ケニー・ドリュー・トリオによる「花嫁人形」。
「ドリーム」(1987 BAYSTATE)のラストに収録されている。
この日本の歌、外国の人はどのように感じているのだろうか。
聞くことによって、日本人と同じように感じるということはあるだろうか。
外人が演奏するこの曲を聞いて、日本人のわたしがうら悲しい気持ちになるのは何故か。
マッコイ・タイナーの「ザ・リアル・マッコイ」(1967 BLUE NOTE)。
マッコイ・タイナー(p)
ジョー・ヘンダーソン(ts)
ロン・カーター(b)
エルビン・ジョーンズ(ds)
〈曲〉
1.パッション・ダンス
2.コンテンポレイション
3.フォア・バイ・ファイブ
4.サーチ・フォア・ピース
5.ブルース・オン・ザ・コーナー
マッコイ・タイナーは、恋した相手がイスラム教徒だったので入信し、禁酒・禁煙、菜食主義を実行したそうだ。
この手のハード・バップ、ものたりない。
エルビン・ジョーンズのドラミングは、味気ない。
もっとジャージーさ、グルーヴィーさ、ブルージーさがあってもいいと思う。
心に響くものがないのである。
「熱気に満ちた演奏を展開している」という評者はいるが、わたしの好みからすると、エネルギーの浪費という感じ。
ジョン・コルトレーンの名盤とされているアルバムで、聞いていないのがあったな。
そう思って、初リーダー盤の「コルトレーン:COLTRANE/PRESTIGE 7105」(1957)。
このアルバムにおける演奏メンバーは、以下の7名で、曲による出入りあり。
ジョン・コルトレーン(ts)
ジョニー・スプローン(tp)
サヒブ・シハブ(bs)
レッド・ガーランド(p)
マル・ウォルドロン(p)
ポール・チェンバース(b)
アル・ヒース(ds)
〈曲〉
1.バカイ
2.コートにすみれを
3.タイム・ウォズ
4.ストレート・ストリート
5.ホワイル・マイ・レディ・スリーブス
6.クロニック・ブルース
ジョン・コルトレーンについては、とてもまじめな方という印象が強くて、演奏の卓抜さはさすがと言えても、個性として凡庸ななものを感じるのだ。
まじめさの延長のすばらしさ、それは、それだけなのだ。
さて、久しぶりに聞いて、どうだろうか。
僕が、ジャズを聞きだした頃、ジョン・コルトレーンの人気、評価には、他を圧するものがあった。
ジャズ喫茶などでは、一番人気だった。
音のよさ、確かさは、さすがである。優等生である。
「ジャム・セッション;JAM SESSION」の1&2。
レーベルはヴァーヴ、1952年7月の録音。
ノーマン・グランツのプロデュースによって残されたアルバムである。
Cdでは1枚だが、もともとはLP2枚となっている。
1.ジャム・ブルース
2.恋とは何でしょう
3.バラード・メドレー(9曲)
4.ファンキー・ブルース
以上、4つのトラックで構成されている。
演奏しているのは、チャーリー・パーカー(as)、ベニー・カーター(as)、ジョニー・ホッジス(as)、ベン・ウェブスター(ts)、フリップ・フィリッピス(ts)、チャーリー・シェイヴァース(tp)、オスカー・ピーターソン(p)、バニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、J.C.ハード(ds)。
曲によって、演奏メンバーは異なる。
ジャケットは、デヴィッド・ストーン・マーチンによるイラストで、演奏者達10人が描かれていて、楽しく眺められるものだ。
1曲目の「ジャム・ブルース」は、14分40秒くらいの演奏である。
アンサンブルによるイントロのテーマに続く、ソロ・プレイの順番は、次のようであると、ライナーノーツ(大和明)にある。
たいへんありがたい。このように記してくれないと、僕には聞き分けられないだろう。
フリップ・フィリップス(ts)
ベニー・カーター(as)
オスカー・ピーターソン(p)
チャーリー・パーカー(as)
バニー・ケッセル(g)
ベン・ウェブスター(ts)
ジョニー・ホッジス(as)
チャーリー・シェイヴァース(tp)
ライナーノーツのおかげで、以上の順番で、アドリブが展開されるのが、愉しめた。
この中で、とびきり高名なチャーリー・パーカーであるが、どこがそんなに素晴らしいのか、僕には、判別する力はない。
2曲目「恋とは何でしょう」は、次のように続く。
オスカー・ピーターソン(p)
ベン・ウェブスター(ts)
チャーリー・シェイヴァース(tp)
ジョニー・ホッジス(as)
バニー・ケッセル(g)
ベニー・カーター(as)
フリップ・フィリッピス(ts)
チャーリー・パーカー(as)
オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
ベニー・カーター(as)
ベン・ウェブスター(ts)
ジョニー・ホッジス(as)
フリップ・フィリッピス(ts)
チャーリー・シェイヴァース(tp)
チャーリーレゾレノ・パーカー(as)
ほぼ、演奏者の音を聞き分けられた。エンディングに近いベン・ウェブスターからチャーリー・パーカーの部分は、いささかめまぐるしい。
それぞれの個性があることが感じられる。
それにやっぱりチャーリー・パーカーには、力強さと卓抜な能力が感じられる。
熱気のこもったセッションである。
3曲目のバラード・メドレーは、演奏者と曲の関係がはっきりしているようだ。
「オール。・ザ・シングス・ユー・アー」バニー・ケッセル(g)
「ディアリー・ビラウド」チャーリー・パーカー(as)
「あなたのそばに」ベン・ウェブスター(ts)
「アイル・ゲット・バイ」ジョニー・ホッジス(as)
「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」オスカー・ピーターソン(p)
「ザ・マン・アイ・ラヴ」レイ・ブラウン(b)
「ホワッツ・ニュー」フリップ・フィリッピス(ts)
「やさしい伴侶」チャーリー・シェイヴァース(tp)
「ロマンチックじゃない?」ベニー・カーター(as)
チャーリー・パーカーの情感のこもったバラードがいい。
ベン・ウェブスターの深みのあるテナーサックスの音に魅力がある。
オスカー・ピーターソンはきれいだ。
レイ・ブラウンは大人しい感じ。
フリップ・フィリッピスには、静けさ。
チャーリー・シェイヴァースにはトランペットののびのある音。
ベニー・カーターにも、サックスの魅力。
このようなプレーヤーごとのバラードのメドレーも楽しめるものだ。
4曲目は「ファンキー・ブルース」。
こまかくは記さないが、とてもブルージーで、まさにジャズ。
聞き終えて思った。
そのうち、チャーリー・パーカーをゆっくり聞くのもいい。