風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「公園通りの情景」

2012-03-27 | 音楽


ぼくの大好きな喫茶店は 坂道の途中にあります
窓にもたれて想い出せば、何故か淋しくなるのです
  二人はいつでも笑いながら ここから駈けていきました
  あなたの長いスカートを 風にふくらませて

雨上がりの教会の道には 小さな水たまりがひとつ
それは哀しい僕の涙なの 暮れ急ぐ空を映してます
  今はもう昔のことだから 街は変わってしまったけれど
  寒い肩を抱きしめて 歩いた道なのに

  僕は今でも一人ぼっち 通り過ぎる人並みの中
  公園通り坂道に あなたはもういない




とんぼちゃんの歌として知られる(?)曲だけど
作詞・作曲&元々歌っていたのはは神崎みゆきさん。
「ゆうこのグライダー」を歌った人といえば
知っている人がもう少し増えるかもしれないってほど
当時から知る人ぞ知るシンガーだった。
男性なのに、肩まで伸ばした髪や「みゆき」という名、
そしてかわいいオーバーオール姿で女性に間違われていた。

この歌の舞台は渋谷とのこと。
モデルとなった喫茶店がつい最近まで営業していたらしい。
当時はフォーク好きやシンガー達が集まっていたという。
「今はもう昔のこと」だから
混雑した公園通りを2人並んで「駈けてい」くことも不可能だし
あちこちの店から流れる大音量の音楽やネオンがうるさくて
思い出に浸りながら歩くことも難しいけれど
この曲から5~9年も経った頃の学生時代歩いた渋谷は
まだちょっとオシャレで落ち着いた街だった気がする。

109はあったけど、リーズナブルな店が揃っていて
気張ってオシャレするために行くところではなかったと思う。
パルコはちょっとオトナの雰囲気があったし
スペイン坂やセンター街といった場所も
一般的にはまだそれほどメジャーじゃなかった。
今のように人混みをかき分けて歩くようなこともなく、
普通の若者達がぶらぶらウインドショッピングする街だった。

この歌は、哀愁漂うメロディーも感傷的な歌詞もいいけど、
古き良き都会のノスタルジーを感じさせてくれて
今も頭を離れることが無い。
コメント
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