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平昌冬季パラリンピック(3月9~18日)に参加する北側選手団と代表団が来月7日に京義線陸路で訪韓する。

2018-02-28 | ピョンチャンオリンピック
北朝鮮パラリンピック選手団、
来月7日に訪韓…応援・芸術団は派遣せず

登録:2018-02-28 05:57 修正:2018-02-28 11:10


南北、27日に板門閣で実務接触

                  
イ・ジュテ統一部交流協力局長(右)とファン・チュンソン北朝鮮祖国平和統一委員会部長が今月27日午前、板門店で北朝鮮の平昌冬季パラリンピック(3月9~18日)参加を議論するための実務会談で握手を交わしている=統一部提供//ハンギョレ新聞社

 平昌冬季パラリンピック(3月9~18日)に参加する北側選手団と代表団が来月7日に京義線陸路で訪韓する。

 南北は27日午前、板門店(パンムンジョム)北地域の統一閣で北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピック参加に向けた実務会談を開き、このような内容の共同報道文に合意したと、統一部が発表した。

 北側は代表団4人、選手団20人を派遣する意思を示しており、最終参加人数は国際パラリンピック委員会との協議を通じて確定する予定だ。南北は先月17日、南北高官級会談の実務会談で、平昌パラリンピックに北朝鮮代表団や選手団、芸術団、応援団や記者団など約150人を派遣することで合意したが、同日の共同報道文には、応援団や芸術団などの派遣計画は含まれなかった。統一部は「(北朝鮮は)平昌冬季五輪に北側芸術団と応援団が参加したことが、南北関係の改善ムードを続けるのにすでにある程度貢献したと認識しているようだ」と明らかにした。

 今回の北側代表団にリ・ブンヒ朝鮮障害者体育協会書記長が含まれるかにも関心が集まっている。リ・ブンヒ書記長は1991年世界卓球選手権大会女子団体戦で当時ヒョン・ジョンファ選手と単一チームを構成して優勝を成し遂げた人物だ。統一部は、リ書記長が訪韓するかどうかについて、「確定していない」と話した。
ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国政府と北朝鮮がこのような企業の申請を受け入れるか注目される。

2018-02-27 | ピョンチャンオリンピック
開城工業団地の入居企業ら、5回目の訪朝申請…「施設の点検が急がれる」

登録:2018-02-27 08:23 修正:2018-02-27 09:14


「南北関係断絶で工場と設備が2年以上放置」 
3回は韓国政府が拒否…1回は北から承認拒否 
最近の南北対話のムードの中、承認するかどうか注目

                    
開城工団企業非常対策委員会の主催で、2016年6月28日、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎前で開かれた「開城工団閉鎖による被害の実質的補償と訪朝承認を求める集会」に出席したある関係者が記者会見を終え、提出する訪朝許可要請書を持って立っている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 開城(ケソン)工業団地に入居していた企業らが、工場施設と資材などを点検する目的で政府に訪朝申請した。今まで硬直していた南北関係が平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に改善されているだけに、韓国政府と北朝鮮がこのような企業の申請を受け入れるか注目される。

 開城工団企業非常対策委員会は26日午前、「開城工団訪朝承認の訴え」を出し、「開城の工場と設備が南北関係断絶によって放置されてから2年が過ぎた。遅くなったが、今からでも韓国の企業家にとって子どものような工場施設の点検と保存対策を立てることが急がれる」と明らかにし、統一部に訪朝の承認を要請した。2016年2月、朴槿恵(パク・クネ)政府が開城工業団地の全面中断を宣言した後、入居企業は施設、材料などの財産をきちんと回収できないまま開城工業団地から撤退しなければならなかった。これにより企業は莫大な財産被害を受けた。

 実際、統一部は昨年12月に「統一部政策革新意見書」を発表し、開城工業団地中断の過程の問題点を認めている。統一部は意見書で「開城工業団地の全面中断措置以後、すべての企業は投資を通じて取得した不動産を残し、当該権利を売却したり回収する方法もなく撤退した」とし、「各種設備、原・副資材や完成品もほとんど回収する余裕もなく撤退し、北朝鮮の凍結および清算措置が加わり、被害を減らすことがより難しくなった」と明らかにした。当時、政府は2月11日から3日間で入居企業と営業所の撤収を完了し、残留人員は18日までに撤退させる計画だった。しかし、中断の発表(2月10日)の翌日午後、北朝鮮が開城工業団地の資産全面凍結およびすべての人員の追放措置を取ったため、各企業は各種設備、原・副資材や完成品を回収する余裕もなく撤退しなければならなかった。

 入居企業は、朴槿恵政府時代に3回、文在寅(ムン・ジェイン)政府に入って1回の計4回、訪朝申請をした。だが、前政府は3回の申請を全て拒否した。文在寅政府はこれらの入居企業の訪朝申請を受け入れ北に意思を打診したが、当時は北側が申請を受け入れなかった。シン・ハギョン開城工団企業協会会長兼非常対策委員長は「今まで西海(ソヘ・黄海)軍通信線など南北連絡チャンネルが断絶され、訪朝申請の意思を北朝鮮に知らせることさえ難しかった」とし、「五輪を契機に連絡チャンネルが復元された。開城工業団地は、南北交流・協力の象徴だ。すぐに再稼動するというのではなく、五輪の火種をつないでいくという次元で施設物の点検をしたいと思う」と、訪朝申請の趣旨を明らかにした。

 非常対策委は「私たちの開城工場と設備が南北関係断絶によって放置されてから2年が過ぎた。遅くなったが、今からでも韓国の企業家らにとって子どものような工場施設の点検と保存対策を立てることが急がれる」とし、「私たちが置いて出てきた工場と設備を点検するために、これまで4回も訪朝申請をしたが実現しなかった。だが、今回は実現するという希望を持って、慎重に訪朝申請をする」と明らかにした。さらに、「私たちがいつになく大きな期待を持つのは、平昌冬季五輪を機に西海の軍通信線と京義線の陸路と空、海の道が開かれたため、南北関係改善に希望が見えたからだ。韓国の企業家たちが財産を確認し、設備の老朽化を最小化できるよう、南北両当局はあらゆる努力を傾けてくれる事を望みながら、そのために最も至急かつ現実的な開城工業団地訪朝の承認がなされることを切に求める」と付け加えた。
ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

20代の単一チーム肯定世論28%→51%に賛否逆転,南北「統一旗」共同入場について「良いことだ」という回答が68%、

2018-02-26 | ピョンチャンオリンピック
ギャラップ世論調査「アイスホッケー単一チーム肯定評価40%→50%に増加」
登録:2018-02-25 10:17 修正:2018-02-26 06:07


