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初級部生たちの朝大見学に同行した。取材日となった7月6日の訪問校は、東京第2、第6、第9初級の5年生児童22人。

2017-08-07 | 朝鮮新報より転載

ワクワク、ドキドキ朝大見学/都内の朝鮮初級部生たち

歴史、自然、体験など盛りだくさん

クロツラヘラサギの幼鳥に餌を与える(左が鄭鐘烈室長)

朝鮮学校初級部5年の「国語」の教科書には、「朝鮮大学校」という題目の教材がある。紀行文形式で書かれたこの教材には、西武線「鷹の台」駅から朝大へ向かう道のりから、緑に包まれた自然豊かな朝大の魅力がふんだんに盛り込まれている。関東圏を中心に、毎年この授業の一貫として取り入れられている、初級部生たちの朝大見学に同行した。取材日となった7月6日の訪問校は、東京第2、第6、第9初級の5年生児童22人。

教科書で見た朝鮮大学校

朝大に到着した子どもたちを出迎えたのは、教務部副部長の姜承福さんだ。

「みなさん、朝鮮大学校について学んできましたか?」と声をかけると、子どもたちは声をそろえて「はい!」と答えた。

「それでは、いくつか質問してみます。うまく答えられない場合、それは誰の責任でしょう?」

こう姜さんが尋ねると、数人の子どもたちが「先生の責任~!」と声を上げて、ゲラゲラと笑い声を立てた。

朝大の創立は1956年4月10日。それより10年ほど前に、子どもたちが現在通っている都内の朝鮮初級学校が創立された。解放直後の同胞生活と朝大創立、校舎移転に伴う経緯について姜さんが説明すると、子どもたちは真面目な表情で耳を傾けていた。

研究棟の前からスタートした一行は、まず庭園へと向かった。芝生の中央にはオオヤマレンゲ(朝鮮の国花)とツツジが植えられ、校内の至るところにたくさんのモクレンの樹が植えられている。

朝大の庭園にはたくさんの樹木が植えられている

庭園の先にある講堂は、朝大生自身の手で作られたものとして知られている。「教科書で習った内容だ!」と、子どもたちは右端と左端で高さの違う階段を自分の手のひらで測りながら上り下りしていた。

本物の「朝鮮」に触れる

図書館に続き、創立25周年記念館に向かった。一行を出迎えたのは、鎧を着けた馬にまたがる高句麗の武士。吸い寄せられるように近づいていく子どもたちに、姜さんは、これは広開土王時代のものだと説明した。

記念館に併設された朝鮮自然博物館で子どもたちは、虫眼鏡を使って大きな朝鮮地図の中から祖父母や曾祖父母の故郷の地名を探したり、朝鮮の魚や昆虫、5千年の歴史を誇るマンモスの化石などを食い入るように見つめていた。また、朝鮮歴史博物館では高句麗壁画や亀甲船、測雨期、日時計、青磁、白磁などを興味深そうにながめていた。

高句麗壁画の緻密さに驚く児童がたくさんいた

記念館の見学を終えた金脩亜さん(東京第2初級)は「自然博物館で見た木の切り株の標本が、何層にも年輪が刻まれていて興味深かった。歴史博物館では、高句麗壁画の一つひとつがよく描かれていてすごいなぁ~と思った」と感想を話した。

一方、権星伍さん(東京第2初級)は、初めに訪れた庭園が印象深かったという。「イナゴを捕まえたから。博物館では歴史を知れたし、動物をたくさん見られた。鷲が格好良かった」と語った。

五感を使って

一行は続いて、鳥小屋に向かい、30年にわたって渡り鳥の研究に励んできた朝大自然科学研究所野生生物研究室室長の鄭鐘烈さんの解説を聞き、養蜂場で「ミスター・ミツバチ」こと尹博正・施設管理部長の説明を受けた。

朝大の鳥小屋には、一時「絶滅危惧種」に指定されていたクロツラヘラサギが飼育されている。子どもたちは、朝大で人工孵化に成功した、クロツラヘラサギの幼鳥に餌付けをし、鳥小屋に「同居」するフラミンゴとのふれあいを楽しんだ。また、養蜂場では、直接、蜜蝋に触ったり、朝大産のハチミツの試食をしたりと目、耳、鼻、肌、舌でも朝大の魅力を味わっていた。

昼食は、食堂で辛めのカレーを食べた。午後には軽音楽部のミニコンサートを鑑賞し、教育学部の学生たちが企画した理科実験で、バブロケットや空気砲などを体験した。

李蒔温さん(東京第2初級)は「朝大のお兄さん、お姉さんたちが、僕たちのためだけにコンサートをしてくれたのが嬉しかった。声が素敵で、ギターを引く姿が格好良かった。知ってる歌もいくつかあった」と嬉しそうに話した。

郭来未さん(東京第9初級)は「今日は1日、いろんなことができて楽しかった。一番面白かったのは理科の実験。バブロケットがいつ飛ぶのかドキドキした」と言った。

また、李潤伊さん(東京第9初級)は「楽しいこともたくさんあったけど、朝大に込められた歴史を改めて振り返り感動した。昔の朝大生たちがみんなで力を合わせて講堂の階段を作ったり、勉強してウリハッキョの先生になったりと、全部が感動した」と笑顔で話した。(金潤順)

 

 

 



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