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初めての海外訪問先である中国で、南北関係の改善や北朝鮮核問題の進展などにおいて中国が建設的な役割を果たすよう、王毅外交部長に要請するものとみられる。

2021-04-04 | 韓国・中国首脳会談

[ニュース分析]

「中国役割論」への期待抱いて廈門に向かった韓国外相

登録:2021-04-03 01:08 修正:2021-04-03 07:09
 
3日、韓中外相会談 
 
韓国、北朝鮮の核問題への中国の「肯定的関与」を期待 
中国は北朝鮮への影響力を誇示するカードとして活用 
 
文在寅大統領が2019年12月23日、中国北京人民大会堂で習近平国家主席と首脳会談に先立ち、握手を交わしている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 チョン・ウィヨン外交長官が「朝鮮半島平和プロセス」を再稼働する過程で、中国の“積極的な支援”を引き出すための外交的挑戦に臨む。北朝鮮核問題は、新型コロナへの対応、気候変動などとともに鋭く対立している米中が協力できると同意した懸案であるだけに、韓国政府が中国の“肯定的役割”をどこまで引き出せるかに関心が集まっている。

 チョン長官は2日午後1時、ソウル空港で政府専用機に乗り込み、韓中外相会談が予定されている中国福建省の廈門に向かって出発した。これに先立ち、チョン長官は外交部庁舎で記者団に対し、「中国が引き続き(朝鮮半島平和プロセスの進展のための)建設的な役割を果たす必要がある」と強調した。チョン長官は先月31日の記者会見でも「朝鮮半島の非核化を通じた恒久的な平和定着については、中国も常に韓国の立場を支持してきたため、中国がどのような役割を果たすか非常に率直かつ建設的な方向で協議する」と述べた。初めての海外訪問先である中国で、南北関係の改善や北朝鮮核問題の進展などにおいて中国が建設的な役割を果たすよう、王毅外交部長に要請するものとみられる。

 
チョン・ウィヨン外交長官が今月2日、ソウル空港で中国訪問のため政府専用機に搭乗している=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 これに対して中国は、これまで肯定的な立場を明らかにしてきた。中国外交部の趙立堅報道官は、アントニー・ブリンケン米国務長官が韓国で北朝鮮核問題の解決に向けた中国の役割に言及した翌日の先月18日、中国が主張する双軌並行(朝鮮半島の非核化と朝米平和交渉の同時推進)原則に基づき、「(朝鮮)半島問題の政治的解決手続きを粘り強く進めることは各当事国の共同利益に合致する。中国はこの点で建設的な役割を果たす」と答えた。

 中国はさらに一歩進んで、朝鮮半島平和プロセスの再開を切実に望む韓国との関係を強化し、米国を牽制したい構えだ。中国官営「環球時報」は先月17日、韓国を米国の中国包囲戦略の「弱い輪(連結部分)」と表現しており、中国外交部の華春瑩報道局長は31日、韓中首脳会談開催を知らせる会見で、韓国と「戦略的意思疎通を増進し、実質的協力を深めると共に、韓中の戦略的パートナー関係を今後引き続き発展させていきたい」という考えを示した。

 「中国役割論」は、1990年代初めに北朝鮮の核問題が始まってからこれまでに続く敏感な論争の種の一つだ。米国は北朝鮮が核や弾道ミサイル能力を強化するたびに、北朝鮮の貿易における中国の比重が絶対的であることを挙げ、「中国が対北朝鮮制裁に積極的に参加すべきだ」という立場を示してきた。これに対する中国の伝統的な立場は「北朝鮮の核問題の原因は朝米の矛盾にある。そのため、米国が責任を負わなければならない」ということだった。しかし、2018年初めの平昌(ピョンチャン)冬季五輪を契機に朝米首脳会談が推進されるなど、朝鮮半島情勢が急激に変化したことを受け、3月末に第1回朝中首脳会談を開き、4月18日に「中国は朝鮮半島問題の当事者として積極的に役割を果たす用意がある」という立場を明らかにするなど、積極的関与路線に転じた。これに対し、ドナルド・トランプ大統領(当時)は「習近平主席が金正恩(キム・ジョンウン)国務委委員長に影響力を発揮したようだ。これから何が起こるのか、見守ってみよう」と述べ、警戒感を示した。

