なんもかんも中止に延期になって自分の時間が増えている。考えてみると、これだけ予定がなく自分の時間が持てるのは、小学生以来ではないかと思われる。いや、厳密に言って小学生の4年から週三回のサッカークラブにも入っていたので、小3以来かもしれない。学生時代に暇なことも無かったわけではないが、ある程度約束というか予定というか、そういうものは定期的に何かあった。暇と言いながら、それでも忙しかった。麻雀したり酒を飲んだりするのも時間を消費するのである。それにそれらは自分だけの時間とは言えない。僕が特につきあいが良いというわけではなかろうが、そういうのを断れないというか、気が小さいので自分を犠牲にするのが常だった。相手が優先で自分がそのあとだというのは常識的であって、僕は自分の意見としての自己主張は人一倍強いほうかもしれないが、そういう我の強さに対しての後ろめたさのような自分の裏返しで、結局は他人の要求を受けてしまうのではないかと考えていた。ところが今度は、相手の方が勝手に断ってくるのである。別段もとになる予定は自分でたててきたものばかりではないが、基本的にはやらなくてはならないというか、そういう計画に僕自身がスケジュールを合わせていることに変わりはない。僕自身は何もかもそのままでいいと思っているのだけれど、やはりやめた方がいいという意見に従っているだけのことである。長いものには巻かれる主義(というかそもそもそういうものにはこだわりはない)なのだから、反対も何もない。ああ、そうですか、というだけのことである。そうしたらどんどん予定は消えて行って、さらに先行きまでぜんぜん不透明だ。凄いな。こんなことがあるんだな。人生長生きすると、実にいろんなことがあるもんだ、と素直に感心する。おかれている現状には本来は不安はなかったのだが、その後にある影響には空恐ろしいものを感じる。それともそれくらいやるべきだといわれていたことに関わっていた僕の人生は無駄だったのだろうか? まあ、そうかもしれませんけど。しかしながらそのしわ寄せに対して、結局は対処を迫られてしまうという予想もあるし、実際自分でどうにかしなければならない問題もすでにたくさんある。そういう処理のようなものを考えると頭は痛いが、とりあえずは今のところは、誰も文句のいえない筋合いでもある。そうではあろうけれど、文句のある人はたくさんいるはずで、くすぶりだけでなく、実際に破壊的な意見を堂々といえる人たちはたくさんいる。恐れ多いが、彼らにはそういう自覚はみじんも無いことだろう。お気楽でいいものだが、特にうらやましくも無い。また手のひら返して泡を食う人々でもあるのだから、可哀そうかもしれない。誰か助けるのだろうか。いや、そんなことは今は考える必要も無かろうが、それでも本当に困る人々はいて、それに対してはやはりやるべきことはある。ある意味では必死に戦っていて、そうして逃げられないことも確実だから、覚悟は決めなければならない。もうそれ以外には無くて、しかしやれることは小さすぎる。そういうことを考える時間だけはたっぷりとあるのかもしれないが、今はそれを判断することをしないということに徹するのである。ただし、順に迫りくる決断の嵐はあるのであって、その嵐を迎え撃つことは考えなければならない。つくづく妙な星の下に生まれたものだな、と思うよりないではないか。
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