みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

真夜中の獣声

2019-12-02 10:49:10 | 暮らし
11月30日の夜のことだ。もうすぐ日付が変わろうかという時間だったと思う。裏山の方からの異様な鳴声が私の眠りを破った。続いて愛犬ユキが猛烈な剣幕で吠え出した。

          霜の夜を裂くや人声めく獣声

今まで聞いたことがない怪しげな獣声は、ヒャアーー 或いは、シャーー あるいは、ギャーー とも聞こえる。1~3頭かと思えた。裏山の方から当庵南側の畑地の方へ移動している。

ユキが物凄い勢いで吠えているから、獣は直に退散するのではないか、寒い夜に布団から出たくないし・・・と、私は寝返りを打ちながら待った。しかし、ユキの激しい声は一向に収まらないし、異様な獣の声も続く。

やむなく私は起き上がり、板戸を開けて畑地の方をライトで照らした。獣の姿は見えないが、鳴声はピタリと止んだ。

やれやれと思い、板戸を閉めて再び布団に潜り込んだ。ところが30分余り経た頃だったろうか、再びユキが吠え出し、獣声も聞こえてきた。私はもう一度ライトで照らした。やはり獣の姿は見えないが声はしなくなった。

それから1時間ぐらい経た時間だったろうか、またユキが吠え、獣声が聞こえる。3度目のライトで、庭先をさっと横切る影が目に入った。姿は分からなかったが、あまり大きくはない影だった。
         
人に尋ねたりネット検索した結果、特定外来生物に指定されているキョン(シカ科)に違いない、と判断した。決め手はネット上で聞いたキョンの鳴声。そっくりだった。

成獣は体重10㎏ぐらい。中国南東部や台湾に自然生息する。1980年代に千葉県勝浦市の「行川アイランド」から逃げ出して野生化。繁殖力が強く、動きが素早くて捕獲が難しいため、推定約5万頭にまで増えているという。伊豆大島でも動物園から逃げたキョンが野生化。推定約1万5千頭という。

草食が主で、草や木の根、木の葉、果実などのほか、ネズミや鳥類も食べる。千葉では農作物の被害が深刻化している。

千葉県とは隣り合せの茨城県へも進出してきたということか。今後、八郷での農作物被害が懸念される。とりあえず近隣の農家へ状況報告した。

キョンの皮革は工芸用として高級品だそうだ。その肉料理も美味らしい。キョンには申し訳ないが、農政側で効果的な捕獲作戦を展開してもらうことを期待するしかない。






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