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「どのような政治状況下でも、日朝の関係改善につながるような交流を続けていかなければならない」

2016-11-24 | 朝鮮新報ニュース
日本の代表団が巡礼、開城・霊通寺で法要
“途絶えることのない交流を”


【平壌発=金志永】「厳しい情勢の中でも、仏教を通じた交流を途絶えさせてはならない」―。昨年に続き、朝鮮天台宗の開祖・義天(諡号=大覚国師)ゆかりの霊通寺で朝・日の僧侶らが朝鮮半島と世界の平和を祈願した。「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」のメンバーが10月29日から11月1日まで訪朝し、現地で法要を行った。

「第2回開城霊通寺巡礼日本代表団・平和の祈り」一行(写真提供=代表団提供)
天台宗の聖地を訪れ

朝鮮半島の北南を隔てる軍事境界線上の板門店から23kmの山奥にある名刹、霊通寺。高麗時代の10世紀初に建立され、16世紀に焼失したが、北南朝鮮と海外、日本の関係者などが共同で復元事業を進め2005年に復元された。高麗の僧、義天(1055~1101)は朝鮮天台宗を創始し、霊通寺で一生を終え、この地に葬られた。朝鮮天台宗は、比叡山延暦寺を総本山とする日本の天台宗にも大きな影響を与えており、霊通寺は、日本の天台宗にとっても聖地となっている。

霊通寺が復元された翌年の2006年、日本の僧侶らは現地を訪れ、朝鮮の住職らと合同法要を行ったが、その後、朝・日仏教界の交流は途絶えてしまった。昨年11月、「第一回開城霊通寺巡礼日本代表団」が訪朝し、9年ぶりに交流が再開した。

今回、訪朝したのは20人。朝・日情勢の影響などで、昨年より参加数は減ったが、天台宗の聖地巡礼を通じた交流継続を願う人々によって代表団が構成された。代表団名誉団長は昨年に続き、臨済宗相国寺派管長・有馬頼底(らいてい)師。京都仏教会理事長で相国寺、金閣寺、銀閣寺の住職も務める日本仏教界を代表する高僧の一人だ。団長は今回、白隠宗松蔭寺の住職、宮本圓明師が務めた。

30日、代表団一行は霊通寺を訪れた。

信仰の山・五冠山の南麓に建つ壮大で美しい寺院で「世界平和祈願法要式典」、「朝鮮半島平和祈願法要式典」、「大覚国師義典・大遠忌追善供養式」が行われた。

霊通寺で執り行われた「世界平和祈願法要式典」(写真提供=代表団)

法要の後、団長の宮本圓明師は「霊通寺を訪れるのは初めてだが、本当にすばらしい。雲一つない秋晴れの空の下で、追善供養の法要を行えたことは私にとって貴重な体験だ」と感想を述べた。日本人の遺骨収集や墓参を目指すメンバーらと二度訪朝した宮本圓明師は「どのような政治状況下でも、日朝の関係改善につながるような交流を続けていかなければならない」としながら、今後も平和を願う仏教徒として、そのような機会に携わっていく意向を明かした。

名誉団長の有馬頼底師は「室町時代に義天師がまとめた高麗版の一切経が日本に送られてきた。私にとっては、それに対するお礼の気持ちが霊通寺巡礼であり、反対する人がいるからといってやめるわけにはいかない」と述べた。そして「朝鮮に来ると、制裁などは無意味だと感じる。日朝が歩み寄り、一日も早く善隣友好関係を築くべきだ」と語った。

「開城霊通寺巡礼日本代表団」を主催する「心のひろば」の主宰、崔俊さんは霊通寺復元を提唱し、その事業に深く関わった。復元後は霊通寺を平和への祈りの基地にするための活動を続けている。仏教徒はもちろん、平和を願うすべての人たちが軍事境界線を越え、板門店を通過して霊通寺に集う。日本代表団の訪朝も、その意欲的な構想の一環だ。

崔さんは「朝鮮側が、この巡礼の意義を理解し、厳しい情勢が続く中、日本代表団を温かく迎え入れてくれた」と感謝の意を示しながら、「今年も法要が無事に行われ、私たちの目標である板門店を通過しての巡礼に一歩一歩近づいているようだ」と述べた。そして「朝鮮民族最大の悲願である統一が実現するまで霊通寺で祈りたい」としながら、「来年は日本の枠を超え、世界の宗教人たちと共に巡礼を行いたい」と抱負を語った。

※一切経(釈迦の教説と関わる経・律・論の三蔵、その他注釈書を含む経典の総称=大蔵経)

(朝鮮新報)


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