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彼は裁判の過程で「正義と愛を教えるキリスト教信仰と性的マイノリティを尊重する『クィア・フェミニスト』としての価値観により、軍隊の体制を容認できないと感じた」と主張した。

2021-06-25 | 良心的兵役拒否

特定の宗教でなく「個人の信念」による兵役拒否者、

初めて無罪確定=韓国

登録:2021-06-24 20:49 修正:2021-06-24 22:41
 
 
「エホバの証人」の信徒ではなく、信念による兵役拒否で初の無罪確定判決を受けたシウさん//ハンギョレ新聞社

 「エホバの証人」の信者でなはなく、個人的信念により現役入隊を拒否した兵役拒否者が初めて無罪の確定判決を受けた。

 最高裁(大法院)1部(主審 キム・ソンス最高裁判事)は24日、兵役法違反の容疑で起訴されたシウさん(活動名・34)に無罪を言い渡した原審判決を確定した。裁判所は「信念と信仰が内面深く宿り明確な実体を成しており、真の良心に従った兵役拒否だと思われる」と判断した。

 シウさんは、2017年11月に現役兵入隊を拒否し、裁判に付された。性的マイノリティである彼は、高校生の頃から男性性を強要する暴力的集団文化に拒否感を感じてきたという。大学入学後、社会活動に積極的に参加するキリスト教団体を通じて「龍山惨事」(ソウル市龍山区の再開発地域で立ち退き反対住民と警察が衝突し、火災発生により計6人が死亡した事件)問題解決集会、済州島の江汀(カンジョン)村での海軍基地建設反対運動、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜集会などに参加し、非暴力・平和主義の良心を形成した。彼は裁判の過程で「正義と愛を教えるキリスト教信仰と性的マイノリティを尊重する『クィア・フェミニスト』としての価値観により、軍隊の体制を容認できないと感じた」と主張した。

 一審は「宗教的良心ないし政治的信念により現役兵入営を拒否することは、兵役法が規定した『正当な理由』に該当しない」として、シウさんに懲役1年6カ月を宣告した。その後、2018年6月に憲法裁判所は、代替服務制度を規定していない兵役法条項は良心の自由を侵害するとして憲法不合致決定を下した。同年11月、最高裁もエホバの証人の信者の良心的兵役拒否を初めて認め、無罪趣旨で破棄差し戻しした。

 最高裁の判例変更後に開かれた二審は、「愛と平和を強調するキリスト教信仰とマイノリティを尊重するフェミニズムの延長線上で、非暴力主義と反戦主義を擁護するようになり、それによって兵役義務の履行を拒否しているとみられる」として「信仰と信念が内面深く宿り明確な実体を成しており、それを妥協的だとか戦略的だとみることはできない」として、懲役1年6カ月を言い渡した一審判決を破棄し、無罪を宣告した。

 最高裁も「原審の判断に、論理と経験の法則に反して自由心証主義の限界を逸脱したり、兵役法が定める『正当な事由』に関する法理を誤解したという誤りはない」として、検察の上告を棄却した。最高裁の無罪確定判決によりシウさんは代替役審査委員会で自動認容決定を受け、36カ月間刑務所・拘置所などの矯正施設で合宿服務する予定だ。

 イム・ジェソン弁護士は、最高裁の判決後に記者会見を行い、「エホバの証人ではない良心的兵役拒否者にもきわめて狭い門が開かれた」として「代替役審査委が作られたのに依然として裁判を受けなければならない良心的兵役拒否者の苦痛をなくし、良心的兵役拒否をもっと許容できる方向へと進むよう、今回の判決が役立つことを願う」と明らかにした。シウさんは「今回の判決を契機に、他の良心的兵役拒否者も無罪を宣告されたり、裁判を受けずに代替役審査委で審査を受けられる道が開かれることを期待する」と話した。

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

宗教的理由にともなう兵役拒否者58人がまとめて解放される。残る収監者は13人だ。

2018-11-27 | 良心的兵役拒否
韓国法務部、
6カ月以上収監された良心的兵役拒否者58人を仮釈放

登録:2018-11-26 21:42 修正:2018-11-27 07:45


          
「世界兵役拒否者の日」の2017年7月15日午前、ソウル光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、兵役拒否で処罰を受けたり裁判中の良心的兵役拒否者が兵役拒否者に対する処罰の中断と代替服務制の導入を要求する街頭パフォーマンスをしている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞

