カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

まあ、ゆるいお笑いとして   キューティハニー

2021-07-11 | 映画

キューティハニー/庵野秀明監督

 原作は永井豪(カメオ出演もしている)の漫画。僕の子供のころには何かの団体から激しい弾圧を受けて事実上禁書扱いを受けていたエロ少年(青年漫画ではない)漫画の、アニメではなく実写化作品である。庵野監督はアニメの世界の人なので、映像は限りなくアニメ的だが。さらにいわゆるオタク的なギャグがユルユルに滑る展開にもなっていて、結構見苦しい。それがいい、ということなんだろうけど。主題歌などの大ヒットにより映画はかなり話題となったが興行的には失敗し、制作会社は倒産したという。
 ハニーの叔父さんである博士が悪の組織に誘拐され、警察ともども追って海ほたるパーキングエリアに追い詰める。いろいろあって助け出せるが、悪の組織はあきらめずに事件は警察を交えて複雑化する。
 何の目的があるのか(悪の大将の永遠の命のためなんだろうけど)よく分からない上に、警察組織のなかにあって、たいへんに実力のあるらしい女性の警官が奮闘するが、うまく力を発揮できずに終わり、しかし得体のしれないムロツヨシ似(村上淳だった)の記者の情報でハニーたちは悪の組織のことをだいたい知ることになる。それで部屋で宴会などをやり友情を温め、悪の組織から招待状を受けて乗り込んでいくのだった。
 アニメ的な戦いがあるが、キューティーハニーの色気で戦う要素はあんまりなくて、むしろ私生活の中でハニーを演じる佐藤江梨子が体の柔らかさを発揮していろいろとポーズをとることで、エロ的な要素を補完している。いわゆる素晴らしいプロポーションであることは確かだが、動き自体は健康的とも言えて、青年誌のそれとは違うと思う。
 正直に言って庵野監督のファンでもないのに、どうしてこの作品をレンタルしたんだろうか。何度もレンタルの優先順位を下げる作業を繰り返しているうちに何年もの時間が経過して、うっかり順番が回ってきてみることになったというのが真相だろう。
 永井豪の漫画は、普段散髪に行っている床屋の棚や、土曜の午後に立ち寄るお好み焼き屋にたくさん置いてあったのでよく読んだ。というか、そういう貴重な時間にむさぼり読んだという印象がある。何しろ自分らで買うことはほとんど許されなかった(許されたかもしれないが、恥ずかしくて無理だった)。当時はそれなりに凄いなあ、と思っていたはずだが、実際はエロとしては中途半端なもので、様々な方法で女の子たちは服をはがされる罠にはまるわけだが、いわゆる具体的にどうのこうのされる訳ではないのだった。後に知ることになるが、永井の漫画よりも問題作というのはたくさんあるわけで、どうして大人たちの一部はそんなに血眼になってこれらの作品に敵対心を燃やしたのだろうか。当時は反原発なんかもなかったし、燃えるターゲットが少なかったのかもしれないが。
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