 
チョン・ウィヨン外交長官が国家安保室長時代の2019年12月5日午後、王毅中国外交担当国務委員兼外交部長の文在寅大統領への表敬訪問に先立ち、大統領府の廊下で話を交わしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 トランプ大統領の警戒とは裏腹に、朝鮮半島平和プロセスが稼動していた2018~2019年の2年間に行われた5回にわたる朝中首脳会談を振り返ってみると、中国が北朝鮮の核問題解決に向けて積極的に動き出した情況は見られない。むしろ、中国は当時熾烈に展開されていた米中貿易戦争で有利な位置を占めるため、自分の持つ北朝鮮への影響力を米国に誇示しようとする姿を見せた。中国の国益を極大化するため、時々“北朝鮮カード”を使ったのだ。

 これを象徴する動きは、2019年6月末、大阪で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議の前に行われた習近平主席の電撃的な北朝鮮訪問だった。3カ月前にベトナムのハノイで開かれた第2回朝米首脳会談の決裂後、大きな衝撃を受けた北朝鮮は、20~21日に平壌(ピョンヤン)を訪問した習主席を手厚く歓迎した。当時、訪中をめぐって習主席が朝米間の仲裁者として積極的な役割を果たすとの期待の声もあったが、習主席は「中国は北朝鮮の合理的安全に対する懸念と(経済)発展に対する懸念の解消に向けて、中国ができるあらゆる支援を提供する」と述べるにとどまった。北朝鮮がもっと果敢に非核化措置に乗り出すよう督励せず、北朝鮮に対する影響力を極大化し、自分たちにとって有利な“現状維持”の道を選んだのだ。習主席はその直後の29日、大阪でトランプ大統領に会い、貿易戦争の“休戦”を宣言し、交渉を再開することで合意した。

 中国役割論と関連して、これまで確認されたバイデン政権の公式な立場は、一応期待をかけてみようというものだ。ブリンケン国務長官は18日、韓米外交・防衛担当閣僚協議(2プラス2)直後の記者会見で、「中国は北朝鮮が非核化をするよう説得するのに大変重要な役割を果たすことができる」と述べた。これに対する米国の専門家たちの見通しは否定的だ。「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)の2日の報道によると、スティムソンセンターのジョエル・ウィットソン研究員は「我々は同じわなにはまり続けてきた。米国政府は朝鮮半島問題において、中国が米国を苦境から救ってくれるという期待を寄せてきたが、絶対にそのようなことは起きないだろう」と述べた。ロバート・マニング研究員も「中国は米国を助けるためではなく、自ら利益に合致する時だけ協力するだろう」という否定的な見解を示した。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

今回の韓中外相会談では、まず中国の習近平国家主席の訪韓日程が議題になるものとみられる。

2020-11-21 | 韓国・中国首脳会談
中国外相、25日頃訪韓…習近平主席の訪韓など話し合う見込み
登録:2020-11-20 06:49 修正:2020-11-20 07:34


習近平主席の訪韓など協議する見通し

      

中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長//ハンギョレ新聞社

 中国の王毅外交担当国務委員兼外相が25日頃に訪韓し、カン・ギョンファ外交部長官と会談する。

 韓国政府当局者は19日、「確定手続きだけを残している状態」とし、「王部長が25日に訪韓し、26日にカン・ギョンファ外交部長官と会談する」と明らかにした。これに先立ち、王外相は1泊2日間の日程で日本を訪問し、茂木敏充外相と会談した後、韓国に向かうものとみられる。当初、王部長は先月、日本と韓国訪問を推進したが、「内部日程」のため、訪問を延期した。

 今回の韓中外相会談では、まず中国の習近平国家主席の訪韓日程が議題になるものとみられる。今年8月に訪韓した中国の楊潔チ外交担当政治局員は「韓国は、新型コロナウイルスの感染が安定すれば最初に訪問する国の一つ」と述べ、習主席の訪韓に意欲を見せた。ただし、新型コロナの世界的な感染拡大が沈静化しない中、年内訪韓が実現するかは不透明だ。

 これと関連し、外交関係者の間では、韓国政府がジョー・バイデン新政権発足を控えた状況で、習主席の訪韓にあまり積極的ではないという分析も示されている。中国も首脳会談による成果が明確ではないという判断から、訪韓日程を決めるのに多少消極的な態度を示すだろうと予想する専門家もいる。外相会談が開かれれば、両国は習主席の訪韓について意見を交換しながら、新型コロナへの対応や経済協力など、二国間の緊急懸案について話し合うものとみられる。

