カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

来年は文学性と疾走感だ、きっと。

2007-12-31 | 音楽
 この時期は見るべきテレビもないし、新聞も相変わらず総括がへたくそである。彼らはまじめに仕事しているのだろうか。日本では報道が一番稼いでいるんだから、もう少しまともな仕事をして欲しい。いや、稼ぎに関係なく、少しでいいからまともになって欲しいよ、まったく。
 ということで、年末なのでいろいろ振り返ってみていたわけだが、音楽関係を振り返ってなかったなあ、と今になって思った。社会的にまったく影響力の無い振り返りは有用でないところがいいと思うので、振り返ってみます。

 ツェッペリン事件で〆はよかったので、結果としていい年だった。これはのほほんと素晴らしい年だと思える。
 そして僕は今年ビートルズに目覚めた。なんとホワイトアルバムを初めて通して聞いてしまったのだ。終わりの方の作品だし、まとまりはないし、二枚組みだし、という理由で、長いあいだ無視していて、こんなに驚いたことは無い。ビートルズが解散する理由も理解できたし、偉大さもよくわかった。告白するとサージェントペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンドは、僕はあんまり理解できていなかった。凝ってるな、というだけで好きでもなんでもない。通のあいだではそれでもビートルズの代表アルバムだというので、僕はビートルズがそんなに好きじゃないと思っていたのだろう。しかしホワイトアルバムは凄い。もうバンドとしてどうなのかという時期に、バラバラに分解されながらこういう作品を作ってしまえたということが、時代の奇跡でなくて何なのだろう。ジョンのやりたいことも、よくわかるなあ。ポールがビートルズを続けたかったのもわかるよ。
 と、いきなり今年とは関係ないことから始めたけれど、新人バンドはクラップハンズ・セイ・イヤーがよかった。ふにゃふにゃしてて愉快だ。レイジ・アゲインスト・マシーンもなぜだか聞いた。しかしこれも今年のトピックだったっけ?
 ああそうだパティ・スミスがよかったのだった。しかし今年のことだけれど、古いよな、彼女も。ジョン・フルシアンテも何枚も出すので買わなかったけど、ラジオでチェックして聞いたよ。
渋谷さんのリクエスト特集でポール・アンカがニルバーナのスメルズ・ライク・ティーン・スピリットを歌っていて、かなりびっくりした。スゴイ。サブちゃんが桑田の曲を歌うようなものだろうか。いや、ぜんぜん違うけど。
 最近のというか近年のお気に入りは大げさ路線である。クイーンに源流があるのだろうが、僕の面の皮が厚くなって、やっと好きだといっても恥かしくなくなった。それがミューズであり、マイケミカル・ロマンスだ。これを聞いて気分がいいので、ひょっとするとナルシストかもしれないとも思った。最初はあんまりだろうという展開に苦笑していただけだが、自己憐憫を感じて聞きほれていく自分があった。ああ、恐ろしい。クーパーテンプル・クローズにもそういう側面はある。これはU2になりたいひとなのかもしれない。思わず一人でハミングしている。曲が書けているなあと思う。
 ベイビー・シャンプルズもまあよかったね、と思う。一連の事件でリバティーンズじゃないのが寂しいけれど、僕は大人なので、それでもいいのです。
ブロックパーティも不思議とお気に入りになった。なんか変なギターの刻み方だよね。
 ビートルズを聴くきっかけとなったのはジェットかもしれない。焼き増しだけれどACDCもリスペクトし、実力もある。もはや世界標準だ。
 マリリン・マンソンも聞いた。僕はこの方面苦手ですよ、本当は。マリリンが好きな人達ともたぶんお友達にはなれない。それは知っているが、僕はマリリンは好きなんだと思う。曲がものすごくきれいだと思う。
 〆の前にニール・ヤングも聞かされた。今年はやたらと勝手に流れていたが、流行っているとは聞いてない。また何枚も発表したのだろう。元気なオヤジだよまったく。それにどうしてこんなに長くなるんだろうと思ったね。相変わらずスネアドラムはペコペコした音だし、ギターソロがふにゃふにゃしているくせに、硬派なんだよ。長生きしてください。
 ライブも昔のCD引っ張り出して聞いたけど、何で聞きたくなったかは自分でもわからない。バンドやりたくなったですね。しかしもうやらないだろう。この孤独感と疾走感は素晴らしいバンドだと改めて思った。
 さあ、本当に〆だ。当たり前すぎて面白くないだろうけれど、ブルース・スプリングスティーンだ。やっと本当に帰ってきたという感じだよ。アメリカ人もきっと国を挙げて喜んでいるに違いない。ミュージシャンはメッセージを伝える商売かもしれないが、それだけに走ってしまうのも問題なんじゃないだろうか。ことに政治に走りすぎて、多くの人たちはついていけなくなっていたんじゃないか。吹っ切れたような、そんなすがすがしさもあって、本当に気持ちのいい音が帰って来た。息が切れても走り続けろ。僕らはみんな、そういう気分で元気になるんじゃないかと思う。そして英語はわからないが文学性も大切だ。日本においても、たぶんそういう文学性のある音楽が来年あたり復活するような気がする。もちろん勝手に僕がそういう気がしているだけだけれど、これは思い切って預言である。みなさん、来年は文学性と疾走感ですよ。きっと。
 それでは、よいお年をお迎えください。
コメント
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