李明博韓国大統領の竹島上陸への対応措置(官房長官発表)
平成24年8月17日
我が国政府は,竹島を巡る領土問題について,我が国の主権に関わる重大な問題と認識しており,毅然とした対応措置をとる考え。
韓国政府に,竹島問題について,国際法に則り,冷静,公正かつ平和的に紛争を解決することを目指して,近日中に,国際司法裁判所への提訴としての合
意付託及び日韓紛争解決交換公文(注)に基づく調停を提案する。
竹島問題について関係する閣僚の会合を開催することとし,今後の体制の強化等についての諸準備も早急に実施する。また,民間分野において,竹島問題
等の調査・研究,国民世論の啓発のための活動を支援するための取り組みを調整する。
李大統領の竹島上陸に関連する措置は,必ずしも上記に限定されない。韓国側の行動に対して相応する措置の検討は引き続き進め,今後の韓国側の行動等
も勘案しつつ,我が国政府として更にいかなる措置をとるか適切に判断する。
(注)日本国と大韓民国との間の紛争の解決に関する交換公文(昭和40年条約第30号)抜粋
「・・・両国政府は,別段の合意がある場合を除くほか,両国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとし,これにより解決することができな
かつた場合は,両国政府が合意する手続に従い,調停によつて解決を図るものとする。・・・」
外務大臣会見記録(平成24年8月17日(金曜日)12時26分~ 於:大臣接見室前)
冒頭発言-日韓関係
【玄葉外務大臣】私(大臣)が11日にも皆様にお伝えをし,今朝,官房長官からも発表しておりますけれども,李大統領の竹島上陸に対する我が国政府の対
応措置について申し上げたいと思います。
まず,韓国政府に,近日中に国際司法裁判所(ICJ)への提訴としての合意付託及び日韓紛争解決交換公文に基づく調停を提案します。韓国政府は「グロ
ーバル・コリア」を標榜しているわけでありますから,仮に自国の竹島に対する領有権の主張が正当なものであるということであるならば,我が国の提案に
応じるべきだと考えますし,韓国政府に対して強くそのことを求めたいと思います。
また,近々,竹島問題について関係する閣僚の会合を開催いただき,今後の体制の強化等も含め,議論をいたします。また,民間分野での竹島問題等の調
査研究,国民世論の啓発のための活動を支援する取組みも調整してまいります。
ただし,明確に申し上げておきたいと思いますけれども,今回の竹島上陸に関連する措置は,必ずしも今申し上げたことに限定されているわけではありま
せん。韓国側の行動に対して,相応する措置の検討は引き続き進めます。そして,韓国側の行動等も勘案しながら,更にいかなる措置を取るか,適切に判断
したいと考えております。
また,先ほど申珏秀大使を外務省に召致し,ただいま申し上げた我が国の対応措置について明確に伝えました。加えて,李大統領の天皇陛下に係る発言に
ついて,我が国政府から天皇陛下の韓国ご訪問を取り上げたことはないということ,そして,李大統領の発言は理解に苦しむということ,誠に遺憾であるこ
と,李大統領が非建設的な発言を続けることは韓国のためにもならないということを申し入れました。
最後に,私(大臣)から申大使に,現在の事態を深く憂慮しており,韓国が日韓間の大局に立って,こうした最近の言動を改めること,そして,韓国が思
慮深く慎重な対応をとっていただきたいということを伝えたところであります。
私(大臣)からは以上です。