(各検出事例の)伝播範囲がどれほどになるかについて、鋭意注視しながら追跡管理している」と述べた。

 アルファ、ベータ、ガンマ、デルタなどすべての懸念される変異株の最近1週間の地域社会での検出率は30.5%(分析対象642人中、懸念される変異株の検出は196人)で、直前の週の33.2%よりやや低下した。196人中、アルファ株が175人、デルタ株が21人で、ベータとガンマは検出されていない。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

前検察総長と監査院長の中立性問題、どう突破するか…強まる国民の力候補のけん制球

2021-06-28 | 大韓民国

韓国大統領選挙に向け、今週中に「候補者ツートップ」が出馬宣言

登録:2021-06-28 09:44 修正:2021-06-28 10:05

 

与党、イ・ジェミョン独走けん制のための合従連衡を予告 
28日、チョン前首相とイ議員が一本化に関する立場を発表 
 
野党、査定機関長の政治中立性についての論議が加熱 
ホン・ジュンピョ氏など党内候補らのけん制が予想される
 
ユン・ソクヨル前検察総長が9日午後、ソウル中区の南山芸場公園内にある李会栄記念館の開館式に出席し展示物を観覧した後、取材陣に囲まれている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社
 
イ・ジェミョン京畿道知事が21日、水原市八達区の京畿道庁でハンギョレのインタビューに答えている=水原/カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 約250日後に迫った第20代韓国大統領選挙に向けた与野党の選挙タイマーが、今週本格的に稼動する。早ければ28日にもチェ・ジェヒョン監査院長の辞任が予告されており、29日にはユン・ソクヨル前検察総長が政治参加を宣言する。与党勢力の1、2位の候補者の出馬宣言も差し迫っている。イ・ジェミョン京畿道知事は、来月1日に出馬宣言をする予定であり、民主党のイ・ナギョン前代表も来月初めにスケジュールを調整している。野党勢力では、査定機関の最高責任者の政治中立性について論議が加熱する一方、与党ではイ知事の独走を阻止するための候補一本化についての議論など、熾烈な争いが予想される。

前検察総長と監査院長の中立性問題、どう突破するか…強まる国民の力候補のけん制球

 野党勢力の大統領候補として支持率1位のユン前総長は29日、ソウル瑞草区(ソチョグ)の尹奉吉(ユン・ボンギル)義士記念館で政治参加を宣言する。すぐには国民の力へ入党について明らかにせず、「民意の探訪」として全国各地を回りながら各界各層の声を聞くという計画だ。3月に総長職から退いた後、表に姿を現すのを避け「メッセージ政治」の限界をみせたユン前総長が、ようやく大衆とのコンタクトを広げて本格的な検証台に上がることになる。ユン前総長は27日午後、尹奉吉記念館を訪問して下見をするなど、万全の準備を整えている様子だ。「反文在寅世論」を土台に膨らんだ「ユン・ソクヨル主流論」が公式な登板後も維持されるかが、野党勢力の大統領選の構図の最大変数だ。

 ユン前総長をとりまく「Xファイル」問題で道徳性のリスクが高まる中、オルタナティブとして急浮上したチェ・ジェヒョン監査院長は、28日ごろ辞意を表明するという。まだ大統領選出馬の意思は明らかにしないと予想されるが、来年1月までの任期を全うせずに辞任するだけでも、チェ院長の政治参加への意志が強くなったということに異見はない。

 ユン前総長とチェ院長は、文在寅(ムン・ジェイン)政権で任命された高位公職者であり、自分を任命した政府との意見の食い違いを露出して政治活動の動力を得たという共通点がある。現職に就いていながら政治参加を決意し、事実上、大統領選街道に直行したという点で、政治中立性に関して是非の声が激しい。これをどのように突破するかが、二人にかかっている課題だ。

 国民の力の候補者らのけん制構図もさらに強まる見通しだ。24日に復党したホン・ジュンピョ議員は今年29日、国民8000人余りを深層面接した内容が書かれた『インデプス報告書』の出版をきっかけに、大統領選への活動を本格化する。ファン・ギョアン元未来統合党代表も30日、著書『超一流の正常国家』を発表し、政治活動を再開する。ユ・スンミン前議員とウォン・ヒリョン済州道知事は国民の力の大統領選党内選挙の予備候補者登録が始まる来月12日に合わせて、本格的な行動に乗り出す計画だ。

 
イ・ナギョン共に民主党前代表が先月27日午前、ソウル永登浦区汝矣島洞のイルムセンターで『イ・ナギョンの約束』の出版記念記者懇談会を行っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社
 
チェ・ジェヒョン監査院長が18日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた法制司法委員会全体会議に出席し、取材陣から質問を受けている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

出馬宣言が迫った与党の前代表と京畿道知事…派閥間対立の克服がカギ

 現在まで6人が大統領選出馬を宣言した共に民主党は、1~2位候補者の出馬宣言を控えている。イ・ジェミョン知事は30日に民主党予備候補登録をした後、7月1日午前に映像で大統領選出馬を宣言する。イ・ナギョン前代表の出馬宣言も7月初めと予想される。

 民主党は、野党よりも大統領選党内選挙の日程が早めに確定したが、何度か荒れそうな兆しだ。党内選挙の日程を調整する過程で、「イ・ジェミョン系」と「非イ・ジェミョン系」に分かれ表出した葛藤は、イ知事をけん制するための候補一本化の議論につながっている。チョン・セギュン前首相とイ・グァンジェ議員は27日、一本化の議論を始めることで意見を共にし、28日午前10時に韓国取引所を共同訪問した席で、これに関する立場を発表する予定だ。イ議員側の関係者は「できるだけ予備選挙前に一本化を実現させることに努め、共にする人は一緒に連帯の議論に賛同できるという立場だ」と伝えた。

 議題と戦略グループ「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「序盤から圧倒的に『イ・ジェミョン主流論』に突き進むのか、候補間のせりあいが熾烈になるかが、興行のカギ」だとし「(予備選挙は)方式よりはどのようなビジョンを中心に対立の軸が形成されるかが重要」と見通した。派閥間の対立が続いても無条件で「反イ・ジェミョン」戦線を形成するのではなく、候補間の政策とビジョンをめぐって競争を繰り広げてこそ、国民の関心を引くことができるという説明だ。

不確実性が続く野党勢力…イシュー発掘が課題の与党

 政界内外では政権交代世論が高まっているのに反して、野党勢力の大統領選構図は依然として不確実性が大きいという点で、来年3月の選挙前の支持率の順位が何度か大きく揺れ動く可能性があるという分析が出ている。明知大学政治外交学科のシン・ユル教授はこの日、本紙の取材に対し「大統領選は安定した候補を好む有権者の傾向が強い。しかし、野党勢力の世論調査1位のユン前総長はいまだに不確実性を抱えている」と述べ、「政治宣言に続き、入党するかどうかを国民にはっきりと伝えなければならない。安定感を与えるのに失敗すれば、支持率にも影響を及ぼすだろう」と予測した。一方、与党は派閥間の対立を解消し、イシューを発掘しなければならないという宿題が残っている。龍仁大学のチェ・チャンヨル教授は「イ・ジェミョン知事の支持率は高いが、政権交代世論も依然として高いため、民主党に対する国民の認識を変えることが重要だ」とし「予備選挙の過程でネガティブ攻防に行くのではなく、韓国社会が抱えていたが、これまで論議されなかった新しい社会経済的なイシューを発掘し、熾烈に論争しなければならない」と述べた。