                    
女子アイスホッケー南北単一チームの選手たちが5日午後、江陵の関東ホッケーセンターでサラ・マレー監督の指示を聞いている=江陵/パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

「韓国ギャラップ」 2月4週目の世論調査
「南北共同入場・単一チーム構成への賛成世論大幅増加」
20代の単一チーム肯定世論28%→51%に賛否逆転

 世論調査専門機関「韓国ギャラップ」2月4週目の世論調査の結果、平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕以後、女子アイスホッケー南北単一チーム構成および開会式での「統一旗」を掲げた南北共同入場に対する賛成世論が大きく増えたことが明らかになった。

 ギャラップが20~22日、全国の成人1002人を対象に実施し23日公開した世論調査結果(95%信頼水準で標本誤差±3.1%ポイント)によれば、南北「統一旗」共同入場について「良いことだ」という回答が68%、「間違っている」という意見は24%だった。

 オリンピック開会式前の1月30日~2月1日のギャラップ調査では53%が「良いことだ」、39%が「間違っている」と回答したが、今回の調査では肯定的評価が15%ポイント増え、否定的評価は15%ポイント減った。

 20~30代を中心に公正性の問題で批判が多かった南北女子アイスホッケー単一チームの構成についても、オリンピック開会式前より肯定世論が増えている。開会式前の調査で40%が「良いことだ」、50%が「間違っている」と答えたが、今回の調査では「良いことだ」という回答が50%、「間違っている」という意見が36%と集計された。 肯定評価は10%ポイント増加し否定評価は14%ポイント減少して世論が逆転したわけだ。

 特に単一チーム問題に冷やかな反応を見せていた20代の場合、以前の調査で「良いことだ」 が28%、「間違っている」が62%だったのが、今回の調査でひっくり返った。 20代は単一チームの構成について51%が肯定的評価を、34%が否定的評価をした。 賛成世論が23%ポイント増加したのだ。

 一方、南北統一の時期についての質問には、回答者の61%が「10年後くらいに漸進的に成されるべきだ」と答え、「現在のままの方がよい」(18%)、「早く成されるべきだ」(17%)が後に続いた。

 今回の調査の詳しい内容はギャラップと中央選挙世論調査審議委員会のホームページを参照。
イ・スンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

彼女が大統領代表団長という役割を担っており、職責と関係なく影響力を持っているのは事実だから、メッセージがないとは言えない

2018-02-24 | ピョンチャンオリンピック
「トランプのメッセージ」持ってくる
イバンカに常春斎晩餐など“首脳クラスの待遇”

登録:2018-02-23 02:22 修正:2018-02-23 07:10


[米代表団、今日訪韓] 
大統領府、おもてなしの準備に奔走 
文大統領、イバンカ顧問の訪韓当日に面会 
米朝対話・通商摩擦めぐる意見調整のチャンス 
 
イバンカ顧問が持ってくるメッセージ 
米国代表団長として選手団を激励するほか 
職責と関係なく影響力発揮する可能性も

                  
ドナルド・トランプ米大統領の長女イバンカ・トランプ氏が昨年6月13日にウィスコンシン州のピウォーキのウォーキショカウンティ技術大学で開かれた労働力開発関連会議で、意見を述べている=ピウォーキ/AP聯合ニュース

 大統領府は23日午後、民航機に乗って韓国を訪れるイバンカ・トランプ米ホワイトハウス顧問兼補佐官を、首脳クラスに準ずる礼遇で迎える計画だと22日、明らかにした。

 イバンカ顧問は訪韓当日の夜、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を表敬訪問した後、常春斎で開かれる文大統領との晩餐会に出席する。文大統領が「平昌(ピョンチャン)外交」期間中に公式に招待した首脳級要人のほかに昼食や夕食を共にしながら礼遇に力を入れた人は、マイク・ペンス米副大統領と金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記の特使として来た金与正(キム・ヨジョン)党中央委員会第1副部長など北側代表団だけだった。文大統領がイバンカ顧問との晩餐会場として常春斎を選んだのも、彼女に対する礼遇に特別に気を使っていることを裏付ける。常春斎は主に公式訪問する外国首脳らとの晩餐会場として活用されてきた。

 大統領府は24日からは主に、平昌に滞在すると予想されるイバンカ顧問のため、文大統領との晩餐以外にも、(文大統領の夫人)キム・ジョンスク氏やカン・ギョンファ外交部長官との面会など、様々な日程を米国側と協議しているという。外交部は23日、イ・ウクホン儀典長とチョ・グレ北米局長を仁川(インチョン)国際空港に送り、イバンカ顧問を迎える予定だ。ノ・ギュドク外交部報道官は22日の定例記者会見で、「イバンカ・トランプ補佐官の礼遇については、米国大統領の派遣代表団長としての儀典の便宜と警護の面で、相当の待遇を提供する予定」だと述べた。

 大統領府がイバンカ顧問など米国代表団(の礼遇)に力を入れている理由は、平昌五輪を機に劇的に設けられた朝鮮半島の平和や和解の基調を続けていくためと見られる。朝米関係が改善されない限り、「平昌以降」の朝鮮半島をめぐる情勢が不透明にならざるを得ない状況で、イバンカ顧問はドナルド・トランプ米大統領の意中を正確に把握しているうえ、米朝関係改善の必要性など韓国の立場を明確に伝えられる窓口だからだ。トランプ大統領の長女であり、最側近であるイバンカ顧問は、これまで知られた以上にトランプ大統領の意思決定に大きな影響力を行使すると評価されている。

 実際、政府側では、イバンカ顧問の韓国訪問を通じて、マイク・ペンス米副大統領と金与正北朝鮮労働党第1副部長の面会が失敗に終わってから、トランプ大統領が朝米接触についてどのような考えを持っているのかを把握できると期待している。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官やアリソン・フッカー国家安保会議(NSC)朝鮮半島担当大統領補佐官など、米国代表団の面々を見ても、イバンカ顧問を団長とする米代表団の訪韓が平昌五輪閉幕式の観覧と米国選手団の激励以上の意味を持っていると、政府は判断している。

 政府はまた、韓国産鉄鋼の輸入規制や韓国GMの群山工場閉鎖など、最近浮き彫りになった韓米間の経済懸案に対するトランプ大統領の考えを聞くことができる機会になるものと考えている。

 しかし、イバンカ顧問側が公式的に持ってくるメッセージは「平昌冬季五輪の成功的開催をお祝い」し、「韓米関係の友誼を浮き彫りにする」程度になるものと予想される。彼女が北朝鮮核問題や韓米の懸案である通商問題を公開的に言及するのは不適切だという米国内の見方もあるからだ。トランプ大統領の最側近の実力者として知られているにもかかわらず、イバンカ顧問がこれまで公式の席上で行った発言は、主に女性や人権、雇用などに限定されたものだった。ある外交消息筋は「イバンカ本人が北朝鮮や通商関連の話を公開的に発言すればどう映るかを考えているだろう」とし、「ただし、彼女が大統領代表団長という役割を担っており、職責と関係なく影響力を持っているのは事実だから、メッセージがないとは言えないだろう」と話した。
キム・ボヒョプ、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