 王部長の今回の訪韓は、バイデン政権発足を控えた重要な時期に行われることから注目を集めている。バイデン政権が発足しても米中間の戦略的競争構図は続くと見られる中、同盟を重視するバイデン次期大統領の特性上、米国が韓米日の三角協力体制を強化するというのが大方の予想だ。中国の立場ではバイデン政権の発足を控え、王部長の訪問を通じて韓日両国との関係を管理する必要がある。

 これに先立ち、中国は先月末、5中全会(共産党第19期中央委員会第5回全体会議)を通じて内需を強調する「双循環」戦略を確定した。今後米中対立の恒常化を見越し、「内需拡大」と「技術自立」を強調したものと見られる。中国は韓日両国を「先端技術協力国」に設定したといわれており、王部長がこれに関する協力も要請するものと予想される。王部長の訪韓は昨年12月以来11カ月ぶりだ。
キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「中国側は現在の韓日状況について関心を持っており、中国にできることをやるという立場を明らかにした」

2019-08-21 | 韓国・中国首脳会談
韓日外相、突破口を見出せるかに関心集まる…
王毅中国外交部長「韓中日は協力すべき」

登録:2019-08-21 05:32 修正:2019-08-21 07:29


開幕した韓中日外相会議 
韓中会談で朝鮮半島情勢について論議 
習主席の訪韓時期について意見交換 
GSOMIAの延長に関する決定やホワイト国からの除外施行日が迫る中 
韓日外相が膝を突き合わせる 
対話チャンネルの維持と接点探しは難題 
中国の仲裁者の役割に注目集まる

          

「第9回韓日中外相会議」が開かれている中国北京の古北水鎮で今月20日午後、カン・ギョンファ外交部長官と中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長が韓中外交長官会談を行っている=特派員共同取材団//ハンギョレ新聞社

 21日、中国北京で開かれる韓中日、韓日外相会談で、韓日間の対立の突破口が見いだせるかに注目が集まっている。

 カン・ギョンファ外交部長官は、日本の河野太郎外相と中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長とともに、「第9回韓中日外相会議」を行うため、20日に北京外郭の古北水鎮に到着した。同日午後、韓中外相会談が始まる際、カン長官は「最近、北朝鮮による懸念すべき行為があった」とし、「朝鮮半島情勢に対する評価を交換し、北朝鮮の対話への早期復帰に向けた協力案についても、緊密な協議が行われることを期待する」と述べた。王毅外交部長は「中日韓3カ国は隣国として力を合わせて協力を進展させていかなければならない。これを通してこの地域の平和と安定をともに進めていくべきだ」とし、韓中日の協力を強調した。外交部当局者は「韓中外相が習近平中国国家主席の訪韓の意義について意見を交換し、訪韓時期について話し合っていくことにした」とし、「中国側は現在の韓日状況について関心を持っており、中国にできることをやるという立場を明らかにした」と伝えた。

 今回の3カ国外相会議は3年ぶりに開かれ、そもそもの目的は今年末に北京での韓中日首脳会議を実現させることだ。しかし今回の会議は、韓日が対立する中、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長するかどうかを決定しなければならない期限(8月24日)と、日本のホワイト国(グループA)からの韓国除外措置の施行日(8月28日)を目前に控え、韓日両国の外相が膝を突き合わせる舞台として、さらに注目を浴びている。カン・ギョンファ長官と河野外相は21日午前、韓中日外相会議に続き、午後には韓日外相会談を行う予定だ。

 韓日外相会談では、日本の韓国に対する報復的輸出規制や強制動員の賠償をめぐる両国の立場の相違、GSOMIAの延長問題、韓国が日本に公式回答を要請した福島原発の汚染水の海上放出計画などが議題になるものと予想される。特に、延長の可否に対する決定が迫っているGSOMIAと関連し、韓国政府は今回の韓日外相会談の雰囲気を見て立場を確定するものとみられる。

 外相会議の随行で訪中したキム・ジョンハン外交部アジア太平洋局長は20日午後、日本の金杉憲治外務省アジア大洋州局長と局長級協議を開き、強制徴用問題を含めた両国の関心事について意見を交換した。キム局長はこの場で、日本の輸出規制措置の問題点を指摘し、早期に撤回することを再度求めた。また、GSOMIAに対する韓国側の立場も伝えた。両者は外交当局間の対話と疎通が重要だということで認識をともにし、対話を継続していくことにした。