キム・ミナ、ソン・チェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

2012年、朝鮮戦争の惨状を伝え、平和を祈願して作られた「桟橋里(ジャンギョリ)公共美術プロジェクト」の作品たちだ。

2021-06-27 | 韓国:ハンギョレ新聞

[フォト]

38度線で分けられた村に平和が息づく――

朝鮮戦争勃発から71年

登録:2021-06-25 08:57 修正:2021-06-25 09:25
 
朝鮮戦争の傷跡の残る「38平和村」
 
 
桟橋里の隣村の基士門里。朝鮮戦争の惨状が描かれた壁画がある家の前で子どもたちが走り回っている=襄陽/ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 国道7号線の江陵(カンヌン)~束草(ソクチョ)区間に沿って北に向かうと、朝鮮戦争の傷跡が残る38平和村にたどりつく。江原道襄陽郡県北面(ヤンヤングン・ヒョンブクミョン)の38橋を渡って村に入ると、砲弾の模型の小さな石像が訪問客を迎える。村を横切る桟橋川(38度線川)に沿って、“平和を釣り上げる”という意味が込められた彫刻「一つになった心」や、町内会館前の栗の木に吊り下げられ村の危険を知らせる鐘の役割をした鉄橋の造形物「生存の響き、平和の鐘の音」などがある。2012年、朝鮮戦争の惨状を伝え、平和を祈願して作られた「桟橋里(ジャンギョリ)公共美術プロジェクト」の作品たちだ。

 
 
江原道襄陽郡県北面の38橋を渡って38平和村に入ると、最初に目にする砲弾の模型の小さな石像=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社
 
 
川を挟んで釣り竿を垂らした二人の人が一緒に平和を釣りあげるというチェ・ムンス作家の作品「一つになった心」=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 38平和村は、小さな峰が屏風のように村を取り囲み、台風も避けていくといわれた平和な村だった。しかし1945年、北緯38度線を境に村が分断される苦しみを経験した。ここで生まれ育ったホン・ピルニョさん(94)は、当時の記憶がはっきりと残っている。「1945年のある日、ロスケ(ソ連軍)と米軍が桟橋里に来て、38度線に幕を張り、ここからは以北、ここからは以南、と言った。その時、スニさんの家の部屋は以南で台所は以北になった。村の子どもたちがその幕のせいで学校にも行けなかった」。ホンさんの家も、南北を行き来した。土地はそのままなのに、前日は北の領土だったり、今日は南の領土になったりした。

 
 
ホン・ピルニョさん(94)と夫のイ・ワンサンさん(92)。この村で生まれ、6歳の時に両親が今の家を買った。母屋だけで4棟あったという大きな家は、戦争が終わった後に灰になった。ホンさんはこの家で両親を看取り、息子3人を育てた=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 朝鮮戦争が勃発した後、ホンさんは村の人々とともに南側に避難した。「戦争が起きた日、明け方に砲撃の音がして山の上に登ってみたら、人民軍が真っ黒に旗を振ってこちらに向かっていた。母は、一番上の姉さんは体が弱くて赤ちゃんをおぶって行けないから、隣村の姉さんと二番目の姉さんと一緒に避難しなさい、と言った。私たちは国軍について仁邱里(イングリ)第5中隊本部に向かったが、後ろから人民軍が銃声を鳴らしながらついてきた」(朝鮮戦争当時、襄陽郡民が経験した話の証言集中のホン・ピルニョさんの記録)

 
 
38平和村から海辺につながる38橋の下のトンネル。車1台がやっと通れるくらいのトンネルの壁には、銃を持った軍人と一輪の花、鉄条網にとまった一羽の蝶が描かれている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 戦争が終わって帰ってきた家は、焼け跡だけが残っていた。「父と夫がこの家を建て直した。両親ともここで看取り、3人の息子をこの家で育てた」。ホンさんの家から桟橋川に沿って海に向かうと、エメラルド色の東海(トンヘ)の海の上で、波に乗るサーファーたちが初夏の香りを存分に楽しんでいた。桟橋川に沿って流れてきた戦争の痛みが東海にぶつかり、砕け落ちるようだ。再び振り返って見た38平和村は静かだった。村へと向かう道のあちこちに立てられた芸術作品が、平和を守るように黙々と立っている。

襄陽/ペク・ソア記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

コロナ対策で無為無策を続けたうえ、五輪開催に突き進む菅義偉首相は自民党本部の中庭でマイクを握っただけで、小池百合子都知事も入院のため、ともに街頭に立てませんでした。

2021-06-26 | 日本共産党決定文書、ホームページ

2021年6月26日(土)

共産党躍進で、安心・希望の東京を

「五輪より命」の1票は党候補に

都議選告示 志位委員長が第一声

 新型コロナ対策と、東京五輪・パラリンピックの開催が大争点になるもとで、都民・国民の命とくらしがかかった東京都議選(定数127)が25日、告示(7月4日投票)されました。日本共産党は都議候補を先頭に党幹部、国会議員、支部・後援会が必勝にむけて全力で奮闘。志位和夫委員長は新宿区と日野市で、「日本共産党の躍進で、都民みんなが安心して希望をもってくらせる新しい東京をつくろう」「『五輪より命』の1票は共産党に」と力を込めて訴えました。一方、コロナ対策で無為無策を続けたうえ、五輪開催に突き進む菅義偉首相は自民党本部の中庭でマイクを握っただけで、小池百合子都知事も入院のため、ともに街頭に立てませんでした。


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(写真)志位和夫委員長が訴える第一声を聞く人たち=25日、東京・新宿駅西口

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(写真)大山とも子都議候補(左)とともに第一声で訴える志位和夫委員長(中央)と応援に駆け付けた宇都宮健児氏=25日、東京・新宿駅西口

 志位氏は、日本共産党が2013年の都議選で17議席、17年に19議席と連続躍進し、都議会野党第1党になった力で、この7年間に認可保育所を1・7倍にするなど、都民と力をあわせて都政を前に進めてきたと強調。新宿区(定数4)の大山とも子候補は野党第1党の団長として獅子奮迅の働きをしてきたと紹介し、「だからこそ激しい『大山落とし』の攻撃があり、当落線上の大接戦になっている」として、「都民にとっての『宝の議席』を守り抜いてほしい」と力を込めました。

 「深刻なコロナ危機が続くもとでの選挙になった」と語った志位氏は、東京では緊急事態宣言、まん延防止等重点措置は、今年6カ月中5カ月にあたると指摘。「やるべきことを怠ってきた政治の責任であり、菅政権と小池都政による人災だ」と批判しました。

