吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

西濃運輸HG組合健保の解散が、伝播しないことを祈るが。

2008年08月21日 | Weblog
 5万人強の組合員を擁する大手企業健康保険組合が解散したという(朝日新聞、8月21日朝刊)。当組合健保加入者は、国が運営する政府管掌保険(社会保険庁)へ移行する。

 組合健康保険に加入している現役従業員たちの不安は大変なものだと思うが、このような事態の背因に多くの国民が抱く不安が増幅することを心配する。このたびの後期高齢者医療制度に伴う支援負担増がキッカケでもなさそうだ。前期高齢者納付金や退職者医療制度への支出負担が加重になったようだ。

 後期高齢者を線引きして切り離したとはいえ、退職者を含む高齢者関連負担は想定以上に多額の負担支出になるという。この負担増を保健料月収の8.1%ではまかなえない。10%程度に引き上げなければならないという。企業の収益も上がらない、雇用されている労働者の賃金も上がらないなかで、徴収する保険料率を上げることもできない。3すくみなのだ。

 全国の組合健保(約3000万人)の平均報酬月額37万円に対し、約3600万人が入っている政府管掌健保加入者の平均報酬月額は28万円だ。組合に対する国庫負担金は組合保健への負担金の25倍も多い政管健保への移行が増える様相に対し、国はどのように対処するのか。国の健康保険制度をどのように考えるのか。

 後期高齢者医療費の半分は、国が負担。前期高齢者医療費の大半は現役加入者の保健料で賄っている。組合保健が立ち行かない展望は、加速する高齢社会化が示している。高齢者3000万人時代。働いていない年金以外の収入のない高齢者が、本人たちの医療費や介護費を賄えないことは自明。現役世代が負担することになるのは当然なのだが、それを組合保健にのみオンブできる姿はすでにない。

 国の負担は、当然国庫や税金。ムダ削減は当然だが、現行の歳入でカバーできなさそうだという情況は多くの国民が知るところだ。消費税でいくのか、福祉税のようなカタチでいくのか、広く世論に問う作業を政府が率先してほしい。
コメント
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