ドライヴィング

2010-02-15 10:18:18 | Weblog


まるで怒気を孕んだような空と

漆黒の夜が手を取り合って、

僕のバイクの後ろを追って来るのだ。


一方通行を逆行するようにして世界の総毛を逆立たせる僕は、

どこまでも忌むべき存在でしかなく

骨まで凍りつきそうな風の中で何ということもなく

ただアクセルを開け続ける。


追憶の深い沼の中から

浮かび上がってきた太古の恐竜のような感情。

僕を突き動かすのはただそれだけでしかなく、

気が付くか、気が付かないか・・くらいの割合で、

僕と僕のバイクは磨耗しつつある。


でも

憎悪も、嫌悪も、恐怖も、

一瞬の光も、

もう僕を傷つけることは出来ない。


すべての山が平らになり、

すべての海が干上がる時を僕は待っている。


そしてすべての音楽が最終楽章に突入して、

僕のドライヴも終わるのだ。


それまでは


キャブレターが吹っ飛んだり

スポークが折れたり

ガソリンが枯渇したり

ピストンが駄目になったり

チェーンが切れたり

ブレーキシューが擦り切れたり

雨が4年も降り続いたり

ライトが光を失ったり

サスペンションが曲がったり

ハンドルが制御不能になったり

タイヤが破裂したり


とか


しませんように!



コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (半田)
2010-02-15 14:59:30
オチがなんともチャーミング 心も身体もメンテナンスしながらガタガタ道をたま~に立ち止まったりしてね(^_^;)
返信する
ははは! (片山)
2010-02-16 11:22:57
たまにはメンテナンスしないといけないんだけどね!
いつかまた二人乗りしようぜ。
返信する

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