 政府と都に対して、「コロナ封じ込め」を戦略目標にすえ、(1)ワクチンの迅速接種と大規模検査をセットで行う(2)十分な補償と生活支援を行う(3)医療を削る政治をあらため、病床削減法、高齢者医療費2倍化法の実施を止め、医療に手厚い日本にする―の3点で、政治の責任を果たすべきだと訴えました。

 東京五輪・パラリンピック開催の是非が大争点になっています。志位氏は、「問われているのは『五輪と命とどちらを大切にするか』だ」と強調。菅政権・小池都政は「命より五輪」―「五輪優先、命は二の次」だと厳しく批判し、「五輪より命を大切にする政治を」――この願いをこぞって日本共産党にと訴えました。

 そのうえで志位氏は、都民・国民の命を守る最良の方法は五輪中止だと強調。政府分科会の尾身茂会長が、五輪を開催すれば、開催による感染リスクをゼロにできないと認めていることに触れて、「政治の根本姿勢が問われています。『五輪開催で新たに亡くなる方が増えても仕方ない』という立場に決して立ってはなりません。そういう五輪ならば開催する意義はない」と訴えました。五輪は人間が行うイベントであり、政治が決断すれば中止できると述べ、「共産党を躍進させれば五輪を止める道が開かれる。五輪を中止し、命を守れ―この1票を日本共産党に託してください」と気迫を込めて呼びかけると、大きな拍手に包まれました。

 さらに、志位氏は、東京都政をどう変えるか、共産党が掲げる「四つのチェンジ」で安心と希望の新しい都政を実現しようと詳しく訴えました。

 第一は、医療・介護・障害福祉・保育など「ケア」に手厚い東京をつくることです。志位氏は、小池都政が都立病院・公社病院の独立行政法人化を狙っていることを批判し、都立病院は直営のまま拡充し、減らされた保健所を復活しようと訴えました。

 第二は、「稼ぐ東京」の名での大企業のもうけ応援第一の都政から、福祉と暮らし第一の都政に転換することです。志位氏は、羽田新飛行ルート、東京外環道、カジノ誘致計画と「稼ぐ東京・3点セット」を推進する自民、公明、都民ファーストに都政を任せるわけにはいかないと強調。自治体の仕事は「住民福祉の増進」につきるとして、高すぎる国保料の引き下げ、義務教育の学校給食の無料化、補聴器購入への補助などの実現を呼びかけました。

 第三は、ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする都政にすることです。志位氏は、女性が72%を占める共産党都議団が「痴漢ゼロの東京」の呼びかけや、都立高校の理不尽な校則の是正など、新しいとりくみで豊かな実績をあげていることを紹介。同性のカップルを家族として認める「パートナーシップ制度」の実現を訴えました。

 第四は、米軍のオスプレイ配備、無法な低空飛行をやめさせ、平和な都政にすることです。「しんぶん赤旗」が入手した米軍資料で、米軍ヘリが都庁を目印に飛行していることが明らかになったと指摘。抗議一つしない菅首相と小池知事に対し、「これで独立国といえるか」と批判し、「平和な東京を願う1票は、党をつくって99年、一筋に反戦平和を貫いてきた日本共産党に」と訴えました。

 最後に志位氏は、都議選の結果は国政にも大きな影響を与えると強調。「菅政権の強権政治、腐敗と堕落は底なしです。日本共産党の躍進で、まずは都議選でサヨナラの審判をくだしましょう。そして総選挙では、市民と野党の共闘を成功させ、日本共産党を躍進させて、政権交代を実現し、新しい政権―野党連合政権をつくりましょう」と訴えると、大きな拍手が湧き起こりました。

大山候補訴え

 大山とも子候補は「この都議選で、命が大事の意思、東京五輪中止の意思を示そう」と訴え、「みなさんの大きな支持、支援で今度も都議会に押し上げてほしい」と力を込めました。

 応援に駆け付けた宇都宮健児弁護士は、「日本共産党の躍進が五輪中止の大きな力になる。都議会野党第1党の日本共産党を大きく前進させ、五輪を中止に追い込もう」と強調しました。


彼は裁判の過程で「正義と愛を教えるキリスト教信仰と性的マイノリティを尊重する『クィア・フェミニスト』としての価値観により、軍隊の体制を容認できないと感じた」と主張した。

2021-06-25 | 良心的兵役拒否

特定の宗教でなく「個人の信念」による兵役拒否者、

初めて無罪確定=韓国

登録:2021-06-24 20:49 修正:2021-06-24 22:41
 
 
「エホバの証人」の信徒ではなく、信念による兵役拒否で初の無罪確定判決を受けたシウさん//ハンギョレ新聞社

 「エホバの証人」の信者でなはなく、個人的信念により現役入隊を拒否した兵役拒否者が初めて無罪の確定判決を受けた。

 最高裁(大法院)1部(主審 キム・ソンス最高裁判事)は24日、兵役法違反の容疑で起訴されたシウさん(活動名・34)に無罪を言い渡した原審判決を確定した。裁判所は「信念と信仰が内面深く宿り明確な実体を成しており、真の良心に従った兵役拒否だと思われる」と判断した。

 シウさんは、2017年11月に現役兵入隊を拒否し、裁判に付された。性的マイノリティである彼は、高校生の頃から男性性を強要する暴力的集団文化に拒否感を感じてきたという。大学入学後、社会活動に積極的に参加するキリスト教団体を通じて「龍山惨事」(ソウル市龍山区の再開発地域で立ち退き反対住民と警察が衝突し、火災発生により計6人が死亡した事件)問題解決集会、済州島の江汀(カンジョン)村での海軍基地建設反対運動、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜集会などに参加し、非暴力・平和主義の良心を形成した。彼は裁判の過程で「正義と愛を教えるキリスト教信仰と性的マイノリティを尊重する『クィア・フェミニスト』としての価値観により、軍隊の体制を容認できないと感じた」と主張した。

 一審は「宗教的良心ないし政治的信念により現役兵入営を拒否することは、兵役法が規定した『正当な理由』に該当しない」として、シウさんに懲役1年6カ月を宣告した。その後、2018年6月に憲法裁判所は、代替服務制度を規定していない兵役法条項は良心の自由を侵害するとして憲法不合致決定を下した。同年11月、最高裁もエホバの証人の信者の良心的兵役拒否を初めて認め、無罪趣旨で破棄差し戻しした。

 最高裁の判例変更後に開かれた二審は、「愛と平和を強調するキリスト教信仰とマイノリティを尊重するフェミニズムの延長線上で、非暴力主義と反戦主義を擁護するようになり、それによって兵役義務の履行を拒否しているとみられる」として「信仰と信念が内面深く宿り明確な実体を成しており、それを妥協的だとか戦略的だとみることはできない」として、懲役1年6カ月を言い渡した一審判決を破棄し、無罪を宣告した。

 最高裁も「原審の判断に、論理と経験の法則に反して自由心証主義の限界を逸脱したり、兵役法が定める『正当な事由』に関する法理を誤解したという誤りはない」として、検察の上告を棄却した。最高裁の無罪確定判決によりシウさんは代替役審査委員会で自動認容決定を受け、36カ月間刑務所・拘置所などの矯正施設で合宿服務する予定だ。

