梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

景気の動向

2008年10月19日 07時10分15秒 | Weblog
世界的な金融危機により、日本の景気の先行きの悪化は避けられなくなっています。国内鉄鋼需要は今後どうなるのか、我々中間流通業界でも悲観的な見方が日増しに広がっています。

その上、鉄のスクラップ暴落が鉄鋼業を直撃しています。何故かと言いますと、わが社でも製品を加工した後にスクラップが発生しますが、その販売益が二ヶ月ほどの間で7割近くも減り、月間では数百万円の減収となります。

もう一つはそのスクラップを再生して鉄を作る電炉メーカーが、原料が安くなったので製品を値下げ仕出したのです。鉄鉱石を原料とする高炉メーカーの価格は高止まっていますが、今まで一本調子で値上がりしてきた鋼材が一部軟調に転じました。

わが社が扱っている厚板に限って言うと、国内高炉メーカーの供給は需要に追いつかず逼迫感は依然変わらないのですが、今後鉄鋼需要が落ち込むとさすがに割高感は拭い切れません。

しかし景気のせいで自社の業績の低下を言い訳にする気持ちは毛頭ありません。景気のせいにしていると、努力しない理由を作ってしまうからです。

今出来ること、自社で今だから出来ることに専念すべきだと思っています。日々のアクション、行動によって活路が見出せる、行動によって変わることを信じたいと思います。

考えてみれば二ヶ月前スクラップがそこまで暴騰したことも異常でした。異常から正常に戻る過程なのかもしれません。人間のはかなさですが、異常でもそれが続くと当たり前になってしまう落とし穴があります。

米国のサブプライムローン危機も、問題が大きいだけに正常に戻るまでには大きく極に振れる可能性があります。

異常になる前に、ここまで来る前にどうしてかと思いますが、これが人の生み出す景気なのかもしれません。
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1 コメント

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サブプラムローン (内田)
2008-10-19 20:22:15
ご無沙汰しています。
明らかに景気後退になっていますね。
今後2-3年は鋼材市況は厳しいかもしれませんね。
ですので在庫回転率を上げる努力が要りますね。(まずは不要な在庫を可能な限り減らす必要があります。)
この間、財務状況の芳しくない競合他社はいくつか行き詰る可能性も高いと思います。

一方で、新興国のインフラ整備などによる需要増、経済のグローバル化はサブプラムのような一過性の半紙ではなく、今後も進行して行くものと思われ、長期には鉄鋼石、石炭、石油は上昇し続けます。
ということは財務内容がしっかりしている会社にとってここ2年は絶好の投資タイミングです。金利も上がらないでしょうし、どの様に投資すべきか慎重に判断すべきですが、リーマンの欧州、アジアを買収した野村證券のように投資には自分の都合だけではないタイミングがあります。
そのタイミングまでにどういった案件が出てきた場合に実行するのか?その際の投資規模は?など今から考慮しておく必要があります。
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