慎重に内実を期すという意味だ。一過性の首脳会談よりは持続可能な朝鮮半島平和体制の構築に向けた環境作りに力を注ぐということだ。

2018-02-19 | ピョンチャンオリンピック
「スピードよりは中身」…文大統領、南北首脳会談への焦りを警戒
登録:2018-02-19 06:10 修正:2018-02-19 08:10




「卵を見て時夜を求む」発言の背景とは 
大統領府「朝米対話行われてこそ成果保障できる 
やっと卵が生まれたばかりの段階」  
米国には北朝鮮との対話の雰囲気作り  
北朝鮮には非核化協議に前向きな姿勢を促す  
米国との軋轢減らし国際協力も念頭

                
文在寅大統領が今月17日午後、平昌冬季五輪メインプレスセンターを訪問し、国内・海外記者ワークルームで取材陣を労うあいさつをしている=平昌/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が提案した南北首脳会談について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がスピードよりも成果に重点を置く意向を示した。

 文大統領は17日、江原道平昌(ピョンチャン)アルペンシアリゾート内にある平昌冬季五輪メインプレスセンターで「南北首脳会談を行う意向があるか」という質問に対し、「大きな期待が寄せられているようだが、気が早いと思う。ことわざに喩えれば、『卵を見て時夜を求む』(韓国語では『井戸でおこげを探す』)ようなものだ」と述べた。文大統領の発言は性急な期待で高まった早期の南北首脳会談を求める雰囲気に流されず、慎重に内実を期すという意味だ。一過性の首脳会談よりは持続可能な朝鮮半島平和体制の構築に向けた環境作りに力を注ぐということだ。

 文大統領は金与正(キム・ヨジョン)北朝鮮労働党中央委第1副部長の電撃的な訪朝要請に「環境を整えて実現させよう」と答えており、先月10日の年頭記者会見でも「会談のための会談が目標ではない。首脳会談を行うなら、首脳会談を行える環境を整えなければならず、ある程度の成果が保障されなければならない」と述べた。大統領府関係者は「文大統領が大統領府のどの参謀よりも最も慎重かつ長い目で南北首脳会談問題を見ている」とし、「文大統領は、南北首脳会談のための条件がまだ十分整っていないと考えている。喩えるならやっと卵が産まれたばかりの段階と言える」と話した。

 まず、文大統領は米朝対話をめぐる双方の動きに神経を尖らせると共に、米国が北朝鮮と対話の場に出られる雰囲気作りに力を注ぐものと見られる。文大統領が平昌プレスセンターで「米国と北朝鮮の間でも対話が必要という共感が少しずつ高まっている」とし、「現在行われている南北対話が米国と北朝鮮の非核化に向けた対話につながることを待ち望んでいる」と述べたのは、このような本音を滲ませたものと思われる。大統領府関係者は「最も重要な南北対話だけでなく、朝米対話が具体的に行われてこそ、南北首脳会談でも成果を出すことができる」としたうえで、「国家安保室はもちろん、外交部と統一部を通じて米国大使館などと接触しながら、様々なチャンネルを稼動させている」と話した。実際、今年2000年と2007年に行われた二回の南北首脳会談は、米朝対話の雰囲気が整った中で行われた。大統領府側はレックス・ティラーソン米国務長官が17日(現地時間)、米国のCBSとのインタビューで、「あなた(北朝鮮)が私に対話する用意ができたと言うのを耳を澄ませて(待って)いる」と発言したことについて、「韓国政府が努力してきた朝米対話に向けた雰囲気作りがある程度成果を出しており、歓迎に値する」と話した。

 さらに、文大統領は、北朝鮮側にも核やミサイル問題に関してより積極的な態度を求めたものとみられる。大統領府関係者は「文大統領が北朝鮮側に少なくとも非核化に向けた協議を開始する態度を示すような変化を求めたものとみられる」と話した。体制の安定を望む北朝鮮と、核・ミサイル開発の中止と放棄を要求する米国の間の折衷点を見出し、両方を対話の場に導かなければならない文大統領としては、米国ほど北朝鮮にもより具体的な変化を期待するしかないということだ。

 文大統領は、米国との軋轢の可能性を減らし、国際社会との協力を維持するということも念頭に置いているものと見られる。政府当局者は「北朝鮮の核・ミサイル問題により、国際社会の対北朝鮮制裁局面が続いている状況で、南北関係を前進させていくためには、いろいろな側面を考慮せざるを得ない」とし、「南北関係を復元する過程が朝米対話局面とかみ合えるよう、環境を整えていかなければならない」と話した。
ソン・ヨンチョル、チョン・イナン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

政府は南北対話の動力を維持しながら、首脳会談の「環境」を整えることに集中するものとみられる。

2018-02-18 | ピョンチャンオリンピック
[ニュース分析]南北首脳会談の地均し…対北朝鮮特使?高官級会談?
登録:2018-02-13 04:32 修正:2018-02-13 07:27



政府、北朝鮮の提案に対する後続措置を模索 
 
統一部、北朝鮮代表団が帰った日の夜  
「北朝鮮、南北関係改善の意志強く  
前例のない果敢な措置取る可能性も」 
 
人道主義的事案から“着実に”接触  
核めぐる隔たり埋めていくのに力注ぐ  
 
特使の形ではなくても窓口は多様  
高官級会談通じて調整して行く可能性も
文在寅大統領(左)が今月11日午後、ソウル中区国立中央劇場で三池淵管弦楽団をはじめとする北朝鮮芸術団の公演を観覧した後、金永南最高人民会議常任委員長と手を上げて挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の高官級代表団の訪韓で南北首脳会談の可能性が開かれた中、政府の後続措置に関心が集まっている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の訪朝の招請に対し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「環境を整えて実現していこう」と答えただけに、政府は南北対話の動力を維持しながら、首脳会談の「環境」を整えることに集中するものとみられる。

 ペク・テヒョン統一部報道官は12日の定例記者会見で「南北首脳間の朝鮮半島問題と南北関係の懸案をめぐる包括的な協議が可能な基盤が整った」としたうえで、「今後、関連動向を見極めながら、関係省庁間の緊密な協議を通じて後続措置を取っていく」と述べた。