 イム・ジェソン弁護士は、最高裁の判決後に記者会見を行い、「エホバの証人ではない良心的兵役拒否者にもきわめて狭い門が開かれた」として「代替役審査委が作られたのに依然として裁判を受けなければならない良心的兵役拒否者の苦痛をなくし、良心的兵役拒否をもっと許容できる方向へと進むよう、今回の判決が役立つことを願う」と明らかにした。シウさんは「今回の判決を契機に、他の良心的兵役拒否者も無罪を宣告されたり、裁判を受けずに代替役審査委で審査を受けられる道が開かれることを期待する」と話した。

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

国土面積の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設面積の約70・3%が集中し続けていることにより、騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況にあります。

2021-06-24 | 沖縄に米軍基地はいりません

玉城デニー沖縄県知事の「平和宣言」

 沖縄全戦没者追悼式での玉城デニー知事の「平和宣言」は、次の通りです。


写真

(写真)平和宣言を読み上げる玉城デニー知事=23日、沖縄県糸満市

 太平洋戦争最後の熾烈(しれつ)な地上戦が行われてから、76年目の6月23日を迎えました。

 荒れ狂う戦火は、20万人余りの尊い命を奪い去り、多くの人々を傷つけ、かけがえのない文化遺産や美しい自然を破壊しました。

 私たちは、想像を絶する悲惨な沖縄戦の記憶を風化させることなく、亡くなられた方々の悲しみや苦しみに思いを寄せ、無念の声を代弁する戦争体験者の証言を後世に語り継ぎ、平和がいかに尊いものかという人類普遍の教訓を胸に刻み、恒久平和の実現を強く求めながら、復興と発展の道を懸命に歩んでまいりました。

 しかしながら、今もなおここ摩文仁(まぶに)をはじめ県土の各地には、犠牲になられた方々の御遺骨や多くの不発弾が埋もれており、戦争の傷は未(いま)だ癒えることがありません。

 県民の思いに寄り添い、国の責任において一日も早い御遺骨の収集、不発弾の処理を行っていただきたいと思います。

 また、国土面積の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設面積の約70・3%が集中し続けていることにより、騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況にあります。

 SACO合意から25年が経過し、この間、アジア太平洋地域の安全保障環境が大きく変化し、米軍は部隊の分散化を進めていると承知しております。

 このような中、沖縄県が来年本土復帰50年という大きな節目を迎えるに当たり、日米両政府は、県を含めた積極的な協議の場を作っていただき、辺野古新基地建設が唯一の解決策という考えにとらわれることなく、「新たな在沖米軍の整理・縮小のためのロードマップ」の作成と、目に見える形で沖縄の過重な基地負担の解消を図っていただくことを要望します。

 ここ沖縄は、世界自然遺産登録に向けた取り組みを進める「奇跡の森やんばる」と呼ばれる希少な動植物が多く生息・生育する地域や、個性豊かな自然あふれる離島地域など、多様性に富む自然環境を有しています。

 未来を担う子どもたち、若者たちに、自然豊かな沖縄、独自の文化が息づく沖縄、平和で真に豊かな世界に誇れる沖縄を託すことが私たちの責務であります。

 一方、世界に目を向けると、依然として地域紛争は絶えることがなく、貧困、飢餓、差別、人権侵害などの多くの問題が存在しています。

 「愛の反対は憎しみではなく無関心です」という言葉があります。世界中の人々が連帯し、多様性や価値観の違いを認め合い、対立や分断ではなく、協力して共に歩み、乗り越えていくことが、今求められています。

 まさに現在、新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされている中においては、人々の命と生活を支えるため世界が協力していかなければなりません。

 グローバル化した現代において、平和な社会を創造するためには、近隣諸国との相互理解が欠かせません。私たちは、時間や場所を越え平和への思い、安らかな暮らしへの思いを紡ぎ共に分かち合うことが可能です。困難な状況の今こそ英知を結集し、誰一人取り残すことのない社会の実現に向けて共に歩んでいくことが重要ではないでしょうか。

 かつて沖縄の人々は、長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育むとともに、近隣諸国との交易を通じて友好関係を結び、独自の文化と平和な社会を築いてきました。

 私たちは、世界の国々をつなぐ架け橋として活躍した先人の「万国津梁(しんりょう)」の精神を受け継ぎ、沖縄の歴史と風土の中で培われた平和を何よりも大切にする「沖縄のこころ・チムグクル」を世界に発信していかなければなりません。

 そして、戦争を体験した全ての方々の思いに応え、二度と悲劇を繰り返さないため、戦争体験や教訓を次の世代に正しく伝えていくことは、私たちの大切な使命です。

 県民の思いを込め世界の恒久平和の創造に貢献することを目指す沖縄平和賞、平和につながる身近な社会貢献活動に光を当てた「ちゅらうちなー草の根平和貢献賞」などにより、平和のバトンは、様々な活動をとおして人々の手から手へ託されながら未来につながっていきます。

 また、沖縄と同様、悲惨な戦争体験などを持つアジア諸国の若者と沖縄の若者が共に学ぶことで、国籍や文化の違いを超えてつながり、培った平和への思いを共有し、遠く離れていても、「平和への架け橋」となるネットワークを築いております。

 私たちは、沖縄から世界へ平和の輪がつながっていくことを目指し、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立のため不断の努力を続けてまいります。

 ※沖縄の方言及び英語で

 「地球上からあらゆる戦(いくさ)をなくすこと。一人ひとりが平和を願う心をつないでいくこと。食料を分かち合い、希望と信頼を育み、笑顔に囲まれて一生を遂げられること。そのための努力を私たちから未来の子どもたちへつなごう」

 本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全てのみ霊(たま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げるとともに、沖縄戦の実相と教訓を次世代に伝え続け、人類社会の平和と安寧を願い、国際平和の実現に貢献できる「安全・安心で幸福が実感できる島」を目指し、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。

 令和3年6月23日

 沖縄県知事 玉城デニー


韓米首脳会談でバイデン大統領が「南北の対話と関与、協力に対する支持」を明らかにしたことを進展させたもので、北朝鮮に向け対話への復帰を説得する“シグナル”だと分析できる。

2021-06-24 | 「北朝鮮問題」の解決のために

[社説]

「韓米作業部会」終了、南北・朝米の好循環の枠組みを作るべき

登録:2021-06-23 05:38 修正:2021-06-23 06:33
 
 
21日、外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長(右側)と米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表が、北朝鮮核問題首席代表協議に先立ち取材陣の前に立っている/聯合ニュース

 対北朝鮮政策を調整する目的で発足したのにもかかわらず南北関係の改善の“障害物”に変質したという批判を受け入れ、「韓米作業部会(ワーキンググループ)」が廃止される。外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と米国のソン・キム北朝鮮政策特別代表が21日、「北朝鮮核問題首席代表協議」で韓米作業部会を終了する方向で検討することに合意したのだ。

