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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

治せない病気

2014-10-15 | その他外科
今日は、
7歳繁殖雌馬の臼歯の間隙と歯周病の治療。
一般的な歯科処置で改善されないと全身麻酔しての処置が必要になる。
前回も全身麻酔して処置したのだが、「まだ噛み出しする」ということで2回目の処置。
ただ、体重は前回から5%以上増えていた。
            -
その後、
当歳馬の腰痿のX線撮影。
今年は当歳馬の腰痿が多いかもしれない。
以前は治す方法がないものかとモヤモヤしたものがあったが、
サラブレッド競走馬ではどうやら適応は難しい
というUSA馬獣医師達の意見を聞いて私的にはなんかすっきりした。
            -
午後は、
2歳競走馬の腕節のchip fractureの関節鏡手術。
            -
そのあと、
副鼻腔蓄膿が治らず、そのうちに疝痛から腹膜炎で死んでしまった1歳馬の頭部の剖検をする。
おそらく歯からの感染による副鼻腔炎で、骨増勢と肉芽形成とそれらによる副鼻腔の変形と狭小化がひどく、
とても治るようなものでないことがよくわかった。
残念なことだが、まだわれわれには治せない馬の病気は数多い。
           //////////

オラ、次の日も、沼の見物をしてから

また、山に登ってきた
向こうから、後方羊蹄山、ニセコアンヌプリ、チセヌプリ。
登ったのはシャクナゲ岳。
岩場では何度か動けなくなったゾ


オラは色弱だし食べれないから、紅葉には興味ね~ナ
                             


6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (piebald)
2014-10-15 20:00:30
色弱でも、ちゃんと、枯草色の毛をしてますね。カメレオンみたいです。

治せない病気。
どうか、治したいと思う人が増えますように。
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おんまさんも歯が命 (はとぽっけ)
2014-10-15 23:55:08
 となると、予防や早い段階での治療が大事なのでしょか?
 歯の健康はあなどれないですね。初回は生後すぐでしょうけれど、その後はどれくらいで健診するのがいいのでしょう。
 アメリカだと、歯科は専門医が担当するそうですが、副鼻腔に及んだ場合はやはり獣医さんでしょか。
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>piebaldさん (hig)
2014-10-16 04:25:28
こりゃ治せないな。とわかることも被害を減らすことにつながるのですよね。
いつか治せるようになるとしたら、画期的な方法が開発されるか、あるいは地道な方法が普及したとき、かな?
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>はとぽっけさん (hig)
2014-10-16 04:31:22
海外で認められている「馬歯科医」のほとんどは専門医どころか獣医師ですらありません。ですから馬歯科「医」と呼ぶのは問題があると思っています。
歯の健診をしても今回のような症例の異常を早期に見つけたり処置するのは無理です。できるとしたら、片っ端からCTを撮ることです。どなたか無料で使えるCTを寄付してくれないでしょうか?;笑
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Unknown (はとぽっけ)
2014-10-16 07:03:40
 無料のCTあったらほしいのですか。
 飼い主さんはもっとそう思ってるでしょか。
 歯が不調だと、お世話している人はわかるのかも、と思いました。副鼻腔の炎症も無症状で悪化の一途ではないでしょうし。
 このように難治で治療に抵抗性の副鼻腔炎は多いのですか?少ないのであれば、何が原因でそうなったのかなぁ、と気になるところですが。逆に多いのであれば、それもまた検討を要するのではないかなぁ、と思います。
 無料CTだけで解決するでしょか。
 ニセコの木々は、下の方はすでに歯を落としてますね。美しい秋はほんとに短く、冬も近いのでしょう。間に合ってよかったですね!
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>はとぽっけさん (hig)
2014-10-16 18:35:35
今回の症例はX線撮影もしていたのですが、骨増勢が特異的で、術前には3次元構造を把握できませんでした。予後が厳しいことは獣医陣はわかっていたのですが、説明する根拠がありませんでした。3次元構造を術前に把握できるとしたらCTかMRIでしょう。
 
北海道の秋は本当に短いです。もう山や峠は雪が降ったようですから。
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