 これに先立ち、統一部は北側の高官級代表団が帰った11日夜、説明資料を発表し、「分断後初めて北朝鮮憲法上国家元首や最高指導者の直系家族が南側地域を訪問した」とし、「南北関係改善に向けた北朝鮮の意志が大変強く、必要な場合は前例のない果敢な措置をとる可能性もあることを示した」と評価した。統一部はさらに、「南北関係の全面復元と朝鮮半島問題の平和的解決に向けたきっかけは作られたものの、北朝鮮の核問題解決をめぐる立場の相違が依然として存在しており、朝鮮半島の非核化過程で可視的な進展がない状況」だとしたうえで、「平昌(ピョンチャン)五輪を契機に開かれた対話と協力の空間を成功的に拡大させ、南北関係の改善と朝鮮半島における平和定着過程の転機を作れることが課題」だと付け加えた。

 統一部はこれに向けた「今後の南北関係の推進方向」の大原則として、南北対話の連続性を維持しつつ、南北関係の正常化を推進することや、南北関係の進展と朝鮮半島の非核化の好循環構図の形成などを提示した。特に、「状況によって、南北関係の進展を通じて朝米関係を牽引するなど、弾力的な相互牽引を図る」と明示した。北朝鮮核問題の解決に向けた朝米対話に進展が見られない場合、南北関係をさらに発展させ、(朝米対話を)積極的に後押しするという意志を示したものと言える。

 これに伴い、政府はまず、離散家族などの人道的事案や軍事的緊張緩和のための措置などを通じて対話の連続性を維持する一方、南北はもちろん米朝間の北朝鮮核問題に対する見解の隔たりを埋めると共に、首脳会談への道を開くのに力を入れるものとみられる。これを向けて、必要なら北朝鮮特使派遣や高官級会談を通じた意見調整などが続く見通しだ。

 対北朝鮮特使は、北の特使派遣に対する「答礼訪問」の形になると見られる。双方の指導者の意思をそのまま伝えられるという点で、首脳会談の実現を加速化できる。ただし、北朝鮮の核問題などと関連して意見調整が行なわれない状態では、特使の役割も制限的にならざるを得ないという短所がある。

 大統領府も対北朝鮮特使の派遣についてはまだ息を整えている状態だ。大統領府関係者は「まだ議論を開始しておらず、今は大統領の頭の中にも特使はないだろう」とし、「環境づくりが重要であり、急ぐべきことではない」と強調した。すでに南北首脳の意志が確認されただけでなく、多様な疎通の窓口が復元されたため、あえて特使にこだわる理由はないと思われる。

 南北は先月9日に開かれた高官級会談で、南北関係改善に向けた高官級会談と共に軍事当局会談をはじめとする各分野の協議も開催することで合意した。したがって、チョ・ミョンギュン統一部長官とリ・ソングォンの祖国平和統一委員会委員長を主軸とする高官級会談を通じて後続の対応策を協議する方法もある。この場合、平昌五輪が閉幕する25日からパラリンピックが開幕する来月9日の間が(高官級会談の開催時期として)有力視されている。

 チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「第3回南北首脳会談が開かれたら、北朝鮮の核問題と関連して進展した合意が行われなければならない」とし、「まずは高官級会談を通じて赤十字会談や軍事当局会談など後続会談を成功させた後、非核化と関連した立場の隔たりを埋めていく案が現実的」だと話した。
チョン・イナン、キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

米国の全体的な動きを見ることができない日本政府は焦りを強めているのです。

2018-02-16 | ピョンチャンオリンピック
朝鮮半島情勢 圧力一辺倒 安倍外交の孤立
米韓 対話模索の一方


 平昌五輪閉会後に「正念場」(安倍晋三首相)を迎えるとの見方もある北朝鮮の核・弾道ミサイル開発をめぐり、関係国の駆け引きが激化しています。「南北融和」や米朝対話の動きも出始めた情勢に対して、日本政府は対話を否定。平和的解決を妨害する有害な動きを繰り返していますが、流れについてゆけず、焦りを深めています。

 (竹下岳)
副大統領発言に動揺

 「対話のための対話では意味がない。日米ともに、完全かつ検証可能、不可逆的な非核化を前提としない限り、意味ある対話はできない」。14日夜、トランプ米大統領と1時間15分にわたって電話会談した安倍首相は記者団に対して、こう強調しました。

 この電話会談の前にはペンス米副大統領が12日、米紙ワシントン・ポストのインタビューに「北朝鮮が望むのなら、我々は対話する」と述べました。平昌五輪開会式前の7日、安倍・ペンス両氏は東京での会談で北朝鮮への「最大限の圧力」をかけることで一致したにもかかわらず、「核放棄」を前提としない対話を示唆したことで、政府内に動揺が広がりました。今回の電話会談には、“軌道修正”を図る狙いが見えてきます。

 しかし、「圧力一辺倒」の日本と、経済・軍事両面での圧力と並行して「対話」も模索する米国との間に戦略的なずれがあることは明らかです。実際、ペンス氏の発言は単なる個人的見解ではなく、米国務省のナウアート報道官も13日、韓国側が提案した米朝の「予備的協議」を行う可能性を示唆しています。

 こうした米国の全体的な動きを見ることができない日本政府は焦りを強めているのです。その焦りをさらに加速しているのが韓国と北朝鮮の動きです。
「南北融和」に警戒感

 北朝鮮は平昌五輪に選手団とともに政府高官や芸能団を送り込み、「南北融和」を演出。10日にはソウルの大統領府で文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)第一副部長や金永南(キム・ヨンナム)・最高人民会議常任委員長らが会談し、北朝鮮側は訪朝を要請しました。

 一方、日本政府はこうした動きを「ほほえみ外交」(13日、菅義偉官房長官)だと否定的な見方を示し、「日米韓」の連携を分断する動きだとして警戒。日本の一部メディアもこれに追随した報道を繰り返しています。

 しかし、こうした見方は北朝鮮の核・ミサイル問題の解決からみても重大な誤りです。北朝鮮の核・ミサイル開発の根源には朝鮮戦争に伴う南北の分断があるからです。

 むしろ、安倍政権の「圧力一辺倒」の姿勢が、北朝鮮の核・ミサイル問題に立ち向かう上で不可欠な関係各国の団結を阻害しているのです。

 9日に平昌で行われた日韓首脳会談で、安倍首相は「米韓合同軍事演習を延期すべきではない」と主張。これに対して韓国大統領府高官は10日、文大統領が「わが国の主権の問題であり、内政に関する問題だ」と不快感を示したことを明らかにしています。