 韓米作業部会は2018年11月、朝鮮半島の完全な非核化、恒久的平和、対北朝鮮制裁の履行などについて、両国のコミュニケーションと協力を強化するために作られた。対北朝鮮制裁問題を米国の多くの関連省庁と個々に論議する必要なしに、一つの協議体で円滑に扱うという名目だったが、実際には、米国が国連制裁を名目に南北関係を困難に陥らせる副作用が生じた。金剛山(クムガンサン)で開かれた南北のイベントに同行した取材陣のノートパソコンの搬出を拒み、インフルエンザ治療薬のタミフルの北朝鮮への支援事業を取り消させ、開城(ケソン)工業団地の企業家らによる資産点検のための訪朝を妨げたなどが代表的な事例だ。米国が過剰な規則を突きつけ南北関係を統制しているという批判が、韓国国内で広がっただけでなく、北朝鮮の激しい反発も呼んだ。朝鮮労働党のキム・ヨジョン中央委員会副部長は「親米事大の罠」だと非難したりした。

 そのような点から、韓米が作業部会を廃止し新たな対話の枠組みを作ることにしたのは、望ましい決定だ。先月の韓米首脳会談でバイデン大統領が「南北の対話と関与、協力に対する支持」を明らかにしたことを進展させたもので、北朝鮮に向け対話への復帰を説得する“シグナル”だと分析できる。

 現在、北朝鮮と米国は、対話再開をめぐり熾烈な神経戦を繰り広げている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が17日、「対話にも対決にも共に備えなければならない」と主張すると、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「興味深いシグナル」だと述べた。しかし、キム・ヨジョン副部長は22日「夢より夢占い(現実を勝手に解釈するという意味のことわざ)」だとし、「自分の誤解で持った期待は、自分たちをさらに大きな失望に陥れることなるだろう」という談話を出した。朝米が互いに相手に「先に動け」と網引きをしている状態だ。

 このような重要な局面では、韓米が、南北関係と朝米関係が好循環できる新たな枠組みを用意し、北朝鮮を対話に導ける様々なアイデアを出し協力することが必要だ。イ・イニョン統一部長官がこの日、ソン・キム特別代表に会い、離散家族の再会とそのための金剛山訪問を韓米が共同で推進しようと提案したことも、前向きに検討できるはずだ。韓米が非核化と平和に向け、北朝鮮との対話を再開するために独創的な調整をしなければならない時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

李大使はこれを土台に(1)「伝統を継承、親善を強固に」(2)「交流を促進、協調の深化」(3)「平和の守護、未来の共同開拓」の3項目を強調した。

2021-06-23 | 朝中協力

北朝鮮駐在中国大使、

北メディアに異例の寄稿「未来を共同で開拓する」

登録:2021-06-22 09:11 修正:2021-06-22 12:15

 

李進軍中国大使、習近平主席の訪朝2周年を機に 
「労働新聞」への寄稿で3項目を強調 
(1)「伝統を継承、親善を強固に」 
(2)「交流を促進、協調の深化」 
(3)「平和の守護、未来の共同開拓」
 
2019年6月20日に平壌で開かれた朝中首脳会談に先立ち、金正恩国務委員長と習近平中国国家主席が握手を交わしている/朝鮮中央通信・ 聯合ニュース

 北朝鮮駐在の李進軍中国大使が、習近平中国国家主席の訪朝2周年を機として北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」に寄稿し「中朝親善を発展させようとする中国側の初心と航路は変わらない」とし「平和を守護し、未来を共同で開拓していく」と述べた。

 李進軍大使は「労働新聞」の4面に掲載された「変わらぬ初心と確固たる抱負を抱き、中朝関係の美しい未来を共同で切り開いていこう」と題する寄稿でこのように強調した。

 習近平主席が2年前の訪朝前日の2019年6月19日、「労働新聞」の1面に「中朝親善を継承し、時代の新しい章を刻み続けよう」と題して寄稿するなど、中国の最高指導者や高官が訪朝を機に「労働新聞」などに寄稿した前例はいくつかあるが、駐朝中国大使の公開寄稿は前例がない。

 李大使は「習近平(中国共産党)総書記と金正恩(朝鮮労働党)総書記は、新時代の中朝関係の発展のための方向と課業を提示した」とし「最高指導者たちが成し遂げた重要な共同認識を実践し、具現化していく」と述べた。

 李大使はこれを土台に(1)「伝統を継承、親善を強固に」(2)「交流を促進、協調の深化」(3)「平和の守護、未来の共同開拓」の3項目を強調した。

 李大使は特に「習近平総書記は国際情勢がどのように変わろうとも、伝統的な中朝親善を立派に継承し、立派に発展させなければならないと強調した」とし「我々は朝鮮及び該当する各方面との意思疎通と調整を強化し、地域の長期的な安定を実現するための問題を共に討議し、地域の平和と安定、発展、繁栄に積極的な貢献をする」と明らかにした。李大使は「朝鮮人民」を「素晴らしい同志、素晴らしい隣人、素晴らしいパートナー」と規定した。

 すでに、中国政府は李大使の後任に王亜軍氏を任命しているが、北朝鮮当局の朝中国境閉鎖で人的交流が途絶え、王亜軍氏はまだ平壌に赴任できずにいると伝えられている。李大使は寄稿で「大使として事業を行った6年余りの間、中朝親善の歴史的過程を直接体験したことを光栄に思う」とし、「別れの挨拶」の印象を漂わせた。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

今回の協議は、米バイデン政権が対北朝鮮政策見直しを完了し、「調整された実践的なアプローチ」による対北朝鮮外交を推進すると表明したことを受けたもの。

2021-06-22 | 核兵器禁止条約を世界の規範に!

「朝鮮半島非核化」が目標

日米韓 北朝鮮政策を協議

条件なしでの対話 提案

 日本、米国、韓国の北朝鮮担当高官が21日、ソウルで政策協議を行いました。韓国外務省の発表によると、3カ国は北朝鮮との対話を早期に再開し、「朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和定着」を目指すことを確認。米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表は「いつでも、どこでも、条件なしに会えるというわれわれの提案に対し、北朝鮮が肯定的に応じることを望む」と述べました。(面川誠)


 今回の協議は、米バイデン政権が対北朝鮮政策見直しを完了し、「調整された実践的なアプローチ」による対北朝鮮外交を推進すると表明したことを受けたもの。日本から船越健裕アジア大洋州局長、韓国から魯圭悳(ノ・ギュドク)朝鮮半島平和交渉本部長が出席しました。

 韓国メディアによると、米国は既に新たな対北朝鮮政策の概要を実務レベルで北朝鮮側に伝えましたが、北朝鮮側からは「しっかり受け取った」という回答があっただけで、対話再開には言及していないといいます。

 北朝鮮は今後の対米関係に関して、17日の朝鮮労働党中央委員会総会で金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「対話にも対決にも準備しなければならない」と述べたことについて、キム特別代表は「われわれもその両方の準備ができている」とした上で、「金総書記が対話に言及したので、近く前向きな反応があることを期待している」と述べました。