 宗教的理由にともなう兵役拒否者58人がまとめて解放される。残る収監者は13人だ。

 法務部は26日、仮釈放審査委員会を開き、懲役刑が確定し6カ月以上監獄生活をした良心的兵役拒否者58人を仮釈放することを決めた。審査委は、刑法の仮釈放最小要件(刑期の3分の1経過)を満たした兵役拒否者63人の捜査・裁判・刑執行記録を検討した結果、58人を社会奉仕することを条件に30日に仮釈放することにした。法務部関係者は「最高裁(大法院)全員合議体が要求する“真の良心”基準に該当するかを判断し仮釈放を決めた。保留された5人は、最高裁の基準に該当するかが不明だったため保留することにした」と伝えた。これに先立って最高裁全員合議体は1日、「良心的兵役拒否に刑事処罰を加え、兵役義務の履行を強制することは、良心の自由など基本権の本質的内容を脅かしかねない。真の良心に従った兵役拒否ならば、兵役法が処罰の例外理由として定めた“正当な理由”に該当する」として、史上初めて無罪を宣告した。

 良心的兵役拒否者には1年6カ月の懲役刑が宣告されたが、法務部は彼らを刑務所に送らず拘置所で刑務官の行政業務を補佐させることにした。国防部が最近検討している「刑務所での代替服務」を既にさせてきたことになる。彼らのほとんどは刑期の80%(1年2カ月)を終えれば仮釈放された。

 1日基準で収監中の良心的兵役拒否者は71人だ。今回58人が解放されれば残りは13人になる。憲法裁判所と最高裁宣告をひとまず見守るとして、昨年から良心的兵役拒否者に対する実刑宣告が減ったためだ。兵務庁も6月、憲法裁判所が代替服務制を規定していない兵役法の条項に違憲決定をした後、良心的兵役拒否者の入営を延期した。そのため兵務庁の兵役法違反告発も幕を下ろし、連鎖的に検察の良心的兵役拒否者の起訴も中断された。今回保留された5人を除く残り8人も仮釈放が可能な刑期を満たせば審査を受け、ほとんどが解放されると見られる。こうした傾向が続けば、監獄に収監された良心的兵役拒否者は近い将来歴史の中に消える展望だ。

 ただし、収監中の71人のうち「エホヴァの証人信徒」が69人で、法務部が一部の兵役拒否者は「真の良心によるものか疑わしい」として判断を保留したため、論議が起きる見込みだ。良心的兵役拒否者の入営を延期し身分公開も中断した兵務庁とは異なり、法務部と検察の変化は緩慢と言える。検察は、最高裁の判例に則り「真実の良心」を再確認しなければならないとして、最高裁の宣告後にも2件の良心的兵役拒否無罪宣告には控訴した。

 一方、すでに収監生活をすべて終えた良心的兵役拒否者の「権利救済」問題は、依然として解決されていない。ペク・ジョンゴン弁護士のように、刑が確定して5年が過ぎていないという理由で弁護士再登録が拒否されるなど、職業選択の自由が侵害された人々も多い。大統領特別赦免についての主張が出てくるのもそのためだ。
キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

良心的兵役拒否者は処罰しないことが正しいという意向を明らかにした。

2018-07-01 | 良心的兵役拒否
銃よりも良心を…憲法裁、良心的兵役拒否者に対し「代替服務制を導入せよ」
登録:2018-06-29 01:17 修正:2018-06-29 09:45




代替服務のない兵役法の条項は「憲法不合致」と決定 
「良心の自由は侵害できない」来年末までに立法を要求 
国防部、現役より1.5~2倍長い服務期間を検討

                    
憲法裁判官が28日午後、ソウル斎洞の憲法裁判所大審判廷で良心的兵役拒否の許容可否を宣告するため席に座っている。この日、憲法裁判所は宗教的信念や良心を理由に入営または執銃を拒否する良心的兵役拒否者に関して代替服務制を規定しない兵役法条項は憲法不合致と決めた//ハンギョレ新聞社

 宗教的信念や良心を理由に入営または執銃を拒否する良心的兵役拒否者に対して、代替服務制を規定していない兵役法条項が憲法に合致しないという憲法裁判所決定が下された。憲法裁判所は、兵役拒否者に対する処罰規定自体は合憲と決めながらも、良心的兵役拒否者は処罰しないことが正しいという意向を明らかにした。

 1950年以後、今まで70年近く1万9千人余りが兵役法違反などで処罰された末の決定だ。南北分断の現実などを理由に、皆に同じ方式で一律的に国防の義務を要求してきたことから脱し、個人の良心、尊厳、価値が互いに異なることは最大限に尊重されなければならないという側に韓国社会の認識が変わっていることを反映した決定と評価される。

