カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

中国人留学生は、自国に帰っている

2021-07-22 | 雑記

 米国への留学する日本の学生が少なくなっているという話は、ずいぶん昔から言われていていることだ。人口比もあろうが、中国が圧倒して30%くらいだったはずで、日本は1%強といったところだろう。米国留学というのは、奨学金などの制度もあろうけど、基本的には比較的裕福な子息息女に限られて行ける留学先という感じもあって、経済力のバロメータ的な見方もされていた時代があった。なので米国留学が可能である国の経済レベルが、留学生数で計ることが可能という考えもあったのだろう。
 もっとも米国は移民文化で、現地の人のみでは、やっていけない社会だと言われている。優秀な人材が集まるから、世界的な様々な優位性において先頭を走り続けることができるというわけだ。
 そういう理由もあって、その国自体を目指して留学する学生は、その後も米国に残って活躍する人が少なくない。特に中国の留学生にはその傾向が顕著だったといわれていたのだが(残って就職した方が自国より高収入が見込まれるということも暗に含まれている)、なんと直近の傾向としては、せっかく留学しても自国に戻って勉強し直したり、やはり自国で就職する若者が増えているのだという。
 まあこれは日本の報道だから、近年のアメリカの在り方(特にトランプ政権やアメリカ第一主義的な保守傾向)を批判する意味が第一にあるとは考えられるが、しかし、中国の若者の本音としては、必ずしもそのような米国批判なのではないという。その第一の理由は他でもなく、中国第一主義的な若者の台頭であるということなのである。
 どういうことかというと、米国に留学したものであったとしても、改めて中国という国の良さを見出すことになるからだ、ということである。最初は米国に一定のあこがれをもって行ってみたのだけれど、思ったより自由であるわけでもないし、成長するという意味でも、自国に戻った方がより魅力を感じられるということがある。そのうえで、統制社会の中国批判などがあることは知っているが、中国で暮らしている分には、よっぽど政治的に反感を持っているならともかく、むしろ意思決定は政治的に素早いし、統制が取れていることで、米国などよりはるかに治安も良く生活の満足度も高いのだという。そうして、やっぱり中国の方が将来にわたって成長している国の若者として、自分自身がこの国で生きていく上での期待度も大きい、ということだろう。
 まあ実際の話として、自国民で自国を捨てる方がよっぽどのことなんじゃないかとも思えるし、当然といえば当然の考え方なのかもしれない。米国でなければ最前端の研究の難しい分野もあることだろうが、バスケットや野球選手であるわけでもないし(あれは米国の商業タレントである)、目指す目標が必ずしも米国でなければ達成できないものではなくなった、ということだろう。ある意味で、日本の若者と変わりはしないし、他の経済水準の国とも似たり寄ったりかもしれない。
 しかし、日本の一般の人にとっては、何やらざわついた感覚の残るものであるかもしれない。
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