 魯本部長は「韓国政府は速やかな対話再開のために必要な役割を果たしていく。南北関係と米朝関係が互いに利益を得る好循環構造の復元を願う」と強調。キム特別代表は「南北間の意味ある対話と協力、関与を支持する」と述べました。

 船越局長は「3カ国の協力は地域の安全と安定に極めて重要だ」と指摘。キム特別代表も「米韓2国間だけでなく、日本との3カ国でも緊密な接触を維持し、緊密に意思疎通を続けるよう期待する」と強調しました。


保守陣営の内部では、ユン前総長を検証すべきとの声もあがっている。

2021-06-22 | 韓国:ハンギョレ新聞

野党の有力大統領選候補のユン前検察総長、相次ぐ悪材料で早くも危機

登録:2021-06-21 06:05 修正:2021-06-21 06:56
 
 
ユン・ソクヨル前検察総長が今月9日午後、ソウル南山芸場公園の開場式典でマスクを着け直している/聯合ニュース

 野党の有力大統領選候補であるユン・ソクヨル前検察総長が、大統領選挙のリングに上がる前から悪材料が相次ぎ、早くも危機を迎えている。メッセージをめぐる混乱で「非対面伝言政治」の限界が露呈し、スポークスパーソンが突然辞任した上、保守陣営内部で「検証」が必要という声も上がっている。

 ユン・ソクヨル前検察総長が初めて正式に選任したイ・ドンフン報道担当は20日午前、記者団に対し「一身上の理由で辞任する」と発表した。「朝鮮日報」の論説委員である彼が今月10日、「ユン・ソクヨルの報道担当」に内定してから10日で辞任したのだ。ユン前総長側のイ・サンロク報道担当は「イ・ドンフン報道担当は19日に健康などの理由で職務遂行が困難との意を示した」と伝えた。

 しかし、ユン前総長の「国民の力」への入党などをめぐる両者の認識の相違による内紛とみる人も少なくない。ユン前総長側の関係者は20日、「イ氏の発言がユン前総長の普段の考えとあまりにも違っていた。イ氏がユン前総長をきちんと理解できない状態で自分の考えを述べた」と伝えた。イ・ドンフン報道担当が今月18日、「韓国放送」(KBS)のラジオ番組でのインタビューで、ユン前総長の国民の力の入党を当然の事実として話したことに不満を感じたユン前総長が「中央日報」などのインタビューに応じ、「今、国民の力への入党を取り上げるのは、国民に対する道理や礼儀ではない」と線を引く形で直接火消しに乗り出し、イ氏を更迭したという。

 今回の辞任劇で、大衆と直接コミュニケーションを取ろうとせず、一方的にメッセージを発信してきた「ユン・ソクヨル流非対面伝言政治」の限界が露呈した。「自分の発言をそのまま伝えろ」というユン前総長の要求と政務参謀としての役割も果たすというイ・ドンフン報道担当の判断が衝突し、大統領選挙陣営が公式発足する前に報道担当の辞任につながったのだ。慶尚道に選挙区がある野党議員は本紙との電話インタビューで「ユン前総長は伝言を流し、反応を伺うばかりではなく、新しいリーダーシップを示すべき」だとし、「チェ・ジェヒョン監査院長など他の候補も浮上している状況で、自らの“口”で存在感を証明できなければ、一気に崩れる可能性もある」と指摘した。

 保守陣営の内部では、ユン前総長を検証すべきとの声もあがっている。保守陣営の政治評論家のチャン・ソンチョル「共感と論争 政策センター」所長は19日、フェイスブックに「先日ユン・ソクヨル前検察総長と妻、義母の疑惑がまとめられた一部の文書化されたファイルを入手した。ユン前総長に多くの期待が寄せられているが、苦心の末『こうした疑惑が持ち上がる方が国民に選ばれるのは難しいだろう』という結論を下した」とし、「ユン前総長が高い支持率に浮かれている現在の準備と対応の水準からして、防御は難しいと思われる」という書き込みを残した。チャン所長が入手したというファイルは、ユン前総長と関連した各種の疑惑がまとめられた文書だという。

 いわゆる「ユン・ソクヨルXファイル」は、共に民主党のソン・ヨンギル代表が初めて言及したが、具体的な内容が公開されたことはない。そのような状況で、保守論客が「ユン前総長は検証の壁を越えるのは難しい」との見解を示したのは致命的だ。キム・ムソン議員室の補佐官を務め、国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長時代にビジョン戦略室で働いたチャン所長の発言は、野党に大きな衝撃を与えた。直ちに国民の力からは「味方陣営から手りゅう弾が爆発した」という反応が出た。国民の力のキム・ジェウォン最高委員は同日、フェイスブックに「(Xファイルを)単に『見た』のではなく、『防御は難しい』、『ユン・ソクヨルは終わった』という意味で、『ユン・ソクヨルでは(大統領選挙での勝利は)難しい』と主張するのが、チャン所長の意図」だとしたうえで、「Xファイルをどのような経路で入手したのか明らかにすべきだ」と批判した。同党のチャン・ジェウォン議員はフェイスブックに「ユン前総長を引きずり下ろすための陰湿な政治工作のにおいが漂い始めた。野党の一部関係者が民主党と内通し、スパイの役割をしているのではないかと疑問に思う」とし、チャン所長を非難した。同日、ソウル江南(カンナム)駅で開かれた青年たちとの自由討論を終えたイ・ジュンソク代表も記者団に、「文在寅(ムン・ジェイン)政権がユン前総長を弾圧するためにあれほど力を入れたのに、もしXファイル文書にあるような過ちがあるなら、昨年に(文在寅政権が)ユン前総長を圧迫しただろう」とし、「真実ではない内容や大きな意味のない内容である可能性が高いと判断している」と述べた。

 チャン所長は、波紋が広がったことを受け、この書き込みをひとまず削除した。しかしチャン所長は本紙との電話インタビューで、「政権交代を必ず成し遂げなければならないのに、現在のような前歴で、ユン前総長がネガティブ(キャンペーン)を防御できるか、心配になって掲載した」とし、「内容はユン前総長本人以外には絶対に明らかにしない考えだ。連絡があればユン前総長に伝える予定」だと述べた。

 これに対しユン前総長側のイ・サンロク報道担当は同日夜、「聯合ニュース」との電話インタビューで「Xファイルの実体があるかどうかも分からない状況で、今回の件には対応しないことにした」とし、「大統領選挙への挑戦を宣言する時期は当初計画していた6月末~7月初めで調整中」だと述べた。

 野党内部では「検証の時間」が本格化しただけに、ユン前総長が「非対面政治」の失敗を認め、前面に出て直接難関を乗り越えなければならないという声もあがっている。3期目を務めている国民の力のある議員は、本紙の電話取材に「大統領選挙出馬のために当然受けなければならない検証がついに始まった」とし、「側近の口だけに依存する政治は失敗だったことを認め、本人が直接正面突破しなければならない」と指摘した。また別の議員も「今、周辺にいる人たちでは防御が難しいという点がある程度明らかになった」とし、「打撃を最小限に抑えるには、一日も早く党に入り、党レベルの組織的な対応をしなければならない」と述べた。