 憲法裁判所は28日、兵役法条項(第88条第1項、第5条第1項など)が違憲であるかを判断するよう要求した良心的兵役拒否者たちと裁判所が出した憲法訴訟・違憲法律審提請事件28件で、兵役の種類に良心的兵役拒否者に対する代替服務制を規定していないという理由で、兵役法第5条第1項に対して、裁判官6(憲法不合致)対3(却下)の意見で憲法不合致決定を宣告した。憲法裁判所は、兵役の種類を規定した兵役法の規定が、2019年12月31日までに代替服務制を含む内容に改正されるべきで、改正前まではそのまま適用されると明らかにした。

                  
世界兵役拒否者の日である昨年5月15日午前、ソウルの光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、参席者が兵役拒否で処罰を受けたり裁判中の良心的兵役拒否者たちに対する処罰の中止と代替服務制導入を要求している=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所は「現役・予備役・補充役・兵役準備役・戦時勤労役など、現行兵役の種類はすべて軍事訓練を受けることを前提としているので、良心的兵役拒否者に兵役の種類条項に規定された兵役を賦課すれば、彼らの良心と衝突を起こさざるをえない。十分に兵役の代案になりうる代替服務制を規定していない兵役の種類条項は、過剰禁止原則に反し、良心の自由を侵害している」と決定理由を明らかにした。憲法裁判所はさらに「いわゆる少数者の声に耳を傾け、これを反映することは寛容と多元性を核心とする民主主義の真の精神を実現することになるだろう」と明らかにした。

 憲法裁判所はしかし、正当な理由なく入営などを拒否すれば処罰するよう定めた兵役法第88条第1項の処罰条項に対しては、合憲4、一部違憲4、却下1の意見で違憲定足数に至らず合憲と決めた。ただし、処罰条項に違憲意見を明らかにした裁判官4人の他に、合憲意見の中でもカン・イルウォン、ソ・ギソク裁判官は「代替服務制が規定されていない状況で、良心的兵役拒否を処罰するのは憲法上の良心の自由を侵害するものであるから、良心的兵役拒否は“正当な理由”に該当する」として「これは処罰条項自身の問題ではないので、立法府の改善立法と裁判所の後続措置を通じて解決できる問題」と明らかにした。こうした意見は、裁判所が良心的兵役拒否を兵役法上の“正当な理由”と判断して処罰してはならないという意味を表わしたと見られる。

 今回の決定により国会が法を改正した後、または憲法裁判所が定めた改善立法の期間以後の2020年からは、良心的兵役拒否に対する起訴が不可能になると見られる。検察もその間は起訴を控える見通した。上告審196件を含め裁判所に係留中の913件の良心的兵役拒否事件も、憲法裁判所の今回の決定と最高裁(大法院)の判例変更に合わせて無罪を宣告すると見られる。ただし、兵役法の処罰条項に対しては合憲と決定されたため、直ちに再審を求めることは難しい。この事件を全員合議体に付した最高裁が、既存の有罪判例を変えれば実質的な再審事由になりうる。兵務庁によれば、2013年以後今年5月末までの6年間、良心的兵役拒否で刑が確定された人は1790人で、裁判を受けている人は966人に達する。

 参与連帯などの市民団体はこの日午後、憲法裁判所による決定宣告後、ソウル市鍾路区(チョンノグ)の憲法裁判所前で記者会見を行い「韓国は良心に従った兵役拒否者などに代替服務制がない唯一の国」として「遅きに失したとはいえ祝福すべき決定」と明らかにした。市民団体は「国会は代替服務制を立法しなければならないのはもちろん、すでに処罰を受けた人々を赦免して、良心的兵役拒否者の残った刑期も代替服務に変えられるよう検討しなければならない」と明らかにした。

 現行兵役法は、兵役の種類を現役・予備役・補充役・兵役準備役・戦時勤労役の五種類に限定している。また、現役入営通知を受けた人が、正当な理由なしに入営を拒否すれば、3年以下の懲役に処するよう定めている。良心的兵役拒否者などは、この条項を根拠に起訴され、軍服務期間と同等の懲役1年6カ月の実刑を一律的に宣告された。1950年以後、今まで良心的兵役拒否で処罰を受けた人は1万9千人余りに達する。

 憲法裁判所は、2004年と2011年の二度にかけて裁判官7対2の意見で良心的兵役拒否者処罰を合憲と決めた。これに先立って「ハンギョレ21」は2001年2月、宗教的理由にともなう良心的兵役拒否を初めて人権レベルの問題として提起し、同年12月には仏教信者のオ・テヤン氏が初めて公開的に兵役拒否を宣言し、本格的な社会的議論が始まった。
ヨ・ヒョンホ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )