梅にモスグリーンの小鳥

2009-03-19 | 【樹木】梅
 それはまさに、「梅に鶯」の眺めだった。
 白加賀の枝にモスグリーン色をした小鳥がいて、枝から枝へ動いていた。
 めずらしいと写真を撮った。先月、府中の梅園に行ったときである。
 その小鳥は、鶯ではなく、目白(メジロ)だった。
 そもそも、梅の木に鶯がとまるということは、ほとんどないと言う。
 鶯は、蜘蛛などの昆虫を好み、藪、茂みに潜んで、姿を見せることはほとんどない。「声はすれども姿は見せず」である。とはいうものの、時折、見かける。去年は、多摩動物公園の遊歩道のある地点で何度か、木の枝に姿を見せて鳴いていた。ただその羽根は、緑がかってはおらず、茶系で枯葉のような色である。
 一方、メジロは、花の蜜を好みとする。よって、梅の木にもやってくるのである。その羽根は緑がかっている。
 要するに、「梅に鶯」というのは、人の頭がつくりだしたひとつのもっともらしい取り合わせということである。

あはれいくよの春を

2009-03-19 | 【断想】ETC
 こころの闇ははれることなく、もう幾十の春を過ごしてきてしまった。
 「兼好法師自撰歌集」より二首。
 春のよのくらぶの山のよぶこ鳥こころのやみをおもひこそやれ
 ちぎりをく花とならびのをかのへにあはれいくよの春をすぐさむ