韓国と北朝鮮が合意、軍事衝突は回避
TBS系(JNN) 8月25日(火)2時53分配信
一触即発の緊張状態が続くなかで行われていた韓国と北朝鮮の会談は、午前1時前に合意し、軍事衝突という事態は回避されました。
板門店(パンムンジョム)で、連日、夜を徹して行われていた南北の高官級の会談は、4日目に入った午前1時前に合意に達しました。
「(北朝鮮は)地雷爆発で南側の軍人が負傷したことに、遺憾の意を表明した」(韓国 金寛鎮国家安全保障室長)
発表された合意文書によりますと焦点だった地雷爆発事件について北朝鮮が遺憾の意を表明。前線に宣言していた「準戦時状態」を解除します。これに伴い、
韓国側は拡声器で北朝鮮の体制批判をする宣伝放送を中止するというものです。ただ、地雷を仕掛けたのが、北朝鮮かどうかはあいまいなままで、それぞれのメ
ンツを保つ玉虫色の決着といえそうです。
さらに、両国は、今後も関係改善に向けて話し合うことや、離散家族の再会問題なども前向きに協議することでも合意しました。今月4日に、軍事境界線の
韓国側で起きた地雷爆発事件をきっかけに、双方の軍が臨戦態勢をとる事態に発展した南北の危機は、ひとまず回避されました。(25日04:02)
最終更新:8月25日(火)7時31分 TBS News i
北南高位級緊急接触の共同報道文
朝鮮中央通信は24日、北南高位級緊急接触が終了し共同報道文が発表されとことについて次のように報道した。(以下、全文)
【板門店8月24日発 朝鮮中央通信】内外の耳目が集中する中で22日、板門店で開かれた北南高位級緊急接触が24日に終了した。
接触では北側から朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員で朝鮮民主主義人民共和国国防委員会副委員長であり、朝鮮人民軍総政治局長である朝鮮人民軍次帥である黄炳瑞(ファン・ビョンソ)同志と朝鮮労働党中央委員会政治局委員であり、党中央委員会書記である金養建(キム・ヤンゴン)同志が、南側から金寛鎮(キム・グァンジン)青瓦台国家安保室室長と洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官が参加した。
北と南は接触で軍事的対決と衝突を防ぎ、関係発展を図る上での原則的問題を真摯に協議し、共同報道文を発表した。共同報道文は以下のとおり。
北南高位級緊急接触が2015年8月22日から24日まで板門店で行われた。
接触には、北側から朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長と朝鮮労働党の金養建書記、南側から青瓦台(大統領府)の金寛鎮国家安保室長と洪容杓統一部長官が参加した。
双方は接触で、最近、北南間で高まった緊迫した軍事的緊張状態を解消し、北南関係を発展させるための問題を協議し、次のように合意した。
1.北と南は、北南関係を改善するための当局会談を平壌またはソウルで早期に開催し、今後、各分野の対話と協議を行うことにした。
2.北側は、最近、軍事境界線非武装地帯(DMZ)の南側地域で発生した地雷爆発で南側軍人が負傷したことについて遺憾を表明した。
3.南側は、不正常な事態が生じない限り、軍事境界線一帯で全ての拡声器放送を8月25日正午から中断する。
4.北側は同時に、準戦時状態を解除することにした。
5.北と南は、今年の秋夕(チュソク、旧暦8月15日)を契機に離散家族・親戚の再会を行い、今後続けることにし、そのための赤十字実務接触を9月初旬に開くことにした。
6.北と南は、多様な分野での民間交流を活性化することにした。(了)