 仮に北朝鮮側の「ほほえみ外交」に「日米韓」分断の狙いがあったとすれば、安倍首相は、その術中にはまったと言えます。
平昌五輪後に激動も

 25日の平昌五輪閉会後、朝鮮半島情勢は激動を迎える可能性があります。

 米側には、「ブラッディー・ノーズ(鼻血)作戦」と呼ばれる北朝鮮への“限定的”先制攻撃の選択肢が浮上。ただ、全面的な核戦争に発展する危険もあり、米政府内でも可否をめぐって意見が一致していません。

 延期された米韓合同演習の実施も焦点となります。通例、3月~4月にかけて実動演習「フォール・イーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」が行われ、在日米軍も大挙して参加しています。

 同時に、文大統領訪朝の選択肢も浮上し、対話の流れが一気に加速する可能性もあります。こうした動きの全体をとらえず、「圧力一辺倒」路線に固執するなら、日本は置いてきぼりを食らうのは目に見えています。

結局のところ、朝鮮半島情勢の膠着と悪循環を真に打破したいのなら、対話と交渉が唯一の道なのだ。

2018-02-15 | ピョンチャンオリンピック
朝鮮半島には平和的行動の論理が必要
人民網日本語版 2018年02月14日08:34


韓国東北部に位置する人口わずか4万の小さな町・平昌が現在開催中の冬季五輪によって世界のスポットライトを浴びている。9日夜の開幕式で朝韓の選手団は11年ぶりに伝統民謡「アリラン」の調べと共に合同入場し、世界に感動を与えた。(人民日報「鐘声」国際論評)

人々の心を打ったのは、もちろんスポーツに関してだけではない。1年前、さらには数カ月前の一触即発の朝鮮半島情勢は今もありありと目に浮かぶ。「合同入場できただけでも感動的だ」と現場の観衆がメディアに語ったのも無理はない。ニューヨーク・タイムズは「冬季五輪が朝韓合同入場で開幕、平和の希望をもたらす」との見出しで報じた。

平昌の突破口に喜び安堵した人々は、実際には朝韓双方がこの貴重な連動を継続し、これを出発点に朝鮮半島の対話・交渉の扉を一歩一歩押し開けることを期待している。結局のところ、朝鮮半島情勢の膠着と悪循環を真に打破したいのなら、対話と交渉が唯一の道なのだ。

韓国は冬季五輪開幕式のテーマを平和とし、監督は5人の子どもが平和を探す時空の旅を全世界の観衆に語り、平和を呼びかけた。だが、平和の問題において世界に必要なのは情景の中の感動だけでは到底なく、道義的責任への確かな賛同であるはずだ。

朝鮮半島問題において、「平和の希望」は関係各国が共に平和的行動を第一論理とできるかどうかにかかっている。冬季五輪をめぐり、朝韓双方が情勢緩和に向けて共に歩み出した第一歩は非常にタイムリーかつ重要なものだ。

この貴重な転機を真に捉え、南北関係改善の努力を朝鮮半島の平和維持、非核化実現の共同努力にまで拡大し、互いに刺激し、摩擦を激化させるあらゆる行動を停止し、対話と交渉のために共に雰囲気を醸成し、環境を整える必要がある。

中国は朝鮮半島の隣人として、一貫して平和の力を捧げている。以前、朝鮮半島情勢がエスカレートし続けていた時、中国は最も揺るぎなく、力強く平和と交渉を促す国だった。現在、南北双方は平昌冬季五輪をめぐり一連の前向きな連動をしている。中国がこれを支持するのは自然なことだ。中国は南北双方が冬季五輪期間の対話を日々の絶えることなき対話に変え、朝韓間の連動を各国、特に朝米間の連動にまで拡大し、南北関係改善の努力を朝鮮半島の平和・安定維持、非核化実現の共同努力にまで拡大することを希望する。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年2月14日

「大統領も『常に対話の価値を信じる』と話してきた。

2018-02-14 | ピョンチャンオリンピック
文大統領「米国も南北対話に肯定的」
登録:2018-02-13 22:45 修正:2018-02-14 07:05



金正恩「和解・対話の雰囲気昇華を」 
南を訪問した代表団の報告受け対策指示 
ペンス副大統領「トランプも対話の価値を信じる」

문재인 대통령이 13일 청와대에서 라이몬즈 베요니스 라트비아 대통령과 한 정상회담에서 기념사진을 찍은 뒤 자 리를 권하고 있다=청와대사진기자단//한겨레신문사

 13日、韓国、北朝鮮、米国が間接的に“対話”の雰囲気をやりとりした。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日、大統領府で開かれたラトビア共和国のライモンツ・ヴェーヨニス大統領との首脳会談で「米国も南北対話を肯定的に見ていて、北朝鮮との対話意思を明らかにした」と話した。文大統領はヴェーヨニス大統領が「金与正(キム・ヨジョン)が特使として来たことは、北朝鮮が全世界にメッセージを送ったこと」と評価すると、このように答えたとキム・ウィギョム大統領府報道官が伝えた。

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長もまた、金与正・党中央委員会第1副部長など平昌(ピョンチャン)冬季五輪高位級代表団から12日に報告を受け、「今回のオリンピック競技大会を契機に、北と南の強烈な熱望と共通して抱いてきた和解と対話の良い雰囲気を一層昇華させ、立派な結果を積みあげていくことが重要だ」として、実務的対策を指示したと<労働新聞>など北朝鮮のメディアが13日報道した。

 マイク・ペンス米副大統領は12日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領との面談の後にツイッターを通じて「私たちの対北朝鮮政策は私の(韓国・日本)歴訪で変わっていない」としつつも「大統領も『常に対話の価値を信じる』と話してきた。しかし対話のためのいかなる補償もないだろう」と明らかにした。

                
 文在寅大統領が13日、大統領府でラトビア共和国のライモンツ・ヴェーヨニス大統領との首脳会談で記念写真を撮った後、椅子を薦めている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
ノ・ジウォン、キム・ボヒョプ記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

ペンス氏は韓国滞在中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談し、五輪後の対北朝鮮戦略で合意しました。

2018-02-13 | ピョンチャンオリンピック
米、北朝鮮と直接対話も
米紙報道 ペンス副大統領が示唆


 ペンス米副大統領は、北朝鮮が非核化に向けた行動を取るまで「最大限の圧力」を維持し続ける一方、北朝鮮がもし対話を望むなら「われわれは話をする」と語り、直接対話の可能性を示唆しました。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が11日、同副大統領へ行ったインタビューとして報じました。

 ペンス氏は、韓国での平昌冬季五輪開会式への参加を終えて帰国する途中でインタビューに応じました。同紙によると、

 ペンス氏は「要点は、非核化に向けた重要な措置だとわれわれが確信することを彼らが実施するまで圧力をかけることはやめないということだ。だから最大限の圧力は続くし、強化する。しかし、もし話したいのなら、われわれは話をするだろう」と述べました。

