天平「梅花の宴」

2009-01-08 | 【樹木】梅
 天平二年、正月立ちて十三日。
 ところは筑紫、大伴旅人の梅園。
 山上憶良、土氏百村らが集い、梅花の宴。歌が詠まれる。
 梅花の宴ではあるが、柳が詠いこまれた歌をあげてみよう。
 ちなみに、春の柳は、桜花ともよくとりあわせられる。
 梅の花咲きたる園の青柳はかづらにすべく成りにけらずや(粟田大夫)
 青柳梅との花を折りかざし飲みての後は散りぬともよし(沙弥満誓)
 梅の花咲きたる園の青柳をかづらにしつつ遊び暮らさな(土氏百村)
 打ち靡く春の柳とわが屋戸の梅の花とをいかにか分かむ(史氏大原)
 春柳かづらに折りし梅の花誰か浮かべし酒杯のへに(目村氏彼方)

初々しいフサアカシア

2009-01-08 | 【樹木】ETC
 いま、フサアカシアの葉が初々しい美しさを見せている。
 羽状複葉で、かすかに揺れているようだ。
 なにやら肩の細い少女の風情。
 気温の低さは、うすみどりの葉の成長をさまたげはしないようだ。
 この少女は寒気に強いのか。
 それでも、からだを冷やしてしまったりしないのか気になる。
 細い肩を引き寄せたくなる。
 枝先には、月がかわれば花となる蕾がいっぱいである。

花ぞ昔の香に

2009-01-08 | 【樹木】梅
 今年も、ふるさとのお正月の祝菓「福梅」を食べた。
 幼友達の家の庭に生えていた梅の木が思い出される。
 人のこころ、あれこれ思うが、わからぬこと多いな。
 わからぬようにしているのは、己れの因も大きいな。
 人はいさ心もしらずふるさとは 花ぞ昔の香ににほいける(貫之)