チャン・ナレ、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

長江源流域は現代の南アジア季節風の北の縁に位置し、偏西風と季節風の影響を同時に受ける移行地帯、内流区・外流区の境界地帯になっている。

2021-06-21 | 中国を知ろう

長江源流域、

1万3000年近くの気候変動の記録が再構築

人民網日本語版 2021年06月11日09:57
 

中国科学院青蔵高原(チベット高原)研究所が8日に明らかにしたところによると、同研究所の研究者はチベット高原中部唐古拉山区赤布張錯湖の湖底堆積物コアの複数の指標・データに基づき、長江源流域の過去1万3000年近くにわたる古代気候変動の記録を再構築した。研究によると、同源流域は気温が低く乾燥していたが、その後暖かくなり湿度が上がり、そこからさらに涼しくなり乾燥するようになった。現在は暖かく湿度が上がる流れを示している。関連研究成果は国際的な地質学誌「古地理学、古気候学、古生態学」に掲載された。科技日報が伝えた。

チベット高原を主体とする第3極は現在、世界で温暖化が最も激しい地域であり、今後世界的な気候変動の影響に最も敏感になる地域の一つでもある。偏西風と南アジアの季節風は、チベット高原の気候と環境変化を左右する決定的な要素だ。長江源流域は現代の南アジア季節風の北の縁に位置し、偏西風と季節風の影響を同時に受ける移行地帯、内流区・外流区の境界地帯になっている。同研究所の朱立平研究員は、「同源流域にはこれまで、1万年以上にわたる連続的な環境変化の記録がなかった」と述べた。

そこで研究者は同地域の赤布張錯湖の湖底コアの粒度や元素など複数の指標を分析し、南アジアの季節風と中緯度の偏西風の間の移行地帯における最終氷期以降の古代気候変動の特徴及び環流の効果を評価した。その結果によると、長江源流域の最終氷期後期以降の気候変動は次の4段階に分かれる。(1)1万2700年前から1万600年前の最終氷期は相対的に寒かった。(2)1万600年前から6600年前の完新世早期は比較的暖かく湿度が高かった。(3)6600年前から1900年前の完新世中期・後期はやや涼しく乾燥していた。(4)過去2000年は暖かく湿度が上がる流れで、特に過去500年が最も顕著だ。

朱氏は「長江源流域の過去1万年以上にわたる有効湿度は、全体的に南アジアの季節風エリアの変化モデルに従っていた。つまり完新世早期は有効湿度が最も高く、中期に徐々に低下し、後期に乾燥していた。同地域の現在の気候・水文学的条件は暖かくやや湿った状態にあり、完新世早期の後期に近い可能性がある。この研究は長江源流域の水資源変化の今後の流れを評価するのに役立ち、三江源流域の生態環境の評価及び関連研究に科学的な参考を提供している」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年6月11日


韓国は戦略的必要性からG7サミットに毎年招かれる可能性が高い」と予想した。

2021-06-20 | 文在寅大統領情報

文大統領、G7サミットなど6泊8日の強行軍…

「大変だったが、成果は多い」

登録:2021-06-19 07:12 修正:2021-06-19 11:26
 
欧州歴訪を終えて18日帰国 
 
英首相とワクチン研究開発協力の拡大を協議 
スペインとは戦略的パートナー関係に格上げ 
韓日首脳会談の取り消しで、関係に進展みられず 
「経済的地位の上昇と共に責任も大きく」
 
 
タク・ヒョンミン大統領府儀典秘書官が今月18日、自分のフェイスブックに掲載した写真。出発直後に空軍1号機内で開かれた会議で、チョン・ウィヨン外交部長官(右)が、文在寅大統領(中央)に歴訪関連報告を行っている=タク秘書官のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「コンサート」が終わった。今回の6泊8日の欧州歴訪に付けた大統領府のコードネームは「コンサート」だった。文大統領は6泊8日の欧州歴訪スケジュールを終えて、18日午前に帰国した。

 文大統領はスペインのバルセロナから帰国専用機に乗り込み、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「とうとう終わった。体力的にきつい日程だったが、それだけに成果が多かった」と感想を述べた。文大統領は「主要7カ国首脳会議(G7サミット)で韓国の存在感を確認し、ウィーンでは文化と芸術の誇りを、スペインでは新しい時代を切り開く意志と情熱を感じた」とし、「製薬会社とワクチン協力に関する協議もあった」と今回の歴訪を振り返った。文大統領は11~13日、英国コーンウォールで開かれたG7サミットに招待国として出席したのに続き、オーストリアやスペインをそれぞれ国賓訪問した。公開日程だけでも29にのぼる強行軍だった。

 
 
G7首脳会議の途中、フランスのマクロン大統領と文在寅大統領がラウンジで略式会談をしている際、議長国である英国のジョンソン首相が次のセッションに早く入るよう催促する場面だという=タク・ヒョンミン秘書官のフェイスブックの動画より//ハンギョレ新聞社

 今回のG7サミットの最大の成果として「ワクチン外交」が挙げられる。文大統領は英国やフランス、オーストラリア、欧州連合(EU)首脳と二者会談を行い、新型コロナワクチンと先端技術サプライチェーンなど国際的懸案について話し合った。英国のジョンソン首相とはワクチンの研究開発で協力を拡大することにし、メルケル首相からはワクチンの開発・生産協力と関連し「ドイツのmRNA技術保有ワクチン会社と協議する」という約束を取り付けた。アストラゼネカ社のパスカル・ソリオ最高経営者(CEO)やドイツバイオ企業のキュアバックの経営陣など製薬会社の代表らとも接触し、今年下半期のワクチン供給と次世代ワクチンの確保にも努めた。

 首脳会議「保健セッション」で「ワクチンへの公平なアクセス権の保障」を強調した文大統領は、発展途上国に新型コロナワクチンを支援するために今年1億ドル、来年1億ドル、計2億ドル分の現金や現物を提供する計画を明らかにした。北朝鮮の同意を前提に新型コロナワクチンを支援する考えも示した。

 ただし、G7サミット期間中に事前に合意されていた韓日首脳間の会談が実現しなかったことは残念な点だ。文大統領もG7サミット終了、SNSに「菅首相との初対面は韓日関係で新たなスタートを切る大切な時間だったが、会談が実現せず、残念に思う」という書き込みを残した。

 
 
欧州歴訪を終えた文在寅大統領と夫人の金正淑女史が今月18日、ソウル空港に到着して、手を振っている/聯合ニュース

 文大統領は、朝鮮半島平和プロセスに対する支持も訴えた。特に国交がカトリックであるオーストリアとスペイン訪問の際、枢機卿との面会などの日程で、教皇フランシスコの訪朝への関心を喚起させた。オーストリアのハイリゲンクロイツ修道院を訪問し「まだ法王の訪朝が実現していないが、その日が近いうちに訪れることを期待している」と述べ、バルセロナ聖家族聖堂ではホセ・オメヤ枢機卿から「朝鮮半島の平和のために祈る」という発言を引き出した。

