「けふのみの春」

2009-03-26 | 【断想】ETC
 先日、東京に桜の開花宣言が出された。
 昨日、国会図書館の前を通ったら、そこのソメイヨシノがちらほら花をつけていた。
 今朝、そんな三月下旬、空に雪がちらついた。
 ここ数日、春のコートにしていたが、 冬に着ていて汚れたコートをまた着た。
 汚れたコートというのも、嫌いじゃない。
 今日のような日もあるが、季節はめぐる。
 そのうち、春爛漫、桜花、霞か雲かとなる。
 そして、いつしか、春が過ぎ去っていく。
 与謝蕪村の春の句をひとつ。
  けふのみの春をあるひて仕舞けり
 時の流れ、過ぎた時への慚愧、名残惜しさ・・・・。
 金曜日には、「このまま帰るのもさみしいな。誰かつきあってくれる奴いないかな」。
 老年には、「このまま、この世、終わりにしたくないな」。
 そんな思いも。

それぞれの枕

2009-03-26 | 【断想】ETC
 それぞれの枕、そこに男と女。
 帰り来ぬ昔を今と思ひ寝の夢の枕ににほふたちばな(式子内親王)
 枕だに知らねば言はじ見しままに君語るなよ春の夜の夢(和泉式部)
 誰ためのひくき枕ぞ春のくれ(与謝蕪村)