カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

お隣は何する人ぞ、という話   おと な り

2023-05-13 | 映画

おと な り/熊沢直人監督

 ジャニーズ映画だったんだな。見終わってはじめて気づきました。今はいろんな意味でやっと騒がれて、おそらく大変なんだろう。僕自身はそういう事に興味があるわけでもないし、特に詳しいことなど知りたくもないのだけれど、そういう背景のある現在にあって、今となっては貴重な映画になっている可能性があるかもしれない。まあ、そうであったとしても、初めから結論を言ってしまうと、それなりに平凡な作品なんではあるのだけれど……。
 風景写真家になりたい夢を持っている男は、しかし写真家としては友人のモデルを撮ったもので著名になっていて、事務所もそのようなカメラマンとしての仕事を望んでいるようだった。彼のアパートの隣に住んでいる女は、フランス留学を夢見て花屋に勤めている。このアパートは壁が薄いようで、お互いの話し声などは筒抜けである。そういう中モデルの友人の恋人が、失踪した友人を探すという名目で、カメラマンの男の部屋に暮らすようになるのだった。
 ちょっと前の映画らしくて、なんとなく皆が若く、少し未熟な感じさえする。すれ違い恋愛劇という感じもするが、まあ、あり得ない話かもしれない。恋愛の設定に恋している若者がいて、その設定内で裏切りや勘違いなどが展開される。ちょっと奇矯なことをする人が多くて、面白さを出したいのかもしれないが、少し非現実感に偏る感じがするのかもしれない。特にコンビニ店員と花屋の女性との展開は、嘘がありすぎて興ざめする。これだけの悪意を向けられる筋合いは、花屋の女には無いからである。
 というような映画で、しかしお話はいい意味で終着する。そういうアイディアだったのだろうな、とは思う訳だが……。
 隣人関係というのは、近しくあり、しかし迷惑なので、お互いの配慮を必要とするものである。国のような単位でも、お隣の動向は気になるところだ。遠いところに住んでいる他人なら何にも問題にならないことが、お隣だから問題になるのである。その多くは雑音だろうけれど、しかしその雑音の中に好ましい音が混じっていたらどうなるのだろう。それがこの場合鼻歌なのだが、それにしてもいくらお気に入りだと言っても、そんなに何度もおんなじ歌ばかり歌っているものなのだろうか。そんなことも考えてしまったのだったが、おそらくそれがこのお話の良さであるはずで、疑問に思ってはいけなかったのであろう。
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