 キム・ジュンヒョン国立外交院長は「これまで韓国首脳は国際外交の舞台で、南北関係のような“韓国の話”をするだけだった」とし、「今は経済的地位が上昇し、新型コロナや気候危機、米中葛藤といったグローバル懸案に対する立場表明や責任を求められている」と指摘した。キム院長は「トランプ大統領の米国一方主義とパンデミック拡散のために壊れた国際ガバナンスが、いま新しく作られている状況だ。韓国は戦略的必要性からG7サミットに毎年招かれる可能性が高い」と予想した。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

米国務省は報道資料で、キム代表がソウルで外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長との3者会議に臨むと発表した。

2021-06-19 | 「北朝鮮問題」の解決のために
 

ソン・キム北朝鮮政策特別代表、19日訪韓…

韓米日の北朝鮮核問題首席代表協議

登録:2021-06-19 03:32 修正:2021-06-19 06:32
 
米国の対北朝鮮政策の検討結果についての協議も
 
 
米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表が5月21日午後(現地時間)、ホワイトハウスの韓米首脳共同記者会見の会場でSKのチェ・テウォン会長と言葉を交わしている/聯合ニュース

 米国務省は17日、ソン・キム北朝鮮政策特別代表が今月19~23日に韓国を訪問することを明らかにした。

 米国務省は報道資料で、キム代表がソウルで外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長との3者会議に臨むと発表した。3カ国の北朝鮮核問題の首席代表による協議だ。国務省によると、キム代表はまた、韓国のその他の高官や学界・市民団体の関係者と会い、米国の対北朝鮮政策の検討結果について話し合う。国務省北朝鮮政策特別副代表のジョン・パク東アジア太平洋担当副次官補とホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のメンバーがキム代表の訪韓に同行する。

 国務省は「キム代表のソウル訪問は、朝鮮半島の完全な非核化に向けた努力、我々の共同の安保・繁栄の保護、共通の価値の維持、規則基盤の秩序強化のための韓米日3カ国協力の根本的重要性を強調する」と説明した。

 今回はキム代表の就任後初の訪韓で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が韓国時間17日の党全員会議で「対話と対決のいずれに対しても準備ができていなければならない」と述べた後に行われるもの。

 米国は4月末、「朝鮮半島の完全な非核化を目標とする、調整された実用的な外交的アプローチ」という対北朝鮮政策の骨子を公開した。続いて韓米は先月21日の首脳会談後の共同声明で、2018年の板門店宣言やシンガポール共同声明などの既存の約束にもとづいて朝鮮半島の非核化を実現することを発表し、米国のジョー・バイデン大統領は南北の対話、関与、協力に対する支持を表明している。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

ボリス(ジョンソン英首相)が議題内容を確認して、『防疫ナンバーワンはこの人の国』といったら、バイデン(大統領)が同時に(文大統領を)さしたシーンだったのね」という書き込みを残した。

2021-06-18 | 文在寅大統領情報

G7首脳ら、文大統領指さし「防疫ナンバーワンはこの人の国」

登録:2021-06-18 06:47 修正:2021-06-18 07:10
 
バイデン大統領、ジョンソン首相などが文大統領を指さし 
「韓国は世界最高の防疫模範国」 
日本のツイッターで話題に
 
 
        日本のネットユーザーがツイッターに掲載した写真//ハンギョレ新聞社

 英国コーンウォールで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と菅義偉首相の会合は実現しなかったが、日本のネットユーザーがソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿した一枚の写真が韓国でも話題を呼んでいる。招待国として出席した文大統領が、拡大会議場で米国のジョー・バイデン大統領や英国のボリス・ジョンソン首相らと会話を交わしている場面だ。会議が終わって4日が過ぎたが、なぜこの写真が両国で話題になっているだろうか。

 ユーザー名「くまくまさん」は16日、ツイッターにこの写真と共に「これどういうシチュエーションかなとおもったら、ボリス(ジョンソン英首相)が議題内容を確認して、『防疫ナンバーワンはこの人の国』といったら、バイデン(大統領)が同時に(文大統領を)さしたシーンだったのね」という書き込みを残した。さらに「なんか高校生がこの人でーす(と言っている)みたいなノリで見てて面白い(笑)」という感想を付け加えた。くまくまさんは、自分を日本で15年間暮らしている外国人だと紹介した。同ツイートのリツイート回数は17日夜7時30分現在、1000回に迫っている。

 同ツイートには「菅首相はどこ?」、「韓国という国そのものの信頼度が『絵』で見えるシーンですね」などのコメントが寄せられた。この場面が撮られた拡大会議は新型コロナウイルスへの対応を取り上げる「保健」セッションだった。7月の東京五輪開幕を控え、菅首相は新型コロナの防疫に総力を傾けたが、他のG7に比べ、ワクチン接種率においては後れを取っている。

 
 
新型コロナワクチン接種率の推移(11日基準)。日本がほかのG7に比べ、ワクチン接種率が低いことが確認できる//ハンギョレ新聞社

 一方、文大統領にとって「保健」セッションは負担のない席だったようだ。この写真が撮られた当時の状況をパク・スヒョン大統領府国民疎通秘書官に確認したところ、拡大首脳会議保健セッションで、文在寅大統領ら各国首脳たちが話を交わす場面だと説明した。パク首席は「議長国である英国ジョンソン首相が真ん中に座り、右側に文在寅大統領が座って左側にはバイデン大統領が座っている。ある意味ヘッドテーブルで、そこに座っている」とし、「とても面白い会話があった」と伝えた。

 パク首席秘書官が公開した対話内容は、まずバイデン大統領が「韓米会談も最高だったが、文大統領がいらしたので、これでG7もうまくいくだろう」と述べたという。すると、ジョンソン首相が「ええ、そうですね、韓国は世界最高の防疫模範国です。防疫ナンバーワンです」と相槌を打った。パク首席は「このような会話の中で、ジョンソン首相が文大統領を指さす場面が生まれた」と説明した。同時、隣に立っていたグテーレス国連事務総長はやはり「韓国は素晴らしい」と述べ、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も「皆さん同じ考えですね」と同意したという。

 パク首席は14日、こうした内容を公開した。パク首席は「文化放送」(MBC)の「ニュース外伝」に出演し、12~14日にかけて開かれたG7サミットの結果を説明する際、「面白い対話(録)がちょうど届いた」として、同場面を紹介した。文大統領の歴訪に同行している記者団の現場取材が不可能な非公開の会議場面を捉えて公開したのだ。したがって、英国現地の取材記者団も知らなかった場面だった。

 
パク・スヒョン大統領府国民疎通首席が今月14日、テレビ番組に出演し、G7サミット拡大会議の裏話をする場面=MBCホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国の与党では、このような報道が不十分だったと点を残念がる声もあがっている。文大統領の歴訪に随行中のユン・ゴニョン共に民主党議員は、「海外に出てみると、海外メディアの注目度は非常に高い。それに比べ、韓国メディアはあまりに関心がないようで残念だ」と述べた。

イ・ワン、キム・ソヨン記 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)