吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

食品(用)と工業(用)の区分をなくす技術革新にご用心

2008年09月27日 | Weblog
 進歩や革新は、ヒトをして経験知から遠ざける。日々、安全や安心の定義が変わる。昨日までの安心は、今日安心でなくなる。

 人体への有害物質メラミンが使われた中国22社の粉ミルクを飲んでいた乳幼児は、中国全土に広がる。5万人とも10万人とも言われる被災患者には、すでに亡くなった乳幼児は含まれていない。現在、メラミン混入粉ミルクで腎臓結石などの重症患者になっている乳幼児の数なのだ。

 メタミドポス(農薬)餃子、メタミドポス混入事故米につづいて発表されたメラミン混入牛乳や乳製品の問題だ。中国の乳業メーカーが生産したメラミン使用の牛乳や乳製品は、多くの加工食品の原料にもなっている。中国国内の食品工場における原料としての使用はもとより、中国の食品メーカーとの(直)取引を通じて、中国の食品や乳製品を輸入使用しているアジアその他の国からの輸入を通じて日本に入ってきている可能性もあるのだ。

 26日、厚生労働省が輸入品検査指示をだした東南アジアを中心とする12カ国の工場や加工食品に中国メラミンが混入している可能性も否定できないのだ。グラタン、スープ、クッキーなど牛乳や乳製品が含まれていそうな加工食品に留まらず、すべての輸入(加工)食品に検疫の網をかぶせることが必要だ。

 メタミドポス混入の事故米とメラミン混入の牛乳、乳製品、粉ミルクの共通項は”工業用”だ。ほとんど用途市場がないノリ原料輸入販売の事故米は”工業用”、粉ミルクなどに発覚したメラミンは、”工業用”樹脂有機化合物で人体に有毒な物質。工業用を”食品用”に人為的に偽装したところに問題のオリジンがある。

 工業技術や(食品)加工技術など年々進歩発展する現代の技術革新に人類のおごりがあるならば、そのおごりこそがこのような災害や被害を生む核心原因だと反省しなければならない。いま、工業用と食品用の業際はないのだ。
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