吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

アラサー/アラフォーの裏側

2008年09月22日 | Weblog
 ただいま、働く女性、キャリアOLは、アラサー(30歳前後)やアラフォー(40歳前後)と囃し立てられ、トレンドやファッションのターゲットだ。テレビや女性ファッション誌などを飾る女性の代表で、ゆたかなポケットを持つブランドのターゲットでもある。彼女たちと同じ世代が、いわゆるロストジェネレーションだとは誰も思わない。格差や影を色濃く映す世代でもある。

 一年ほど前の朝日新聞の連載「ロストジェネレーション」は、文字通りこの世代なのだ。最もゆたかな時代に、団塊の世代やニューファミリー世代を親にして生まれたこの世代は団塊ジュニアとも呼ばれる。バブル崩壊後の景気失速期に少年少女期を過ごし、好況の反動としての景気経済後退期の暮らしを長く経験した。大学を出ても就職できない就職氷河期でもあった。

 終身雇用体系が崩れ、パート、フリーターおよびハケン(派遣社員)がこの世代の就職先だった。パソコンやデジタル機器とインターネットが普及し、それまでの仕事や生活や価値基準との違いの狭間に社会に出た。競争や勝ち組負け組などという言葉とともにニートや正規・非正規などという言葉も生まれた。格差社会への先導役世代がこの世代なのだ。

 昨日の福岡の男子殺人の犯人が”母親”だったと聞いて”あぁ、またか”と思ったヒトも多いだろう。この2~3年のアラサー、アラフォー母親の”わが子”殺人は、年4~5件と多い。不公平と格差は、所得や暮らしのそれに留まらず、この世代のヒトたちのココロ(心)に表れた。福岡の母親と子供、ともに心身に障害があったらしい。よくよくのコトに世の中の責任もあるのだ。毎年、起こるこの種の事件の裏側をもっともっと深く読み、ケアすることが大事だ。生活保護制度だけではカバーできない環境負け組が多く見られるこの世代に社会の注視を求める。

 格差(社会)などと抽象的に言っていられる時期ではないのだ。不公平や格差の環境的遺伝を遮断する具体策を打ち出さなければいけないと思う。心身を病んでいるこの子育て世代に丁寧に配慮する施策を希望する。
コメント
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