 ペンス氏はこれを「最大限の圧力と同時の関与」と呼びました。

文大統領はこの時まで、金正恩委員長と向かい合って意味ある成果を引き出せる“環境”を整えるのに力を入れるものとみられる。

2018-02-12 | ピョンチャンオリンピック
[ニュース分析]
南北首脳会談、朝米関係の「雪解け」が影響する見込み

登録:2018-02-12 04:43 修正:2018-02-12 08:09



北朝鮮、文大統領を招請 
特使の金与正副部長、金正恩委員長の親書伝える 
文大統領「環境整えて実現させよう」 
キム・ヨンナム常任委員長に「火種が松明になるよう努力」 
 
南北関係解決し北朝鮮核問題解決する 
「朝鮮半島の運転者」として主導権握る機会

                
金与正労働党中央委員会第1副部長(左から2人目)が11日午後、三池淵管弦楽団の公演が行われた国立劇場ヘオルム劇場で会話している。右から金正淑夫人、文大統領、金副部長、金永南最高人民会議常任委員長。北朝鮮高官級代表団は同日夜北朝鮮に帰った=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が実妹の金与正(キム・ヨジョン)特使(党中央委第1副部長)を通じて文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「第3回南北首脳会談」を提案したのは、わずか40日前までは想像もできなかった激変だ。

 文大統領は11日午後、ソウル南山(ナムサン)国立劇場ヘオルム劇場で行われた三池淵(サムジヨン)管弦楽団公演開始前に、北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長に「私たちが会えたことが大切だ。この出会いの火種が松明になるよう、南北が協力しよう」と述べた。金永南常任委員長が「大統領と共に意見を交換し、再会できるきっかけと機会を作ったので、また会えるという希望を抱いて帰る」と述べたことに対する答えだった。

 これに先立ち、金与正特使は10日、大統領府で文大統領に金正恩委員長の親書と共に、平壌(ピョンヤン)に招請する意向を口頭で伝えており、文大統領は「環境を整えて実現させよう」と答えた。キム・ウィギョム大統領府報道官は「文大統領は特に南北関係の発展のためにも朝米間で早期対話が必ず必要だ、米国との対話に北側がより積極的に乗り出してほしいと呼びかけた」と明らかにした。

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に、朝鮮半島に吹いている薫風は、前政府の9年間で凍りついた南北関係を溶かし、究極的に核問題の解決にまでつなげていける絶好のチャンスだ。「朝鮮半島の運転者」を自任してきた文大統領としては、薫風を動力にして平和の道に進む“運転能力”を示さなければならない試験台に座ることになったのだ。成功的に運転できれば、南北首脳会談の時期は6・15南北首脳会談(2000年)18周年の今年6月か、南北双方の慶事の光復節がある8月頃になるという見通しも示されている。文大統領はこの時まで、金正恩委員長と向かい合って意味ある成果を引き出せる“環境”を整えるのに力を入れるものとみられる。

 中でも重要なのは、米国と北朝鮮の対話ムードを作ることだ。大統領府関係者は「南北対話と米朝対話という二軸が転がってこそ、車が前に進む」としたうえで、「文大統領がそのような意味で、(金与正副部長らに)米朝対話の重要性を述べた」と話した。イ・ジョンソク元統一部長官は「韓国政府が北朝鮮からは非核化に関する柔軟な立場を引き出すと共に、米国からは北朝鮮に対する圧迫一辺倒から脱することで、米朝対話の可能性を誘導しなければならない」と話した。しかし、核問題でそれぞれの頑強な立場を維持している北朝鮮と米国の間で、少なくとも北朝鮮の「核凍結」の意思を引き出して仲裁まで漕ぎつけることは、容易ではない。大統領府関係者が「以前より状況が良くなったのは明らかだが、依然として薄氷の上を歩いているような思い」だと話すのも、そのためだ。

 ひとまず大統領府は一気に加速ペダルを踏むことはしないという気流だ。大統領府関係者は「金正恩委員長の親書に対する返答は、今回はない」とし、「近いうちに北側のように、韓国も対北朝鮮特使を派遣したり、他の適切な方法で返答を行う予定」だと話した。南北対話・交流について大統領府の関係者は「民間主導で、低い段階から始める」と話した。民族和解協力汎国民協議会(民和協)などの民間団体が交流・協力の扉を開き、政府がこれを後押しする形になるだろうということだ。文大統領は、三池淵管弦楽団に対する答礼の形の文化交流や南北離散家族再会のように、国内外的に議論の余地が少ない分野から優先的に推進し、南北対話のモメンタムを続けていくものとみられる。

 これは韓米関係を考慮した処置でもある。南北の解氷が速すぎる場合、米国内の強硬派の反発の声が激しくなり、穏健派の立場を狭めかねないという懸念が背景にあるものと分析される。それだけに、文大統領は米国のトランプ政権との信頼関係を強化することにに力を注ぐとみられる。ただし、大統領府の主要関係者は「文大統領とトランプ大統領はいつでも電話会談で情報を共有している間柄」だとし、対米特使を派遣する可能性は低いと伝えた。
キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

金与正氏は文氏に、金正恩氏の南北関係改善の意志を示した親書を手渡したと明らかにしました。

2018-02-11 | ピョンチャンオリンピック
韓国大統領に訪朝要請
南北首脳級会談 文氏「条件整え成功を」
米国との対話促す


 【ソウル=栗原千鶴】韓国の文在寅(ムン ジェイン)大統領は10日、ソウルの大統領府で平昌冬季五輪に合わせ訪韓中の北朝鮮の金永南(キム ヨンナム)最高人民会議常任委員長を団長とする高官代表団と会談しました。この席で、金正恩(キム ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム ヨジョン)党中央委員会第1副部長は正恩氏のメッセージを伝え、文氏に訪朝を要請しました。これに対し、文氏は「今後、条件を整えて成功させよう」と応じました。大統領府が発表しました。

 記者会見した報道官は、金与正氏は文氏に、金正恩氏の南北関係改善の意志を示した親書を手渡したと明らかにしました。金正恩氏は、「文大統領と早い時期に会う用意がある」「都合のいい時期に、北朝鮮を訪問してくれることを要請する」と親書で述べました。金与正氏は、金正恩氏の特使として訪韓しました。

 南北首脳会談が実現すれば2007年10月に、当時の盧武鉉(ノ ムヒョン)大統領と金正日(キム ジョンイル)総書記の間で行われて以来です。

 10日の会談は、昼食会も含め2時間40分にわたり南北関係、朝鮮半島全般について幅広い議論が行われました。

 文氏は「南北関係の発展のためにも、北朝鮮・米国間の早期対話がどうしても必要だ」と指摘。「米国との対話に北朝鮮が、より積極的に乗り出してほしい」と要請しました。また北朝鮮代表団の訪韓で、「平昌五輪が平和五輪になり、朝鮮半島の緊張緩和と平和定着、南北関係を改善させていくきっかけになった」と語りました。

