吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

「お魚」奪い合う世界の胃袋

2006年10月09日 | Weblog
 2006年10月8日、朝日新聞の一面トップ記事から頂いたタイトルだ。世界的に普及・消費拡大している魚肉需要が、このところのBSEや鳥インフルエンザによる畜肉不安により、爆発的に増大しているという。”米”を主食とする日本(人)の「おかず」の中心は、魚介類。農耕文化やお米を中心とする食事と言われる日本人のおかずは、お刺身、焼き魚、煮魚やさつま揚げのような練り製品など、水産魚類が主体だ。
 海外からの旅行や入国者の日本食体験の増加や寿司や天ぷらなどの日本食の欧米諸国への紹介や進出を、”健康や低カロリー”という特長で進めてきた日本が、自分たちの食事やおかずを脅かされて困っている。アメリカはじめヨーロッパ諸国の魚肉消費需要の拡大および、発展著しい中国やアジア各国の魚介消費の伸びの影響で、海外からの魚介類の輸入が難しくなり、日本の魚介類や魚肉製品の価格が上昇している。アメリカや中国の海面魚介類の”買い付け”の増加で、日本のスーパーマーケットや水産各社が「価格」負けし、輸入が難しくなっているのだ。
 昨日(06年10月8日)の朝日新聞に掲載された米国と中国の水産物の輸出先(構成比)をみると、米国からの「日本」のシェアは、94年の65%が04年24%に、中国からのそれは、53%が31%に激減。米国からはカナダ、韓国、中国、その他に、中国からは韓国、米国、ドイツやその他への輸出シェアが激増している。
 日本のサケといえば、そのほとんどが(米)アラスカ・サーモンの紅ザケだった時代はすでに”昔”になり、いまは米国(アラスカ)やカナダからの鮭が買えないばかりか、チリやノルウェーの養殖サーモンさえ、価格が上がって困っている。北米からが多かったギンダラや、練り製品の原料になるスケトウダラの”すり身”の価格上昇で、このところの日本市場の魚や水産物の価格が上昇している。
 日本の輸出額の稼ぎ頭は、自動車および半導体やデジタル機器だが、輸入(額)の筆頭は何と言ってもエネルギー資源の主力”原油”だ。二番手に、木材や半導体製品、自動車などが入っていたが、このところの農産物や水産物の外国依存傾向(輸入増加)をみるに、日本人の胃袋の満たし方にも”知恵や工夫”が求められるという時代になったのかも知れない。日本食の紹介や”ヘルシーな食事を”などと言って一生懸命、刺身や魚の食べ方を海外に紹介してきた日本だが、文化交流も”よくよく”そのあとの何十年の姿まで考えて進めることが大事なのだと教えてくれる記事(10/8朝日新聞)でした。
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