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ロンドン大学東洋アフリカ大(SOAS)音楽人類学博士課程研究員のソン・チョロン氏(32)が見るに、コリアン約2万人が住むニューモルデンはすでに南北統一が成された未来の都市のようだ。

2018-08-26 | 対話こそが歴史を開く

[インタビュー]「ロンドンのコリアンタウンでは南北住民が同じコミュニティで生活」

登録:2018-08-25 09:54 修正:2018-08-25 12:36

英国SOAS大学の研究者のソン・チョロン氏 
「脱北民の適応における音楽の役割」を発表 
韓国人が営む食堂・スーパーで 
脱北民たちが掃除・サービングなどスタッフとして働く

 
論文「音楽を通じての治癒と再構成:ロンドンの北朝鮮離脱民たち」を書いたソン・チョロン氏が21日午前、ソウル瑞草洞の国立国楽院でインタビューに応じている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 「現在、英国に約700人の脱北民がおり、このうち500人余りがロンドンのコリアンタウンであるニューモルデンに住んでいます。南北の住民が一緒に暮らしているから、コリアン行事で必ず出てくる歌は『故郷の春』や『われらの願い』『アリラン』です」

 21~23日、ソウル瑞草区の国立国楽院で行われた「2018 ICTM MEA国際学術大会」に参加した英国のロンドン大学東洋アフリカ大(SOAS)音楽人類学博士課程研究員のソン・チョロン氏(32)が見るに、コリアン約2万人が住むニューモルデンはすでに南北統一が成された未来の都市のようだ。南北の住民が緊密な関係をもって暮らし、『アリラン』を合唱することが自然だったからだ。

 「英国内のコリアンたちの音楽と文化生活」を3年間研究中の彼女は、今回の学術大会で細部テーマの一つである「音楽を通じての治癒と再構成:ロンドンの北朝鮮離脱民たち」を発表した。ロンドンに居住する脱北民たちがコリアン文化に適応していく過程での音楽の役割を指摘した研究だ。

 21日、国立国楽院で会ったソン研究員は、「私の専攻の音楽人類学は、音楽と文化を見るもの」だとし、「米国・日本・中国のコリアン文化研究は多いが、欧州は珍しく、南北のコリアンが一つのコミュニティで生活するということが興味深くて研究を始めた」と話した。

 欧州行きを選んだ脱北民たちが特にニューモルデンに集中するのは、難民申請が比較的容易だからだ。英国政府は2004年から脱北民を難民と認めている。欧州で唯一コリアンタウンが形成されており、言語の障害なく就職することもできる。脱北民たちは主にコリアンが運営するレストランやスーパーでサービング、掃除のような低賃金単純労働をする。脱北民がいなければ英国の同胞社会が回らないというほどで、南北の住民が互いに頼りあう部分が大きい。「脱北民たちを深層面接した結果、彼らが英国を選んだ理由は大きく三つでした。福祉、子どもの教育、脱北民ではなく『コリアン』と見る認識です。英語を学ぶことができ、子どもが偏見なく育つという点で、韓国ではなくここに来るのです」

 ロンドンで4年間暮らしながら見守ってきた結果、南北の住民が立場を分ける障壁は見当たらなかった。脱北民の99%はコリアンの教会に通いながらすぐに適応した。南北の中高年層はさまざまな集まりで賛美歌・民謡・トロット(演歌)を歌って交わった。お互いが知らない南北の文化は、ユーチューブを通じて知り合ったりもする。「言語が同じなのですぐ仲良くなり、食べ物を一緒に食べるので『同じ釜の飯を食う情』が築かれるんです。韓国の『舟歌』を北朝鮮では『海の歌』というのですが、別の歌だと思っていたのが皆が知っている歌だったと知ったとき、私たちが同じ民族であることを感じます」

 脱北民たちは子どもたちが英国社会に適応して暮らしながらもコリアンとしてのアイデンティティを持つことを望んだ。北朝鮮の体制が嫌で離れただけで、いつかは故郷に帰る気持ちがあるからだ。「幼い時に受けた文化教育がアイデンティティを確立するうえで力になります。ところがハンギョレ(同胞)学校には音楽の授業がありません。ロンドンのコリアン学校でもサムルノリ(民族打楽器)を教えるのが全てです。私は音楽教師の資格証があるのでハンギョレ学校で一定期間『丸く丸く』など童謡を教えてみたところ、童謡を学んだ子どもたちは学んでいない子どもたちより韓国に対する愛着が強くなったのを確認できました」

 今回の研究を通して彼女が感じたのは、北朝鮮に対する関心が増えたにもかかわらず、韓国社会が依然として統一時代に備えていないという点だ。ロンドンのコリアンタウンの一員である脱北民に対する関心と支援が足りないうえに、南北の子どもたちにとって朝鮮民族というアイデンティティを育てることのできる幼年期の文化教育もきちんと行われていない。ソン研究員は「統一された未来を思い描いてみるだけでも、海外にいるコリアンや脱北民たちに関心を傾ける必要がある」と話した。

キム・ミヨン記者instyle@hani.co.kr、写真パク・ジョンシク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


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