あまり見かけることのない珍しい山谷の低木に「ハナイカダ」(花筏) という落葉低木がある。北海道南部以南の森林に自生すると云われる。モチノキ目ハナイカダ科ハナイカダ属の落葉性広葉樹の低木。
幹はよく叢生し、太くはならず 高さはせいぜい1~3 メートルの雌雄異株の低木。茎や葉は緑色で、楕円形の葉の上に花を咲かせ、それが果実になる。われわれが 単純に云う俳句などの季語”花筏”( 花いかだ) とは違う。
俳句の季語 ”花筏”は 主に桜の花(花びら)。桜の花や花びらが 川面や水面に散って、その花や花びらが 筏(いかだ) のように連なって流れたり、浮んでいる様。北は 弘前城の堀川や東京は千鳥ヶ淵の水面や関西は吉野川の川面を流れる桜の花筏などが有名。
花筏は、桜の花びらが散って川面を流れる様故”晩春”の季語。山の落葉低木 ハナイカダの葉の上の花も”晩春”に咲く。その花は 葉の筏をあやつる船頭のように見えて”花筏” ハナイカダと名付けられたという。時季が重なる。
よって、ハナイカダ(花筏) の 別名は「イカダソウ」。その他「ヨメノナミダ」や「ママッコ」や「イボナ」他多い。山菜にもなる若いハナイカダゆえ「ママッコナ」や「ムコナ」などとも別名される。面白い。
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