ジャッキー・マクリーンの「カプチン・スイング」(1960 Blue Note)。
【パーソネル】
ブルー・ミッチェル(tp)
ジャッキー・マクリーン(as)
ウォルター・ビショップ Jr.(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)
【ソング】
1.フランシスコ
2.ジャスト・フォー・ナウ
3.ドント・プレイム・ミー
4.コンディション・ブルー
5.カプチン・スイング
6.オン・ザ・ライオン
時に、哀感を強く感じさせるジャッキー・マクリーンをもっと聞きたくて、手にしたCDだ。
いつも、期待通りにいくものではない。
1曲目の「フランシスコ」は、フランシス・ウルフ、6曲目の「オン・ザ・ライオン」は、アルフレッド・ライオンに捧げたものである。
プレスティッジからブルーノートに移籍した頃に吹き込まれたもの。
勢いを感じさせる演奏である。
わたしのCD棚にジャッキー・マクリーンのアルバムが、いつしか12枚ある。
1955 ジャッキー・マクリーン・クインテット
1956 4.5 And 6
1957 ア・ロング・ドリンク・オウ・ザ・ブルース
1959 スイング・スワング・スインギン
1959 ジャキーズ・バッグ
1960 カプチン・スイング
1962 レット・フリーダム・リング
1962 ジャッキー・マクリーン
1967 デモンズ・ダンス
1973 ゲットー・ララバイ
1973 ザ・ミーティング
1999 ネイチャー・ボーイ
このように並べてみると、好きなのは「1955ジャッキー・マクリーン・クインテット」、「1999ネイチャー・ボーイ」。最初と最後。
マル・ウォルドロンと演っているものに好きなのがある。
ドナルド・バードの代表作「フュエゴ」(1959 Blue Note)を手に取る。
ドナルド・バードのリーダー・アルバムでは、相当前に、「ブラック・バード」を聞いたくらいだ。
「ブラック・バード」は、ワシントンのハワード大学音楽部の黒人学生を率いてのもの。
彼は、大学の音楽教授なのである。
また、彼は、メソジスト教会の牧師の息子でもあった。
さて、「フュエゴ」は、スペイン語で火、情熱の意味だそうだ。
【パーソネル】
ドナルド・バード(tp)
ジャッキー・マクリーン(as)
デューク・ピアソン(p)
ダグ・ワトキンス(b)
レックス・ハンフリーズ(ds)
【収録曲】全曲オリジナル
1. フュエゴ ※出だしはベースとドラム
2. バップ・ア・ループ
3. ファンキー・ママ
4. ロウ・ライフ
5. ラメント
6. エイメン:Amen
オリヴァー・ネルソンの「ザ・ブルース・アンド・ジ・アブストラクト・トゥルース(ブルースの真実)」(1961 impulse)。
今回、初めて聞くように思う。
オリヴァー・ネルソンは、作曲、編曲に優れていることで知られている。
そのうえに、サキソフォーン奏者。
このアルバムでは、アルトとテナーを奏している。
【パーソネル】以下の通り、演奏メンバーが錚々たる顔ぶれである。
オリヴァー・ネルソン(as,ts,arr) ※arrは、「編曲」。
エリック・ドルフィー(as,fl)
フレディ・ハバード (tp)
ジョージ・バーロウ(bs)
ビル・エヴァンス(p)
ポール・チェンバース(b)
ロイ・ヘインズ(ds)
【収録曲】オリジナルの6曲。
1.ストールン・モーメンツ
2.ホー・ダウン
3.カスケイズ
4.ヤーニン(あこがれ)
5.ブッチ・アンド・ブッチ
6.ティーニーズ・ブルース
それぞれの曲、ソロをとる演奏者たちの個性、魅力がいきいきとあらわれていて、素晴らしい。
エリック・ドルフィーやフレディ・ハバードが光っている。
それだけではない。ピアノもベースもドラムも素敵である。
ひきこまれ、耳を傾けてしまう。
オリヴァー・ネルソンについて言えば、独特の音色で、何だか広大な宇宙の音のようで、ミステリアスとも言える。
全体を通して、きまじめで、息せき切っただけのようなところはなく、音楽を楽しむ心あふれたスタイルが好ましい。