 外交部当局者は「韓日外交当局は対話をしているが、輸出当局間の対話が行われていない」と述べた。この当局者は「全体的に両者の立場の隔たりが大きい。にもかかわらず、外交当局間の対話モメンタムを維持したことに意味がある」と付け加えた。

 韓中日外相会議で、韓日の対立に対し中国がどのような“役割”を果たすかにも関心が集まっている。米中貿易戦争の最中で、自由貿易の原則を強調してきた中国が、韓日の対立にとれだけ影響を与えられるかが関心事だ。しかし、韓日の対立が東アジアで米国中心の中国包囲網を弱める側面があり、中国の積極的な“仲裁”の役割を期待するのは難しいという分析もある。

 慣例上、3カ国外相は会議が終わった後、習近平国家主席や李克強首相ら中国指導部と面会するものと予想される。
パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/906484.html
韓国語原文入力:2019-08-20 22:57
訳H.J
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習主席は、金委員長が「経済発展と民生改善のために外部環境が改善することを望んでおり、対話を通じて早期に合理的な案が模索されることを望む」・・・

2019-06-28 | 韓国・中国首脳会談
習主席「金委員長、非核化への意志変わらず、
対話による解決を望んでいる」

登録:2019-06-28 06:28 修正:2019-06-28 08:18

韓中、G20控えて首脳会談 
習主席、金委員長のメッセージ伝える 
「朝鮮半島における対話の流れの持続を明らかに」 
文大統領「朝米対話の早期実現を希望」


          

首脳会議に出席するため、日本を訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が今月27日午後、大阪のウェスティン・ホテルで中国の習近平国家主席との会談に先立って握手を交わしている/聯合ニュース

 先週北朝鮮を訪問し、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に会った中国の習近平国家主席は27日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談で、金委員長が「非核化への意志は変わっておらず、朝鮮半島で対話の会話の流れは変わらないだろう」」という趣旨のメッセージを伝えたと明らかにした。習主席は、金委員長が「経済発展と民生改善のために外部環境が改善することを望んでおり、対話を通じて早期に合理的な案が模索されることを望む」という意思を伝えたと述べた。これは3回目の朝米首脳会談に対する金委員長の強い意志を示したものと見られる。

 主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため、日本の大阪を訪問中の習主席は同日、宿泊先の大阪ウェスティン・ホテルで、文大統領と40分間にわたり韓中首脳会談を行った。習主席はこの場で、20~21日に平壌(ピョンヤン)で開かれた朝中首脳会談の結果を共有したと、コ・ミンジョン大統領府報道官が伝えた。

 コ報道官は「習主席が最近訪朝した後、金委員長との会談について感想を文大統領に述べた」とし、非核化に対する金委員長の意志は変わりがないと述べた。習主席は「(金委員長が)新しい戦略的路線に伴う経済発展と民生改善のため努力しており、外部環境が改善されることを望んでいる」とし、「対話を通じてこの問題を解決したいと思っており、忍耐を維持して早急に合理的な案が模索されることを望むという意向を示した」と述べた。ハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談で合意が見送られて以来、朝鮮半島情勢が膠着状態にあるが、一定の交渉環境が整った場合は朝米対話に乗り出す可能性があることを示唆したものと見られる。

 また習主席は「(金委員長が)韓国とも和解協力を進める用意があり、朝鮮半島における対話の流れは変わらないだろうと述べた」と伝えた。一定の条件が整えば、南北間の和解交流を続け、重大な緊張を高める行為を控えるという意味と言える。

 これに対し、文大統領は「習主席と金委員長の会談、朝米の親書交換などは、朝米対話のモメンタムを高めたと思う」としたうえで、「朝米対話の早期実現を望んでいる」と述べた。習主席は「(朝鮮半島問題の解決は)対話と交渉を通じて行われなければならず、対話を強く進めなければならない」としたうえで、「中国は、朝米の3回目の協議を支持しており、両者が柔軟な姿勢を見せて対話が実現することを期待している」と述べた。

