カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

新元号を考える際に一読を   天皇の影法師

2019-03-16 | 読書

天皇の影法師/猪瀬直樹著(中公文庫)

 大正天皇が崩御した朝、東京日日新聞(現毎日新聞)は新元号を「光文」と報じた。実際はご存知の通り「昭和」だったわけで大誤報だったのだが、その顛末とは何だったのか。さらに森鴎外の最晩年に元号にかける強い思いとは何だったのか。歴代天皇棺を担いできた八瀬童子といわれるある村の人々とは。など、天皇にまつわるシステムについて考えるルポルタージュである。新元号が生まれる直近になったので手に取った次第。
 多くの資料と取材を通して、当時の様子が生々しく描かれている。正直に言って知らなかったことだらけで、驚きながら読むことができた。現在も新元号をめぐって、様々な憶測が飛び交っているが、天皇と元号というものの結びつきは、確かにこの国のあり方や考え方をひも解く材料として、なかなか面白い題材であるように思う。いまだに毎日新聞は元号に関する記事をたくさん書いている様子で、当時から変わらぬ強い関心をこの新聞社が持っていることがよくわかる。誤報に際して様々な人の人生も変わってしまう。そうまでして正規の発表を前に、スクープとして報道したがる新聞社というシステムも面白いものだ。
 新元号が何になるのかというのは、生活の中で元号を使わざるを得ない日本国民には、かかわりが深すぎる問題である。さらに当然ながら、現代社会にあって、天皇を通した権力構造であることも間違いはない。だからこそ明治の人鴎外は、そのまだ脆弱だった日本の政府や国を思って、元号を正当的に考えることに執念を燃やしたのかもしれない。
 また後半に戦後すぐに起こった松江での県庁焼き討ち事件というクーデターの顛末も描かれる。天皇の名を借りた恩赦よる皮肉な人生を見るにつけ、この日本の思想のような強大な権力を考えさせられるようになる。当然今回も恩赦が行われるのだろうが、それによって人生を振り回される人が出てくることだろう。
 自分の生きている時間の、単なる偶然に過ぎないのだけれど、元号の変わる時期に立ち会うことが二度も起こる。考えてみると、そのたびにそれなりの影響力を受けながら、生きざるを得ない日本人なのである。自分と関係ない出来事と思っているのは、とんでもない誤りではないのか。まあ、少なからず居酒屋談義には、役立つウンチクだと思うのであった。
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安来の足立美術館にも行ってきた

2019-03-16 | 散歩
 普門院・観月庵。









 しかし、ほんとに古い家がよく残ってますよ。











 大通りに出ました。



 ここは思い切って整備しなおした通りでしょうね。


 



 30分前に到着。会議であります。





 ここらが城下町の一番外堀だったらしいです。



 みっちり話し合いやりまして、過去のいろいろなことも知って、勉強になりました。この会もいろいろあったんだな。僕も古株には違いないが、知らんことだらけです。昔の人は偉いねえ。
 ということで、ホテルに帰って、さらに移動して情報交換会であります。まあ、居酒屋ですが。



 いろいろ料理出ました。地元の店って感じですか。





 その後二次会にも行きまして、カラオケ歌ったりしました。最近では珍しい感じだったけど、結構盛り上がってよかったです。ありがとうございました。


 ということで朝になり。また散歩します。



 なんとなく昨夜は食いすぎたかな、という感じで、朝飯抜いてとにかく歩くことにしました。連泊なんでおんなじものでしょうし。





 さて、いろいろ悩んだんですが、午前はどこに行きましょうか。



 いったん松江から離れます。





 方向は米子方面。



 安来着いた。途中時間調整で8分ほど停車したのだが、5分遅れ。二分ほど前に連絡バスは出ていた。微妙な残念感が漂う。




 駅の中はなんとなくきれいです。





 小雨パラついてましたが、何もすることないのでぶらつきます。



 その後バスはやっと来て、ほとんどの客はこの美術館行きバスを待っていた人ばかりで、ぎゅうぎゅうで出発。乗れてよかったです。



 ということでやってきたのは足立美術館。外国人に人気があるというのは聞いたことがあります。ガイド本などでは見たことがあったけど、ちょっと遠いかなという印象があって、今までノーマークでした。

 ここは何といっても横山大観と日本庭園。





 窓の外の風景が、そのままキャンパスに書かれた絵のようなのですね。





 いろいろ仕掛けもあって、窓の外をのぞくと美しく切り取られた風景が見えるという寸法です。



 こういう考え方に共感を覚えるお客さんが多いということなんでしょうね。絵のほうは撮影禁止なんで、庭ばっかりの美術館のようですが。それなりにゆったりしたつくりで、のんびりするにはいいところのようです。



 僕としては最初の時間の躓きで、あんまり時間が無くて足早に立ち去りました。帰りのバスと、連絡する電車の連携も今一つなんですよね。まあ、それが地方都市なんですが。



 ということで、さらば足立美術館。大観さんも偉い。


コメント (2)
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