カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

選曲はむつかしい

2021-07-10 | 音楽

 カラオケで何を歌うか悩む。歌える歌はたぶんたくさんある。でも思いつかない。そもそも何を歌うべきなんだろう。歌いたい歌を歌えばいいだけなのに、どうして思いつけないんだろう。知らない歌は歌えないが、知っている歌を何度も歌いたくない。カラオケなんて酔ってないと歌わないから何でもよさそうなものだけれど、酔っているからこそ、妙なこだわりの心が芽生えてしまうのかもしれない。どうだっていいことが、どうだっていいことではなくなる。自分でもめんどくさいが、頭の中で選曲がぐるぐるめぐる。どうにも決めるのが難しくなるばかりだ。誰かに決めてもらうと楽なのだが、そうかといってそれで納得がいくとは限らない。おそらく過去に僕がそれらの曲を歌ったからこそ選んでくれるのだろうけれど、だからといってその曲を今歌いたいかは別問題である。もう選んでしまったのなら仕方ないけれど。
 若い頃は、とにかく最初に歌えと言われた。悩んでいる暇はない。しかしながら得意になって歌ってはいけない。どのみち真剣に誰も聞いてくれているわけでもないし、自分が何を歌うのかの方向性を、僕の出だしで決めようとしているのかもしれない。いや、歌う歌なんてすでに決めているのかもしれないが、単にもったいぶっているのかもしれない。それは分からないまでも、場を盛り上げる若者の歌を歌うべきか、その場の年長者の好みらしいその時代の歌を選曲すべきか、見極めが必要だ。とはいえ、演歌系列を歌えるわけではない。知っているロックな曲が、大きく外す可能性も非常に高い。そもそも普段は洋楽を聞いているし、しかし僕は英語は分からないので、実際には歌えない。日本語の歌詞でロックなヤツは、どういうわけかやたらキーが高かったりして困惑する。声がひっくり返ったらかっこ悪いではないか。
 先日普段は一緒には飲まないが、一緒に飲むことの多い人の連れの人がいて、ものすごくキーの高い声で「もののけ」の歌を歌っていた。最初は多少ふざけているんだろうと思っていたのだが、全然そういうことではなく、すごかった。けれどこれがどうにもその場では戸惑うというか、どうしたものかという感じになった。彼はいったい何者で、子供のころに声楽か何かしていたのだろうか。ひょっとするとあちらの人だろうか。いや奥さんや子供はいるらしいけど、分からないぞ。でも分かったとしても、どうしていいかはわからない。しかしなんとなくだんだん盛り上がっているのかもしれない。僕らのグループ以外に客はない。独擅場である。しかしたぶん次は僕が歌うことになる予感がする。でも頭の中は真っ白になって、選曲どころではない。しかし悩んだ割にはすんなり拓郎を歌ってしまった。困ったときには拓郎はいい。とにかくありがたいのだったが、しかしもののけは結局なんだったのだろう。
 ということで、そういうときに悩まないように、今度は「明日なき世界」を歌おうと決めていた。ところが選曲の機械をいじっても、その店の機械が古いのか、「明日なき世界」はなかった。がっかりして何故か「スローモーション」を歌った。妙に悲しい雰囲気だったのは、たぶんそのせいである。
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