 ホン・ミン統一研究院北朝鮮研究室長は「(非核化交渉に関して)金委員長から出発して、習主席を通じて文在寅、トランプ大統領に伝わり、韓国で韓米首脳が会って肯定的な回答をしなければならない状況が作られた」とし、「トランプ大統領がそれに応える形で、7月初めに交渉に突入する雰囲気が形成されるものとみられる」と見通した。外交安保分野の元老関係者は「金委員長の非核化の意志と対話の意志を再確認した」とし、「目新しさはないが意味のあるメッセージだ。南北協力への意志を再確認した点も意味がある」と述べた。

 ただし、両首脳は高高度防衛ミサイル(THAAD)問題をめぐっては、多少意見の相違があった。習主席はまず「(THAAD問題の)解決策が検討されることを望む」とし、中国が神経を尖らせているTHAAD問題を取り上げたが、これに対し文大統領は「そのためにも非核化が重要であり、この問題が解決されなければならない」という原則的な答弁で対応した。

 文大統領は最近、貿易をめぐり激化する米中の対立に関しても、習主席に円満な解決を強調した。彼は「米国と中国は韓国にとって第1、2位の交易国であるだけに、いずれも重要だ」としたうえで、「(韓国が)一国を選ぶ状況に至らないことを望んでいる」と述べた。大統領府関係者は「両首脳は多国間貿易体制は保護すべきという話を交わした」とし、米国が韓国をはじめ他の国々に取引禁止を要請している中国の通信装備会社華為(ファーウェイ)問題に関しては、「その話はなかった」と述べた。

 両首脳は、微小粒子状物質(PM2.5など)問題の解決に向けて協力することで合意した。習主席は「中国は環境保護について10倍の努力を傾けている。積極的に協力していく」と述べた。これに対し、文大統領は「両政府が協力する姿を見せるだけでも、肯定的な影響を与えられるだろう。中国に優れた経験と技術があるだけに、協力していこう」と述べた。

 文大統領は習主席に早期の韓国訪問を要請した。また「(習主席の訪韓が)韓国国民に両国関係の発展に対する大きな期待を与えるだろう」と述べた。これに対し、習主席は「具体的な時間に関しては、外交当局を通じて協議していこう」と答えた。両首脳は昨年11月、パプアニューギニアで開かれたアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を含め、これまで5回首脳会談を行った。

 文大統領は同日、朴正煕(パク・チョンヒ)軍事政権が起こした在日同胞留学生スパイ捏造事件について謝罪した。彼は約370人余りの在日同胞を招待し、大阪ニューオータニホテルで開いた夕食懇談会で、「軍部独裁時代に多くの在日同胞青年たちが公安統治のために捏造されたスパイ事件の被害者となった」としたうえで、「独裁権力の暴力に深く傷ついた在日同胞操作スパイ事件の被害者の方々と家族たちに、大統領として国家を代表して心からの謝罪を申し上げる」と述べた。

 さらに「再審で無罪判決が下され、民主化功労者として認められる場合もあるが、心の深い傷を癒し、奪われた時間を取り戻すにはあまりにも不十分だ」とし、「政府は真実を究明し、傷を癒すための努力を続けていく」と約束した。中央情報部は1975年、「北朝鮮の指令で留学生を装い、国内に潜入した北朝鮮スパイ団を逮捕した」として、在日同胞留学生12人らにスパイ容疑をでっち上げた。

 彼は「日本が来年の東京夏季五輪開催を成功させられるよう、誠意を持って協力する」としたうえで、「4種目で南北単一チームが出場するだろう」と述べた。

 在日同胞たちは文大統領に、悪化した韓日関係を改善してほしいと要請した。呉龍浩(オ・ヨンホ)民団大阪本部団長は「両国関係が悪化すると、在日同胞の生活に大きな影響を及ぼす」としたうえで、「G20首脳会議を機に、韓日関係が大きく改善されることを望んでいる」と述べた。呂健二(ヨ・ゴンイ)民団中央団長も「韓日関係は我々にとっては死活にかかわる問題」だと訴えた。文大統領は「これまで日本を生活の基盤としながら、苦しく悲しいことも多かっただろう。それを考えるだけでも苦しさが伝わる」とし、「朝鮮半島の平和が北東アジア平和につながり、対立の時代を乗り越えて和解と協力の時代へと進めるよう、力を結集してもらいたい」と述べた。
大阪/ソン・ヨンチョル記者、キム・ジウン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)