このブログ的には年末にはいつも一年を振り返っていた。読んだ本や観た映画、気に入った音楽のことなどを語っていた。そういう気分ももちろんあるが、もうそれは来年にしたい。想像以上に年末にいろいろ押し迫り、ちょっと気分の余裕が無かったかもしれない。しかしながら考えようによっては、そういうものもしあわせとは言える。暇すぎるのは、現役世代としてはちょっと怖い。特にワーカホリックということではないが、何でも適当がよろしい。
ちょっと前に新聞のコラムを読んでいたら、一年を早く感じるのはしあわせな証拠かもしれないという考え方であった。時間を長く感じるのは、大人と子供では違うようだ。子供の頃は何でも新鮮で知らないことばかりが一日に起こる。全部が楽しい経験なら羨ましい限りだが、中にはいろいろと引っかかることも多いのかもしれない。大人になると経験値が上がり、いわば予定調和的に一日を過ごすことができるようになる。そういう日が増えると、日々の印象として早く過ぎ去ってしまうように感じるのではないか。つまり多くの場合は早く月日が過ぎ去るのは、それだけ無難に一年を乗り切った証拠ではないか、ということであった。
それはそうだろうな、と思う反面、確かに一年の過ぎるは早かったという印象を持つのだが、一年のことを振り返ると、実にいろんなことがあった。今年の充実度というかいろいろ度を過去と比較して鑑みても、それはそれなりに思い入れのある年となったようにも感じる。いいこともたくさんあり、そうしてそうでないこともやっぱり多い。よくもまあそういうものが僕自身に降り注いでくれたものだと感心してしまう。
ということなんだけど、やはりとりあえず僕はここにいて無事である。ぜんぜん問題が残っていないわけが無いが、中には深刻なことだって気がかりなことだってたくさん残ったままではあるが、生き残っているということだろうか。それをしあわせだということができるのかは、積極的に肯定しても出来ないことではない。多少歯切れが悪くても、ぜんぜん悪いこととは言い切れないだろう。
そういう訳で人間の勝手な理屈の一年の区切りだが、気分としての〆は適当に良い。皆さんよいお年をお迎えくださいませ。