銚子・角巳之・三代目

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農畜水産物の味

2008年04月21日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_3011 “幕が開くたびに場面が変わるドラマのように、農産品も日々変化します....”印旛・グリーブさんの入り口に掲げられている言葉....。米国の有名な生産者の方から贈られた言葉なのだとか。確かに、農産品の味は季節ごと、もっと言うと毎日違う....。水産物も畜産物もそう。日々変わるのに、評価のモノサシが一つしかない弊害。果物は糖度、魚や肉は脂の量や交雑(サシ)....。天然の水産物なんて獲って見なければわからない。同じ海域であっても水温やエサの捕食状況で身質は大幅に変わって参ります。でも均一にしろ。という声、相変わらず多い。自然相手だなんて一般論で逃げてるんじゃねえ。お客様が欲しているのは年間安定品質だ....。味も、価格も年間均一に....。脂の少ないマグロの赤味にサラダオイルまぶして、ネギ絡めて“ネギトロ”....。チョッと前にこんな話がありました。食品偽装、由々しき事態である。こんな風に業者の方は指弾されましたが、誤解を恐れずに言えば、食べる側にも少々問題があるかもしれません。評価のモノサシは自分自身で決めるもの。常温で固体が“脂”、液体が“油”、水温15℃くらいで固体の魚の脂が人間の体温(36℃前後)で溶ける感覚と、最初から液体の感覚は違う....。脂の溶ける温度・融点。畜産物も下は28℃くらいから上は40℃くらいまである。飼育環境やエサの違いで....。人間の体温で溶ける脂と、溶けない脂、舌触りが全然違う...。でも美味しさは脂だけでない...。みんなが美味いと言っているから美味いに違いない....。ちょっと前までサバはノルウェーに限るとおっしゃっていた方々が多いように思います。濃厚な脂が特徴で、確かに美味いなあ...と。ただ最近、ノルウェーはくどいのでやはり国産サバに限る....。色々な尺度があるものです。時代背景なんかもあるかと。農畜水産物の味が日ごとに変わるのは当たり前。最終的には食べ方の問題かと.....。むろん加工食品となれば味を均一にする努力をしなければなりませんが、素材の味は如何ともしがたい...。同じ素材でも季節ごと、生育環境ごとに味が違う、だから面白い...。人間も同じかと....。