【新古今和歌集】
桜麻のをふの下草茂れただあかで分かれし花の名なれば(待賢門院安芸)
いささか意味をとりにくい歌のように思う。五・七・五・七・七に区切ってみる。
桜麻の/をふの下草/茂れただ/あかで別れし/花の名なれば
「をふ」は、「麻生」と書き、麻の生えているところ、人の手が加わっていれば、麻畑というところか。
麻は、アサ科アサ属の草本。日本では、アマ科の亜麻(あま)、イラクサ科の芋麻(からむし)も麻と呼ばれたりするようだ。
「桜麻の」というのは、「をふ」にかかる枕詞。よって、「桜麻(さくらを)のをふの下草」は、「桜」が名にある麻が生えたところの下草というような意味になる。
「茂れただ」は、ひたすら茂ってくれというようなところ。
「あかで別し」の「あかで」は、漢字では書けば、「飽かで」で、飽きないで、飽かにうちに、満足しないうちにというような意となる。
「花の名なれば」の「花」は、「桜」で、ここを理解するには、桜にまつわるイメージ、思いと不可分で、それがあってこそとなる。生きながらに別れ別れになった「桜子」のことなど思い浮かべた方がいいか。
それで、歌全体をまとめると、こんなものか。
麻の畑の下草よ。
すくすくと育ち茂っておくれ。
だっておまえとは、愛おしむ間もなく別れてしまった。
おまえはなつかしい「桜」を名につけているんだもの。
桜麻のをふの下草茂れただあかで分かれし花の名なれば(待賢門院安芸)
いささか意味をとりにくい歌のように思う。五・七・五・七・七に区切ってみる。
桜麻の/をふの下草/茂れただ/あかで別れし/花の名なれば
「をふ」は、「麻生」と書き、麻の生えているところ、人の手が加わっていれば、麻畑というところか。
麻は、アサ科アサ属の草本。日本では、アマ科の亜麻(あま)、イラクサ科の芋麻(からむし)も麻と呼ばれたりするようだ。
「桜麻の」というのは、「をふ」にかかる枕詞。よって、「桜麻(さくらを)のをふの下草」は、「桜」が名にある麻が生えたところの下草というような意味になる。
「茂れただ」は、ひたすら茂ってくれというようなところ。
「あかで別し」の「あかで」は、漢字では書けば、「飽かで」で、飽きないで、飽かにうちに、満足しないうちにというような意となる。
「花の名なれば」の「花」は、「桜」で、ここを理解するには、桜にまつわるイメージ、思いと不可分で、それがあってこそとなる。生きながらに別れ別れになった「桜子」のことなど思い浮かべた方がいいか。
それで、歌全体をまとめると、こんなものか。
麻の畑の下草よ。
すくすくと育ち茂っておくれ。
だっておまえとは、愛おしむ間もなく別れてしまった。
おまえはなつかしい「桜」を名につけているんだもの。
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