 金永南氏は、文氏に対し、平昌五輪の開会式の成功に祝辞を述べたといいます。

 南北関係について、朝鮮半島の平和と和解のいい雰囲気を続け、南北対話と交流、協力を活性化していく点で一致しました。

平和のとりでが築かれ、政治の世界に波及していく―。そんな未来を思い描きつつ、その最初の五輪のゆくえを見守っていきたいものです。

2018-02-10 | ピョンチャンオリンピック
平昌冬季五輪開幕
対話の扉開く平和の力さらに

 「平和」をテーマにした開会式とともに、第23回冬季五輪大会が韓国の平昌で開幕しました。冬季五輪では最多となる92カ国・地域から2900人を超える選手が参加します。

 五輪は「参加することに意義がある」といわれます。それは、勝つことがすべてではないとの意味だけではありません。競技の頂点を目指し、競い合うため“集うこと”自体に大きな意義があることも含まれています。国を超え、宗教や人種、言葉の違いを超えて一堂に会する。「参加」することが「平和」に寄与することになるからです。
選手の偉大な挑戦に期待

 大会直前の1月、韓国と北朝鮮で対話が始まり、南北での参加を実現したことは極めて重要です。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「五輪精神とは、互いに敬う心、話し合うこと、そして理解し合うことだ」と語り、北朝鮮の参加について「平和的な対話の扉を開いた」としました。北朝鮮の核・ミサイル開発などをめぐり緊迫の度合いを増していた東アジアの情勢にも、緩和と対話の道が開かれることが期待されています。

 開会式で韓国と北朝鮮の選手が「統一旗」を掲げ、ともに入場した場面は大会を象徴し、今後も語りつがれることでしょう。対立や緊張を乗り越え、政治ではたどりつけない姿をみせたところに、五輪運動の素晴らしさが凝縮されています。

 雪と氷の祭典に集った世界のトップクラスの選手たちの極限のたたかい、鍛え上げられた技、8大会連続という冬季五輪最多出場のジャンプ・葛西紀明選手(45)をはじめとする日本選手にも注目です。同時に今大会は、マレーシアやエリトリア、コソボなど6カ国が冬季五輪の舞台に初めて足を踏み入れます。困難な環境で頑張る選手たちの偉大なる挑戦にも気持ちを通わせたいところです。

 大会スローガンは「一つになった情熱」です。すべての選手が競技やたたかいを通じ、互いを理解し、友情を育み、心を合わせていく―。それが「平和な祭典」を豊かに彩ることは、言うまでもありません。

 スポーツの公正さを損ない、その根本を揺るがすドーピングとのたたかいも問われています。組織的なドーピングがあったと認定されたロシアは国家としての参加が禁じられました。

 背景にあるのは、メダルの獲得数によって国の強さをアピールする、根深い国威発揚の思想です。五輪憲章では大会を「選手間の競争であり、国家間の競争ではない」としています。もちろん選手の活躍は、その国のスポーツの環境や発展を示すものです。しかし、それは国力を測る物差しではありません。メダル至上主義という誤った考えを助長しないことなど、確かなスポーツ観も求められています。
未来へ向け思い描いて

 2年後の2020年には東京五輪・パラリンピックがあり、その2年後には北京冬季五輪が開催されます。緊張が高まる東アジアで大会を経るたびに、平和のとりでが築かれ、政治の世界に波及していく―。そんな未来を思い描きつつ、その最初の五輪のゆくえを見守っていきたいものです。

初めての建軍節行事だ。しかし、昨年に比べ、行事の規模は縮小された。五輪後を見据えた控えめな動きと言える。

2018-02-09 | ピョンチャンオリンピック
「建軍70周年」静かに祝った北朝鮮…南北和解ムード続くか
登録:2018-02-09 01:43 修正:2018-02-09 16:31


建軍節軍事パレード生中継せず、規模も縮小 
10年周期の盛大な記念式の慣例に従わず 
軍事パレードの時間も昨年より1時間減らす 
 
金正恩委員長、夫人と共に衛兵隊を査閲 
「祖国の自主権侵害させない」 
火星-14・15型長距離ミサイルも披露

                
「朝鮮中央テレビ」が今月8日午後に録画中継した「建軍節」70周年記念軍事パレードで、移動式発射車両(TEL)に載せられた大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-15」が登場した/聯合ニュース

 北朝鮮が8日午前、建軍節70周年軍事パレードを行った。北朝鮮が先月、建軍節をこれまでの4月25日から2月8日に変更してから、初めての建軍節行事だ。しかし、昨年に比べ、行事の規模は縮小された。五輪後を見据えた控えめな動きと言える。

 北朝鮮は建軍節70周年を迎え、同日午前、平壌(ピョンヤン)の金日成広場で軍事パレードを行った後、これを午後5時30分(平壌時間5時)から「朝鮮中央テレビ」を通じて録画中継した。実際の軍事パレードは11時30分(平壌時間11時)から始まったものと見られると軍当局者は伝えた。平昌(ピョンチャン)冬季五輪開幕日(9日)前日に軍事力を誇示する行事を行うのは「軍事的挑発」という批判にもかかわらず、軍事パレードを強行したのだ。北朝鮮は今回の軍事パレードに、戦車や放射砲、自走砲などの通常兵器と共に、火星-14型や火星-15型などの長距離ミサイルも披露した。しかし、目を引くような新たな戦略兵器はかった。

 黒い中折れ帽と長いコート姿の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長は、夫人のリ・ソルジュ氏と共に衛兵隊を査閲した後、主席壇に移動し、軍事パレードを見守った。リ・ソルジュ氏の軍事パレード参観が確認されたのは初めてだ。金委員長は演説で「侵略者たちが神聖な我々の祖国の尊厳と自主権を0.001ミリたりとも侵害したり、愚弄することがないよう、努めなければならない」と述べた。

 同日の行事で、キム・ジョンガク新総政治局長が主席壇で金正恩委員長の右隣に座り、注目を集めた。代わりに、先日失脚したとされるファン・ビョンソ総政治局長の姿は見えなかった。9日に高官級代表団として平昌を訪れるキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長とキム・ヨジョン労働党第1副部長、チェ・フィ国家体育指導委員長なども主席壇に座った。

