吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

国家百年の計の「教育」の現況。

2008年08月03日 | Weblog
 教育の退廃というか貧困は、何も大分県教育界のスキャンダル露呈から指摘するものではない。現在教育対象の子供を抱かえる親世代の子育て観や教育観および生活や生き方についての価値基準が、子供教育についての考え方や学校教育へ期待することなどに影響している。親・家庭と学校の子供教育への分担や協力などについても同様だ。

 すでに人口減少社会に入った日本。ますます高まる少子高齢化が、国全体の教育予算にも影響している。ここ10年、文部科学省の学校教育予算は26兆円と文字通りの横這いだ。一般家庭の教育費も家計調査(総務省)で見る限り月平均1.4万円が1.3万円と微減している程度だ。もっとも、このデータは教育対象の子供がいる世帯もいない世帯も合わせての平均。少子化の度合いを考えると、対象の子供を抱かえる家庭の教育費は、アップしている。

 家計消費支出の5~6%(対象のいる世帯平均)を占める教育費にもかかわらず、ここ5年ぐらいの生活インフラ費のアップは厳しい。光熱水道費が月平均2.1→1.9万円に、保健医療費が1.1→1.3万円に、交通通信費が3.6→3.9万円にアップしている。日常の生活費の抑制は食料費7.4→6.9万円に、住居費2.1→1.9万円に、衣服費1.6→1.3万円にと、衣食住を切り詰めているのだ。教育費も例外でないところが、悲しい。

 少子化の速度は、ここ10年の600万人減(10~24歳人口)から今後の10年300万人減と、緩やかにはなるが依然少子化傾向はつづく。高齢化の速度がこれを越えているが故の人口減少なのだ。子供が宝の度合いが高まっているということである。大学進学率は、男子50%、女子40%だが、短大や高専が男子40%、女子50%なので、男子も女子も90%が高等教育を受ける時代になっているのだ。加えて、大学院進学者は、年10万人になっている。

 文盲などという言葉が不要な時代社会になったこの時期に来て、教育再生や大学の法人化や教育界モラールなどが問題になっている。政治や文部科学省の問題を超える大きな社会的、国づくりの問題として取り組むべき必要を感じる。
 
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始末のつけ方。

2008年08月02日 | Weblog
 始末算用才覚という商人の言葉がある。あきないをする最低限の心得を言ったものだ。いろいろお客様や世の中の求めるものを観察、調査し、何をどのように品揃えし、どのようにご案内することが売り上げにつながるかを考え、計画を立て、販売や収益の目標を立てて”あきない”をすることが大切ということだが、一定期間を経たら始末することが大事だということだ。この始末は、試算表や決算や会計監査とともに、この間やってきた行為をレビューすることも含まれている。

 世の中のおかぁさん方は、よく「始末しなさい」と子供を叱ったものでした。何をどうしてもいいが、後片付けや後始末の大切さを教えたものだ。好き勝手やらせて、始末することを教えないことが悪いことだと自覚していたからだ。権利を主張する前に責任を果たすことが大事なのだと教えた。

 ふつうの人々や世の中に比べ、最近の世の中の指導者層の始末のつけ方はどうだろう。厚労省や社会保険庁のスキャンダルの後始末など、みんな揃ってフタするの姿だ。大分の教育委員会の姿などが、子供たちに与えた影響の始末もつきそうにない。この度の桐生第一高等学校野球部員の猥褻スキャンダルなど、始末できない大人を晒した。

 ベンチに入っていようがいまいが、離れた場所での行為だろうが、れっきとした野球部員がしでかした不祥事だ。校長先生が先行して”甲子園に行かせたい”は、ないだろう。高野連や世の中が”いうこと”を、指導責任の長たる校長が何の責任とりも表明せず”一人の不心得者で”という話はないだろう。一人のその子供や学校の生徒たちに対しても、そして被害を受けた女性徒に対しても、何の始末にもなっていない。

 野球部長を更迭しましたで始末できたとする前に、世の中や高野連の”なんとか出してやれ”を受けて、校長自身が辞職する姿をみせることが始末や教育というものではないか。自身の教育や管理が至らなかったということで、”自分の辞職"をつけて高野連や世の中に”子供たちへの対処”を委ねるのが始末の取り方だろう。教育者や公務員が、かように誇りや責務感を失くしてしまったことが悲しい。

 甲子園に出られた子供たちの暑く汗する活躍を期待することにしよう。
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