カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

引退したら何を思う?

2019-03-27 | 時事

 イチローが引退したらしい。僕は特にファンではないし、むしろ事実上引退していたものとばかり思っていたので、改めて引退したということが意外ですらあった。怒られるのであんまり言わないけど(書いてるけど)。
 しかしながら今回引退のインタビューをちゃんと見たわけでもないが、ちょっとだけ漏れ伝わっているものを見るにつけ、僕は多少イチローのことは誤解していたのかもしれないとは感じた。イチローといえば禅問答のようなことをいうし、渡米して活躍しているころにも時折メディアには反発している様子は見ていた。アメリカの一流選手(だれか忘れた)にたしなめられて、態度を変えてインタビューを再び受けるようになったという話も聞いたことがある。尊敬できる人の言うことは聞くらしいというのは分かったが、馬鹿にしたやつの言うことなんて聞く気はないのだろうとばかり思っていた。それはそれで素晴らしいな、と思っていたが、やはり多少自意識が強すぎるのかもしれないな、とは思っていた。まあ、一流の選手なんだからそれでいいとは思うけど、松井のようには生きられない人なのかもしれないな、と思っていたわけだ。
 しかしながらちょっとだけ見たインタビューに答えている姿は、なかなか辛抱強いし、批評性もある。実にくだらないことばかり聞かれているのに対して、変な物言いはしているように見えて、ある意味ちゃんと答えているのである。少なくとも、何かを考えている人であることは間違いなさそうだ。
 そもそも日本のインタビューの内容は、どういうわけかひどい質問が多すぎる問題というのはあるようだ。このような節目に当たって、いかに感動的な言質を引き出すか、ということに主眼が置かれているようで、ある程度予測を決めておいて、言葉を誘導することに力を入れているようなのだ。または質問にもかかわらず、何を聞いているかさえ良くわからないものも少なくない。インタビュアーが緊張のあまり失言したというよりも、そもそも質問の内容が定まらないままに言葉を発して、相手の困惑した失言を誘う作戦であるのかもしれない。実際にそれに引っかかるというか、時には妙なことをいう人がいるので、テレビ的にはそれで面白いということなのかもしれない。要するにまあ、国会の質問のようなもので、あまり意味はないのかもしれない。
 それにしてもイチローという人は、ある意味で孤高の人である。素直なところはあまりないのかもしれないけれど、己が強くさらに自分を出せる能力が高い。それに伴った成績も残し、それに対する十分な評価も得た人である。このような形での引退というものは、ある程度は球団と話し合ったうえでのことだとは予想されるが、その前の心構えの時点で、何か考えを一定以上定めたうえで行動しているのではなかろうか。そのように想定されている範囲であれば、容易に撃沈されてしまうメディアというものが現れてしまったということなのではなかろうか。
 もちろん、この年まで現役で続けられるような自信もあってのことだったろうし、先行き未定なことだってたくさんあるだろう。複雑な心情を単純化して語りたくないという気持ちもあるだろう。これから活躍を期待される人に対して、言いたいことだってあるだろう。語りたいことをうまく引き出してくれない質問に、さらに心を閉ざすような心情もあるのではないだろうか。
コメント
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