 北朝鮮は当初の発表通り、軍事パレードを強行しながらも、五輪以降の南北関係などを考慮する様子だった。まず、北朝鮮は、今回の軍事パレードをおよそ1時間30~40分間行ったという。昨年のパレードが午前10時5分から12時56分まで2時間51分間だったことに比べ、1時間以上も短いものだ。軍当局者は「昨年に比べ、内容の構成が縮小された」と話した。北朝鮮はまた、今回の建軍節記念軍事パレードを生中継せず、午後に録画放送した。昨年4月に金日成広場で行われた軍事パレードを実況中継したのと対比を成している。軍当局者は「北朝鮮が軍事パレードを生中継しないのは非常に珍しい」と話した。また、昨年と異なり、今回の軍事パレードには外国メディアの招待もなかった。

 今回の軍事パレードは建軍節行事で、昨年の軍事パレードは4月15日の故金日成主席の誕生(太陽節)105周年を記念したものであり、二つを単純比較するのは難しい。しかし、今回の建軍節は1948年2月8日に創設された人民軍の70周年を記念するものだ。行事の縮小は“10年の節目”を迎えた記念日を盛大に祝う北朝鮮の慣例にも反する。議論の拡散を食い止めるための控えめな行動と言える。

 北朝鮮のこのような“ローキー”(抑制された)の動きは、平昌五輪以降を念頭に置いた布石というのが大方の見解だ。キム・ドンヨブ慶南大学教授は「隣の宴を台無しにするという印象を与える必要がないと判断し、国内向けの行事に縮小したようだ」としたうえで、「今回の五輪を南北関係改善の機会にするため」だと話した。
パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

北朝鮮の高官級代表団の訪韓結果が今後の朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼすものとみられる。

2018-02-08 | ピョンチャンオリンピック

[ニュース分析]
実妹の派遣、金委員長の訪韓を除けば“最強の切り札”

登録:2018-02-08 05:26 修正:2018-02-08 07:41



-キム・ヨジョン副部長が高官級代表団に含まれた意味-

故金日成主席の直系として初めて訪韓 
国家元首に“分身”の家族まで 
形と内容いずれも破格 
「平昌以降」まで考えた戦略的判断 
 
文大統領と10日に面会する可能性も 
キム・ヨジョン副部長を媒介に金委員長と“間接対話” 
関係改善越えて北朝鮮の核問題めぐる緊張緩和の分岐点 
米国が肯定的に応えた場合は道広がる可能性も 
大統領府「第一歩踏み出すだけ」楽観論を警戒

                
北朝鮮の朝鮮中央TVが2017年12月30日に公開した金正恩労働党委員長の第5回党細胞委員長大会祝賀公演への出席の場面で、金正恩委員長と妹のキム・ヨジョン党中央委第1副部長が話しながら公演会場の階段を上っている/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の実妹のキム・ヨジョン党中央委員会第1副部長が、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を祝うための高官級代表団の一員として韓国を訪れるのは、“破格”と言える。金委員長が自分の考えを最も正確かつ明確に伝える“分身”として、キム副部長を選んだと解釈できる措置で、北朝鮮の高官級代表団の訪韓結果が今後の朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼすものとみられる。

 統一部は7日午後、北朝鮮が通知文を送り、キム・ヨンナム最高人民会議常任委員会委員長を団長とする高官級代表団の団員として、キム副部長やチェ・フィ国家体育指導委員会委員長、リ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長など3人が訪韓すると伝えてきたと明らかにした。北朝鮮憲法上の“国家元首”であるキム・ヨンナム常任委員長を団長にすることで“形式”の完成を図る一方、金正恩委員長に最も近いキム副部長を送ることで、“内容”まで最高水準に引き上げたものと言える。チョン・セヒョン元統一部長官は「キム副部長は南側で見て聞いたことをそのまま金正恩委員長に報告できる人物」だとし、「金委員長としては(キム副部長を通じて)さらに臨場感のある情報を入手する必要があっただろう」と話した。

 北朝鮮の最高指導者一家の一員が韓国を訪れるのは分断以来、今回が初めてだ。そのうえ、キム副部長は金正恩委員長の政権以来、至近距離で彼を補佐してきた点で、北朝鮮にとっては最強の切り札と評価できる。

 先月1日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の新年の辞以降、北朝鮮の動きは破格の連続だった。特に1月9日に閣僚級会談を皮切りに、南北対話を通じて様々な合意が相次ぎ、北朝鮮が平昌五輪への参加という一過性の行動を超えて、「平昌以降」まで考えているのではないかという見通しも示された。

 イ・ジョンソク元統一部長官は「キム副部長を送る決定は、北朝鮮が南北関係の修復を超えて、積極的に朝鮮半島情勢の安定を目指す意向を示唆したもの」だと話した。平昌五輪を契機に南北関係の復元に始動をかけたのに続き、これを土台に核・ミサイル問題を巡って極限まで高まった朝鮮半島の緊張を緩和するため、キム副部長の来韓という“破格のカード”を取り出したということだ。南北関係に詳しい元当局者は「このような破格の行動は、逆に北朝鮮も朝鮮半島情勢の緊迫感をそれだけ深刻に受け止めていることを示すもの」だと話した。

 キム常任委員長を始めとする北朝鮮の高官級代表団は9日、平昌五輪開幕式に出席した後、翌日の10日には大統領府を訪問し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と面会する可能性が高い。キム副部長が金正恩委員長の本音を最もよく知っているという点で、彼女を媒介に文大統領と金委員長が“間接対話”をする状況も考えられる。大統領府関係者は「(キム副部長が)相当の裁量権を持っているものと見られる」としたうえで、「(韓国側と)対話する際も、重みのある内容が話し合われるのではないかと思う」と話した。

 すでに南北間に一定の意見交換が行われたはずという分析もある。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「北朝鮮がキム副部長の派遣を決定したというのは、南北の間に水面下である程度の情勢に対する認識の共有が行われたことを裏付ける」と指摘した。金正恩委員長が家族を前面に出すくらいなら、核・ミサイル問題で触発された朝鮮半島情勢と関連し、一定の「戦略的判断」を下した可能性もあるいうことだ。

 カギは、米国がどのような反応を示すかだ。韓米はすでに年次合同軍事演習を延期する決定を通じて、対話のための最小限の条件を設けた。北朝鮮も昨年11月29日「火星-15」型の試験発射の成功と共に「国家核武力の完成」を宣言して以来、2カ月以上核・ミサイル挑発を止めた状態だ。北朝鮮の積極的な動きに米国が応えるなら、朝米対話につながる“機会の空間”をもう少し広げることもできる。

 一方、政府は性急な楽観論を警戒する雰囲気だ。大統領府関係者は「最も重要なのは核・ミサイル問題」だとしたうえで、「第一歩を踏み出すわけだが、最初から(非核化問題のような)本格的な話をするのは容易ではないだろう」と話した。
チョン・イナン、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)